大阪府の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

大阪府公立高校入試は、2月中旬に「特別入学者選抜」、3月上旬に「一般入学者選抜」が実施されます。特別入学者選抜はグローバル探究科、音楽科、美術科、体育科など専門学科の一部と、総合学科（エンパワメントスクール）で実施されます。 一般入学者選抜は普通科、文理学科、国際科など、多くの学科で実施されます。またこの選抜で定員のすべてを充足します。

【入試科目】

● 特別入学者選抜
全員に学力検査を実施します。
教科は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、各45点満点（合計225点満点）です。
学力検査のうち「英語・数学・国語」の3教科は、それぞれA問題（基礎）、B問題（標準）の2種類が作成され、いずれかを高校が選択して実施します。
学科によっては実技検査や面接も実施されます。

● 一般入学者選抜
全員に学力検査を実施します。
教科は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、各90点満点（合計450点満点）です。
学力検査のうち「英語・数学・国語」の3教科は、それぞれA問題（基礎）、B問題（標準）、C問題（発展）の3種類が作成され、いずれかを高校が選択して実施します。

【選考方法】

特別選抜、一般選抜とも下表に示す5つの算出方法のいずれかを高校が選択し、受検者の総合点を算出します。総合点は「学力検査点」と「調査書点」の合計です。

● 特別入学者選抜
総合点および実施した場合は実技検査の成績を加え、点数の高い順に合格者を決定します。
自己申告書・内申書の「活動／行動の記録」はボーダーライン前後の受検者の合否を判定する際の資料として用いられます。

面接を実施した場合は、面接の結果も合否判定の資料になります。まず学力検査が一定基準に達した受検者の中から、募集人員の50％を上限に面接、自己申告書、内申書の「活動／行動の記録」をもとに合否を決定し、残りの人数は総合点の高い方から合格となります。

● 一般入学者選抜
募集定員の90％までは、総合点の高い方から合格となります。自己申告書および内申書の「活動／行動の記録」はボーダーライン前後の受検者の合否を判定する際の資料として用いられます。

【英語｜外部試験による点数保障制度】

大阪府公立高校入試では、英語の外部検定（TOEFL iBT、IELTS、英検）のスコアに応じた点数保障制度を導入しています。
外部検定のスコアが一定レベル以上であれば、スコアに応じて以下の点数が保障されます。希望する場合は出願時の申請が必要です。
※ 学力検査の得点が、外部試験により保証された得点を上回った場合、学力検査の得点が優先されます。

2.内申点の扱い

調査書の記載対象になる成績は中1～中3の9教科すべてで、それぞれ5段階で評定されます。内申点は中3次の成績が最も重視され、中1：中2：中3＝1：1：3となります。また内申点は「特別入学者選抜」と「一般入学者選抜」で算出方法が異なります。

● 特別入学者選抜
中1：9教科×5段階＝45点
中2：9教科×5段階＝45点
中3：（9教科×5段階）×3＝135点　3年間合計 225点満点

● 一般入学者選抜
中1：（9教科×5段階）×2＝90点
中2：（9教科×5段階）×2＝90点
中2：（9教科×5段階）×6＝270点　3年間合計 450点満点

【調査書記載評定の「絶対評価」について】

大阪府では調査書の評定に「絶対評価」制度を導入しています。評定の基準を中学校ごとに難易度が異なる定期試験にすると不当に低くなってしまうことがあるため、全体の適正化をはかる目的があります。

大阪府では「チャレンジテスト」を活用して制定した府内統一ルールに従って、評定が付けられています。

3.受験科目の特徴

【大阪府公立高校入試の傾向と対策】

A問題・B問題は試験時間は55分（うちリスニング15分）で90点満点、C問題は試験時間55分（うちリスニング25分）で90点満点です。いずれも「語い・文法」「長文読解」「英作文」等が出題されています。リスニングはA・Bは共通問題、Cは別問題です。

「長文読解」のボリュームが大きめな点が特徴です。A問題では260～430語、B問題では540～630語前後のボリュームのものが出されています。問題数も多いため、本文を読むスピードが重要になります。単語・表現を押え、読解の練習を積み重ねましょう。

英作文にも対策が必要です。日本語の条件に合った英文を作るものや、英語の質問に対して理由も含めて英語で答えるものなどが出題されています。教科書で習った文法や表現を正確に再現できるよう、日頃から意識して練習しておきましょう。

数学はA問題・B問題は試験時間50分で90点満点、C問題は試験時間60分で90点満点です。問題は大問4題構成で、「小問集合」「数と式」「関数」「図形」などから出題されています。小問集合の配点が非常に高いため、基本的な失点は最小限にすることが大切です。

全体的に基本事項を問う問題数が多いため、各分野の重要事項を優先的に復習しましょう。小問集合の中で複数分野を融合させたものも出題されています。何を問われているのかを丁寧に読み解くことで道筋が見えますので、慌てず取り組んでみてください。

図形の証明問題が毎年出題されています。証明問題は、問題文で与えられた条件を発見し図に書き込む力と、必要な情報を漏れなく解答に盛り込む記述力が大切です。さまざまなタイプの問題に取り組みつつ、自力で最後まで書ける力をつけていきましょう。

国語はA・B・C問題ともに、試験時間は50分、90点満点です。問題は大問5題構成、「漢字・文法・国語知識」「説明的文章」「小説」「古典」等が出題されています。読解と作文に時間をかけられるよう、知識問題はスピーディーに解いていきましょう。

説明的文章や随筆の配点が高めなのが特徴です。大問2題分が出されますので、論理的に文章を読み解ける力が欠かせません。接続詞や段落のつながりに着目し、筆者の主張展開を正確につかめるように練習しておきましょう。

作文の文字数も多めなので注意が必要です。例年、A問題では180字前後、B問題では260字前後をかき切ることが要求されます。求められている内容を自分の言葉で正しく表せることが大切。書いたものは国語の先生に添削してもらうと良いでしょう。

理科は試験時間40分、90点満点です。大問4題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されます。広い範囲から満遍なく出されていますので、苦手を作らないことが大切。中1の学習範囲から、早めに復習にとりかかりましょう。

化学分野の「水溶液と気体」がよく出題されています。問題数も多いので、覚えた知識を素早く取り出し、解答に結びつけることが大切。質量パーセント濃度の求め方や溶解度のグラフの読み取り方も合わせて、しっかり解けるようにしておきましょう。

生物分野の「光合成」「呼吸」「蒸散」、地学分野の「前線と天気の変化」についてもよく出されています。とくに蒸散量を計算する問題は苦手とする受験生も多い単元。基本的な問題をくり返し解き、計算の仕方をマスターしておいてください。

社会は試験時間40分、90点満点です。大問4題構成で、地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題されほか、複数分野を融合させた問題も出されています。一見難しそうな融合問題ですが、あくまで大切なのは基本です。各分野をしっかり復習しておいてください。

「資料の読み取り」問題が多いのが特徴で、一度に複数の資料の読み取りが必要になります。中には見慣れないタイプの資料もありますが、落ち着いて丁寧に読み解けば解答を導けます。読み取り問題にたくさん取り組み、慣れていきましょう。

歴史分野は「古代・中世」が定番の出題範囲ですが、「近・現代史」の出題が徐々に増えています。近・現代は国際情勢も複雑になり、政治・経済とも激動の時代。覚えることもたくさんありますが、全体の流れを軸に押えていくと良いでしょう。

【大阪府私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

関西大学第一高校は、関西大学の付属高校です。普通科で約400名を募集しますが、この人数は内部進学者も含みます。
試験は英語・数学・国語・理科・社会の学力試験が課され、試験時間は英語のみ60分・その他4教科は50分、各100点満点で合計500点満点です。
また全員にグループ面接が実施されます。

リスニングはありません。全体的に長文読解が多く、会話文や読解などさまざまな形式で出題されます。また文法問題では「不定詞」「受動態」「関係代名詞」などに注意しましょう。

「計算を中心とした小問集合」「関数」「図形」「平面図形の計量」「空間図形の計量」「平方根の定理」「場合の数・確率」等が出題されています。計算問題の一部にやや難しめのものが含まれますので、応用レベルの問題集に取り組んでおくと良いでしょう。

「説明的文章」「古文」が中心の問題構成です。また助詞・助動詞を識別させる文法問題なども出されることがあります。読解を中心に、幅広く国語知識をつけておきましょう。

物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されます。苦手があると大きな失点につながりかねません。実験や観察は目的やその手順でおこなう理由も合わせて押さえておきましょう。自分でも「どうしてこうなるのか」を考えてみることが良い対策になります。

試験時間に対して問題数が多めなので、時間配分を意識して過去問演習を行いましょう。また写真や地図、グラフなどさまざまな資料を読み取る問題も多く出されています。公立高校の過去問等も活用しながら、読み取り方に慣れておきましょう。

近畿大学付属高校では、普通科800名（内部進学者280名を含む）を募集します。募集はSuper文理コース／特進文理コースⅠ／特進文理コースⅡ／英語特化コース／進学コースのコース別に行われます。

一般入試の学力試験は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は1教科50分、各100点満点（合計500点満点）です。また英語特化コースでは、外部英語試験で一定以上のスコアを保持する受験者に英語の得点を保障する制度も設けています。

発音問題が出題されます。日頃から単語を覚える際は、正しい発音も同時に覚えるようにしていきましょう。会話文において、図と関連させた問題が出ることがあります。単なる読解力だけではなく、与えられた情報を適切に処理する力も問われるため、さまざまなタイプの問題に取り組んでおいてください。

「計算を中心とした小問集合」「関数」「図形」などが主な出題傾向です。全体的に問題の難易度が高いため、応用レベルの問題集や他県の私立高校の過去問等の活用をおすすめします。

「説明的文章」「小説」「古文」が出されています。読解に十分に時間を割けるよう、漢字などの知識問題はスピードと正確さを意識して練習しましょう。

物理・化学・生物・地学の各分野からまんべんなく出題されます。基本的にすべて選択問題で、難易度は基本～標準レベル。習ったことを正確に押さえておくことが大切です。

地理・歴史・公民からまんべんなく出題されますが、時事問題も含まれる点に注意しましょう。ニュースや新聞等で世の中の動きや話題になっていることを追っておくと、自然と知識が増え、問題対策になります。

4.推薦入試について

大阪府では、公立高校の推薦入試は行われていません。 私立高校でも推薦入試の実施は一部高校に限られます。詳しくは各高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

大阪府の公立高校入試は、複雑な入試制度を理解することが第一歩です。その上で数多くの高校から、できるだけはやく志望校を決めましょう。一般入学者選抜で用いられる問題も高校によってA・B・Cと異なりますから、志望校を決めないと対策が始めれられないのです。
大阪府の問題は標準的なレベルの者が多いので、まずは教科書の基本事項をしっかり押さえることが肝心です。

私立高校は多様化する中学生の志望に合わせて、さまざまなコースを展開する学校が増えています。偏差値はもちろんですが、自分がやりたいことや将来の夢を深く考え、ぴったりの1校を選んでください。

6.偏差値ランキング