山形県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

山形県公立高校入試は、3月上旬の「一般入学者選抜」によって行われます。山形県には通学区制がありますので、普通科・理数科・探究科の志望生は東学区・北学区、南学区、西学区のそれぞれの区域内から出願する高校を選択することになります。専門学科と総合学科、東桜学館高校（併設型中高一貫校）、山形市立商業高校は通学区域の制限はありません。

判定は学力検査の成績および調査書に基づき、各高校が行います。体育科・音楽科においては適性検査の結果も選抜の資料として用いられます。

調査書中の各教科の評定と学力検査の成績の比率は「3：7」「4：6」「5：5」の中から各高校が定めることになっていますが、学力検査の比率を高くする選抜を行う高校・学科が多い傾向にあります。

【入試科目】

山形県公立高校入試においては、英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。それぞれ試験時間は50分、100点満点です。特定の教科の配点比重を大きくする傾斜配点を行う学校もあります。

2.内申点の扱い

中学校が発行する内申書には、中1から中3までの9教科について5段階評定が記入されます。ただし一般選抜で合否判定に使用される内申点（調査書点）は、「中3の9教科の5段階評定合計（9教科×5段階＝45点満点）」のみが対象です。

3.受験科目の特徴

【山形県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング」「語い・文法」「長文読解2題」「英作文」となっています。50分の試験時間に対してリスニングは10分を占めます。長文や英作文を含む残りの問題を40分で解き切るためには、スピードを意識した対策が必要になります。

「長文読解」は全体の4割を占める上に、480～500語前後というボリュームです。毎年ほぼ同じ形式で出題されていますので、過去問演習が有効。出題形式を意識し、自分にとってベストの時間配分を探しながら練習していきましょう。

英作文も出題されています。与えられたテーマについて4文以上書きなさいという内容です。まとまった分量の英文を書けるようになるためには、まず教科書で登場した基本的な表現をしっかり使いこなせるようになることが大切です。ワークなどの英作文問題に丁寧に取り組んでいきましょう。

数学は大問4題構成で、「小問集合」「関数、数と式、平面図形等の基本問題」「関数」「平面図形」といった内容です。第1問「小問集合」の配点が32点と高いので、ここで失点しないように基本的な計算や「資料の活用」についてマスターしておきましょう。

また記述式の図形の証明問題も出題されます。例年の傾向なので、基本的な書き方に忠実に、必要な記述が抜け漏れなく入るようにコツコツと練習することが対策になります。

関数は受験生が苦手としやすい「動点」も出題されます。一見難しく見えても、与えられた条件1つ1つを確実に図やグラフに書き込んでいくことで解答への道筋が見えてきます。途中過程を飛ばさず、丁寧に解き進めてみてください。

国語は大問5題構成で、「小説」「説明的文章」「古典（古文）」「漢字・国語知識」「作文」となっています。どの設問も小問が多く、さらに記述式で解答させる形式が多いので、いかに速く解くかがポイントになります。本文の言葉を上手に使い、効率よくまとめられるよう意識して練習しましょう。

小説は本文のボリュームが多く、約2000字の長さになる年もあります。小説にかけられる時間は10分程度のため、内容を速く正確におさえることが得点のコツ。登場人物の心情や情景描写の変化に注意して読むとつかみやすくなりますよ。

作文は240字程ほどを書くことになります。まとまった分量を時間内に書ききるためには、与えられた素材について自分なりに考察し、論理的にまとめる練習が有効です。自分で書いたものを学校の先生や親などに見てもらい、評価をもらうといいでしょう。

理科は大問8題構成で、「物理」「化学」「生物」「地学」の各分野から2題ずつ出題されます。苦手分野をそのままにしておくと大問まるまる失点につながる可能性もありますから、偏りなく対策しておきましょう。

山形県の公立高校入試では、「水溶液」や「気体」に関する問題が頻出です。特に質量パーセント濃度の求め方や溶解度のグラフの読み取りは、早い段階で完璧にマスターしておきましょう。期待の性質は苦手とする受験生も多い分野ですが、覚えれば得点源になります。がんばりましょう。

生物分野は「消化や吸収に関する問題」がよく出題されています。特にだ液のはたらきを調べる実験や小腸のつくりと吸収の問題がよく見られます。消化酵素や物質、それぞれのはたらき、実験の条件や用いる試薬の特徴、吸収のしくみなど覚えることが多い分野ですが、確実に押さえておきましょう。

社会は大問6題構成で、「地理」「歴史」「公民」の各分野から2題ずつ出題されます。どの分野もグラフの読み取りや記述など、暗記だけでは対応できない問題も出されています。出来事や重要事項の原因や背景まで丁寧におさえていきましょう。

「資料の読み取り」問題が多いのが特徴で、読み取った内容を記述させる形式がよく出されます。暗記だけでは対応できません。資料の読み取り問題を何度も解き、なぜその解答になるのかという根拠や読み取り方を身につけていきましょう。

また基本用語や重要用語を記述させる問題も頻出です。用語は漢字も正しく書けていることが必須。暗記する際は用語の理解と合わせて漢字を正しく書けるかもチェックしていきましょう。

【山形県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

日本大学山形高校の一般入学試験では、「特進コース」「進学コース」それぞれで募集が実施されます。募集人員は一般入学試験に先だって行われる推薦入試と合わせて420名です。

試験科目は英語（リスニング含む）・数学・国語・理科・社会の5教科（試験時間は各50分）となっています。どの教科もオーソドックスな問題構成となっていますので、公立高校入試対策でと両立可能でしょう。

各教科の出題傾向は以下の通りです。
《英語》リスニング、適語補充、並び替え、長文問題など
《数学》計算問題、小問集合、図形や関数の問題など
《国語》論説文、小説文、古典（※作文は出題なし）
《理科》物理・化学・生物・地学から満遍なく出題
《社会》地理・歴史・公民から満遍なく出題

東海大学山形高校の一般入学試験では、「特進コース」「総合進学コース」「総合学習コース」それぞれで募集が実施されます。

試験科目は英語（リスニング含む）・数学・国語・理科・社会の5教科（試験時間は各50分）および面接（専願のみ）となっています。公立高校入試と似た傾向なので、公立入試対策がそのまま東海大学山形高校対策になると言えます。一部難問が出題されることもあるので、他県の私立高校過去問も参考にしてみてください。

各教科の出題傾向は以下の通りです。
《英語》リスニング、適語補充、対話文、長文読解、英作文など
《数学》計算問題や小問集合、方程式の利用、図形、関数がなど
《国語》論説文、小説文、古典、漢字、作文
《理科》物理・化学・生物・地学から満遍なく出題
《社会》地理・歴史・公民から満遍なく出題

4.推薦入試について

山形県の公立高校では、普通科・探究科以外の学科で推薦入試が行われます。中学校長の推薦は不要ですが、各高校が定める出願要件を満たすことが条件となります。また体育科では得意運動種目があること、音楽科では得意領域（声楽、器楽）があることが出願条件に含まれています。
募集人員は理数科・総合学科・職業科では入学定員の30％以内、音楽科では入学定員の50％程度、体育科では入学定員の70％程度と定められています。
選考は調査書と面接（全員）によって行われますが、体育科・芸術科では適性検査も課されます。また作文や実技、基礎学力検査を実施する高校・学科もあります。合否は実施した検査すべての結果を総合して判定されます。

山形県内の私立高校では、1月に推薦入試を実施する高校もあります。試験科目や合否判定の基準は各高校によって定められます。また一部の私立高校では推薦入試でも公立高校との併願（入学金等の延納措置）を認めています。詳細は各高校のホームページ等でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

山形県の公立高校入試は学力検査比重が高い高校が多いこと、検査対象になる調査書点は中3時点のもののみという2点を踏まえておきましょう。志望校合格のためには日頃から学習に前向きに取り組み定期テストで成績を出しておくこと、試験本番で目標点を確実に取れる学力を身につけておくことが重要です。

また職業科や体育、芸術系を志望する受験生は推薦入試の機会も積極的に活用していきましょう。推薦入試の選抜にも調査書が用いられますので、日頃の勉強にしっかり取り組み、提出物を確実に出すなどの取り組みが大切です。

6.偏差値ランキング