熊本県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

熊本県公立高校入試は1月下旬に検査が行われる「前期（特色）選抜」および、2月下旬に検査が行われる「後期（一般）選抜」のそれぞれで合格者が選出されます。

● 通学区域
熊本県公立高校には通学区の定めがあります。通学区の対象となるのは「普通科（コースを除く）」のみで、普通科のコース、専門学科、総合学科は県内全域から出願可能です。
※ 湧心館高校（普通科）は県内全域から受検可能。
※ 熊本市立高校は熊本市全域が通学区域。
※ 普通科（コースを除く）、大津高校理数科、上天草高校普通科グローカル文理コースでは通学区域外（学区外）募集枠があります。募集人員は募集定員の13％以内です。

その他、細かな規定については熊本県教育委員会発表の資料でご確認ください。

● 前期（特色）選抜
前期（特色）選抜は、普通科のコース／専門学科／総合学科／スーパーグローカルハイスクール指定校（全学科）のうち、高校が希望する学科・コースで実施されます。出願にあたり、中学校長の推薦は不要です。
募集人員は、募集定員の50%までの範囲で各高校が定めます。出願は1人1高校・1学科（コース）に限られ、第2志望は認められていません。

● 後期（一般）選抜
すべての高校・学科（コース）で実施します。募集人員は、募集定員から前期（特色）選抜での合格者数を減じた数となります。

【入試科目】

● 前期（特色）選抜
学力検査は実施されません。高校ごとに以下の「学校独自検査」の中から検査項目を決定し、実施します。
※ 学校独自検査・・・面接、小論文、実技検査、実験、自己表現、小・中学校における総合的な学習の時間の成果の発表に関するものなど。

● 後期（一般）選抜
受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が実施されます。試験時間は1教科50分、各50点満点（合計250点満点）です。特定科目の配点を大きくする「傾斜配点」が実施される場合もあります。

全員に課される学力検査では、英語（リスニングテスト含む）および数学において、選択問題A（標準的な問題）と選択問題B（発展的な問題）の2種類の問題が用意されます。どちらを解くかは各高校が指定しますが、いずれが出題されるかは入試前は非公表となっています。
※ 2021年度入試において、B問題を選択したのは次の17校でした。
済々黌／熊本／第一／第二／熊本北／熊本西／東陵／熊本商業／熊本工業／宇土／玉名／鹿本／大津／八代／人吉／天草／熊本市立必由館

美術に関する学科・コース、体育に関するコースでは実技検査が実施されることもあります。また専門科では面接が行われることもあります。

【選抜方法】

● 前期（特色）選抜
調査書、 成績一覧表、実施した検査の結果等を総合的に判定し、合格者を選出します。なお、前期（特色）選抜で合格とならなかった場合も、後期（一般）選抜に同じ高校を含め出願することができます。

● 後期（一般）選抜
調査書および学力検査の結果を資料とし、合否が判定されます。
・第1選考　学力検査点および内申書の評定の合計点（熊本県独自の方法で補正）の順位が、いずれも募集人員内にある者が対象。順位が上の受検者から合格。
・第1選考で募集人員を充足できなかった場合は、高校ごとにが選抜基準を定め、第1選考で合格した受検者以外から残りの合格者を選出。

2.内申点の扱い

調査書の記載対象となる成績は、中1から中3までの9教科すべてです。
後期（一般）選抜では、中1・中2は分は9教科×5段階評定＝各学年45点満点、中3分は9教科×5段階評定×2倍＝90点満点となります。ただし実際の選考の場では、学力検査の得点を用いて内申点の補正が行われることになります。

3.受験科目の特徴

【熊本県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング」「語い・文法」「長文読解2題」「英作文」といった構成です。熊本県の入試問題は、ここ2～3年は問題構成・配点とも同じものが出題されています。過去問を利用し、時間を測りながらチャレンジしていきましょう。

第1問「リスニング」、第2問「小問集合」で25点分、長文読解で20点分とほぼ均衡な配点となっています。リスニングは1回しか読まれない問題もあるので、正確に聞き取れるよう練習しておいてください。文法を早めに完成させ、読解対策に入れるようにしましょう。

英作文はA問題・B問題ともに、与えられたテーマについて書くという形式です。自分の意見を書くこともあるので、書きたいと思った内容を文法的に正しく・シンプルに言い表す練習が重要となります。書いたものは添削してもらい、解答の質をアップさせましょう。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「資料の活用」「関数」「図形」といった分野から出題されています。後半の大問の最終問題が難問、というのが熊本県の特徴です。また図形分野の得点率が低い傾向にあります。難関校狙いの場合は、図形分野も強化しましょう。

最も配点が高いのは「小問集合」で、26点分あります。計算自体は基本的なものが多いのですが、その分失点すると痛手になります。自分がミスをしやすいポイントを知り、重点的に見直すなど工夫して失点を最小限におさえることが大切です。

「図形」は記述式の証明問題が出題されます。また相似比を使った応用問題はかなりの難問が出題されることもあり、時間をかけすぎないように注意が必要です。合同条件・相似条件は正確におさえ、条件に応じて適切に使い分けられるよう練習しておきましょう。

国語は大問5題構成で、「漢字・国語知識・文法」「会話に関する問題」「説明的文章」「小説」「古文」といった内容が出題されています。読解問題に十分に時間を割けるよう、第1問・第2問は5分ずつ程度で解くことを意識しましょう。

説明的文章や小説で扱われる題材は、近年長く難しくなる傾向にあり、またテーマも変わってきています。この傾向は九州地区全体にいえることですので、他県の過去問にも挑戦してみるとよい対策になるでしょう。

作文は175字程度で書くことが求められます。条件に従って、言いたいことを論理的にまとめる練習をしておいてください。理由を尋ねられたら、文末は「～だから」にするなど、細かい点まで採点者は見ています。書いたものは添削してもらうようにしましょう。

理科は大問4題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されています。分野の偏りなく出題されていますが、得点率は50%前後と低め。受験生にとって難しい問題が出されていることがわかります。得点のためには基本から丁寧な対策が必要となります。

また他県に比較して選択問題が多め、つまり記述問題は少なめという傾向があります。少ないと言っても全体の25%ほどは出されますので、確実に解けるようにしておきましょう。必要な情報が漏れなく入っていることや、使う用語の正確さなどがポイントになります。

物理分野からは「物体の運動」、地学分野からは「太陽の日周運動、季節の変化」「太陽系」といった単元がくり返し出題されています。計算問題は基本的なものが中心なので、公式を正確に覚え使いこなせるようにしておきましょう。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野から2題ずつ出題されています。資料の読み取り問題が全分野で出題されています。また記述で答えさせる問題も多いので、単なる暗記では太刀打ちできません。背景やその結果まで全体を押さえる勉強をしましょう。

歴史分野では並べ替え問題や年号を中心として出来事を記述で書く問題が出題されています。年表を見ながら、出来事を時代の流れとともに覚えていくようにしましょう。頻出の時代は「古代・中世」「近現代」となっています。

記述問題は盛り込む情報・条件に抜け漏れがないか、また日本語として正しく成立しているかなどが採点基準となります。自分では気づきにくい部分でもあるので、書いたものは社会の先生に添削してもらうのも良い勉強になります。

【熊本県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

熊本学園大学付属高校は360名を募集します。学力試験は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）です。また英語はリスニングテストも含みます。専願受験生には面接も実施されます。

説明会で過去問が配布されるので、受験を検討する場合は参加しておくと良いでしょう。問題のレベルは標準程度ですが、高いレベルの競争となることが予想されるため、どの教科も完成度高く対策をしておく必要があります。

4.推薦入試について

熊本県公立高校入試に推薦入試制度はありません。
また私立高校でも推薦入試を行っている高校はありません。私立高校を第一志望に考える場合は、専願入試の受験を検討してみてください。詳細は各高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

熊本県公立高校入試は、「前期（特色）選抜」と「後期（一般）選抜」の2つの入試方式があることが特徴です。前期（特色）選抜は学力検査なし・面接や作文、実技検査などが実施されること、後期（一般）選抜は学力検査の結果が最も重視されるという違いがあります。前期（特色）選抜は高校によって実施の有無が変わりますが、自分の得意不得意と照らし合わせ、受験するかどうか検討してみてください。なお、前期（特色）選抜で合格した場合は入学することが確約条件となります。

後期（一般）選抜では「英数の学力検査問題が2種類あること」「内申点は中3分が2倍されること」の2点を押さえましょう。英数の学力検査問題は、過去数年の実施状況を調べると志望校がどちらの問題を選択するかの目途が立ちます。解くべき問題で合格点を取れるように、しっかり対策していきましょう。
また内申点は中3分が2倍されるため、もし中1・2で伸び悩んだという場合は中3で挽回を狙いましょう。定期テストの得点を上げる、提出物をきちんと出す等のコツコツとした取り組みが重要です。

6.偏差値ランキング