福島県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

福島県の公立高校入試は3月上旬の「前期選抜」で実施されます。前期選抜は自己推薦型の「特色選抜」と学力重視型の「一般選抜」の2回に分かれます。特色選抜・一般選抜ともに全ての学校で実施され、志願者は希望する選抜方式に出願できます。

特色選抜の定員は、全募集定員の5～50％の範囲で各学校が設定します。特色選抜と一般選抜を合わせた前期選抜で定員が充足できなかった高校のみ、後期選抜を実施します。

前期選抜で出願できる高校は1つだけですが、同じ高校なら特色選抜と一般選抜の両方に出願可能です。また複数の学科を持つ高校の場合は、特色選抜と一般選抜それぞれ異なる学科（コース）への出願もできます。一般選抜では、特定の学科やコースの間で第2志望が認められています。

選考は順番が決まっており、特色選抜→一般選抜の順に実施されます。特色選抜で不合格となった場合は一般選抜のみを志願した受検者と合わせて合否が判定されます。

【入試科目】

前期選抜の入試科目は以下の通りです。

■特色選抜：学力検査（5教科）、志願理由書、調査書、特色面接、特色検査
■一般選抜：学力検査（5教科）、調査書、学校・学科により一般面接も実施

【選考方法】

高校・学科ごとの選抜方法は福島県教育委員会高校教育課のホームページに掲載されます。

■特色選抜
5教科の学力検査の結果のほか、調査書、志願理由書、面接（全員）、実施した場合は小論文（作文）・実技などもすべて点数化し、調査書の記載事項なども精査して総合的に判定。
高校・学科によっては傾斜配点を行う場合もあります。

■一般選抜
5教科の学力検査の結果のほか、調査書や実施した場合は面接も点数化し総合的に判定。学力検査と調査書の比重は原則として同等で、両方が高い人から定員内にある人までが合格（高校の判断で比重を変える場合もある）となります。調査書の「特別活動等の記録」を点数化することもあります。

2.内申点の扱い

内申点の対象となる成績は中1から中3までですが、算出方法は特色選抜と一般選抜で異なります。

【特色選抜における内申点算出方法】

対象は中1から中3、各学年5教科5段階評定＝合計135点満点。「特別活動等の記録」も各高校の判断で点数化される。
各教科の学習の記録と特別活動等の記録を合計した数値が、最終的な調査書の評定となる。

【一般選抜における内申点算出方法】

対象は中1から中3、各学年9教科5段階評定の合計＋各学年実技4教科5段階評定の合計＝195点満点。実技4教科がより重視される。「特別活動等の記録」を点数化（55点満点）する高校もある。

3.受験科目の特徴

【福島公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、例年「リスニング」「語彙・文法」「英作文」「長文読解①」「長文読解②」が出題されています。50分の試験でリスニングが約8分ありますから、残りを42分で解かないといけません。スピードを意識した練習が大切になります。

福島県の英語は全体の約4割が長文問題です。毎年長文の分量や出題形式は決まっていますので、過去問を使ってなれておくことが対策になります。500語前後の長文を時間内に読み切れるよう、スピードを意識して練習しておきましょう。

英作文の出題が多いのも特徴です。日本語の英訳や対話が成り立つように英文を書く形式が定番となっています。難しい文法や表現を無理に使わずとも書ける問題なので、教科書レベルの表現をしっかり使いこなせるようにしておきましょう。

数学は大問7問構成で、「計算中心の小問集合」「関数や作図の小問集合」「資料の活用」「方程式の記述問題」「関数」「平面図形」「空間図形」となっています。出題される分野は毎年同じ傾向です。特に「小問集合」は得点源になる問題、ケアレスミスに注意しながら基本問題を速く正確に解けるよう対策しておきましょう。

「図形の証明」は記述式で出される点も注目です。例年出題されていますので、基本に忠実に、必要な記述が抜け漏れなく入るようにコツコツと練習することが対策になります。

複数分野にまたがった融合問題も出題されています。「関数のグラフと図形の融合問題」が典型的で、それぞれの分野の基本知識が定着していないと解けません。習った内容をしっかり定着させ、過去問を利用して問題形式に慣れていきましょう。

国語は大問6問構成で、「漢字、知識問題」「韻文（詩）」「古文」「小説」「説明的文章」「作文」となっています。分量が多い上に作文もあるため、後半に時間を確保することが重要です。前半の漢字や知識問題ではスムーズに進められるよう時間配分に気をつけましょう。

「小説」は約3,000字の分量です。全体を考えても10分程度で内容把握できることが必要。日頃から登場人物の心情や場面に注目し、ストーリーの展開の要点を押さえる練習をしておきましょう。

また「作文」対策も忘れずに！毎年200字程度の作文が課されます。まとまった分量を時間内に書ききるためには、与えられた素材について自分なりに考察し、論理的にまとめる練習が有効です。自分で書いたものを学校の先生や親などに見てもらい、評価をもらうといいでしょう。

理科は大問8問構成です。第1問～第8問まで、物理・化学・生物・地学の4分野が2問ずつ出題されます。苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もありますから、偏りなく対策しておきましょう。

物理分野は物体の運動に注目です。「台車を使った実験」や「エネルギーの移り変わりの問題」が頻出なので、基本問題から丁寧にマスターしておきましょう。問題文が示す条件を正確に理解し、力と運動のようすや変化の仕方をイメージできるように練習することが大切です。

生物からは受験生が苦手としやすい「遺伝」「細胞分裂」が頻出。特にメンデルの遺伝の法則は理屈からしっかり理解しておいてください。遺伝の規則性や実験操作の理由を自分で説明できるレベルを目指しましょう。

社会は大問6問構成です。地理、歴史、公民の各分野から2問ずつ出題される形式が定番となっています。どの分野もグラフの読み取りや記述など、暗記だけでは対応できない問題も出されています。出来事や重要事項の原因や背景まで丁寧におさえていきましょう。

歴史は並べ替え問題の対策が重要。教科書の太字用語や人物名を暗記しただけでは、細かな並べ替えに対応できません。「誰が、なぜ、どんな目的で、その出来事を起こしたのか」といった全体の流れを大切にしてください。

社会の対策としては過去問演習が有効です。似た形式の問題を数多く解き、答え合わせと解説理解をじっくり行っていくと、問題に対する考え方が身につきます。計算や記述問題も面倒がらずに、一つひとつ取り組んでいってみてください。

【福島県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

一般入試の受験科目は国語、数学、英語、面接。学科試験は1教科60分、マークシート方式で実施されます。募集は「Ⅰコース」「Ⅱコース」の2コースそれぞれで、専願・併願に分かれます。

マークシート方式の試験には部分点がありません。合格のためには確実に正解できるように、一つひとつの知識を正確にマスターしておくことが大切です。またマークミスを防ぐには見直しが有効です。問題用紙にも自分の解答を印しておき、見比べられるようにするなど工夫して取り組みましょう。

一般入試は2月に実施される前期選抜と3月に実施される後期選抜に分かれます。前期選抜は専願・併願から選択でき、受験科目は国語、数学、英語、面接。後期選抜は専願のみ出願でき、書類審査と面接で合否が決まります。

前期選抜では「CTコース」「LTコース」「GTコース」の3コースから選んで出願することになりますが、第2志望も認められています。また受験時の成績優秀者から10名ほどが授業料等免除になる「特待生」として選抜されます。

4.推薦入試について

福島県の公立高校には推薦入試制度はありません。
私立高校の推薦入試は1月上旬～中旬にかけて行われます。試験日は全ての高校で異なります。また一部の私立高校は、推薦入試でも公立高校との併願（入学金等の延納措置）を認めているところもあります。
詳細は各高校のホームページ等でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

福島県公立高校入試は「特色選抜」と「一般選抜」の2タイプの選抜が実施されることが特徴的です。どちらの選抜方法を選択しても、学科試験は必須になります。また内申点も無視できない存在感を放っています。中1から中3までの成績が加味されるので、苦手科目を作らず満遍なく伸ばしておくことが大切です。

日々の学習にコツコツと取り組み、定期試験の成績を上げる。提出物はしっかり出す、特別活動にも積極的に参加するといった対策は、中1から取り組めますね。早い段階で内申点を高め、中3からは学科試験対策に専念できるようにするのが、福島県の公立高校入試を突破する有効な方法だと言えます。

6.偏差値ランキング