広島県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

広島県公立高校入試は、2月上旬に検査が行われる「選抜（Ⅰ）」および、3月上旬に検査が行われる「選抜（Ⅱ）」によって、合格者が選出されます。「選抜（Ⅰ）」「選抜（Ⅱ）」を経ても入学定員が充足できない場合に限って、「選抜（Ⅲ）」が実施されます。

● 選抜（Ⅰ）｜推薦入試
選抜（Ⅰ）は多くの高校・学科（コース）で実施されます。募集人員は以下の通りです。

• 多くの普通科　募集定員の20％以内
• 専門学科、総合学科、普通科のコース　募集定員の50％以内

出願にあたっては中学校長の推薦と、各高校・学科（コース）が定める推薦基準を満たしていることが条件となります。

● 選抜（Ⅱ）｜一般選抜
すべての高校・学科（コース）で実施されます。

【入試科目】

● 選抜（Ⅰ）
学力検査はありません。受検者全員に面接が実施されます。また高校・学科（コース）等の特色に応じて独自の選抜方法を実施する場合もあります。

● 選抜（Ⅱ）
受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が実施されます。試験時間は1教科50分、各50点満点（合計250点満点）ですが、合否判定に使用される得点は満点250点に2分の1をかけた125点満点となります。
また特定科目の配点を大きくする傾斜配点が実施されることもあります。

高校・学科（コース）によっては面接や実技検査、また共通の学力検査に代えて事項作成問題を実施するところもあります。 ※ 2021年度入試において、自校作成問題を実施したのは2校のみでした。

【選抜方法】

● 選抜（Ⅰ）
中学校からの推薦書、志望理由書、調査書、また実施した面接やその他検査の結果を総合的に判定します。
もし選抜（Ⅰ）で不合格となった場合でも、同じ高校を含め選抜（Ⅱ）に出願することができます。

● 選抜（Ⅱ）
一般学力検査の得点（125点満点）、調査書の評定、および調査書に記載されたその他記（「学習の記録の観点別学習状況」「特別活動の記録」「総合的な学習の時間の記録」「他の記載事項」）を総合的に判定し、合否を決定します。
面接や実技検査、自校作成問題による学力検査を実施した高校・学科（コース）では、その結果も選抜の資料に加えられます。

学力検査点と内申点はほぼ同等に扱われますが、高校によっては入学定員の一部（20％以内）を学力検査点と内申点のどちらかを重視して選考する場合があります。

2.内申点の扱い

調査書に記載される成績は、中1から中3までの9教科すべてで、それぞれ5段階評定で評価されます。
● 選抜（Ⅱ）
各学年の実技4教科×5段階評定×2倍となります。さらに全学年の合計に195分の130をかけ、130点満点が内申点となります。

3.受験科目の特徴

【広島県立高校入試の傾向と対策】

英語は大問4題構成で、「リスニング」「長文読解2題」「英作文」という内容が出題されています。リスニング9分には短めの英文が流され、それに対する自分の考えを書くという問題も含まれます。平易な表現で十分なので、端的に正確に書くことが正解のコツです。

長文読解は450～510語の平均的な字数のものが出題されています。大問すべてに英作文があることが特徴的、形式も「適語補充＆英文完成」「内容に合うように英作文」など多彩です。また独立問題としても出されるため、英文法は使いこなせるようにしておきましょう。

文法問題は、独立した大問としては出されていません。ただ長文読解の文章中や、小問では文法知識を頻繁に使います。全体的な問題形式はオーソドックスなものですから、過去問や他県の公立高校問題も参考にしながら、十分に演習しておきましょう。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「基本問題」「数と式」「資料の活用」「関数」「図形」等、数学の全範囲からまんべんなく出題されています。問題の難易度は標準的なので、基本的な計算をしっかりと完成させることで得点は安定してきます。

「数と式」など文字式を使った分野で、ややひねった問題が散見されます。さまざまな問題に数多く触れ、数学独特の言い回しに慣れ発想力を鍛えておきましょう。一見難しそうに見えても、問題文から条件を抽出できれば解けることが多いので、挑戦してみてください。

「関数」は基本から応用レベルまで出されています。受験生が苦手としやすい図形との融合問題が出る年もあります。問題文の複雑さにまどわされず、題意を丁寧に読み解くこと、何を求められているのかを正確につかめれば解法は見えてきます。

国語は大問4題構成で、「小説」「随筆」「古文（古典）」「作文」などが出題されています。例年は「説明的文章」が出されているのですが、直近3か年で「随筆」が初出題されました。「説明的文章」と合わせて、対策に盛り込んでおきましょう。

全体的に本文のボリュームが増加傾向にあります。1題あたり3,500語程度はありますから、時間内に読み、解き切るためには時間配分も重要になるでしょう。接続詞や段落に注目し、論理展開をスピーディに読み解けるように練習しておいてください。

作文は例年、文章やグラフ、資料などを読んだうえで200～250字程度に自分の意見をまとめる、という問題が出されています。文章表現の基本にのっとり、正しい日本語でシンプルにまとめると良いでしょう。書いたものは添削してもらうと良い勉強になります。

理科は大問4題構成で物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ、まんべんなく出題されています。グラフや図を書かせる問題や、計算、文章で答えさせる問題など形式もさまざまです。理科の底力が試される試験だと言えます。

「実験と考察」に関する問題が頻出です。理科の思考力を問う問題形式で、今後も続くと思われます。単なる丸暗記ではなく、「なぜそうなるのか」という根本的な理解を心がけましょう。また暗記すべきことは早めに完了させておくと、その後の学習が楽になります。

化学分野は「化学変化と物質の質量」、生物分野は「遺伝」「細胞分裂」といった分野がくり返し出されていますので、念入りに対策しましょう。化学式や化学反応式などはもちろん、反応する物質の質量の比や酸化・還元によってできる物質の特徴も押さえましょう。

社会は大問4題構成で、地理・歴史・公民各分野からの出題に加え、複数分野を融合させた問題も1題出されています。融合といっても各分野の基本知識が土台となります。苦手は早めに克服する、重要用語は確実に覚えると言った対策をしていきましょう。

近年、全分野において記述で解答させる問題は増加傾向にあります。問題で問われていることに、正確に抜け漏れなく解答できているかが採点基準になりますから、キーワードとなる用語を盛り込み、不自然な日本語にならないようにまとめてみてください。

受験生が苦手としやすい資料の読みとり問題に要注意です。複数資料の読みとりや記述問題は、読み取りと解答の練習を重ねることで慣れていきます。書いたものは社会の先生にチェックしてもらっても、良い勉強になりますよ。

【広島県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

修道高校は、私立高校の中では最難関となる学校です。男子のみ・普通科約300名を募集しますが、うち内部進学者が285名前後になりますので、高校からの入学は狭き門となります。
一般入試の試験科目は英語・数学・国語の3教科で、試験時間は1教科60分、各100点満点（合計300点満点)となっています。
過去の合格者平均点は190点前後で推移しており、基本をおさえた上で高い学力が要求されます。

「長文読解」「文法・語い」「英作文（自由英作文含む）」などが出題されています。文法は教科書レベルの内容は確実にマスターしておきたいところです。また自由英作文等、自分の意見をまとめる問題では、「なぜそう考えるのか」と理由まで含めるようにしましょう。

数学の全範囲からまんべんなく、基本から応用レベルまで幅広く出題されています。一部、初見では取り掛かりが難しい問題も含まれますが、根気よく取り組むと解法の道筋が見えてきます。諦めずに試行錯誤する力も大切です。

「説明的文章」「小説」から出題されています。全体的にはオーソドックスなテーマと出題形式なので対策はしやすいでしょう。記述問題に苦戦する受験生が散見されますが、日頃からさまざまな文章にふれ、要約文を作成すると語彙力や表現力がアップします。

安田女子高校は女子のみ、推薦入試で40名・一般入試で40名、合計80名を募集します。一般入試では英語・数学・国語3教科の学力試験が課され、試験時間は1教科50分、各100点満点（合計300点満点）となっています。また全員に面接も実施されます。

「長文読解」では広島と関連のあるテーマが扱われます。問題構成は選択問題中心ですが、すべて本文中に根拠を探す必要がある問題のため、決して易しいとはいえません。時間が足りなくなることも予想されますので、過去問に取り組み、時間配分や解く順番も戦略的に考えておくとよいでしょう。

第1問に「小問集合」がありますので、ここで確実に得点したいところです。「場合の数」「確率」といった分野もとりこぼしがないように、復習しておきましょう。「平面図形」「空間図形」がよく出されていますので、基本からしっかり押さえておいてください。

国語現代文・古文とも出題されています。本文の内容は難しめのことも多いのですが、問題は比較的解きやすいと言えます。古文も内容理解ができれば、得点は難しくないでしょう。さまざまなテーマの文章を読み、予備知識を蓄えておくことも有効な対策となります。

4.推薦入試について

広島県公立高校入試に推薦入試制度はありません。
私立高校では多くの学校で推薦入試が実施されます。検査日は1月下旬から2月上旬です。詳しくは高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

広島県公立高校入試は、多くの学校で「選抜（Ⅰ）」「選抜（Ⅱ）」と2回のチャンスがあることが特徴です。「選抜（Ⅰ）」は学力検査なし・募集人数は限定的、「選抜（Ⅱ）」は学力検査あり・募集人数は多めという違いがありますから、自分の得意不得意や成績をよく検討し、最適な受検を実現させましょう。

学力検査の問題は全体的にオーソドックスですが、近年全国的に増えている「思考力を問う問題」が広島県でも増えつつあります。過去にあまり例がないタイプの問題もあるため、過去問演習の際には広島県だけではなく、他県の公立高校入試問題も参考にしてみると良いでしょう。

6.偏差値ランキング