長崎県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

長崎県公立高校入試は、1月上旬に検査が実施される「前期選抜」および、3月上旬に検査が実施される「後期選抜」にて合格者が選出されます。

● 通学区域について
長崎県公立高校入試では通学区域が設けられています。対象となるのは「前期選抜（A特色選抜）」と後期選抜における普通科です。

※ 普通科以外の学科および、「前期選抜（B文化・スポーツ特別選抜）」は県内全域からどの高校へも出願可能。
※ 学区外の普通科を志望する場合は、中学校長の承認を得たうえで募集定員の7％まで可能。調整区域として、隣り合う学区にある一部の高校へも出願可能。

● 「離島留学特別選抜」制度について
長崎県公立高校入試には、「離島留学特別選抜」制度があります。これは目的意識が明確で意欲高い生徒に学習の場を提供し、充実した高校生活を送ってもらうことを目的とした制度です。
出願は長崎県内全域のほか、県外からの受験も可能となっています。
実施している高校・学科は以下の5学科（コース）で、入試は前期選抜と同じ日程で行割れます。

• 対馬高校　国際文化交流科
• 壱岐高校　普通科東アジア歴史・中国語コース
• 五島高校　普通科スポーツコース
• 五島南高校　普通科夢トライコース
• 奈留高校　普通科（E-アイランド・スクール）

● 前期選抜
前期選抜は「A 特色選抜」と「B 文化・スポーツ特別選抜」の2種類の選抜方法があります。AとBの併願はできません。
「A 特色選抜」とは、各高校の特色を生かした「育成したい生徒像」を理解していることが出願条件となる選抜方法です。「B 文化・スポーツ特別選抜」とは文化・スポーツで優れた資質を有し、活動を継続する人が対象となる選抜方法です。

「A 特色選抜」はすべての高校で実施され、「B 文化・スポーツ特別選抜」は一部高校で実施します。
募集人員は募集定員の5～50％の範囲で各高校が定めます。中学校長の推薦は不要なので、条件に合致すれば誰でも出願できます。

● 後期選抜
すべての高校・学科（コース）で実施されます。募集人員は募集定員から前期選抜の合格者数を減じた数となります。また後期選抜では、願書提出後に志願先を変更する「志願変更」が廃止されましたので注意してください。

【入試科目】

● 前期選抜
では受検者全員に「基礎学力検査」「面接」「プレゼンテーション」「実技」「作文／小論文」から、各高校が指定した検査が行われます。「基礎学力検査」の実施教科は英語・数学・国語の3教科、試験時間は3教科合計60分です。
「A 特色選抜」では基礎学力検査と面接の組み合わせ、「B 文化・スポーツ特別選抜」では面接を実施する高校が多くなっていますが、高校ごとの実施状況は教育委員会発表の資料でご確認ください。

● 後期選抜
受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査が課されます。試験時間は1教科50分、各100点満点です。また面接も行われます。

【選抜方法】

● 前期選抜
調査書および実施した検査の結果を総合的に判定し、合格者を選出します。各検査の比重は高校ごとに定められます。前期選抜で合格とならなかった場合、同じ高校を含めて後期選抜に出願できます。

● 後期選抜
調査書および実施した検査の結果を総合的に判定し、合格者を選出します。各検査の比重は高校ごとに定められます。また特定科目の配点を大きくする「傾斜配点」を実施する高校もあります。

2.内申点の扱い

調査書に記載される成績は、中1～中3までの9教科すべてが対象となります。
それぞれ5段階評定で、中3分は2学期まで（2学期制の中学校の場合は12月末日まで）が記載されます。
教科ごとの「観点別学習状況」も記入されます。

3.受験科目の特徴

【長崎県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問4題構成で、「リスニング」「長文読解2題」「英作文」といった構成です。配点は全体の60点分以上が長文読解、20点分がリスニングとなっています。単語や文法などの基本を押さえ、長文読解対策に力を入れることが重要です。

長文読解は長さは標準的ですが、「資料の読み取り」「内容一致」「整序」など、書かれている内容が正しく理解できていないと解けない問題が数多く出題されています。過去問演習や問題集にくり返し取り組み、主旨をスピーディーにつかむ練習をしておきましょう。

英作文で正解するコツは「条件に沿って書くこと」「平易な表現でまとめること」の2点です。高度な言い回しを使おうとせず、教科書で習った文法・表現を正確に使いこなすことを意識してください。書いたものは英語の先生に添削してもらうようにしましょう。

数学は大問5題構成で、「小問集合」「資料の活用」「関数」「図形」といった分野から出題されています。全体的に難化傾向にあり、時間内にすべてを解き切るには入念な対策が必要です。小問でも思考力を試される問題が出されています。

「関数」は図形との融合問題が出題されています。受験生が苦手としやすい単元ですが、関数と図形、それぞれの基本をしっかり押さえられていれば解ける問題です。図形の定義や特徴、関数の増減や変域の求め方を丁寧に復習しておきましょう。

「図形」の出題ボリュームが多く、時間をとられることが予想されます。記述式の証明問題も出され、発展的な発想が必要な問題もありました。図形は条件を図に書き込むことが解法への第一歩。日頃から「どんどん書き込んで考える」癖をつけておきましょう。

国語は大問4題構成で、「小説」「古文」「説明的文章」「会話や発表に関する問題」といった内容が出題されています。漢字や国語知識は小問として出題されます。頻出漢字や文法、知識問題は早めに完成させて得点源にしてしまいましょう。

説明的文章や小説は各35点前後、合計70点分あります。1題にかけられる時間は15分程度と考えられるため、スピーディーに読み解答できることを目指してください。日頃から時間を決めて解いてみることも良いトレーニングになります。

会話や発表に関する問題では、資料を読み取る必要もある新しいタイプの問題が出されています。要点を的確につかむには、日頃からさまざまな題材に触れる経験が大切。新聞や資料集などで、幅広いテーマの資料に目を通しておくとよいでしょう。

理科は大問8題構成で、物理・化学・生物・地学の各分野から2題ずつ出題されています。全体的にまんべんなく出されており、難易度は標準的ですが、一部正答率が低くなる難問も含まれます。苦手分野で大きく失点しないよう、網羅的な復習を心がけましょう。

「作図問題」「記述問題」に要注意です。作図問題が出された年度は平均点が低い傾向にあり、受験生が苦手としていることが分かります。逆に言うと作図で得点できでば差をつけられます。記述と合わせ、必要な内容を漏れなく盛り込んだ解答作成力を身につけましょう。

グラフや表は必ず出題されるのが理科です。基本的なものは暗記してしまいましょう。科学う反応の比率も合わせて覚えてしまうと良いですね。「この場合は3：1」と覚えておけば、グラフから的確に読み取れなかったときでも解答できるので有利になれます。

社会は大問6題構成で、地理・歴史・公民の各分野から2題ずつ出題されています。全体的な難易度は標準的ですが、歴史を中心にやや難し目の問題も含まれます。基本的な知識があることを前提にした問題構成なので、教科書を中心とした対策に取り組みましょう。

資料の読み取り問題がすべての分野で出題されています。これは全国的な傾向なので、他県の問題も参考にしてみても良いでしょう。また基本的な資料（グラフ、地図、雨温図、写真、統計資料など）は特徴を覚えてしまうのも速く解くコツです。

記述問題は盛り込む情報・条件に抜け漏れがないか、また日本語として正しく成立しているかなどが採点基準となります。自分では気づきにくい部分でもあるので、書いたものは社会の先生に添削してもらうのも良い勉強になります。

【長崎県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

青雲高校では普通科250名（内部進学者を含む）を募集します。入試は長崎本校のほか、福岡でも実施されます。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は英語60分・数学70分・国語60分・理科50分・社会50分となっています。配点は各100点満点、合計500点満点です。

リスニングテストも含まれます。過去3年の受験者平均点は65～72点、合格者平均点は68～75点で推移しています。問題の難易度は高め、長文読解と英作文を中心に対策しておきましょう。文章中にわからない単語や表現、空所があっても、前後から意味を推測する力も必要です。

過去3年の受験者平均点は63～75点、合格者平均点は68～78点で推移しています。文字通り1点の差が合否を分けるため、過去問を中心に入念に対策してください。問題のレベルは教科書の章末問題よりもやや難しめです。とくに計算や図形でハイレベルな力が要求されます。また問題数も多いので、時間制限を設けて練習すると良いでしょう。

過去3年の受験者平均点は61～71点、合格者平均点は62～74点で推移しています。現代文と古文が出題されますが、古文の難易度が高めなのが特徴です。教科書レベル以上の古語や文法を固めておきましょう。高1基本レベルの参考書や問題集に取り組むのもおすすめです。

理科の過去3年の受験者平均点は62～78点、合格者平均点は66～79点、社会の過去3年の受験者平均点は69～74点、合格者平均点は72～75点で推移しています。過去問を解き、自己採点した際の参考にしてください。 理科・社会ともに教科書レベルから応用レベルまで、幅広い問題が出題されています。基本的な語句や重要事項、内容を理解した上でさまざまな問題に触れておくとよいでしょう。

長崎日大高校では普通科9クラスと美術科1クラス、合計400名（内部進学者を含む）を募集します。
入試科目は入試方式によって異なります。特別入試と二次入試は英語・数学・国語の3教科、一時入試は英語・数学・国語・理科・社会の5教科です。また美術科志望者は指定の時間に実技検査が実施されます。

長文読解のほか、自分考え英文で答える問題も出題されます。習った単語・表現を使い、正確に英文を構成する力を養成しましょう。時間内に問題を解き切るには、単語力も重要な要素となります。教科書のほか、問題集などで見た単語も積極的に覚えていきましょう。

公立高校入試と似た問題構成となっています。問題のレベルは基礎～標準程度、応用問題は少ないので1問1問を確実に得点していくことが大切です。

説明的文章や小説、古文、資料の読み取り問題が出されています。全体的に文章量が多いため、時間内に読むには速読の力が欠かせません。要点を捉えながら、全体の流れをつかむことを意識して対策しましょう。

4.推薦入試について

長崎県公立高校入試では2021年度入試から推薦入試制度は廃止されました。代わって2月に「前期選抜」が実施されています。詳しくは記事冒頭の「①公立高校入試制度・日程」をご覧ください。

私立高校の推薦入試は、1月中旬から下旬にかけて行われます。また推薦入試でも公立高校との併願（入学金の延納措置など）を認めている高校も一部あります。詳しくは高校の募集要項をご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

長崎県公立高校入試は、2021年度入試から入試制度や学力検査問題の構成が大きく変わりしました。主な変更点は以下の2点です。

• 推薦入試廃止→前期選抜の導入
• 難易度が異なる2種類の検査問題（英数）の廃止→全県共通問題へ

いずれも受検する中学生にとっては、受けやすくなったと言える変化です。

ただ新しい問題になりたてで、過去問の蓄積がまだ少ないので対策に苦労するかもしれません。2021年度以前の問題を利用する場合、新制度における問題の難易度は「AとBの中間程度」という認識にしておくと良さそうです。また他県の入試問題も参考にしてみてください。

また面接は学校や塾の先生などに練習相手になってもらい、自分が納得するまで取り組むとよいでしょう。よく聞かれる質問への答えなど、練習を重ねるほど自信を持って答えられるようになります。

6.偏差値ランキング