石川県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

石川県の公立高校入試は、2月上旬に行われる「推薦入試」と、3月上旬に行われる「一般入学者選抜」において合格者が選出されます。

出願は1人1校・1学科（コース）に限られますが、以下の場合は併願が認められています。

• 同一高校内に普通科、職業科、スポーツ健康科学科、地域産業科、演劇科、総合学科がある場合に、学科間での第2志望
• 普通科にコースを設置する学校（七尾高校を除く）は、コースと普通科の間での第2志望
  ※ 七尾高校は普通科文系フロンティアコースと普通科間で併願が可能
• 普通科と理数科間で順位をつけない併願が可能

【入試科目】

学力検査は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、2日間に分けて実施されます（1日目が国語・英語・理科、2日目に社会・数学）。試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）です。

また2日目には多くの高校で面接も実施されます。2021年度入試では40校中26校で面接が実施されました。芸術系・体育系の学科（コース）では実技検査を行う高校もあります。

【選考方法】

合格者の選抜は調査書と学力検査等の結果、面接や適性検査を実施した場合はその結果も資料とし判定されます。

2.内申点の扱い

内申書に記入される成績は、中1から中3までの9教科・各5段階評定です。
「特別活動の記録」や「学校内外における優れた諸活動等の記録」なども記入されます。

3.受験科目の特徴

【石川県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問4題構成で、「リスニング」「短めの英文」「対話文」「長文読解」となっています。リスニングは14分と長めな上、英文と質問を聞き取った上で英作文をするタイプの出題もあります。毎年同じ傾向なので、過去問で十分対策をとっておきましょう。

対話文は130語程度の長さですが、登場人物が多いので内容の読み取りに苦戦する受験生も多いはずです。またポスターやパンフレットといった資料の読み取りも必要になります。「誰が・何を言ったか」を軸に、素早く読み取る練習を重ねておきましょう。

また長文を読み英作文で書くという形式が、近年連続して出されています。英作文の比重が年々高まっているため、今後も英作文対策は欠かせません。知っている単語や熟語で正しく書けるよう練習しましょう。書いたものを添削してもらうのもおすすめの勉強法です。

数学は大問7題構成で、「小問集合」「数と式」「資料の活用」「関数」「図形」など、数学の全分野から幅広く出題されています。小問集合だけで30点分になりますから、できるかぎり得点したいところ。「問1」だけを集めた問題集を繰り返すのも良い対策です。

図形分野からは平面図形と空間図形、作図など大問3題分が出されるのが定番です。平面図形とに立体図形（特に後半）は難易度も高いため、トップ高を狙う受験生でも苦戦するでしょう。これらにどれだけ時間をかけるか、見切るかという判断も大切になります。

石川県の数学問題は難易度が高いことで知られています。難しさの要因は「記述式」で答えさせる問題の多さにもあります。全体の3割以上が記述で出される年もあるため、解答用紙の作成にも時間がかかることを想定しておきましょう。

国語は大問5題構成で、「漢字」「説明的文章」「小説」「古典」「作文」となっています。全体的に記述で答えさせる問題が多いのが特徴で、50〜80字程度の記述が4問ほど、配点合計は20点以上にもなります。日頃から「書く」ことに慣れることが大切です。

作文は200字程度を書く必要があります。与えられた素材をよく吟味し、自分の言葉で書けるようにまとめ直す過程に時間が必要となります。漢字や古典などはスピードを意識して処理し、十分な時間を作文に確保できるよう工夫してみてください。

読解も難易度が高めです。テクニックで対応できる部分はほとんどありません。本文を丁寧に読み解かないと解けない問題が多く、設問部分も注意しないとミスを誘発しやすい仕掛けになっています。過去問を使い、石川県の形式に慣れておくことが大切です。

理科は大問6題構成で「小問集合」が2題のほか、物理・化学・生物・地学から1題ずつ、まんべんなく出題されます。各分野の基本事項で構成された小問集合だけで33点分の配点があります。まずは重要事項を正しくおさえることから取り掛かりましょう。

石川県の理科は、同一分野が3年以上連続して出されたことはほぼありません。とはいえ、出題範囲が非常に広いのが理科の特徴でもあります。あまり山を張り過ぎず、苦手分野を作らず全体を対策しておくようにしましょう。

化学分野は「状態変化」「気体」、生物分野は「遺伝」「細胞分裂」に関する問題がよく出されています。ただ暗記するだけではなく、「なぜそうなるのか」と根拠や理由を合わせて押さえておくと良い対策になります。まとめノートは早めに取り掛かりましょう。

社会は大問6題構成で地理・歴史・公民分野から2題ずつ出題されています。資料やデータの読み取り問題が多いのが特徴で、35問ほど出される年もあります。時間が足りなくなることも予想されますから、失点を最小にする作戦を立てておくことも大切です。

地理分野の「時差計算」「雨温図・世界の気候帯」「人口密度」等はしっかり復習しておきましょう。細かな計算が必要だったり、読み取るべき情報が複雑だったりと受験生を悩ませる分野です。これらの分野は、他県の過去問等を活用するのもおすすめです。

公民分野は「政治」「経済」が頻出となっています。公民は覚えるべき事項が地理や歴史に比べると少ないため、比較的得点しやすい分野です。中3で習う範囲でもあるので、記憶が薄れにくいというのもメリットですね。集中的に取り組み、得意にしてしまいましょう。

【石川県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

金沢市にある星稜高校には、Aコース（難関大や医学部を目指す）、Bコース（文武両道で国公立大や有名私大を目指す）、Pコース（スポーツで全国トップレベルを目指す）の3コースがあります。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会で、Pコースのみ競技活動実績調書が必要となります。近年、難化傾向にありますが、どの教科も中学校で習った基本的な内容を身につけ、過去問にしっかり取り組めば対応できます。

図や写真、表、グラフなど資料を読み取る必要がある問題が多めなので、注意しましょう。面倒がらず、与えられた情報を丁寧に読み解く姿勢が大切です。

金沢高校は普通科420名を募集します。コースごとに定員が定められており、Sコース（70名）、特進コース（70名）、進学コース（210名）、スポーツコース（70名）という内訳です。また1つのコースを受験すると自動的に指定の他コースが併願となります。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会で、試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）となっています。

英語は英作文も課されますので、対策しておきましょう。県立高校入試の問題を活用するのもおすすめです。
数学は身の回りの事象を数学的に分析する問題が出題されています。慣れないテーマでも、問題文を丁寧に読み、必要な情報を見つけることが解答への取り掛かりになります。
どの教科も幅広い分野から出題されていますので、苦手分野をなくしておくことが大切です。私立高校の入試ははやい時期に行われるため、冬休みは過去問演習に取り組むようにしましょう。

遊学館高校は普通科440名を募集します。入学後のコースは特別進学コース、一般進学コース、金城大学コースの3つがあります。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会で、試験時間は1教科50分となっています。また受験生全員に面接も課されます。過去問は体験入学や入試説明会で配布されていますので、志願する場合は入手しておきましょう。

数学は証明問題が出されています。基本の書き方を復習し、必要な条件の抜け漏れなく書けるように練習しておきましょう。
国語は指示語や接続語、語彙の問題も散見されます。読解以外の国語知識や文法についても、早い段階で復習しておくと良いでしょう。
資料の読み取りが必要になる問題が出されることもあります。限られた時間内で正確に読み取るためには、何度もくり返し取り組んでおくことが近道。他県の私立高校の過去問等も参考にしながら、対策していきましょう。

4.推薦入試について

公立高校の推薦入試は、普通科の一部および職業科・専門科・総合学科において実施されます。出願には推薦要件を満たすことと、中学校長の推薦が必要となります。

推薦入試の定員は、普通科は募集定員の20%以内、職業科・専門科・総合学科等は25％以内と定められています。また学力試験は実施されません。面接、および実施した場合は適性検査や作文の結果、調査書等を資料として合否が判定されます。

私立高校の推薦入試は、1月上旬～中旬に行われます。一部の高校では推薦入試でも公立高校との併願（入学金の延納措置等）を認めているところもあります。条件付きの場合もありますので、詳しくは各高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

石川県の公立高校入試問題は、全国的に見ても難しいと言われています。というのも、石川県は全国学力・学習状況調査（全国学力テスト）でも常に上位の成績を残す県であるにもかかわらず、公立高校入試の平均点は250点前後。全国トップレベルの学力を持つ中学生が取り組んでも平均点が5割程度になる内容だというのが理由です。

全体的に思考力を問う問題が多く、記述で答えさせる形式が非常に多い点が原因だと考えられています。石川県の高校入試に臨む際は、こうした傾向を踏まえ「基礎基本をマスターした上で、自分で考える力」を育てることを意識していくと良いでしょう。

他県の入試問題を参考にする際は、「記述式の問題を出す私立高校」を活用してみてください。

6.偏差値ランキング