福岡県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

福岡県公立高校入試は、1月下旬実施「特色化選抜」、2月上旬実施「推薦入学者選抜」、および3月上旬実施「一般入学者選抜」の3段階で合格者が選出されます。

● 通学区域について
普通科（普通科コース・単位制以外）および理数科・英語科は通学区域の制約があります。通学区域は居住地域によって13に分けられており、それぞれ出願できる高校が決まっています。
普通科のコースおよび単位制普通科、理数科と英語科を除く専門学科、総合学科は、通学区域がありません。

● 特色化選抜
特色化選抜は、志願先高校が定める出願資格を満たしていれば誰でも出願できます。中学校長の推薦は不要です。また推薦入学者選抜との併願はできません。募集人員は設定されておらず、高校が入学定員に対する内定者上限人数を定めます。

2021年度入試では、以下の12校が特色化選抜を実施しました。

● 推薦入学者選抜
下の高校をのぞき、ほとんどの高校・学科（コース）で実施されます。出願に当たっては中学校長の推薦が必要です。募集人員は各高校ごと定められています。特色化選抜との併願はできません。

《2021年度入試において推薦入学者選抜を実施しなかった高校》
玄洋高校（普通科）／太宰府高校（普通科）／武蔵台高校（普通科）／三井高校（普通科、福祉教養コース、スポーツ健康コース）／三潴高校（普通科スポーツ文化コース）

● 一般入学者選抜
一般入学者選抜はすべての高校で実施されます。

【入試科目】

● 特色化選抜
学力検査はありません。全員に面接が実施されます。また高校・学科（コース）によっては作文や実技検査を課す場合もあります。

● 推薦入学者選抜
学力検査はありません。全員に面接が実施されます。作文を課す高校・学科（コース）も多く、実技検査を行う場合もあります。

● 一般入学者選抜
全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査が実施されます。試験時間は英語のみ55分、他4教科は50分。配点は1教科60点満点（合計300点満点）です。
高校・学科（コース）によっては「個性重視の特別試験」として面接・作文を課すところもあります。また体育系・芸術系学科では実技検査も実施されます。

【選抜方法】

● 特色化選抜
面接の結果、実施した場合は作文や実技検査の結果のほか、志願理由書、調査書を判定の資料とし、合格者を選抜します。特色化選抜で合格とならなかった場合でも、同じ高校を含め一般入学者選抜に出願できます。

● 推薦入学者選抜
面接の結果、実施した場合は作文や実技検査の結果のほか、推薦書、志願理由書、調査書を判定の資料とし、合格者を選抜します。推薦入学者選抜で合格とならなかった場合でも、同じ高校を含め一般入学者選抜に出願できます。

● 一般入学者選抜
内申点と学力検査点を判定資料とし、共に高い順に入学定員以内までは、内申書の記載内容に取り立てて支障がなければ合格となります（A群）。
A郡以外の受検者（B群）は、内申書の記載を重視し総合的に合否が判定されます。
学力検査の配点や内申点について、特定教科の配点を大きくする傾斜配点を行う高校・学科（コース）もあります。高校ごとの実施状況については、教育委員会発表の「福岡県立高等学校入学者選抜要項」をご確認ください。

2.内申点の扱い

一般入学者選抜において内申点として評価の対象となるのは中3次の成績のみです。
・中39教科×5段階評定＝45点満点

中1・2の評定や「観点別学習状況」なども内申書には記入され、合否判定の際、重要な資料となります。
また一般入学者選抜において内申点が傾斜配点される場合は、実技4教科に対して行われることが多くなります。

3.受験科目の特徴

【福岡県立高校入試の傾向と対策】

英語は「リスニング4題」「語い・文法」「長文読解2題」「英作文」といった構成が定番です。リスニングは15分で実施され、配点は満点の3分の1にあたる20点分。英文が読まれる速度が速くなる傾向があります。日頃から英語を聴くなど対策しておきましょう。

長文読解は250～350語程度と、長さは標準的ですが、年によってはやや読みにくいテーマが選ばれることもあるため注意が必要です。問題構成は読解力と内容理解を重視しており、記述力も試される形式のため、過去問を使ってしっかり対策しておきましょう。

英作文はテーマが与えられ、30語で書くという形式で出題されています。ある程度のまとまった文章を時間内に書き切るためには、習った単語・文法を使ってシンプルな言い回しで表現することがコツ。書いたものは先生に添削してもらうと良い勉強になります。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「数と式」「資料の活用」「関数」「図形」等が出題されています。最も配点が高いのは「小問集合」で、18点分を占めます。「三平方の定理」といった後手になりやすい単元も出題されるので、注意してください。

「記述で解答させる証明問題」が数多くあるので、入念な対策が必要です。図形分野だけではなく、「身の回りの関数」などでも見られます。新しい傾向の問題として選択した解法によって解答が異なる上に完全に記述というやや難しいものもありました。

問題文が長いので、素早く丁寧に読み取る力が要求されます。数値には下線を引く、条件を図に表すなどの工夫で、情報と関係性を正しく抜き取れるよう練習しておきましょう。また基本的な問題はスピーディーに処理し、後半に時間を掛けられる時間配分も重要です。

国語は大問4題構成で、「漢字・国語知識」「説明的文章」「小説」「古典」「作文」などが出題されています。国語知識は基本的レベルで解けますが、説明的文章を読んで解答するという新形式の思考力を問う問題も出されるようになりました。

全体的には、読みにくい文章が出されることは少な目です。出題パターンも例年ほぼ同じなので、過去問演習が有効な対策でしょう。記述問題にやや難し目のものが含まれることがあります。与えられた条件をよく捉え、丁寧に取り組むようにしましょう。

作文は条件に従って240字程度を書くという形式です。書くべき分量はまとまっていますが、かなり細かく条件が与えられているため、条件に従って書いていくと文字数は自然と埋まるでしょう。漢字や言い回しでミスしないように気をつけてください。

理科は大問8題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から2題ずつ出題されています。出題される小分野はさまざまですが、基本～標準レベルの問題が7～8割を占めます。難問は少なく得点差が開きにくい教科です。失点を最小限にすることが最重要でしょう。

4分野のいずれかで、2ページにわたって対話が続く形式の問題が出題されます。また作図も含まれる点も特徴。理科は問題文や資料を読み飛ばすと解けません。とはいえ、隅々までじっくり読むと時間が不足しますから、要点を素早く見つける練習が大切です。

化学分野の「電池とイオン、中和」や、生物分野の「光合成、呼吸、蒸散」といった単元が繰り返し出題されています。頻出分野は早めに対策を完成させ、他分野の学習に取り組めるように優先順位付けをすると安心です。また苦手分野もしっかり克服しておきましょう。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民各分野から2題ずつ出題されています。難化と易化をくりかえしているため、過去問数年分に取り組み傾向をつかんでおきましょう。基本的なレベルの出題が中心ですが、一部難し目のものも含まれます。

対策としては教科書を基本に据えることがベストです。重要用語は背景や結果、周辺知識なども合わせて覚えていきましょう。記述問題対策として、漢字まで正しく書けるようにしておくことも需要です。定番問題は全問正解を目指しましょう。

歴史分野では近・現代史の出題が増加傾向にあります。近・現代史は出来事も多く情勢も複雑なため、苦手とする受験生も多い分野。覚える際は出来事単独ではなく、全体の流れの中で暗記していくようにすると、本番で活きる知識として身につきます。

【福岡県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

福岡大学附属大濠高校は普通科460名を募集します。募集定員は入試方式ごとに定められており、専願入試40名、前期入試380名、後期入試40名となっています。
前期入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科、試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）です。

リスニングテストは30点分ほどの配点があります。難易度は公立高校入試問題よりやや難し目なので、公立高校対策の上でさらにレベルを上げていきましょう。ほか、「語い・文法」「長文読解」などが出題されています。

「小問集合」「関数」「図形」といった大問が出題されています。小問集合の計算は過程が複雑なものが含まれるため、必要以上に時間を取られないように正確に取り組みましょう。う。全体的に標準～応用レベルの問題が出されています。

「説明的文章」「小説」「漢字・国語知識」等が出題されています。本文の分量が多めなのが特徴、また設問も内容一致問題など内容理解をしていないと解けないものが多くあります。他県の私立高校入試問題も参考にし、過去問演習に取り組んでおきましょう。

4.推薦入試について

福岡県公立高校入試ではほぼすべての高校で推薦入学者選抜が実施されています。出願にあたっては中学校長の推薦が必要なので、希望する場合は担任の先生に相談してみてください。詳しくは記事はじめにある「①公立高校入試制度・日程」の項目をご覧ください。

私立高校の推薦入試は、高校ごとに実施状況が異なります。推薦入試を行う場合は、1月中下旬に検査日が集中します。詳しくは高校の募集要項をご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

福岡県公立高校入試は、「特色化選抜（一部高校で実施）」「推薦入学者選抜（多くの高校で実施）」および、「一般入学者選抜（すべての高校で実施）」の実質2回挑戦チャンスがあることが特徴です。志望する高校が特色化選抜・推薦入学者選抜を実施している場合は、自分の得意・不得意と照らし合わせ出願をよく検討してみてください。例年の合格者の平均的な成績や倍率等も、判断の大切なデータになります。こうした資料は学校の進路指導担当の先生が知っていることが多いので、積極的に聞いてみましょう。

また一般入学者選抜で合格するには、学力検査で十分に得点することが何より大切です。合否判定の資料になる調査書の評定は中3次だけである上に、配点は45点満点。対して学力検査の配点は300点満点だからです。福岡県公立高校入試問題は、傾向や出題形式が毎年ほぼ同じです。基本を復習した上で過去問演習に取り組み、本番でも実力を発揮できるよう準備をしておきましょう。

6.偏差値ランキング