岩手県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

岩手県の公立高校一般選抜は3月上旬に検査が行われます。全ての高校（学科・コース）で推薦入試を実施するため、一般選抜の募集定員は「定員上限から推薦入試合格者数を減じた数」となります。
また岩手県立高校には学区制度があるため、推薦入試および普通科の一部の専門学系・コース、専門学科、総合学科を除き、県内8つに分けられた通学区内への高校進学が前提となります。

出願は原則的に1人1校ですが、志願先高校が複数の学科（コース）を持つ場合は第3志望まで出願することができます。

県立高校の一般選抜と盛岡市立高校の一般選抜は併願できませんので注意してください。

【入試科目】

一般選抜で課される学力検査は国語、数学、社会、英語、理科の5教科（各50分）です。小論文（作文）や適性検査（実技等）を実施する学科（学系・コース）は別に定められます。

【選考方法】

合否は学力検査、調査書、小論文（作文）、適性検査（実技等）をすべて点数化し、総合的に判定されます。
各項目の配点は下表のとおりです。

※小論文（作文）、適性検査を実施しない学科（学系・コース）は0点。

特定の科目の配点を特別に扱う傾斜配点を実施する高校もあります。

選抜に当たっては、「学力検査」：「内申書（調査書）・適性検査等」の比率が高校ごとにあらかじめ決められています。この比率は3種類あり、A選考は5：5の均等型、B選考は3：7の内申書（調査書）・適性検査等重視型、C選考は7：3の学力検査重視型です。A選考は最初の選抜で必ず実施しますが、B選考、C選考の実施の有無や順序は各高校が決めます。

2.内申点の扱い

内申点の対象となる成績は中1から中3までの9教科全てですが、算出方法は学年ごとに異なります。中1より中3が、5教科より実技4教科が重視される傾向にあります。

• 5教科（国語、社会、数学、理科、英語）の評定を2倍
• 4教科（音楽、美術、保体、技・家）の評定を3倍

• 5教科（国語、社会、数学、理科、英語）の評定を4倍
• 4教科（音楽、美術、保体、技・家）の評定を6倍

• 5教科（国語、社会、数学、理科、英語）の評定を6倍
• 4教科（音楽、美術、保体、技・家）の評定を9倍

中1から中3までの合計660 点を440 点に圧縮して調査書換算点とします。

3.受験科目の特徴

【岩手公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問10題構成で、例年「リスニング4題」「語彙・文法2題」「長文読解3題」「英作文」が出題されています。リスニングは50分の試験中11分を占め、約30点分に相当します。よって長文読解や英作文にかけられる時間は39分です。速く正確に読み取る力が何より大切になります。

岩手県の英語は全体の約3割が長文問題です。毎年長文の分量や出題形式は決まっていますので、過去問を使って慣れておくことが一番の対策になります。300～500語前後の長文を抵抗なく時間内に読み切れるよう、スピードを意識して練習しておきましょう。

近年は英作文の出題が続いており、与えられたテーマについて15語以上で書くという問題が出ています。今後もこの傾向は続くことが予想されますので、教科書レベルの表現を難なく使いこなせるようにしておきましょう。

数学は大問12題構成で、「計算中心の小問集合」「数と式・方程式」「資料の活用」「関数」「平面図形」「空間図形」となっています。数学の全分野に渡ってまんべんなく出題される分野ため、苦手分野を作らないことが肝心です。記述で答えさせる問題も全体の2割を占めることにも注目してください。上位校志望者は失点を最小限にするためにも、記述対策も重要です。

「小問集合」や「資料の活用」「作図」といった基本的な問題で30点ほどになります。得点源になる分野なので、計算一つひとつ、基本事項を確認しながら定着させていってください。スピードを上げておくことも、余裕を持った時間配分には有効です。

複数分野にまたがった融合問題も出題されています。「関数のグラフと図形の融合問題」が典型的で、それぞれの分野の基本知識が定着していないと解けません。習った内容をしっかり定着させ、過去問を利用して問題形式に慣れていきましょう。

国語は大問4題構成で、「漢字」「説明文」「韻文（詩）」「古文」「小説」などが主に出題されます。小説と古文が融合した新しいタイプの問題も出ています。普段解き慣れていない形式に戸惑わないよう、他県の過去問等も参考にしながら慣れておきましょう。

「説明文」は約3,000字の分量です。内容を正確に把握し、1問1問本文と丁寧に対応させながら解いていきましょう。小問が多く時間がかかりやすいので、過去問を繰り返し自分なりの最適な時間配分を見つけておいてください。

また「記述」対策も重要です。内容読み取りの問題の中に「50字以上で記述せよ」という問題があるほか、本文の内容を踏まえて自身についての作文を書くという問題が毎年出題されています。日頃から自分の考えを言葉でまとめる練習をしておくこと、また第三者にも見てもらい、客観的な評価をもらうなどの対策をしていくとよいでしょう。

理科は大問7題構成です。第1問～第7問まで、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題される上、複数分野を融合させた総合問題も出ています。苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もありますから、偏りなく対策しておきましょう。

物理分野は圧力やばねといった基本的かつ重要事項に関する問題が多く見られます。ばねののびと水圧・浮力や圧力をからめた問題が頻出なので、「フックの法則」や「水圧と浮力のはたらき」を正しく理解し、問題を十分に演習しておきましょう。

生物では「植物のからだのつくりの特徴から分類する問題」がよく出題されます。後回しになりやすい分野ですが、一度覚えてしまえば得点源にしやすい分野でもあります。シダ植物やコケ植物のふえ方とつくり、種子植物のなかま分けを図と一緒に暗記しましょう。

社会は大問8題構成です。地理、歴史、公民の各分野から広く出題されますが、近年注目されているのは複数分野を融合させた問題形式です。分野ごとの基本知識を細かく押さえておけば十分対応できますので、まずは各分野の完成度を高めましょう。

資料や地図、グラフの読み取り問題が必ず出題されます。面倒だなと思う気持ちをぐっと飲み込み、とにかく数多く解いてみてください。答え合わせをしながら読み取りのポイントを丁寧に押さえていくことで、必ず初見の問題でも解けるようになります。

また記述させる問題が多いのも特徴。歴史の並べ替え問題と合わせて、単なる暗記では太刀打ちできません。勉強しながら「なぜそうなった？」「どんな意味があるのか？」と考える姿勢が、記述問題への対策になります。

【岩手県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

1月に実施される一般入試の受験科目は国語、数学、英語、理科、社会の5教科ですべてマークシート方式です。盛岡中央高校には「特進選抜SZコース」「特進Zコース」「国際Rコース」「進学総合Aコース」の4コースがあり、一般入試は4コース全てで募集します。学業成績や人物が優れている生徒には、奨学金を支給する特待生制度もあります。

マークシート方式の試験には部分点がありません。合格のためには確実に正解できるように、一つひとつの知識を正確にマスターしておくことが大切です。またマークミスを防ぐには見直しが有効です。問題用紙にも自分の解答を印しておき、見比べられるようにするなど工夫して取り組みましょう。

試験の難易度は標準程度。岩手県公立高校入試の過去問が参考になります。特に「特進選抜SZコース」「特進Xコース」を志望する場合は、7～8割は安定して得点できるよう対策しましょう。他県の私立高校入試問題も活用してみてください。

一般入試の定員は普通科の「特別進学コース」と「総合進学コース」で募集され、専願・併願ともに受付ます。入試科目は専願の場合は調査書と面接、併願の場合は5教科の学力検査と調査書になります。出願にあたって必要となる評定の基準はありません。所定の基準を満たすと奨学金が支給される「特待生制度」もあります。

毎年11月～12月ごろに学校主催の「過去問の解説・対策の説明会」が開催されます。5教科の中から希望する2教科の解説を受けられるので、岩手高校を志願する受験生は参加を検討してみてください。説明会と並行して入試相談会も開催されています。

4.推薦入試について

岩手県の公立高校は、すべての高校・学科（学系・コース）で推薦入試を実施します。推薦入試は通学区の制約を受けません。県内のどの高校にも出願できます（盛岡市立高校の推薦入学者選抜は募集枠が異なり、普通科には学区の制約があります）。

出願は1月中旬、試験は1月下旬
※合格した場合は入学が条件

原則として募集定員の10％以内。体育系学科・学系・コース、芸術学系は50％以内。

スポーツ、文化・芸術、生徒会活動、その他校内外の活動で顕著な実績を持つ、あるいは将来の職業選択や社会貢献に強い意欲を持っていることが条件です。また高校の示す推薦基準を満たしていることも必要になります。

内申書（調査書）、志願理由書、面接のほか、高校・学科（学系・コース）により小論文または作文、適性検査などの結果をもとに総合的に判定します。
推薦入試の合格者は、一般選抜の学力検査実施日に学力調査を受ける必要があります。学力調査の得点が垂線入試の合否に影響することはありませんが、正当な理由なく学力調査を欠席した場合は合格を取り消されることがあります。

私立高校の推薦入試は1月中旬に行われます。試験日は高校ごと異なります。また一部の私立高校は、推薦入試でも公立高校との併願（入学金等の延納措置）を認めているところもあります。

5.公立高校入試の注意点

岩手県の公立高校入試は、全ての高校で推薦入試と一般選抜と2回チャンスがあることが特徴です。推薦入試は書類や面接の準備等で手間はかかりますが、チャレンジしてみる価値はあります。志望校ごとに定められた「本校の求める生徒像」をよくチェックし、受験を検討してみてください。

一般選抜は近年新しいタイプの問題が増えています。これは学習指導要領の改訂に伴った変化と見られ、今後も続くことが予想されます。従来の出題形式だけにとらわれず、さまざまな出題に挑戦していってみてください。

6.偏差値ランキング