東京都の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

東京都立高校は一般選抜（第一次募集・分割前期募集）で、ほとんどの高校の募集定員のうち70％以上が決定します。第一次募集で募集人員が充足できなかった学校は第二次募集を行います。
一般選抜（第一次募集・分割前期募集）の試験日は2月下旬、合格発表は3月上旬です。なお、都立高校は住んでいる地域によっての受験制限（学区制）はありません。

選抜は調査書、学力検査（面接、小論文または作文、実技検査を実施する都立高校もあり）の結果を総合した成績により行われます。

【入試科目】

一般選抜の入試科目は以下の通りです。
■学力検査／国語、数学、社会、英語、理科（各教科50分・100点満点）
※芸術および体育に関する学科は国・数・英の3教科

共通の学力検査では測ることが難しい、より高度な思考力や表現力を受験生に問うため国語・英語・数学の学力検査問題を自作する高校もあります。

※国語、数学、英語（リスニングは除く）を自校作成問題で実施。リスニング、理科、社会は共通問題を使用。
※国際高校は英語（リスニングを含む）も自校作成問題で実施。

【選考方法】

学力検査点と内申点は計1000点満点（総合得点）に換算されます。
学力検査点と内申点の比率は、全日制高校では原則として7：3、芸術および体育に関する学科は6：4と学力検査重視になっています。
※傾斜配点を実施する高校・学科・コースもあります。

調査書点の算出方法は次の「内申点」項目で詳しく解説します。

2.内申点の扱い

東京都立高校入試において評価対象になる内申点は中3時の成績のみです。算出方法は次の通りです。

●一般選抜（学力検査に基づく選抜）の場合
中3の9教科の成績について、「5教科×5段階評定」と「実技4教科×5段階評定×2倍」の合計65点満点。
※芸術および体育に関する学科は算出方法が異なります。
「国・数・英の3教科×5段階評定」と「それ以外の6教科×5段階評定×2倍」の合計75点満点。

3.受験科目の特徴

【東京都立高校入試の傾向と対策】

英語は大問4問構成で、例年「リスニング」「長文読解が3題」です。3題ある長文は対話文、物語文、会話文という傾向で、英作文も含みます。小問が多いのが特徴的で、確実に解くためには適切な時間配分が鍵になるでしょう。

長文は1題あたり500語や700～800語という長さが続く上に、リスニングで10分かかるので40分で全てを解かないといけません。とはいえ出題の形式は毎年同じなので、過去問演習が対策として有効です。時間配分を意識しながら正確に解く練習をしましょう。

英作文の配点が12点あるのも見落とせないポイントです。メールの返信を書くといった形式が続いていますが、英作文の基本をおさえれば十分書けます。知っている単語と表現を増やし、文法とスペルを正確に書けるようにしておきましょう。

数学は大問5問構成で、計算・方程式や関数、平面図形、立体図形など全分野から広く出題されています。第1問「小問集合」の配点が最も高く、ここだけで46点分です。教科書レベルの問題ばかりなので、基本を確実に身につけることが平均点突破への道です。

図形の証明問題も出題されます。基本に忠実に、問題文から分かることを丁寧に図に書き込む癖をつけておきましょう。またどうすればしょうめいできるかという見通しを立ててから書き始めることが時間短縮のコツです。

高得点を目指すなら複数分野を融合させた、思考力が問われる問題もしっかり対策しておきましょう。たとえば関数と平面図形を融合させた問題などですね。他県の高校入試過去問も参考になりますよ。

国語は大問5題構成で、「漢字」が2題、「小説文」「説明文」「融合問題」となっています。漢字は読みも書きも出題され、配点は20点。中学校までに習った漢字は、読みも書きも確実に仕上げておきましょう。

「説明文」は約3000字のボリュームです。また小問として200字の作文も出題されました。全体の配分を考えると、説明文は20分程度で主旨を押さえ解答しきることが必要になります。接続語などに着目し、文ごと・段落ごとの論理展開を手際よくつかめるように意識することが大切です。

また2文以上の文章を読んで答えるという融合問題も出題されており、慣れていないと本番で戸惑うことが考えられます。文章1つずつ要旨をつかみ、自分なりに意見を考えるトレーニングを日頃の学習に取り入れてみてください。

理科は大問6題構成で、うち2題は「小問集合」、ほかは物理・化学・生物・地学から1題ずつ出されています。「小問集合」は得点源です。教科書の基本的な知識で解ける問題が多く、配点は2題合計で36点です。確実に得点していきましょう。

理科の4分野からまんべんなく出題されますので、苦手分野を作らないことが肝心です。問題文が長いせいで圧倒されやすいのですが、レベルとしては基本的なものが中心です。表やグラフの読み取り、作図の問題も含めて過去問演習が有効です。

頻出分野は「電解質の水溶液に金属板を入れ電流をとり出す実験」や「塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の問題」です。化学分野が苦手な人は、早めに克服したいですね。電池になる条件としくみ、中和のしくみから丁寧に理解していきましょう。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題されます。また2つ以上の分野にまたがった融合問題も出ますが、分野ごとの基本知識を理解し覚えておけば対応できます。

表や地図といった複数の資料を読みとる問題が非常に多いのが特徴的で、約50点分出る年もあります。資料の読みとりは苦手とする受験生がおおいため、差がつけやすいとも言えます。1項目ずつ丁寧に、かつ速く読み取れるよう練習しておきましょう。

歴史は出来事の時代や年代を押さえておくことが肝心で、毎年約15点分は歴史の並べ替え問題等が出題されています。歴史の知識を単体で暗記していては対応できないので、起きた原因やその後の出来事とのつながりを押さえるようにしましょ。

【東京都私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

一般入試の受験科目は英語・数学・国語および調査書です。

基礎を身につけた上で、過去問を中心にしっかりと対策することが必要です。長文は1題あたり1,000語～4,000語という長いものが3題出されます。単語力や文法力に加えて、パラグラフ同士の論理展開を正確につかむ力がついていると、趣旨を速くつかめるようになるでしょう。接続詞や構文を意識して練習していってください。

リスニングも会話文や長めの文章が読み上げられるので、早めに対策しておきたいですね。耳が慣れてくると得点源にしやすい分野です。

問題のレベルは標準的で、特に難解なものやとりかかりにくいものは多くありません。ただし方針を定めるまでに考えさせる問題など、時間がかかりやすいものもあるので、過去問を使って自分なりに時間配分を決めることが大切です。

大問3までは計算がメインになるので、正確に得点していけるように。大問4以降は得意不得意や難易度によって差がつきやすくなります。1つの問題に固執しすぎず、全体を俯瞰して解けるところを確実に解いていくことが合格への近道です。

題材は「説明文」「随筆」「古文」が中心。古文を含めて問題文が長めな上に、問題も考えさせるものが多いため時間的に余裕はありません。段落ごとの要点をつかみ効率よく読み進めることが大事です。

出題形式はほとんどが選択式ですが、本文からの抜き出し問題や漢字の読み・書きを書かせる問題もあります。出題傾向は一般的なので、他の学校や他県の過去問等も参考になるでしょう。

一般入試の試験科目は英語、数学、国語（各科目とも時間60分、配点100点)と、2次試験に面接があります。

できれば高校初級レベルの英語力は身につけておきたい問題レベルです。単語、文法、イディオムの知識は不可欠。書き換え問題や文法上の正誤問題が出題されますが、知っていないと解けません。高1程度の参考書や単語帳を利用しても良いでしょう。

また長文読解にも慣れておいてください。英検準2級レベルが目安になります。過去、2,000字を超える長文が出題された年もあります。最難関校の過去問から800～1,000字程度の英文を探し、問題を含めて25分くらいで解いてみる練習が良いでしょう。速読力と精読力は共に欠かせません。

まず基本的な計算問題はミスなく解けるように、加えて確率、関数、平面・空間図形の各分野を完成させていきましょう。特に立体図形は教科書では見ない十四面体も出題されます。他校含め過去問から類題を探して演習していくことが対策になります。

数学の基本知識と公式、原理を理解していれば対応できる標準的な問題レベルです。難問といわれるものはあまり出ません。その分、1点の失点が合否を分ける可能性もあります。

試験時間に対して問題数と文章量が多めなので、解くときの優先順位づけと時間配分が鍵になります。過去問を繰り返し、自分なりの正攻法を見つけましょう。漢字の書き取りや文章表現技法などの知識問題も出されますので、正確に覚えること。

50字以内の記述問題が2題出題されています。50字というのは絶妙な文字数で、自分の考えをまとめるには論理的思考力と高い表現力が必要となります。本文の論点を正確につかみ、論理展開を考える癖を日頃から意識してトレーニングしておきましょう。

4.推薦入試について

東京都立高校の推薦入試（推薦に基づく選抜）には、「一般推薦」と「文化・スポーツ等特別推薦」があります。いずれも在籍中学校長の推薦が必要です。
出願は1月中旬、検査は1月下旬、合格発表は2月上旬です。合格した場合は入学することが出願の条件となります。

●検査方法｜学力検査はありません。

一般推薦の検査対象になるのは以下の項目です。

• 推薦書
• 内申書
• 個人面接（全員）
• 高校が行う検査（小論文、作文・実技検査・その他の検査から1つ以上）

以上をすべて点数化し、総合成績により合否が決定します。

出願時には「自己PRカード」の提出が必要となります。点数化はされませんが、面接の資料などとして活用されます。

文化・スポーツ等特別推薦は、実施高校ごとに推薦基準があります。また同じ高校・学科に限り一般推薦と併願できます。

推薦選抜では、ほとんどの高校が評定を点数化して内申点とします。「観点別学習状況の評価」（9教科の全37観点の3段階評価を点数化）を内申点とする高校もあります。

5.公立高校入試の注意点

都立高校入試は「選抜の評価対象になる調査書が中3のもののみ」という点が特徴です。では中3になってから頑張ればいいかというと、そうではありません。中3の学習内容は、中1・2からの積み上げがあって成り立つもの。中1・2で分からないことが残っていると、、受験対策の前に復習に時間がかかるということを意味します。中3で受験対策に専念するためにも、中1・2から確実に習得していくことが大切です。

また「推薦入試」があるので、公立高校の受験チャンスが2回あることになります。しかし一般入試と比較すると推薦入試の方が合格は難しいと言われています。面接で課される「集団討論・個人面接や小論文または作文など」対策が必要なこと、「倍率の高さ」が理由です。

東京都には他県より圧倒的に多い、国公私立あわせて430校ほどの高校があります。難易度や通学手段、また自分のやりたいことや夢を総合的に考えて、行きたい高校を選んでいきましょう。

6.偏差値ランキング