愛知県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

愛知県の公立高校入試は、公立高校でも2校受検が可能です。市町村ごとにグループが定められており、グループによって学区の制約や試験日程が変わります。

● 学区制度
出願する際は学区制度に注意してください。愛知県公立高校は「尾張第1群」「尾張第2群」「三河群」の3つのグループに分けられています。生徒は居住地する区域の高校に出願できます。
各群の高校はさらにA・Bの2つに分けられ、Aから1校／Bから1校の合計2校の受験が可能です。
※「群」をまたいでの受験は不可
※ 専門学科、総合学科は学区がありません。県内のどの高校でも出願できます。

《尾張学区に分類される市町村》
名古屋市／一宮市／瀬戸市／半田市／春日井市／津島市／犬山市／常滑市／江南市／小牧市／稲沢市／東海市／大府市／知多市／尾張旭市／岩倉市／豊明市／日進市／愛西市／清須市／北名古屋市／弥富市／あま市／長久手市／愛知郡／西春日井郡／丹羽郡／海部郡／知多郡

《三河学区に分類される市町村》
豊橋市／岡崎市／豊川市／碧南市／刈谷市／豊田市／安城市／西尾市／蒲郡市／新城市／知立市／高浜市／田原市／みよし市／額田郡／北設楽郡

《高校別群・グループ分け一覧》

※ 下線が引かれた高校は「1・2群共通校」と呼ばれます。1・2群共通校である高校の普通科に出願する場合、あらかじめ1群から1校・2群から1校を選び、どちらを第一志望／第二志望にするかを決める必要があります。共通校とはこの際に第1群の学校としても第2群の学校としても選出できる学校のことです。

※ 普通科と専門科を組み合わせて出願することもできます。

※学区の境界に近い地域に居住する場合、学区をまたがった受験校の選択が可能な場合があります。詳しくは教育委員会公表の資料をご覧ください。

【入試科目】

推薦選抜を含む受験者全員に英語・数学・国語・理科・社会の学力検査が課されます。また面接も実施されます。
デザイン科、スポーツ科学科、音楽科、美術科志願者には実技等の特別検査も課されます。

【選考方法】

合格者の選抜は学力検査の結果、調査書の内申点、面接の結果、その他検査を実施した場合はその結果も合わせて総合的に判断されます。
選抜に当たって、「調査書：学力検査結果の比率」は「実力検査重視型」「均等型」「調査重視型」の3種類から高校側が選択しますが、6割以上の高校が「学力検査重視」の方針を採っています。

2.内申点の扱い

内申点は中3次の成績のみが記載されます。
一般選抜では9教科が5段階で評価され、さらに2倍した90点満点で選抜の資料にされます。
（専門学科によっては、専門科に該当する実技教科の評定を1.5倍する傾斜配点を行う場合もあります。）
推薦選抜では推薦書に中2の成績が記入され、参考資料として扱われます。

3.受験科目の特徴

【愛知県公立高校入試の傾向と対策】

※ 大問数や問題構成はAグループ試験問題・Bグループ試験問題とも共通です。
※ AグループとBグループでは出題される問題内容が異なります。

英語は大問4題構成で、「リスニング」「語い・文法」「英作文」「長文読解」となっています。全体的に単語や熟語の知識、動詞の活用といった基本事項が多く出題されています。
教科書を中心に、習ったことを確実に定着させておくことが大切です。

2題ある「長文読解」は300～450語前後のボリュームです。基本的な文法や構文を理解していれば読み解ける難易度ですが、問題数が多いので他の問題も含めて時間配分が肝になってくるでしょう。過去問を活用し、形式に慣れておくことも大切です。

英作文は与えられたテーマに沿って英文を完成させる形式や、整序英作文、自由英作文等が出題されています。例年、最も受験生を悩ませる問題なので、日頃からさまざまな表現を使いこなせるよう練習しておきましょう。

数学は大問3題構成で、「小問集合」「数と式・資料の活用・関数」「図形」といった内容です。このうち最も配点が高いのが第1問の「小問集合」です。標準的なレベルの良問で失点しないよう、基本的な計算力や重要事項の復習は丁寧に行っておきましょう。

また「図形」分野の難易度が高いことが特徴です。相似・三平方の定理を使って解く問題が出されることもあります。中学の最終段階で習う内容なだけに、演習不足になりやすい単元でもあります。過去問に取り組む時間を意識的に確保しましょう。

また図形の証明問題の代わりに、整数に関する説明問題が出される傾向もあります。内容の抽象度が高い「整数」は苦手な受験生も多い分野。さまざまなタイプの問題に触れ、苦手意識を克服しておくことが大切です。

国語は大問4題構成で、「随筆」「漢字・国語知識」「説明的文章」「古典」等が出題されています。問題のレベルは全体的に標準的、傾向も近年大きな変化はないため、過去問演習をくり返し解法のコツをつかんでおきましょう。

読解は本文のボリュームが多く、約2000字の長さになる年もあります。内容を速く正確におさえることが得点のコツ。接続詞に注意し、段落の主旨を素早く把握する読み方を身につけましょう。

また80～90字で答えさせる記述形式の問題もあるので、対策が必要です。本文中の言葉や表現を上手に使い、求められている答えを端的に表現しきる力が必要になります。自分が書いたものを国語の先生にチェックしてもらうと、よい勉強になりますよ。

理科は大問6題構成で、「小問集合」のほか物理・化学・生物・地学の各分野からまんべんなく出題されます。問題の難易度は標準的ですが、一部複数の知識や現象の理解が必要とされる問題も出されています。分野ごとの深い理解が大切です。

基本事項の暗記だけではなく、実験や観察の目的・手順・結果の考察まで全体を通した理解をしておくこと。暗記で対応できるような1つの知識を問う問題ではなく、複数の知識や現象の理解を踏まえて正しい組み合わせを選ぶ問題も出されているからです。

「中和とイオン」「電池」「地層」「岩石」等の分野から良く出されています。2021年度入試は受験生の学習範囲に配慮された出題内容だったため、過去問演習に取組む際には、2021年度以前の問題に積極的に取り組んでいってください。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野から2題ずつ出題されています。複数の完答問題が出題される点が特徴です。分野の基本を押さえた広い知識に加え、問題に合わせて情報を適切に処理する能力が必要と言えるでしょう。

「資料の読み取り」問題が多いのが特徴で、一度に複数の資料の読み取りが必要になります。中には見慣れないタイプの資料もありますが、落ち着いて丁寧に読み解けば解答を導けます。読み取り問題にたくさん取り組み、慣れていきましょう。

また生徒と先生の会話文が示され、与えられた資料を参考にして2人の会話文を完成させるといった、新しい形式の問題も出ています。教育改革の影響を受け、今後も出題内容が変わることも考えられます。目新しい形式にも慌てず、落ち着いて取り組むようにしましょう。

【愛知県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

愛知県内の高校でも随一の人気を誇る難関中高一貫校です。一般入試の募集人員は110名（内部進学含まず）。学力試験は英語・数学・国語・理科・社会の5教科、試験時間は英数国が60分（各100点満点）、理社は40分（50点満点）となっています。

「リスニング」「発音・アクセント」「語句整序」「語句補充」「正誤問題」「条件つき英作文」「長文読解」といったオーソドックスな出題となっています。全体的な難易度は標準的ですが、一部の長文や文法問題に難しめの問題も含まれます。教科書で習った以上の語彙た文法の力を積極的に習得しておくことが大切です。

「小問集合」のほか、「関数」「確率」「図形」等から出題されています。レベルはやや難、応用レベルの問題を何度も繰り返しておくことが大切でしょう。他県の私立高校の問題も参考になります。

「説明的文章」「小説」の2題構成です。難解な文章はあまり出されませんが、段落ごとの主旨や文脈、筆者の主張などを丁寧にかつ素早く把握することが重要です。問題集でさまざまなテーマの文章に触れておきましょう。

暗記だけでは対応できない、計算や考察を伴う問題が多いのが特徴です。やや難し目の問題も多く出されますので、応用問題にも積極的に取り組んでいきましょう。基本的な計算や化学式、イオン・核問題は丁寧に対策を。実験の目的や狙いも押さえて理解しましょう。

地理・歴史・公民の全分野から出題されますが、歴史と公民からの出題がやや多めです。広い範囲を網羅した学習と、細かい点や流れも押さえた対策が大切。時間配分に注意して演習しましょう。資料集や時事ニュース等で幅広いトピックに触れておくのも良い勉強に鳴ります。

生徒数は愛知県一。名城大学の附属高校で、多様な学科・コース編成が人気です。学力試験は英語・数学・国語・理科・社会ですべてマークシート方式。試験時間は英数国は各40分、理社は各30分となっています。

「発音・アクセント」「語句補充」「語句整序」「会話文」「長文読解」といった構成です。全体的に標準レべルですが、読み応えのある文章が出される年もあります。標準～応用レベルの問題集を利用し、さまざまなテーマの文章に慣れておきましょう。

「小問集合」「図形」「関数」「確率」といった構成が多く出題されています。問題数のわりに時間がかかるものが多いため、時間内に合格点をとれるよう、解くべき問題の見極めが大切になります。

大問2題構成で、「読解」「漢字・国語知識」「文法」「古文」といった構成です。難易度は標準的ですが、本文を丁寧に読み解く姿勢が大切。漢字や文法は素早く処理し、読解に解答時間を確保できるように注意しましょう

物理・化学・生物・地学の各分野からまんべんなく出題されています。知識問題だけではなく、実験の考察や計算もよく出ています。また理科に関する時事問題が出題される年もあります。幅広くアンテナを張り、多様な情報を入手しておきましょう。

地理・歴史・公民の各分野から幅広く出題されます。資料の読み取り問題も多いので、苦手な受験生は何度も解き、克服しておきましょう。世界史に関する問題が出される点も特徴です。資料集などを活用し、広い視点から歴史をとらえる学習が有効です。

4.推薦入試について

公立高校の推薦選抜は、志願先の高校・学科の一般選抜に第1志望として出願し、中学校長の推薦を得ることが出願条件となります。 推薦選抜に出願した人も、一般選抜において第2志望へ出願できます。また志願変更は第2志望に限り可能です。

● 募集定員
普通科：募集人員の10～15％程度
専門学科・総合学科：30～45％程度

● 選考方法
内申書や推薦書などの書類に記載された内容、面接、特別検査を実施した場合はその結果果など総合的に評価します。選抜の基準は各高校・学科ごとに定められています。
推薦選抜では学力検査の成績は合否判定に使用しませんが、推薦入試で不合格となり一般選抜の対象となった場合は、学力検査の結果も使用されます。
また面接は一般選抜とは別に行われます。

私立高校の推薦入試は1月下旬に行われますが、ほとんどの高校の試験日が重なります。また私立高校の一般入試は人気にともない難化傾向にあります。私立高校が第一志望の場合は、推薦入試で受験することをおすすめします。

5.公立高校入試の注意点

愛知県の公立高校は「2校に出願できる」ことが最大の特徴です。受験生は自分が所属する学区を選び（尾張学区は群も選択）、Aグループ・Bグループから各1校ずつ、出願校を選択します。さらに選出した2校のどちらを第一志望にするかも決めなければいけません。志望校選びの手順が複雑なため、よく注意して選びましょう。

また愛知県公立高校入試は2023年度に大きな改革が予定されています。予定されている主な変更点は以下の通りです。

• 一般選抜の学力検査回数：2回⇒1回へ減少（1回の受検で出願2校分の審査）
• 一般選抜の学力検査方法：記述式⇒マークシート方式
• 推薦選抜の学力検査：実施あり⇒実施なし
• 推薦入試の入試日程：一般選抜と同日程⇒一般選抜と別日程
• 一般選抜の面接：志願者全員⇒高校ごとに実施を判断
• 特色選抜の導入

今後も変更点が追加される可能性があります。学校から配布される情報やニュースなどに注目し、最新情報を入手するようにしましょう。

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