和歌山県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

和歌山県公立高校入試は、2月上旬に検査が行われる「特別選抜」および、3月上旬に検査が行われる「一般選抜・スポーツ推薦」において合格者が選出されます。 ただし「特別選抜」は連携型中高一貫教育校（南部高校龍神分校）のみで実施されるため、多くの受験生が出願するのは「一般選抜・スポーツ選抜」になります。

出願は1人1校・1学科（コース）に限られますが、志願先の高校が複数学科を保持している場合は第2志望も添えることができます。

● スポーツ推薦について
スポーツ推薦の出願には、高校が定める「スポーツ推薦出願要件」に合致することが必要です。

【入試科目】

一般選抜・スポーツ推薦ともに、受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）です。特定科目の配点を大きくする傾斜配点が実施される場合もあります。

また高校によっては面接（口頭による検査を含む）、作文／小論文、実技検査（プレゼンテーションや学科の特徴に応じた実技など）を行う場合もあります。

学力検査と面接等その他の検査は2日に分けておこなわれます。例年、1日目が学力検査、2日目がその他の検査となっています。

【選考方法】

学力検査の結果、調査書、面接等その他検査を実施した場合はその結果も点数化し、合否判定に用います。
合否判定は以下の4段階に沿って行われます。
※ 「選考基準」とは、調査書、学力検査、面接・実技検査等の合格者の割合を、あらかじめ高校側が決め発表するもの。

● 第1段階（募集定員の80%までを充足）
「調査書」「学力検査の結果」「面接等その他検査の結果」のいずれかが優秀で、他の2つの項目も「選抜選考の基準」に示された割合内にあるものが合格。

● 第2段階
第1段階で募集定員の80％に充足しなかった場合は、各検査結果の割合を保ちつつ合格者を80%まで増加させる。

● 第3段階 第1段階・第2段階で合格しなかった受検者および、スポーツ推薦で合格しなかった受検者、第2志望受検者を加え、調査書・学力検査結果、面接等その他検査の結果を総合的に判定。

● 第4段階
残っている受検者全員を総合的に判定。

※ スポーツ推薦受検者は一般選抜の合否判定とは別に、学力検査結果、実技検査の結果、調査書等を総合して選抜されます。不合格となった場合は、一般選抜合否判定の第3段階に加えられ、再選考されます。

2.内申点の扱い

調査書の記載対象となる成績は、中1～中3の9教科すべてです。
一般選抜では、中1・中2の成績は9教科×5段階評定＝各45点満点、中3の成績は9教科×5段階評定×2倍＝90点満点となります。

内申書に記載される「特別活動に関する特記事項」や「校内外の活動等に関する特記事項」なども、合否判定の際に資料として使われます。

3.受験科目の特徴

【和歌山県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング・英作文」「長文読解3題」「英作文」となっています。リスニングは11分間実施され、25点分の配点があります。問題形式はオーソドックスなものなので、英文に耳を慣らしておくことが大切です。

「長文読解」の分量が多いことが特徴で、大問5題中3題が長文です。220～440語程度と長さは標準的ですが資料の読み取りや整序問題も出るため、時間に余裕があるとは言えないでしょう。過去問をくり返し解き、和歌山県の形式に慣れておいてください。

英作文も対策が欠かせません。長文読解の小問としても、独立した大問としても出題されています。テーマが与えられ、30語以上で書くというものもあります。習った英文法や表現を確実に押さえ、平易な言い回しで正しく書き切ることが得点への道です。

数学は大問5題構成で、「小問集合」「数と式」「関数」「図形」といった内容になっています。第1問と第2問の基本的な問題だけで約50点分ありますから、ここで失点をどれくらい抑えられるかが重要です。基本計算を中心に、丁寧に復習しておきましょう。

関数は受験生が苦手としやすい「図形とグラフの融合問題」や「身の回りのテーマに関する問題」が出題されています。複雑に見える問題も、与えられた条件を1つ1つ書き込んでいくと解答への道筋が見えてきます。諦めずにチャレンジしてみてください。

また記述式の図形の証明問題にも注意しましょう。「平面図形」の分野から毎年出題されています。証明に使える条件を正しく覚え、抜け漏れなく記述する力が大切です。図形の基本性質を踏まえて、自分の力で書ききれるよう練習していきましょう。

国語は大問4題構成で、「漢字・国語知識」「説明的文章」「小説」「作文」となっています。全体的に小問が多いため、解ける問題は素早く解くことが重要です。国語の知識問題は文法や表現技法などもチェックしておきましょう。

長文は本文のボリュームが多く、約3000字の長さになる年もあります。長い文章を読むうちに主題が分からなくなるという人は、段落ごとに要旨や最重要な1文を見つけるつもりで読むようにしてください。過去問5年分ほどに取り組むと、コツがつかめるでしょう。

作文は200字程度を書くことが要求されます。時間内に書き上げるコツは、自分なりのパターンを決めておくこと。「自分はこう思う、理由は3つ。1つ目は～、2つ目は～…」と”型”にあてはめるようにすると、書きやすくなりますよ。

理科は大問5題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されるほか、複数分野にまたがった融合問題が大問として出されています。苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もありますから、偏りなく対策しておきましょう。

複数分野の融合問題は、科学的思考力を問うために近年各県で出題が続いています。他県の過去問も演習の際には参考にしてみてください。融合問題といっても、基本は各分野の基礎知識です。教科書を中心に、習ったことを確実にマスターすることが大切です。

「電池とイオン」「中和」「前線と天気」等の分野が頻出です。電池になる条件や、前線が通過した時刻は正確に押さえておきましょう。「物体の運動」「遺伝」等も出題が多い分野です。「なぜそうなるのか」という本質的な理解を大切にすると、得点につながります。

社会は大問6題構成で、「地理」「歴史」「公民」の各分野から2題ずつ出題されています。まずはすべての分野の基本事項を押さえましょう。忘れてしまっている分野はあらためて勉強しなおすつもりで、出来事や重要事項の原因や背景まで整理してみてください。

全分野とも、「資料の読み取り」問題が非常に多く出ています。また読み取った内容を記述させる問題もあるため、暗記だけでは対応できません。資料の読み取り問題を何度も解き、なぜその解答になるのかという根拠や読み取り方を身につけていきましょう。

歴史分野は「古代・中世」「近代」が出題分量多めですが、「現代」も増加傾向にあります。近代以降は出来事や人物も多く、相互関係も複雑なので苦手意識が付きやすいところですが、全体の流れを押さえながら取り組んでみてください。

【和歌山県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

智辯和歌山高校は難関大学への進学実績が高い、和歌山県内でもトップクラスの難易度となる高校です。定員の多くは内部進学で充足されるため、高校からの募集は「編入コース」45名程度、「スポーツコース」10名程度となっています。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語の3教科で、試験時間は各60分、1教科100点満点（合計300点満点）です。また受験者全員に面接も実施されます。

試験は数学の難易度がとくに高く、最難関レベルの問題も出題されています。一般の問題集や公立高校対策では不十分なため、応用問題の多い問題集や過去問、他県の難関私立高校の問題等を参考にしながら十分に演習を重ねておきましょう。

国語は50～80字という記述問題が出されます。書いたものを国語の先生に添削してもらうなどして、得点できる解答作成力を身につけておきましょう。

近大附属和歌山高校は普通科約160人を募集します。募集はコースごとに定員が設けられており、「スーパーADコース」約60人、「ADコース」約100人となっています。

入試科目は英語・数学・国語の3教科型、もしくは英語・数学・国語・理科・社会の5教科型からの選択となります。3教科型受験の場合の配点は1教科200点（合計600点満点）、5教科型受験の場合の配点は1教科120点（合計600点満点）となっています。配点には諸条件がありますので、詳しくは募集要項でご確認ください。

入試問題はどの教科も問題数が多いことが特徴です。時間が足りなくなることが予想されるため、過去問演習の際には大問ごとの時間配分にも気を配って取り組みましょう。また問題形式は近大附属和歌山高校独自のものが多いため、過去問はくり返し取り組み傾向をつかんでおくことが大切です。

4.推薦入試について

和歌山県の公立高校は「スポーツ推薦入試」を実施している高校があります。2021年度は次の12校が実施しました。どのスポーツ競技の募集があるかは高校によって異なります。

● スポーツ推薦実施校
紀北工業／紀北農芸／笠田／粉河（普通科のみ）／和歌山北（普通科のみ）／和歌山東／星林／和歌山工業／和歌山商業／箕島／紀央館／熊野（総合学科のみ）

私立高校で推薦入試を実施している高校は少なく、2021年度入試では和歌山南陵高校のみでした。
詳しくは各高校の募集要項をご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

和歌山県公立高校入試は、多くの受験生の合否が3月上旬「一般選抜」の1回で決まります。一般選抜で志望校合格を勝ち取るために最も重要になるのが、5教科の学力です。中1から中3まで、広い範囲が出題対象となりますから、早めの対策・早めの苦手克服を心がけましょう。

また調査書の成績は、中3次のものが2倍されることにも注目してください。中1・2で伸び悩んだとしても、中3の内申点を上げることで挽回も見えてきます。定期テストの成績を上げる、提出物をしっかり出すなど、日頃からコツコツと取り組んでいくことが大切です。

6.偏差値ランキング