佐賀県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

佐賀県公立高校入試は、2月上旬に検査が実施される「特別選抜」と、3月上旬に検査が行われる「一般選抜」で合格者が選出されます。

● 通学区域
佐賀県公立高校（普通科）には通学区域が定められています。居住する地域によって出願できる高校が決まっていますので注意してください。

※ 専門学科、総合学科、普通科全県募集枠、特色選抜指定校枠は県全域から出願できます。
※ 学区外からは20%を上限に入学枠があります。

● 特別選抜
スポーツや文化芸術の分野での実績や優れた資質のある人が対象で、募集人員は募集定員の約8％です。中学校長の推薦は不要で、「競技実績に基づく募集枠」と「学校希望に基づく募集枠」とに分けて募集されます。

● 一般選抜
すべての高校・学科（コース）で募集定員の8割以上を選抜します。

【入試科目】

● 特別選抜
受検者全員に英語・数学・国語の3教科学力検査を課します。英語のリスニングテストはありません。試験時間は1教科25分です。ほか、実技検査や面接（個人）も行われます。

● 一般選抜
英語・数学・国語・理科・社会の学力検査が行われます。試験時間は1教科50分、各50点満点（合計250点満点）です。また数学・英語の追加問題を実施する高校もあり、この場合の試験時間は15分です。高校・学科（コース）によっては実技検査が行われる場合もあります。
また受検者全員に面接も実施されます。

【選抜方法】

● 特別選抜
学力検査の結果、実技検査や面接の結果、中学校から提出された「実績評価表」「調査書」を判定の資料とし、総合的に合否を決定します。
選抜に用いる配点の中で、「学力検査」「実技検査」「実績評価表」を合わせた評価の割合は、全体の評価のうちの50％以上とするように決められています。またそれぞれの評価割合は、高校・学科によって異なります。
特別選抜で合格とならなかった場合は、同じ高校を含めて一般選抜に出願できます。

● 一般選抜
一般選抜の専攻は実施した検査や内申書の記載事項などはすべて点数化され、「選考Ⅰ」「選考Ⅱ」という2段階で行われます。
・選考Ⅰ｜募集定員の10～30％を選抜
内申書と面接の評価割合が高い選考方法。学力検査の評価割合は全体の50～70％。傾斜配点の実施などは高校・学科ごとに定める。内申書の評価基準（内訳）も高校・学科ごとに異なる。
・選考Ⅱ｜募集定員充足まで選抜
学力検査の評価割合が高い選考方法。学力検査の評価割合は70％程度。学力検査250点満点、面接と内申書の合計を100点満点として評価する高校が多い。

2.内申点の扱い

内申書に記載される成績の対象は中1～中3の9教科すべてです。各学年5段階評定で記入され、1学年（9教科×5段階評定）45点満点、3年間合計で135点満点となっています。
「特別活動の記録」や「行動の記録」「学校内外での活動・部活動等の記録」など、評定以外の記載項目・内容も点数化され、合否判定の資料となります。

3.受験科目の特徴

【佐賀県立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング」「英作文」「長文読解3題」となっています。全体的な問題構成や配点はここ数年同じ傾向が続いています。過去問数年分に取り組み、時間配分や難易度、出題形式に慣れておくことが大切です。

長文読解は400語程度のものが出題されており、長さは標準的です。広告や図、表、グラフなどとともに出される問題が多いのが特徴で、稀に読み取りにくいものも含まれます。落ち着いて取り組めば解ける難易度ですから、さまざまな問題で練習しておきましょう。

英作文は与えられた条件に従って英文を書くという形式の英作文が出題されます。習った単語・文法を使い、シンプルな言い回しで表現することが正解のコツ。日頃から書いたものは先生に添削してもらうようにしましょう。答案の完成度がアップします。

数学は大問5題構成で、「小問集合」「数と式」「資料の活用」「関数」「図形」等が出題されています。広い範囲から出題される上に、配点も各大問均等に割り振られています。苦手分野賀ある人は、しっかり克服しておくことが大切です。

「図形の証明問題」のほか、「二次方程式」でも解答までの過程をすべて記述するという形式が出題されています。数学の記述式問題には、情報を漏れなく入れて完成させられる「型」がありますから、教科書の例題を参考に「型」をマスターしておくと良いでしょう。

「関数」はグラフと図形を融合させた問題に注意が必要です。苦手とする受験生も多い分野ですが、関数と図形、それぞれの基本を押さえることで解法の道筋が見えてきます。与えられた条件は図にどんどん書き込む癖もつけておきましょう。

国語は大問4題構成で、「作文」「説明的文章」「小説」「古典」などが出題されています。漢字は大問としては出題されませんが、小問で扱われています。頻出漢字を中心に、読み・書きとも正確に書けるよう、丁寧に練習しておきましょう。

説明的文章は2500字ほどのボリュームがあり、12分ほどで解かないといけません。日頃から時間を計りながら問題を解くようにしましょう。小説も同様です。接続詞や段落のまとまりに注目すると要旨が読み取りやすくなりますから、取り入れてみてください。

古文は正答率が低い分野です。教科書を中心に古文単語や表現を押さえる、注釈を把握してから本文に取り掛かるといった対策で得点はアップします。また古文常識や時代背景を知ると、さらに読みやすくなります。歴史の学習とも関連させてみてください。

理科は大問5題構成で、「小問集合」のほか物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されています。小問集合内でも4分野からまんべんなく出題されるため、苦手な単元がある人は早めに克服しておきましょう。失点は最小限に、という姿勢が大切です。

選択問題が多いのが特徴です。選択問題は問題文だけではなく、選択肢も比較しながらよく読まないと解けませんから、全体で読解すべき文章の量が大変多いということになります。細かな違いを素早く見つけながら、正確に読み解く練習をしておくと良いでしょう。

暗記事項も丸暗記ではなく「どうしてそうなるのか」という疑問を考えることが大切です。また基本的な実験は手順や考察まで、教科書に載っている図やグラフも「何を表しているのか」という視点で一通り見ておきましょう。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民各分野から2題ずつ出題されています。問題数や配点も3分野均等です。特定分野を苦手にしておくと、大きな失点につながりかねません。まんべんなく対策しておきましょう。

資料の読み取りは、特に対策が重要です。グラフや図、統計資料、写真、雨温図、文章史料など、頻出のものは資料集でよく見ておきましょう。近年増えている問題形式なので、演習をする際には他県の入試問題も参考になります。

記述問題は、書いたものを社会の先生に添削してもらうと良い勉強になります。条件を見たいしているか、使うべき用語は漏れなく使っているか、日本語として正しい表記かなどの点で見てもらえます。何度も繰り返し、本番までにスラスラかけるようにしておきましょう。

【佐賀県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

弘学館高校は高校からの入学者約90名を募集します。一般入試の学力試験は英語・数学・国語・理科・社会で、英語はリスニングテストも含まれます。

リスニングテストのほか、「語い・文法」「和文英訳」「長文読解」等が出題されています。問題構成はオーソドックスなものですが、紛らわしい表現や読み飛ばすと解答できないこまかな言い回しが含まれることがあります。過去問を使って、傾向に慣れておくと良いでしょう。1行の日本語を英訳する「和文英訳」も頻出ですが、難易度は標準的です。

「小問集合」「方程式文章題」「関数」「図形」といった出題内容です。関数と図形の融合問題や空間図形、三平方の定理など、やや難し目の問題も含まれるため、応用レベルの演習が必要となります。教科書の基本を習得した上で、問題集や他県私立高校の問題に取り組むと良いでしょう。

「説明的文章」「小説」「古文」の3題構成です。小問数は多くはないのですが、選択式の問題が多く、本文と選択肢を合わせるとかなりの分量を読む必要があります。長い文章を、読み取った情報を整理しながら読み進める力が必要になります。また漢字やことわざ、国語知識なども小問として出されています。

物理・化学・生物・地学から1題ずつ、合計4題構成です。問題文が非常に長いのが特徴で、実験や考察についての対話文が与えられることもあります。公立高校入試にはない問題形式なので、弘学館高校の過去問に時間を測りながら取り組みましょう。計算問題や化学反応式を書かせる問題も出題されています。

地理・歴史・公民からまんべんなく出題されています。地理と歴史の分量が多め、歴史は特に近現代史の対策が欠かせません。また資料を読み取らせる問題が非常に多く、3分野とも出題されています。雨温図やグラフ、写真、表、地図といった資料は、何を表しているのかを素早くつかめるように意識して練習しましょう。

清和高校は高校からの入学者275名を募集します。募集人員はコースごと定められており、特別進学科65名、探究文理科90名、普通科60名、情報ビジネス科60名となっています。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、各50点満点です。英語はリスニングテストも含みます。

全体的に公立高校入試問題と似た問題構成なので、公立高校対策をメインに据えて学習すると良いでしょう。数学でやや難し目の問題が出されることがあります。特別進学科や上位合格を目指す場合は、応用レベルまで対策しておいてください。

4.推薦入試について

佐賀県公立高校入試において、推薦入試制度はありません。
私立高校の推薦入試はすべての学校で推薦入試を実施しています。1月中下旬が主な検査日ですが、早い学校だと12月から始まります。詳しくは各高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

佐賀県公立高校入試は、受験チャンスが「特別選抜」と「一般選抜」の2回あります。ただ特別選抜はスポーツや文化活動に秀でた実績がある中学生が対象である上に、募集人員も限定的なので、多くの受験生は一般選抜の1回で勝負が決まることになります。

一般選抜で合格を勝ち取るには、学力検査で十分に得点することが最重要。佐賀県の入試問題は、ここ数年同じ傾向の出題が続いていますから、過去問に計画的に取り組み時間配分・解く順番・見直しのポイントなど、正答率を上げるコツをつかんでおきましょう。

6.偏差値ランキング