山口県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

山口県公立高校入試は、2月上旬に検査が実施される「推薦入学」および、3月上旬に検査が実施される「第一次募集」にて合否が判定されます。

出願にあたり通学区の制約はなく、全県どの高校にも出願できます。
※ 周防大島高校（普通科・地域創生科）は県外入学者枠があります（入学定員の20％相当）。

● 推薦入学
多くの高校・学科（コース）で実施されます。体育コースを除く普通科は入学定員の50％以内、普通科体育コースは入学定員の75%以内を募集することができますが、実際の募集人数は高校によって異なります。
出願に当たっては中学校長の推薦が必要です。また高校ごとに定められている「推薦要件」を満たしていることも条件となります。

● 第一次募集
すべての高校・学科（コース）で実施されます。推薦入学を行わず、第一次募集で募集定員の100％を募集する普通科もあります。

【入試科目】

● 推薦入学
学力検査は行われません。受検者全員に面接が実施され、高校・学科（コース）によっては実技検査や小論文を課す場合もあります。また面接において「自己表現」を実施する高校もあります。これは中学校での学習や、部活動、生徒会活動などについて発表し、発表内容にもとづいて面接が行われるというものです。

● 第一次募集
受検者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査が実施されます。試験時間は1教科50分、各50点満点（合計250点満点）となっています。 また「学校指定教科検査」を実施する高校が19校あります。これは英語・数学・国語の各教科の試験（各15点満点）で、県共通の学力検査とは別に実施されるものです。
※ 教科数は学校によって異なり、1科目または2科目のこともあります。

また面接、小論文、実技検査を実施する高校・学科（コース）もあります。

［ 注意 ］
2021年度入試は新型コロナウィルスの影響を受けた特例措置として、全ての教科で検査問題の一部に「選択問題（複数の問題から受検者が解答する問題を選べる方式）」が実施されました。代わりに例年行われていた「学校指定教科検査」は実施されていません。

【選抜方法】

● 推薦入学
中学から送付された推薦書、調査書、志願理由書、面接、小論文、実技検査等の結果を資料とし、総合的に判定されます。
推薦入学で合格とならなかった場合も、第一次募集に出願することができます。

● 第一次募集
調査書、学力検査の結果、学校指定教科検査や面接、小論文、実技検査を実施した場合はその結果も資料とし、合否が判定されます。調査書の「学習の記録」と学力検査の成績は同等に取り扱われます。
また学力検査の成績が一定以上の受検者に対して、高校・学科（コース）の特色に応じて調査書や面接、小論文、実技検査の結果等によって選抜が行われる場合もあります。

2.内申点の扱い

調査書に記載される成績は、中1から中3までの9教科すべてで、それぞれ5段階評定が付されます。中3次は、1・2学期の成績に3学期の成績を加味して記入されます。 推薦入学で送付される調査書に記載される成績は、中3・2学期分までとなります。 また中学校3年間の生活の様子や学級活動・部活動など特別活動の取り組みの様子、生徒の長所なども記入されます。

3.受験科目の特徴

【山口県立高校入試の傾向と対策】

県共通問題の英語は大問5題構成で、「リスニング」「語い・文法」「長文読解3題（英作文を含む）」となっています。また学校指定教科検査では、大問1問「英作文を含む長文読解」が出題されています。語いに関する出題も多いため、基本的な単語や不規則動詞などはすべて正確に書けるようにしておきましょう。

長文読解は250～430語の平均的な字数のものが出題されています。「内容一致」に関する問題の配点が高くなる傾向にあるので、本文の内容を正確に読み取れることは必須です。形式はほぼ毎年同じなので、過去問にくり返し取り組んでおきましょう。

英作文もしっかり対策しておきたいところです。長文を読んで英文を書くという問題や、リスニング中でも英作文の出題が散見されます。基本的な言い回しを文法的に正確に扱える力が試されます。書いたものは英語の先生に添削してもらうと良いでしょう。

県共通問題の数学は大問9題構成で、「小問集合」「資料の活用」「関数」「数と式」「図形」「連立方程式の文章題」等が出題されています。また学校指定教科検査では大問1題、「数と式、関数、図形」などが含まれます。数学の全範囲からまんべんなく出題されているため、苦手分野を作らず網羅的に復習しておくことが大切です。

まず得点したいのは大問1、2の小問集合や基本計算、1行問題です。日頃から計算の正確さとスピードを意識した練習をすることで、得点が安定してきます。また自分が間違えやすいポイントを知り、重点的に見直す癖もつけておくとよいでしょう。

「方程式の文章問題」が近年連続して出されています。問題文を読み取る際に、与えられた数値に下線を引きながら読む、数値同士の関連を考えながら読むといった工夫で解きやすくなります。基本的な問題から徐々にレベルアップするように演習していきましょう。

県共通問題の国語は大問6題構成で、「小説」「説明的文章」「古典（古文・漢文）」「漢字」「作文」などが出題されています。また学校指定教科検査では「説明的文章」が大問1題分出題されています。配点は古文・漢文より、小説・説明的文章の方が高い傾向にあります。

国語知識に関する問題がたくさん出されるのが、山口県の特徴です。文法や古典知識、入試に頻出の漢字などは確実に得点できるように、しっかり対策しておきましょう。また読解に時間をかけられるように、素早く処理していくことも大切です。

課題作文は独立した大問として出題され、240字程度を書くことが要求されます。まとまった文字数を制限時間内に書き切るためには、自分なりの「型」をつくっておくことが近道です。書きやすいテーマで何度も繰り返し書き、添削してもらうと良い勉強になります。

理科は大問9題構成で物理・化学・生物・地学の各分野から均等に出題されています。大問1～4が基本的な問題、対して後半の大問5～9はやや難易度が上がります。全体的には標準レベルの問題なので、教科書を基本に丁寧に復習しておきましょう。

語句や化学式を書かせたり、文章で記述させる問題が増加傾向にあり、得点を分けるポイントとなっています。日頃から手を動かし、とにかく「書いてみる」姿勢が大切になるでしょう。計算も公式に当てはめれば解けるものが多いので、諦めずに挑戦してみてください。

また大9問は「思考力・総合力」を問う問題となっています。問題文が長く、読み取るのに苦労することがありますが、各分野の基本的な知識を身につけていれば難しくはありません。実験の手順や結果の考察など、総合的に理解しておくことが対策になります。

社会は大問7題構成で、地理・歴史・公民各分野からの出題に加え、複数分野を融合させた問題も1題出されています。融合問題は与えられた資料を読まないと解けないため、やや時間がかかります。全体の時間配分に気をつけましょう。

近年、全分野において資料の読みとり問題が多くなっています。地図、写真、グラフ、統計資料、地形図などあらゆる題材が扱われますので、資料集などでよく出るものは覚えておくと解きやすくなります。県や国の位置も正確に覚えておいてください。

記述形式の問題は、社会科の先生に添削してもらうのがおすすめです。記述問題の採点基準は「必要な情報が漏れなく入っているか」「表現が正しく適切か」という2点なのですが、自力で採点するのは難しいからです。失点を最小限にするために、頑張っていきましょう。

【山口県私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

野田学園高校は全コース合計260名を募集します。定員はコースごと定められており、進学コース140名、特進Aコース60名、特進Sコース30名、グローバル・インターナショナル（G・I）コース30名となっています。

一般入試の試験科目は英語・数学・国語・理科・社会の5教科で、試験時間は1教科50分です。

グローバル・インターナショナル（G・I）コースがあることからもわかるように、英語教育にも力をいれている学校です。そのため長文読解はやや長めの題材が与えられますが、テーマや問題は標準的なので、十分対策できるでしょう。その他、文法問題や知識問題も出題されています。

「計算」「関数」「図形」など、数学の全範囲からまんべんなく出題されています。まずは基本知識と正確な計算力を徹底的にトレーニングしましょう。応用レベルの問題も含まれますが、基本知識の組み合わせで解けるものが多めです。

「現代文」「古典」が出題されます。本文の量は標準的、問題構成もスタンダードなものが多いので、問題集で演習を繰り返すことが一番の対策にあります。漢字や文法といった国語知識に関する出題もあります。早めに完成させておきましょう。

理科全分野からまんべんなく出題されています。基本知識を問う問題や用語を答えさえるもののほか、記述式の問題や実験・考察に関する問題多いので、日頃から「なぜそうなるのか」と思考を巡らせながら学習しておくことが大切です。

地理、歴史、公民の各分野から幅広く出題されます。資料やグラフ、地図、写真など「読み取り」が必要な問題が出題されています。公立高校の入試問題や他県の入試問題も活用し、さまざまな問題形式に触れておきましょう。

慶進高校は普通科アドバンスコースおよび、グローバルコースで生徒を募集します。一般入試の募集人数はアドバンスコース60名、グローバルコース120名程度となっています。

試験科目はコースによって異なり、アドバンスコースは英語・数学・国語・理科・社会の5教科・試験時間は1教科50分、グローバルコースは英語・数学・国語の3教科で試験時間は同じく1教科50分となっています。

出題される問題もコースによって異なります。志望するコースの過去問をよく確認し、対策をしていきましょう。

● アドバンスコース
全体的に難易度はやや高めで、「難問」と言われる問題も含まれます。どの教科も基本をしっかり押さえた上で、取り組む問題集のレベルを徐々に上げていきましょう。基本問題はとりこぼしがないように、正確にスピーディーに解く力が必要です。

● グローバルコース
難易度は標準レベルで、公立高校の入試対策と両立できるでしょう。 どの教科も基本的な知識を押さえることが最優先です。英語の文法・語い、数学の基本計算、国語の漢字や語句知識、文法は早めにマスターしておいてください。

4.推薦入試について

山口県公立高校の推薦入試制度については、記事冒頭の「①公立高校入試制度・日程」項目をご覧ください。
私立高校の推薦入試は多くの高校で実施され、検査日程は1月上旬となります。また推薦入試でも公立高校との併願（入学金の延納措置等）を認めている学校もあります。詳しくは高校の募集要項でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

山口県公立高校入試は、多くの高校で「推薦入学」と「第一次募集」と2回の受験チャンスがあることが特徴です。「推薦入学」を実施する高校を志願する場合は、自分はどちらの受験機会が合格しやすいか、よく検討して決めるようにしましょう。「推薦入学」は学力試験がなく調査書・面接の結果で合否が判定されますし、「第一次募集」は検査当日の学力検査結果が合否を決める最重要要素になります。

また調査書は中1から中3までの成績が均等に記載されます。中1の早い段階から高校入試を意識して内申点を上げる努力を重ねていくことも大切です。定期テストの成績を上げる、提出物はきちんと出すなど、できることから取り組んでいきましょう。

6.偏差値ランキング