兵庫県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

兵庫県公立高校入試は、2月中旬に検査が実施される「推薦入学」「特色選抜」および、3月上旬に検査が実施される「一般選抜」において合否が判定されます。

推薦入学は普通科内のコース、普通科（単位制）、専門学科、総合学科で行われ、中学校長の推薦が必要です。
特色選抜は普通科の「特色ある類型」で実施され、検査日は推薦入試と同一、中学校長の推薦はいりません。
一般選抜は推薦入学と特色選抜で定員が充足されない、すべての高校・学科で行われます。

出願に当たっては5つに分かれた通学区域の制約がありますので、注意してください。
＊ 普通科および総合学科は、選抜方式によって出願できる地域が異なります。
＊ 隣接区域の高校に出願可能な地域もあります。
＊ 専門学科は県内全域のどの高校にも出願できます（ただし明石市立明石商業高校の一般選抜のみ通学区規定あり）。
（通学区域について詳しくは教育委員会のホームページをご覧ください）。

▼ 普通科（単位制を除く）の選抜方式ごとの通学区

• 推薦入学：通学区あり
• 特色選抜：通学区あり
• 一般選抜：通学区あり

▼ 普通科（単位制）の選抜方式ごとの通学区

• 推薦入学：通学区なし
• 一般選抜：通学区あり

▼総合学科の選抜方式ごとの通学区

• 推薦入学：通学区なし
• 一般選抜：通学区あり

▼専門学科の選抜方式ごとの通学区

• 推薦入学：通学区なし
• 一般選抜：通学区なし

▼ 推薦入学の募集定員は以下のようになっています。

• 普通科内のコース 100％
• 普通科（単位制） 50％
• 総合学科 50％
• 専門学科 50％以内、もしくは100％

▼ 特色選抜は各高校の募集定員の20％以内（最大40人）を募集します。
※ 家島高校、村岡高校、生野高校は募集定員の50％以内

出願は基本的に1人1高校・1学科（コース）ですが、「複数志願制度」を実施する高校へは第2志望も添えて志願することができます。この場合の合否判定は第1志望が優先されます。

【入試科目】

● 推薦入学
学力検査は実施されません。受検者全員に面接、高校・学科（コース）によっては小論文／作文、適性検査、実技検査などを実施する場合もあります。
普通科内のコースでは英語・数学・理科から2教科以内の適性検査や実技検査、小論文／作文を実施する場合もあります。

● 特色選抜
学力検査は実施されません。受検者全員に面接、高校・学科（コース）によっては小論文／作文、適性検査、実技検査などを実施する場合もあります。

● 一般選抜
英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。

【選抜方法】

● 推薦入学
面接や実施した検査の結果、推薦書、内申書などを総合的に判定し、合否を決定します。

● 特色選抜
実施した検査の結果や内申書などを総合的に判定し、合否を決定します。

● 一般選抜
実施した学力検査の得点を0.5倍し250点満点にしたものと、内申書の中3次の評定を250点満点に換算したものを同等に扱い、選考の資料とします。
また内申書の諸記録や、実施した場合は面接、実技検査、小論文／作文などのっ結果を総合的に判定し、合否を決定します。

【複数志願選抜について】

複数志願選抜は、全日制の普通科（単位制含む）および総合学科で実施されます。選抜に当たっては第1志望者に対し『内申点＋学力検査点（総合得点）』に『第1志望加算点』が加えられます。第2志望者の総合得点はそのままです。
合否の判定は、第1志望者も第2志望者も全員上位から並べ、得点が高い方から総合判定を経て合格となります。

● 第1志望加算点について

• 第1通学区 25点
• 第2通学区 20点
• 第3通学区 25点
• 第4通学区 30点
• 第5通学区 30点

2.内申点の扱い

内申書に記載される成績は、中1から中3までの9教科がぞれぞれ5段階評定で記入されます。
推薦入学／特色選抜では、学科の特色や教育内容に即し合否判定をする際に参考資料となります。
一般選抜で参考にされる内申点は中3次の成績のみです。次の計算式で250点満点に換算されます。

● 一般選抜の内申点換算
（5教科×5段階評定）×4倍＝100点
（実技4教科×5段階評定）×7.5倍＝150点　計250点満点

3.受験科目の特徴

【兵庫県公立高校入試（後期選抜）の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング題」「長文読解3題」「語い・文法」となっています。第1問の「リスニング」は10分ありますが、聞き取りテストⅠは英文が1回しか読まれません。英語特有の音の繋がりを聞き取れるように、くり返し練習しておきましょう。

大問3題文が長文読解とボリュームが多い上に、教科書で習っていない難易度の高い英単語も脚注なしで含まれることがあります。基本的な単語はもちろん、高1レベルの英単語や熟語、連語を増やしておくと読みやすくなるでしょう。

問題の難易度もやや高めな点が特徴です。整序英作文や要旨の読み取りといった受験生が苦手としやすい形式が数多く出題されます。英文を読むスピードをつけることと同時に、過去問を活用し特有の問題形式に慣れておくことも大切です。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「関数」「平面図形」「資料の活用」「数と式」等が出題されています。「小問集合」は計算を中心に図形や度数分布表など幅広い範囲から出されています。1回の計算で正解を導ける計算力を付けることを目指しましょう。

関数が大問2題分出題されるのが近年の傾向で、今後も続くことが予想されます。定番問題や「身の回りのテーマに関する問題」、また普段見慣れないタイプの問題も出されています。初見の問題でも問題文から情報を丁寧に読み取ることが解答への第一歩です。

数学的思考力を問う問題も出されています。日頃からどうしてそうなるのか、どうしてその解法を使うのかといったところまで考えながら勉強していくことが良い対策になります。またかなりの難問が含まれるので、時間をかけるべき箇所の見極めも意識しましょう。

国語は大問5題構成で、「会話問題」「古典（古文・漢文）」「説明的文章」「小説」などが出題されています。兵庫県の国語は全国でもトップレベルに文章量が多いことで知られており、問題10ページ・総文字数は12,000字を超えます。まずは読解体力をつけましょう。

読解問題の中に国語知識を問う問題が含まれています。読解に時間をかけられるよう、知識系の問題は素早く処理していきましょう。四文字熟語、慣用句、ことわざ、文法、古文や漢文の基礎知識などを身につけておくと良いでしょう。

「会話文の問題」として、話し合いの内容を理解したか問う問題や、話し合いの内容を記述させる問題も出ています。あまり見かけないタイプの問題は、解き方のコツを知っているかが正解の分かれ目。過去問を使い、ポイントを押さえた演習をしておきましょう。

理科は大問５題構成で、「小問集合」のほか「物理」「化学」「生物」「地学」の各分野から1題ずつ出題されます。大部分が選択問題ですが、図を読み取り思考した上で解答するタイプの問題もあります。単なる暗記では太刀打ちできない点を押さえておきましょう。

化学分野から「水溶液」や「気体」、地学分野からは「地層」「岩石」がよく出ています。質量パーセント濃度の計算や、気体のつくり方・性質などは確実に押さえておいてください。実験は目的や結果、考察までセットにして理解していくことが大切です。

計算問題や作図を要する問題、完解問題が多いのが特徴といえます。計算は複雑なものがだされることもあるため、時間切れにならないようにスピーディーな処理を心がけましょう。またさまざまな問題形式に触れておくことも良い対策になります。

社会は大問3題構成で、「地理」「歴史」「公民」の各分野から1題ずつ出題されています。全体の80点分ほどが記号問題なので、基本を押さえて確実に得点できるようにしておきましょう。記述問題対策として、用語を正しく書けるようにしておくことも大切です。

教科書にはない資料や地図、グラフ、統計資料などが出されることもあります。初見のデータだとしても慌てずに、何を表しているのか・何を読み取らせたいのかを丁寧に見ていくと解答への道筋がみえてきます。新聞などを見て様々なデータを知っておくのも良いですね。

また「地形図の読みとり」が出題されています。地理分野のはじめの頃に扱う単元なので、忘れてしまっている人も多いかもしれません。縮尺や地図記号など、地理の基本について必ず復習をしておきましょう。覚えておけば得点源にできますよ。

【兵庫県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

須磨学園高校はⅠ類・Ⅱ類・Ⅲ類（英数）・Ⅲ類（理数）の4つのコース別に募集します。定員は4コース合計で280名です。
一般入試では英語・数学・国語の3教科の学力試験が全員に、一部の受験生には面接も実施されます。
またⅠ類以外は「チャレンジ受験」制度が用意されています。これは前期入試で希望する類に合格できなかった場合、入学⼿続きをすませた上で後期入学試験を受験し希望する類チャレンジできるというものです。

問題の難易度は全体的に標準的と言えるでしょう。英語は前期試験のみリスニングが課されます。内容理解を問う問題や誤文判定をさせる問題もあるため、過去問等を使って演習を繰り返しておくことをおすすめします。

仁川学院高校は普通科280名を募集します。募集はコースごとに定員が定められており、カルティベーションコース（160名）、カルティベーションSコース（80名）、アカデミアコース（40名）となっています。

1次入試の試験科目はカルティベーションコース・カルティベーションSコースでは英語・数学・国語の3教科、各100点満点（合計300点満点）。アカデミアコースは選択制で、英語・数学・国語・理科・社会の5教科、各100点満点（合計500点満点）または英語・数学・国語の3教科、各100点満点（合計300点満点）から選べます。

教科別の平均点は50点～70点程度となっています。どの教科も確実に得点できるよう、基本を大切に取り組んでおきましょう。

4.推薦入試について

公立高校の推薦入試については、記事はじめの「①公立高校入試制度・日程」をご覧ください。

私立高校では一部の学校で推薦入試を実施しています。推薦入試を含め、ほぼすべての私立高校で同一日に入試が実施されます。複数の私立高校を併願するのは難しいため、どの高校に出願するのか、戦略的に考えることが大切です。

5.公立高校入試の注意点

兵庫県公立高校入試は、複雑な入試制度を理解することが第一歩です。希望する高校・学科（コース）で実施している選抜方式を把握し、合格のための戦略を立てましょう。

推薦入試と特色選抜は学力検査がないので、内申書の評定をできるだけ高くしておくことが大切です。選抜の参考として主に用いられるのは中3次の成績ですが、理科や社会は分野ごとに学習するため中1・2の成績もよく見られます。中3になってから頑張ろうと思うのではなく、中1・2からコツコツと積み上げておきましょう。

また兵庫県の入試問題は全国的に見ても難易度が高めです。特に数学が難問も含まれるため、上位校を目指す生徒は十分な演習を心がけましょう。基本は早めに完成させ、過去問や私立高校の入試問題も活用して応用レベルの演習に取り組みたいところです。

6.偏差値ランキング