埼玉県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

埼玉県公立高校入試は、2月下旬に行われる「一般募集」の1回で合否が判定されます。出願に当たって通学区の制約はありません。また複数学科・コースのある高校では、第2志望が認められています。

【入試科目】

学力検査が実施される教科は英語・数学・国語・理科・社会の5つです。試験時間は各教科50分、1教科100点満点で合計500点満点になります（特定科目の配点を大きくする「傾斜配点」を実施する高校もあります）。

一部の高校では数学・英語の学力検査において「学校選択問題」を実施しています。
● 2021年度「学校選択問題」実施校（21校）
浦和／浦和第一女子／浦和和西／大宮／春日部／川口北／川越／川越女子／川越南／熊谷／熊谷女子／熊谷西／越ケ谷／越谷北／所沢／所沢北／不動岡／和光国際／蕨／市立浦和／川口市立

芸術系学科および体育系学科の志願者には実技試験も課されます。実技検査等を実施しない高校・学科・コースでは面接を実施する場合もあります。

【選考方法】

合格者の選抜は2～3段階に分けて行われます。
まず第一次選抜で募集人員の60～80％を選抜し、第二次選抜で残りの人員の60～100％を選抜、そして定員が充足するまでを第三次選抜で合否判定します。各選抜資料の配点は高校・学科・コースや選抜段階ごとに定められています。内申書の得点より学力検査の結果を重視する高校のほうが多くなっています（2021年度入試においては、普通科の第一次選抜で約8割の高校が学力検査の得点を重視）。

各段階の選抜方法は以下の通りです。

学力検査の得点の合計、調査書の得点の合計およびその他の資料（実技検査の結果等）の得点を規定に従って計算し、順位が上位の者から合格となる。

第一次選抜で合格とならなかった者が選抜対象。
学力検査の得点の合計、調査書の得点の合計およびその他の資料（実技検査の結果等）の得点を規定に従って計算し、順位が上位の者から合格となる。

第二次選抜で合格とならなかった者が選抜対象。各高校で定めた順位までの者が合格。

2.内申点の扱い

内申書の「各教科の学習の記録」に記載される成績は中学3年間のすべてになります。各学年、9教科×5段階評定＝45点満点です。

学年間の内申点の比率は、高校・学科・コースごとに定められています。多くの高校が「中1：中2：中3＝1：1：2」、もしくは「1：1：3」「1：2：3」となっています。中3の比重が高い点が特徴です。

内申書の「特別活動等の記録（学級活動・生徒会活動・学校行事・部活動など）」欄や、「その他の項目（英語検定などの取得資格）」、「出欠の記録」欄なども点数化されます。これらの評価項目や評価基準（配点）も高校・学科・コースによって異なるため、志望する高校の基準をしっかり確認しておくことが大切です。

3.受験科目の特徴

【埼玉県公立高校入試の傾向と対策】

高校共通の学力検査問題では大問5題構成、学校選択問題は大問4題構成で、出題内容は「リスニング」「語い・文法」「英作文を含む長文読解」となっています。いずれもリスニングが28点分と最も配点が高いので、日頃から英語を聞く耳を鍛えておきましょう。

「長文読解」が多い点も注意が必要です。学力検査問題は5題中3題、学校選択問題は4題中2題が長文読解となっています。230～750語程度というボリュームになるため、過去問演習でベストな対策を確立させましょう。時間配分の見極めも重要になってきます。

英作文はテーマが与えられ、その答えと理由を英語で書くという形式が出題されています。学校選択問題では40～50語というまとまった量を書くことが要求されます。難しい言い回しを使おうとせず、基本的な表現を正しく使いこなせるように練習しておきましょう。

学力検査問題では大問4題構成、学校選択問題は大問5題構成で、「各分野の基本や計算などの小問集合」「関数」「図形」等から出題されています。第1問「小問集合」で4割～6割という高い配点ですから、失点を最小限にすることが必須です。学校選択問題では一部難し目の計算も出されますが、教科書の基本を押さえた上で計算練習を重ねておけば大丈夫です。速く正確に解ける状態を目指しましょう。

学力検査問題でも学校選択問題でも、「図形の証明問題」が記述式で出題されます。実力テストや模試、高校入試の過去問などを利用して証明問題の基本的な書き方をしっかりマスターしておきましょう。答え合わせをするときには必要な条件で抜けているものはないか、文章の言い回しは正しいかなどをチェックすると書き方が身につきます。

国語は大問5題構成で、「小説」「漢字や国語知識」「説明的文章」「古典」「作文」が出題されています。読解と作文に時間をかけられるように、知識問題や漢字はスピーディーに解くことを意識しましょう。

読解は本文のボリュームが多く、小説も説明的文章も約3000字の長さになる年もあります。1題にかけられる時間は10分程度のため、内容を速く正確におさえることが得点のコツ。接続詞に注意し、段落の主旨を素早く把握する読み方を身につけましょう。

また表やグラフを読み取って195字程度の作文を書き上げるという問題が出されています。まずは出題されている内容を正しくつかみ、丁寧に題材を読み取りましょう。その上で自分の意見を分かりやすく記述することがコツです。繰り返し取り組み、慣れておきましょう。

理科は大問5題構成で、「小問集合」のほか物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されます。出題分野は毎年変わるため、苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もあります。偏りなく対策しておきましょう。

化学分野からは「中和とイオン」や「電池」に関する問題が良く出されています。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の実験や電池とイオンの問題は、苦手とする受験生も多い分野。中和のしくみと反応後の生成物、、電池になる条件などを理解しておきましょう。

地学分野からは「地層や岩石に関する問題」が頻出です。柱状図から地層の広がりを考察する問題は、たくさん問題に触れて慣れておきましょう。かぎ層を手がかりとした地層の比較や、示相化石と示準化石の特徴、代表的な化石など押さえておきましょう。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題されるほか、複数の分野を融合させた問題が出されています。すべての分野の基本事項を広く押さえておくことが肝心です。出来事や重要事項の原因や背景まで整理してみてください。

「資料の読み取り」問題が多いのが特徴で、一度に複数の資料の読み取りが必要になります。資料の内容を整理して把握するには、読み取り問題を何度も解き、なぜその解答になるのかという根拠を考える姿勢が効果的です。

また歴史分野は明治以降がよく出されています。明治以降は出来事も多く国際関係も複雑なため、暗記だけでは太刀打ちできません。時代の流れや出来事の原因と結果まで全体を俯瞰した学習を意識していきましょう。

【埼玉県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

埼玉県の私立高校は、一部の高校を除き「北辰テスト」という模試の結果により合否がほぼ確定します。私立高校を受験する場合は、お子さんの「北辰テスト」の結果を秋に行われる高校の個別相談会に持って行ってください。その場で合格できるかの目安が判断されます。多くの高校は合格の基準を「7月以降の北辰テストで2回、偏差値の基準値を上回る」、としています。「北辰テスト」を使った合否判断は偏差値によって行われますが、偏差値基準は高校・学科・コースごと、あるいは単願・併願によっても異なります。
個別相談会で「ほぼ大丈夫」という判断を得られても、合格確定ではありません。私立高校の入試は受験する必要があります。ただ受験すれば合格できる可能性は非常に高いといえます。

東大をはじめとする旧帝大や医学部にも多数の合格者を輩出する、埼玉県の私立高校でも人気がある学校です。募集は普通科（定員400名）となっていますが、この定員には系列中学からの内部進学者も含みます。
学力検査は英語・数学・国語の3教科で、すべてマークシート方式で行われます。試験時間は各教科50分、1教科100点満点となっています。英語はリスニングも含みます。また単願受験者には面接も課されます。

配点の6割が長文読解問題が占めます。長文読解にじっくり取り組めるように、文法などの問題はスピーディーに解いていきましょう。
長文の難易度は標準的ですが、問題数が多いため時間配分が大切になります。素早く正確に読み取るためには、接続語などに注意してパラグラフごとの要旨をつかむ読解法が有効です。

大問5題構成で「小問集合」「図形」「関数と図形の融合問題」といったオーソドックスな出題となっています。ただし問題の難易度は高め。速く正確に計算する力は欠かせません。一部複雑な計算もあるため、ミスなく計算し切る力をつけておきましょう。
図形や関数の問題では、前の問題で算出した数値を使って次の問題を解く形式で出題されます。つまり1問間違えると、最後まで間違えてしまうことになります。解きながら、こまめに見直しをすることが大切です。

大問4～5題構成で、現代文2題、古典1題、知識問題から出題されています。特に現代文は2題で6,000字程度のボリュームがあるうえ、高い語彙力も要求されます。教科書レベル以上の問題に多く触れ、さまざまなテーマや語彙に慣れておきましょう。他県の私立高校入試過去問も参考になります。古文は高校レベルともいえる出題です。高1程度の参考書を使い、単語量た文法を押さえておくと解きやすくなります。

スポーツの強豪としても知られる高校で、類型別のきめ細やかな指導に特徴があります。入試も類型ごとに募集が行われ、国際類型（20名）・特進類型（120名）・進学類型(660名）、合計800名を募集する大きな学校です。
学力検査は英語・数学・国語ですべてマークシート式、試験時間は1教科45分、各100点で300点満点となっています。また単願受験者には面接、芸術系志願者には実技試験も課されます。

大問8題構成で、「発音・アクセント」「誤文訂正」「書換え」「整序問題「長文読解」となっています。全体的に基本的なレベルと言えますが、やや難しい問題が出される年もあるため気は抜けません。長文読解は読みやすいテーマの文章が多く、内容を正しく把握しているかが問われます。ストーリーをつかむことを意識した対策をしておきましょう。

大問4題構成で「小問集合」「確率」「関数」「図形」といったオーソドックスなパターンです。全体のレベルは標準的、基本的な計算を素早く正確に行う力を養っておきましょう。また基本知識や重要事項は正しく覚えておくことも大切です。融合問題が出題されることもありますが、与えられた条件を丁寧に読み解き図に書き込むことで、道筋が見えてきます。

大問5題構成で、「現代文」「古典「国語の知識問題」となっています。現代文は2題ありますが、2題とも説明的文章である年が多いのが特徴です。筆者の主張や全体の論理展開を正しくつかむことで、解きやすくなるでしょう。国語の知識問題は四字熟語や敬語などが出されています。日頃から広く国語に興味を持ち、学習する姿勢が大切です。

普通科（440名）と食育実践科（80名）が募集されます。普通科はコース別募集となっており、アルファコース（140名）・アドバンスコース（300名）という内訳です。さらに細分化されたクラスごとに定員が定められていますので募集要項でご確認ください。
学力検査は英語・数学・国語の3教科で、すべてマークシート方式で行われます。試験時間は各教科50分、1教科100点満点となっています。単願・併願とも受験者全員に面接が課されます。

大問5題構成で「リスニング」「長文読解」「適語選択」「整序問題」から出題されています。大部分は中学の教科書レベルの基本問題ですが、ややレベルが上がりつつあります。長文は内容理解が主となります。2題出題されますので、じっくり読解するためにも知識問題や文法問題に時間をかけ過ぎないようにしましょう。

大問5題構成で「小問集合」「関数」「方程式」などから出題されています。基本的な計算力を身につけた上で、応用問題に取り組んでみましょう。見慣れない形式や個性的な問題も出題されるので、解き方の固定概念を外しさまざまな視点から吟味する姿勢を持っておくと解きやすくなります。全体的に基本レベルの問題が多めです。

大問5題構成で、「現代文」「古文」「国語の知識問題」「資料の読み取り」等が出題されています。現代文は説明的文章も小説も出されますが、内容把握が鍵になります。やや難し目のテーマが出される年もあるため、教科書レベル以上の文章に触れておくと良いでしょう。資料の読み取りは内容について問われます。与えられた題材を面倒がらずに丁寧に読み取ることが大切です。

4.推薦入試について

埼玉県の公立高校には推薦入試制度はありません。
私立高校の推薦入試は学校により実施の有無が分かれます。必ず各高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

埼玉県の公立高校入試は、チャンスが2月下旬に行われる「一般募集」の1回だけです。当日実力を十分に発揮できるように、学習をはじめ体調管理や適度な緊張感など入念な準備が大切になります。
また調査書に記載される内申点の比重は中3が大きめという点も注目しましょう。中1・2で伸び悩んだ場合でも、中3で大きく挽回できれば一つ上を狙うチャンスが生まれる可能性があります。

6.偏差値ランキング