神奈川県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

神奈川県公立高校入試は、2月中旬に行われる「共通選抜」の1回で受験者全員の合否が判定されます。出願は1高校・1学科・コースに限りますが、同一の高校に複数学科がある場合は同系学科への第二志望も認められます。

県立高校に通学区の制約はありません。
市立高校の通学区は以下の通りとなっています。

• 横浜市立高校の通学区は、一部の高校・学科を除き横浜市内のみ
• 川崎市立高校の通学区は、川崎市内のみ

【入試科目】

共通選抜を受験する全員に「学力検査」と「面接（個人）」が課されます。また一部の高校では「特色検査」を実施する場合もあります。
※ クリエイティブスクールでは学力検査は実施しません。

英語・数学・国語・理科・社会の5教科が実施され、試験時間は1教科50分、各100点満点です。特色検査を実施する学校では、学力検査の実施を3教科まで減らすことがあります。

学力検査や面接では測定が難しい「総合的な能力や特性」をみる検査で、「自己表現検査」と「実技検査」があります。
・自己表現検査　「グループ討議形式（スピーチ、グループ討論等）」あるいは「記述形式」など、各高校が内容を設定して行います。「記述形式」は教科横断的な設問が出題されたり、受験者の意見を求められる内容が出されたりと、共通の学力検査より深い思考力・判断力・表現力が問われるないようとなっています。
※ 以下の「学力向上進学重点校」「学力向上進学重点校エントリー校」では、共通の学力検査以外に、特色検査（自己表現検査）が必須

《学力向上進学重点校》厚木／湘南／柏陽／横浜翠嵐
《学力向上進学重点校エントリー校》小田原／鎌倉／川和／希望ケ丘／光陵／相模原／多摩／茅ケ崎北陵／平塚江南／大和／横須賀／横浜平沼／横浜緑ケ丘

・実技検査　デッサン、英語によるスピーチ、スポーツ種目の技能検査、楽器の演奏など各高校が特色に応じて定め実施します。

【選考方法】

合格者の選抜は第1次選考・第2次選考の2段階で実施されます。

募集定員の90％までを選出。実施したすべての検査を点数化し、中学校から提出された調査書の評定と合わせて選考されます。
学力検査結果の特定科目配点を最大2倍まで大きくする「傾斜配点」が行われる場合もあります。また特色検査を実施した場合は、その結果も点数化し選考の資料になります。

各選抜資料の比率は高校ごとに定められています。「内申点：学力検査」比率＝「4：4」とし、いずれも同等にみる高校・学科・コースが半数以上を占める傾向にあります。

内申書の評定は用いられません。実施した検査の結果をもとに、募集人員まで選考します。

2.内申点の扱い

内申書に記載される評定は中2および中3の9教科の成績です。
中2の9教科の評定の合計は1倍で、中3の9教科の評定は2倍に換算されます。

中2　9教科×5段階評定＝45点満点
中3　9教科×5段階評定×2倍＝90点満点

※ 教科ごとの評定合計を一定の範囲（3教科まで、各2倍以内）で重点化する場合があります。

3.受験科目の特徴

【神奈川県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問8題構成で、「リスニング」「語い・文法」「長文読解」「英作文」となっています。50分の試験時間に対してリスニングは10分を占めます。長文や英作文を含む残りの問題を40分で解き切るためには、スピードを意識した対策が必要になるでしょう。

「長文読解」は大問3題分出題される上に、700～900語という他県には見られないボリュームになっています。分量の多い長文を読み解く鍵は、パラグラフごとの要旨を的確に見つけること。過去問演習を重ね、神奈川県独特の形式に慣れていきましょう。

英作文は「絵のストーリーを説明する」という形式で出題されています。語数はさほど多くありません。教科書で学んだ文法・構文知識を正しく使い、シーンに合った英文を構成することを意識しましょう。

数学は大問6題構成で、「小問集合」「資料の活用、平面図形、関数等の基本問題」「関数」「平面図形」などが出題されています。「小問集合」だけで39点分あり、数学のさまざまな分野から出題されます。失点を最小限にできるよう全範囲復習しておきましょう。

「図形の証明問題」は年によって出題形式が変わることがある要注意分野です。穴埋め式、あるいは全記述の年もありました。証明問題の書き方の基本を押さえ、必要な記述が抜け漏れなく入るようにコツコツと練習することが対策になります。

「関数と図形の融合問題」および「確率」はここ数年連続して出題されています。今後も出る可能性が高いため、苦手にしている受験生は早めに克服しておきましょう。問題文で与えられた条件を1つ1つ丁寧に理解することが、解答への道筋になります。

国語は大問5題構成で、「漢字」「古典」「説明的文章」「小説」「資料読み取り問題」となっています。読解問題は本文が4,000字のボリュームかつ設問が多いため、スピーディに解くことが肝心。問題演習で選択肢の正誤を見極めるコツをつかみましょう。

大問5で出題される「資料の読み取り」が、毎年受験生を悩ませる問題です。グラフや会話文を読み取り、35字程度で記述するというのが定番の形式ですが、読み取り・記述それぞれにコツが必要です。時間内にまとまった量の文章を書ききるには、自分の意見の要点（一番いいいたいこと）を端的に表現すること。自分が書いた文章を国語の先生に添削してもらうのも、良い対策になります。

理科は大問8題構成で、「小問集合4題」のほか、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出題されます。あらゆる分野からまんべんなく出題されるため、苦手は大問まるまる失点に直結します。苦手を作らない、早めに克服する学習を意識しましょう。

化学分野からは「電池とイオン」「中和」に関する問題がよく出されています。電解質の水溶液に金属板を入れ電流をとり出す実験や塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和といった単元の理解は十分でしょうか。電池になる仕組みは必ず押さえておきましょう。

地学分野からは「地層や岩石」が頻出です。柱状図から地層の広がりを考察する問題や示相化石と示準化石の違いについて、よく問われます。かぎ層を手がかりとした地層の比較や、示相化石・示準化石の代表的なものはしっかり暗記しておいてください。

社会は大問7題構成で、「地理」「歴史」「公民」の各分野から2題ずつ出題されるほか、複数分野にまたがった融合問題も出題されています。融合問題と言っても、基本となるのは各分野の基礎知識です。重要事項は1つずつ区別しながら覚えていってください。

どの分野でも「資料の読み取り」問題が多いのが特徴的です。読み取る対象は統計資料や地図、雨温図、年表など広い範囲に及びます。暗記だけで対応できる問題ではないため、問題に数多く取り組み、解答の根拠の見つけ方や読み取りのコツを身につけていきましょう。

また歴史上の時代や順番を問う問題も多く出されています。出来事は「歴史の流れ」とともに、目的やきっかけ、その結果などまでセットで覚えていくことが対策になります。全体の10点分程度がこのタイプの問題なので、失点を最小限にできるよう頑張りましょう。

【神奈川県私立高校入試の傾向と対策】

神奈川県の私立高校入試にはさまざまな入試方式がありますが、出席状況や内申点、検定等の取得状況といった「出願基準」が設けられていることがほとんどです。私立高校を受験する場合は自分が志望校の出願基準を満たしているかどうか、必ず中学校の先生に確認しましょう。
出願基準を満たした上で受験する場合、12月に中学校と高校とのあいだで「事前相談」が行われます。この事前相談をすることで合格がほぼ決まるという特徴があります。

また「オープン」と呼ばれる一般入試の形式では、内申点等の出願基準はありません。当日の学力検査で合格点を満たせば合格となります。

ここからは代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

一般入試では男子のみ330名募集、試験科目は英語・数学・国語で試験時間は1教科60分、各100点満点です。また全員に面接も課されます。

大問4題構成で、「同意文完成」「語文訂正」「適語補充」「長文読解」が出題されています。長文読解の分量が多いのが特徴で、600～800単語の長文を10分前後で読解したいところです。長文読解以外の問題をいかにスピーディーに解けるかが勝負となるでしょう。
単語や熟語、文法、口語表現なども合わせて押さえておきましょう。これらの力は読解力にもつながります。過去問や他県私立高校の過去問も活用しながら、傾向に慣れて行ってください。

大問7題構成で、「小問集合」「関数」「方程式の文章題」「図形」「総合的な問題」といった内容です。全体的には標準的なレベルですが、一部難問が混じることがあります。問題で問われている内容を正確につかむ問題読解力も必要になります。
50分の試験時間に余裕はありません。正確で素早く計算を処理する力と解法の応用力を身につけることが大切です。

大問2題構成で、「説明的文章」「随筆」等が出題されます。本文のテーマも中学生には難解なものが選ばれやすく、かつ問題の難易度も高いため、問題ごとの時間配分が肝になります。知識問題は少な目、50～70字以内の記述問が出題されます。限られた字数にまとめるためには、盛り込む内容の吟味と端的な表現力が重要になります。

桐蔭学園高校の一般入試は「プログレスコース」「アドバンスコース」「スタンダードコース」に分けて募集が行われます。試験科目は英語・数学・国語の3教科、試験時間は英語・数学が60分、国語は50分です。各教科の配点はコースによって異なります。

大問3題構成で、「長文読解」「語句整序」などが出題されています。リスニングはありません。「語句整序」は不要なものが1語あるというパターンのため、正しい文法・イディオムの知識は不可欠です。また長文も分量が多く、さらに内容を正確にとらえていないと解答できない問題が多いのが特徴で、時間配分が鍵になるでしょう。エッセイや物語文が選ばれることが多いという点は問題演習の際の参考にしてください。

大問5題構成で、「小問集合」「場合の数」「関数の融合問題」「平面図形」「空間図形」等から出題されています。マークシート方式なので、予め指定された解答の流れに沿って答えを導く力が要求されます。全体のレベルは標準的ですが、各大問の最後などに難しい設問が置かれることがあります。完答にこだわりすぎると1つの問題に固執してしまい、本来解ける他の問題に手が回らないということにもなりかねません。問題全体を俯瞰する視点を忘れないようにしましょう。

大問4題構成で、「国語の知識問題」「説明的文章」「古典常識」「古文」等から出題されています。50分の試験時間で6,000字程度を読む必要があるため、速読力は必須です。段落ごとの要旨を素早くつかむことを意識して練習してください。また古文は高校相当の内容が出題されますが、学校や一般の塾の対策ではレベル不足になる可能性があります。その場合、高1程度の参考書を用意し独学で取り組むことも検討してみてください。

桐光学園高校の一般入試は、男女別・コース別に募集が行われます。試験科目は英語・数学・国語の3教科、試験時間は英語・国語が50分、数学は60分。各100点満点です。また全員に面接が課されます。

大問8題構成で「語彙」「空所補充」「会話文」「語句整序」「英作文」「長文読解」など、長文以外にもさまざまな形式で出題されています。英語の総合力が問われると言って良いでしょう。試験時間50分のうち、長文2題に30分程度は残したいところです。他の設問をいかにスピーディーに解いていくかが大切になります。英文を頭から意味をとらえていく「パラグラフリーディング」の力を身につけておくと読みやすくなります。

大問5題構成で「小問集合」「関数」「図形」「場合の数」などから出題されています。大問の中の小問でやや複雑な計算が要求されることもあります。複雑になる計算に対応する力と、最後まで集中して解き切る体力をつけておきましょう。過去問演習を繰り返し、ベストな時間配分と問題の見極め力を養成することも大切です。

大問3題構成で「説明的文章」「小説」「古典」となっています。本文は1題あたり4500字程度のものが2題出されますから、要点を素早くつかみながら読む速読力が必要です。設問のバリエーションが豊富で対策が難しく感じる受験生も多いかもしれません。基本的な国語力をマスターした上で、問題に応じて適切に応用できるような柔軟性を身につけておきましょう。古文は高1レベルの文法や古文常識を押さえておくと、取り掛かりやすくなります。

4.推薦入試について

神奈川県公立高校に推薦入試制度はありません。
私立高校の推薦入試は1月に行われます。実施する全ての高校で検査日が同一となるため、注意してください。

5.公立高校入試の注意点

神奈川県公立高校入試は、共通選抜の1回で合否が決まることと、内申点の比重は中3が大きいという2点が特徴です。志望校に合格するには中3の学習に徹底的に力を入れる、つまりテストの成績を上げて評定を上げつつ、入試本番で合格点を取れるだけの力をつけておくことが大切だといえます。
また特色検査を実施する高校を受験する場合は、特色検査への準備も入念にしておきましょう。中学校や塾の先生に、自分の志望校への最適な対策方法を相談するのも良いですね。

また私立高校は単願（第一志望）でも併願でも、さまざまな入試方式が用意されています。志望校の募集要項をチェックし、自分に最適な出願方法を選ぶことが入試を有利に進めるコツです。

6.偏差値ランキング