茨城県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

茨城県の公立高校入試はすべての学校で実施される「共通選抜」のほか、文化・芸術・体育等の一部の分野では「特色選抜」が実施されます。「共通選抜」「特色選抜」ともに検査実施時期は3月上旬です。

出願は1人1校・1課程・1学科に限られますが、複数の学科を持つ高校においては第2志望が認められています。

共通選抜はすべての受験生が出願できますが、特色選抜に出願できるのは「文化・芸術・体育、奉仕活動および生徒会活動などの分野で優れた資質・実績がある人」となっています。ただし卒業予定中学校長の推薦は必要なく、各高校の出願要件に該当すれば出願可能です。

募集定員は高校・学科・コースごとに定められていますが、特色選抜を実施する場合の定員は多くの高校が募集定員の5～30％となっています。共通選抜では募集定員から特色選抜枠などの合格者数を引いた人数が募集されます。

【入試科目】

● 特色選抜
英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査（各50分・100点満点）に加え、面接や作文、実技検査が課されます。

● 共通選抜
英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査（各50分・100点満点）です。体育系および音楽系・美術系の学科では別途実技検査を課す高校もあります。

【選考方法】

● 特色選抜
調査書、学力検査の成績、面接等の結果、その他選抜に必要な資料を総合的に判断して合否を決定します。もし特色選抜で不合格となった場合は、共通選抜で合否判定されます。

● 共通選抜
受験者を2群に分けて合否判定を行います。

【A群】学力検査の得点合計が募集定員から特色選抜枠等の合格者数を引いた数の80％以内で、さらに調査書順位も募集人員以内にある者。基本的に合格となります。

【B群】受験者からA群を除いた残りの受験者。「学力検査重視の選抜」と「調査書重視の選抜」の2つの方法で選抜されます。学力検査重視か調査書重視かは高校ごとに人数の比率が決められていますが、多くの高校が学力検査重視の方針をとっています。

2.内申点の扱い

中学校が発行する内申書には、中1から中3までの9教科について5段階評定が記入されます（中3は1月末までの成績が反映）。内申点は各学年45点満点、合計135点満点です。

3.受験科目の特徴

【茨城県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問6題構成で、「リスニング・英作文」「語い・文法」「長文読解3題」「英作文」となっています。第1問の「リスニング・英作文」だけで30点分の配点があります。最も配点が高い箇所になりますので、日頃から英語を聞く耳を鍛えておきましょう。

「長文読解」は大問6問中3問出題されます。370語前後のものが2題、70語程度のものが1題という構成です。毎年ほぼ同じ形式で出題されていますので、過去問演習が有効。出題形式を意識し、自分にとってベストの時間配分を探しながら練習していきましょう。

英作文も対策が欠かせません。英作文を含む出題は大問4題分あり、最後の第6問は30語以上で書きなさいというボリュームです。教科科書で習った基本的な表現を丁寧に練習し、使いこなせるようになっておきましょう。難しい表現を使おうとしなくて大丈夫です。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「関数、数と式、関数等の基本問題」「資料の活用」「関数」「図形」といった内容です。第1問と第2問の基本的な問題だけで40点分に相当します。基本的な計算力や重要事項の復習は丁寧に行っておきましょう。

また記述式の図形の証明問題も出題されます。例年の傾向なので、基本的な書き方に忠実に、必要な記述が抜け漏れなく入るようにコツコツと練習することが対策になります。

関数は受験生が苦手としやすい「身の回りのテーマに関する問題」が出題されています。何を言われているのか理解しないと解けませんが、与えられた条件を1つ1つ押さえていくことが解答への道筋になります。途中過程を飛ばさず、丁寧に解き進めてみてください。

国語は大問4題構成で、「小説」「説明的文章」「古典」「短歌」となっています。全体的に小問が多く、さらに記述式で解答させる形式も多いため、「速く解く」ことがポイントになります。本文の言葉を上手に使い、効率よくまとめられるよう意識して練習しましょう。

小説は本文のボリュームが多く、約2000字の長さになる年もあります。小説にかけられる時間は10分程度のため、内容を速く正確におさえることが得点のコツ。登場人物の心情や情景描写の変化に注意して読むとつかみやすくなりますよ。

短歌や俳句といった馴染みの薄いテーマについての文章を読み、答えるという形式も出題されました。慣れていないと敬遠しがちですが、自分の等身大の言葉で表現していくことが大切です。過去問や他県の入試問題も参考にしながら練習してみてください。

理科は大問6題構成で、「小問集合」のほか「物理」「化学」「生物」「地学」の各分野から満遍なく出題されます。苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もありますから、偏りなく対策しておきましょう。

化学分野からは「中和とイオンや電池」に関する問題がよく出ています。受験生が苦手としやすい分野ですね。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の実験や電池とイオンについて、中和のしくみから反応後の生成物、電池になる条件など丁寧に押さえましょう。

地学分野からは「前線と天気の変化」に関する問題が頻出です。前線が通過した時刻を求める問題や天気図の基礎に関する問題など、基本的なものが多いので早めにマスターしておきましょう。前線や高気圧と低気圧、天気図記号もしっかり覚えておきましょう。

社会は大問4題構成で、「地理」「歴史」「公民」の各分野から1題ずつ出題されるほか、複数の分野を融合させた問題が出されています。すべての分野の基本事項を押さえておくことが肝心、出来事や重要事項の原因や背景まで整理してみてください。

「資料の読み取り」問題が多いのが特徴で、読み取った内容を記述させる形式がよく出されます。暗記だけでは対応できません。資料の読み取り問題を何度も解き、なぜその解答になるのかという根拠や読み取り方を身につけていきましょう。

また「地形図の読みとり」が出題されています。地理分野のはじめの頃に扱う単元なので、忘れてしまっている人も多いかもしれません。縮尺や地図記号など、地理の基本について必ず復習をしておきましょう。覚えておけば得点源にできますよ。

【茨城県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

水城高校は普通科4コース（SZコース・SUコース・SSコース・SAコース）について募集が行われます。入学定員は全コース・全入試日程を合わせて640名です。
一般入試の学力検査は英語・数学・国語の3教科で、すべてマークシート方式です。茨城県の公立高校入試や学校の実力テストとは出題傾向が異なるため、水城高校を目指す場合は過去問でしっかり対策をしておきたいところです。

発音・アクセントの問題が出題されます。単語を覚える際、意味だけではなく発音やアクセントも同時に覚えるようにしましょう。英語の音源を活用したり、発音記号について英語の先生に訪ねてみるのも良いですね。
また長文問題が多いこと、内容把握や空欄補充の問題が出題されることも特徴的です。日頃から英文の構造を正しくつかみ、スピーディに和訳できるよう練習を重ねておきましょう。

やや難解な計算問題が出題されます。基本的な計算ルールや公式は押さえた上で、複雑な計算も網羅した問題集などで練習しておくのが良いでしょう。
図形に関する問題など、難度が高く完答は目指さない方が良いものもあります。できる問題とできない問題を見極めて、できる箇所で確実に得点を重ねることが大切です。

全体的に文章量が多いため、長い文章でも要点をつかみながら読み解けるようになることが大切です。また「なぜそれが正解になるのか」という根拠を考えながら解く姿勢が大切。問題文と本文の似た表現を探したり、接続語に注目したりすると考えやすくなります。

土浦日本大学高校は3コース5クラス（特別進学コーススーパーハイクラス・特進クラス、総合進学コース進学クラス・スポーツクラス、グローバル・スタディコース）について生徒を募集します。入学定員は全コース・全入試日程を合わせて630名です。

一般入試には「3教科型（英語・国語・数学）」と「5教科型（英語・数学・国語・理科・社会）」がありますが、いずれにおいても解答形式はマークシート方式です。また面接が課される場合もあります。

長文の割合が多いのが特徴です。記述で解答する箇所がない分、正確な読解力と解答を選び抜く力が合否を分けます。数多くの長文に当たりながら、段落ごとの要旨を速く正確につかめるよう練習しましょう。他県の私立高校の過去問も参考になります。

基本レベルの出題がほとんどで、難問は少なめです。稀に問題文の条件を理解することに手間がかかる問題が出題されます。普段から問題文で与えられた条件をよく考える姿勢を持つことが対策になります。マークシート独特の解答形式にも注意しましょう。

「説明的文章」「小説」「古文」から満遍なく出題されます。主な出題内容は内容の理解について。全体の約7割を占めます。どんな問題も本文中に解答の根拠を求める姿勢を忘れずに取り組んでいきましょう。文法や漢字、ことわざも要チェックです。

茨城県公立高校入試より、やや難し目の問題が出題されます。資料やグラフ、図の読み取りがキーポイントになりますので、過去問や実力テスト等を利用し苦手分野を作らないようにしておきましょう。

常総学院高校は特進選抜コースおよび進学選抜コースについて生徒を募集します。一般入試の募集定員は併願型推薦入試合格者を含む310名です。

学力検査は英語・数学・国語・理科・社会の5教科（各50分）で、すべて記述式です。学力検査の結果および調査書の内容を総合的に判断して合否が判定されます。常総学院高校の試験問題は茨城県立高校入試を分析して作られているので、県立高校第一志望者にも良い題材となっています。

リスニングや長文、英作文も出題されます。公立高校入試の過去問や学校の実力テスト等を利用し、さまざまなパターンに慣れておきましょう。自分の意見を述べる形式の英作文も出題されます。基本的な表現で言いたいことをかき切れるように対策しましょう。

数学は全分野から満遍なく出題されます。計算問題や関数、平面図形、確率、平面・空間図形など、苦手分野を作らないことが肝心です。教科書の章末問題レベルから入試レベルまで対策しておけば万全。計算は速く正確に解くトレーニングで失点を最小限に。

全体的に標準的なレベルとなっています、「説明的文章」「小説」「古文」「作文」等が出題されています。短歌や韻文が題材になることもあるので、早めに練習しておくと安心です。国語の総合力を高められるよう、さまざまな問題に触れておいてください。

「地理」「歴史」「公民」から満遍なく、また複数分野にまたがった融合問題も出題されます。問題のレベルは標準的です。公立高校入試の過去問演習が対策として有効でしょう。

全分野から出題されますので、苦手分野を作らないよう早めに復習に着手してください。基本的な計算問題やグラフの読みとりも、丁寧に取り組んでいきましょう。

4.推薦入試について

茨城県の公立高校には推薦入試制度はありません。
私立高校の推薦入試は1月上旬に行われます。全ての私立高校で試験日が同一のため、注意してください。また私立高校の推薦入試では、公立高校との併願（入学金等の延納措置）を認めていません。

5.公立高校入試の注意点

茨城県公立高校入試は全高校・全学科で実施される「共通選抜」と、一部の高校・学科で行われる「特色選抜」があることが特徴です。どちらの選抜方法を選択しても学科試験は必須になります。また内申点も無視できない存在感を放っています。中1から中3までの成績が加味されるので、苦手科目を作らず満遍なく伸ばしておくことが大切です。

日々の学習にコツコツと取り組み、定期試験の成績を上げる。提出物はしっかり出す、特別活動にも積極的に参加するといった対策は、中1から取り組めますね。早い段階で内申点を高め、中3からは学科試験対策に専念できるようにするのが、茨城県の公立高校入試を突破する有効な方法だと言えます。

6.偏差値ランキング