大分県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

大分県公立高校入試は2月上旬に検査が行われる「推薦入学者選抜」および、3月上旬に検査が行われる「第一次入学者選抜」のそれぞれで合格者が選出されます。

● 推薦入学者選抜
推薦入学者選抜には「推薦入試A」「推薦入試B」の2方式があります。それぞれの違いを下表にまとめました。

※ 推薦入試A／Bで合格が内定した場合は、第一次入学者選抜に出願できません。

● 第一次入学者選抜
すべての高校・学科（コース）で実施します。募集人員は、募集定員から推薦入学者選抜（A／B）による合格者数を減じた数となります。出願は1人1高校・1学科に限られますが、2つ以上学科を持つこうこうにおいては第2志望も認められています。

受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。試験時間は1教科50分、各60点満点（合計300点満点）です。面接を実施する高校もあります（2021年度入試では9校が実施）。

選抜は学力検査の結果および調査書記載の成績、面接などを実施した場合はその結果も資料として行われます。「調査書：学力検査結果」の比率は学校ごとに定められますが、多くの高校は「3：7」としています。一部高校は「4：6」「5：5」となっています。

2.内申点の扱い

調査書の記載対象となる成績は、中1から中3までの9教科すべてです。各教科5段階評定で記入されますが、中1・2と中3では以下のように計算式が異なります。

• 中1 （主要5教科×5段階評定）＋（実技4教科×5段階評定×2倍）＝65点満点
• 中2 （主要5教科×5段階評定）＋（実技4教科×5段階評定×2倍）＝65点満点
• 中3 （主要5教科×5段階評定×2倍）＋（実技4教科×5段階評定×4倍）＝130点満点

3.受験科目の特徴

【大分県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング」「長文読解3題」「英作文」といった構成です。配点はリスニング11点、英作文14点、長文読解（3題合計）35点となっています。長文対策を重点的に、英作文とリスニングを鍛えておくことが重要です。

長文読解はやや難化傾向にあります。語数は240～450語と標準的ですが、内容一致問題や本文からの抜き出し問題など、内容理解ができていないと解けない問題が増えています。さまざまな文章に触れ、単語力や読解力を鍛えておきましょう。

英作文はテーマにもとづいて指定語数で書くといった形式が定番です。動詞を中心に習った文法を正しく使いこなす練習と、語いの強化が欠かせません。簡単な文章から書いてみる、そして英語の先生に添削してもらうというのが最も効率的な対策です。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「資料の活用」「関数」「図形」といった分野から出題されています。第1問の小問集合が20点分と最も配点が大きく、基本計算と作図が出されるのが例年の傾向。速く正確な計算力と、基本的な作図の方法をマスターしましょう。

全体の約7割が中1・2の内容から出題されます。一時間数や平面・空間図形などは頻出なので、基本から応用レベルまで確実に解けるようにしておきましょう。また規則性は難しい問題が出される年もあります。変化を丁寧に追って考える癖をつけておくと有利です。

「図形」は記述式の証明問題が出題されます。合同条件・相似条件は正確におさえ、条件に応じて適切に使い分けられるよう練習しておきましょう。証明問題が解けるようになるコツは、条件を図に書き込んで考えることです。数多くの問題を解き、慣れることも大切です。

国語は大問5題構成で、「漢字・国語知識・文法」「会話に関する問題」「説明的文章」「小説」「古文」といった内容が出題されています。読解問題に十分に時間を割けるよう、自分なりのベストな時間配分を見つけておくと良いでしょう。

大分県の国語は近年難化と易化を繰り返しています。記述式の問題も増加傾向にあるので、大分県の過去問に加え、記述式の問題が多い他県の過去問にも取り組むと良い対策になります。合わせて語彙力も強化しておくと安心です。

作文は120字程度で書くことが求められます。条件に従って、言いたいことを論理的にまとめる練習をしておいてください。理由を尋ねられたら、文末は「～だから」にするなど、細かい点まで採点者は見ています。書いたものは添削してもらうようにしましょう。

理科は大問5題構成で、「小問集合」のほか、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されています。分野の偏りなく出題されていますから、苦手分野があると大問まるまる失点につながりかねません。中1の範囲から早めに復習に手をつけましょう。

また他県に比較して計算問題が多く出題されています。「x」など文字を使った計算をさせるパターンは抽象度が高まるため、難易度が高くなります。何を「x」としたのか、何を求めたいのかを考えながら計算する姿勢を、日頃から身につけておきましょう。

化学分野からは「水溶液、気体」、地学分野からは「太陽の日周運動、季節の変化」「太陽系」といった単元がくり返し出題されています。とくに透明半球を使った太陽の動きの観察は、自分を球内に投影して考えられるように練習しておきましょう。

社会は大問5題構成で、地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題されています。1つの分野を中心とする問題の中に、別分野の内容が組み込まれる問題形式が特徴で、総合問題と言える形式です。全分野を通じて、教科書の基本をしっかり押さえておきましょう。

資料を読み取る問題や記述式の問題も増えています。学習指導要領の改訂に対応した新傾向の問題で、全国的に増えている形式です。大分県の過去問に加え、他県の問題も参考になるでしょう。記述問題は指定された条件に沿って書き切る練習もしておいてください。

歴史分野は並べ替え問題に注意しましょう。単なる暗記では解けないので、出来事一つひとつの背景や目的、結果などを流れで押さえることが大切です。また人名や重要語句は、漢字でも正しく書けるようにしておくと記述問題対策にもなります。

【大分県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

大分東明高校は普通科約270名、商業科90名、衛生看護科（女子のみ）40名、看護教養科40名を募集します。学科内はさらに細分化されたコース毎に定員が決まっていますので、詳しくは募集要項でご確認ください。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は1教科50分、各60点満点（合計300点満点）です。

一般入試の平均点は180点前後で推移しています。問題は基本レベルのものと応用レベルのものとに二極化しており、標準レベルの問題はほぼ見られません。基本的なものを取りこぼさず、応用レべルにチャレンジしていくことで合格点が見えてきます。過去問演習に積極的に取り組み、大分東明高校の問題形式に慣れていきましょう。

大分高校は普通科320名、商業科80名、自動車工業科40名を募集します。一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は1教科50分、各60点満点（合計300点満点）です。
また特進個性芸術系および普通科（アニメコース）の志願者には実技試験と面接（保護者同伴）が実施されます。

学力試験は、基本レベルの問題が7割、やや難し目の問題が2割、難問1割といった構成です。合格点を取るためには、基本問題とやや難し目の問題でしっかり得点することが大切。どの問題にどれくらいの時間をかけて取り組むべきか、見極めを意識しましょう。

4.推薦入試について

大分県公立高校入試は2月に「推薦入学者選抜」が実施されます。詳しくは記事はじめにある「①公立高校入試制度・日程」をご覧ください。

私立高校の推薦入試は1月中旬に集中しています。また推薦入試でも公立高校との併願（入学金の延納措置等）を認めているところもありますので、詳しくは高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

大分県公立高校入試は、すべての高校で「推薦入学者選抜」と「第一次入学者選抜」の2回受験チャンスがあることが特徴です。推薦入学者選抜で合格すると第一次入学者選抜へは出願できなくなりますので、もし推薦入学者選抜を受験するばあいは第一志望校へ出願することが必須です。また中学校長の推薦が必要なこと、日頃の勉強に加えて面接練習や小論文対策が必要になることを踏まえ、希望する場合は担任の先生に相談してみてください。

第一次入学者選抜はほぼすべての受検生が受けることになります。「思考力」を重視する学習指導要領の改訂を踏まえ、問題形式も徐々に変わってきています。記述式の問題や作文もありますが、面倒がらずに「書いてみる」ことが大切。基本を早めに完成させ、読解や演習といった対策に時間をかけられるように計画して取り組みましょう。

6.偏差値ランキング