北海道の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

北海道の公立高校入試は、3月上旬に行われる一般入学者選抜において合否が判定されます。
選抜は調査書および学力検査の成績、面接・実技・作文を行った場合はその結果、体育に関する学科の出願者のみ健康診断書の内容を加え、総合的に考慮して行われます。

北海道立高校の普通科には通学区域制があり、道内を19に分けた学区区分に従って出願することになります。普通科以外の学科は道内全域の高校に出願できます（札幌市立高校は札幌市内全域）。
募集人員の一部に「学区外就学枠」が設けられていますが、枠の割合は地域によって異なります。

出願は1人1校・1学科（コース）が基本ですが、複数の学科・コースを有する高校においては第2志望が認められています。

【入試科目】

学力検査は英語・数学・国語・理科・社会の5教科が実施されます。解答時間はそれぞれ45分、60点満点（5教科合計300点満点）です。

特定の教科の配点に比重をかける傾斜配点を行う高校もあります。傾斜配点を行う場合、対象となる教科は1～3教科、得点の倍率は1.5～2倍と定められています。

【選考方法】

合格者の選抜は次のように行われます。
まず募集人員の70％程度を、内申点と学力検査結果を同等に取り扱い、選抜。
次に内申点重視と学力検査結果重視で、それぞれ15%ずつを選抜。この際、内申点と学力検査点の比率は高校によって異なります。

2.内申点の扱い

内申点の対象となる成績は中学1年生～3年生までです。9教科を5段階で評定したものが記録されます。
中1および中2の分は「9教科×5段階評定×2倍」、各学年90点満点。
中3分は3倍になり「9教科×5段階評定×3倍」、135点満点。
よって内申点の合計は315点満点になります。

3.受験科目の特徴

【北海道公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問4題構成で、「リスニング」「語い・文法・英作文」「英作文を含む長文読解2題」となっています。45分の試験時間のうちリスニングが10分を占めますので、英作文や長文といった残りの問題にかけられる時間は35分です。速く正確に解くトレーニングが欠かせません。

2問題ある長文は300語前後の長さですが、形式は毎年ほぼ同じです。教科書基本レベルの読解を終えたら過去問を活用し、北海道公立高校の形式に慣れていきましょう。

また英作文では絵の中のセリフを1文で書くという形式で出題されました。学校教育において表現力を重視する傾向から今後も出る可能性が高いと言えます。対策をしっかり行っていきましょう。難しい表現を使わず、知っている単語や熟語で正しく書ききることが大切です。

数学は大問5題構成で、「計算や作図、方程式の文章題などの小問集合が2題」「数と式」「関数」「図形」などから出題されています。小問集合だけで35点分を占め、これは満点60点の半分以上となります。基本的な計算を丁寧に正しく練習しておくことで得点源にできます。全分野から満遍なく出題されますので、日頃から苦手を作らないように意識しておきましょう。

図形の証明問題もここ数年連続して出題されています。図形や角度の性質など、基本的なことをしっかり押さえた上で演習に取り組んでいきましょう。基本に忠実に、必要な記述が抜け漏れなく入るようにコツコツと練習することが対策になります。

関数は図形との融合問題が近年頻出となっています。融合問題と言っても各分野の基本を押さえることが最重要。その上で他県の過去問も参考にしながら、問題形式や着眼点に慣れていってください。

国語は大問4題構成で、「漢字や文法などの国語基本知識」「説明的文章」「小説」「古典」となっています。基本知識問題の小問数が多いため、素早く解いて読解問題にしっかり時間を配分できるように練習しておきましょう。

記述式で答える問題が全体の8割以上を占めます。国語の記述式問題は苦手とする受験生も多いのですが、文章中の言葉を上手に使いながら減点をなるべく減らす解答が書けるよう意識していきましょう。書けないと思いこまず、まず書いてみることが大切です。

会話や発表に関する問題が特徴的です。発言の効果や意図などが問われる問題は、慣れていない形式なので戸惑う場合もあるでしょう。過去問を活用し、早めにコツをつかんでおくと受験勉強に余裕が生まれます。

理科は大問5題構成で「小問集合」の他、物理・化学・生物・地学から1題ずつ出題されます。苦手があると大問まるまる落とすことになりかねません。苦手分野は早めに克服しておきましょう。

化学分野からは「水溶液や気体に関する問題」が出やすい傾向にあります。受験生が苦手にしやすい分野なので、教科書レベルの理解を早めに徹底しておきましょう。質量パーセント濃度の求め方や溶解度グラフの読み取り方、主な気体の性質を押さえてください。

生物分野の「遺伝や細胞分裂に関する問題」もよく出ています。メンデルの遺伝の法則や植物の根の成長を調べる実験がテーマとなることが多いので、遺伝の規則性、実験操作の理由や根の成長のしくみ、細胞分裂の順序を正確に頭に叩き込みましょう。

社会は大問4題構成で「小問集合」の他、地理・歴史・公民分野から1題ずつ出題されます。大問1の「小問集合」は問題数が多く、配点も高いので失点は防ぎたいところです。基本的な知識を正確にスピーディに引き出せるようにしておきましょう。

受験生が苦手としやすい資料の読みとり問題に要注意です。しかも文章で記述する解答形式のため、手も足も出ないという人もいるでしょう。資料の読みとりや記述問題は、問題文をよく読んで丁寧に取り組むことが大切。過去問をたくさん練習してみましょう。

歴史分野の並べ替え問題も注目しておきましょう。並べ替え問題は、単なる暗記では太刀打ちできません。出来事だけではなくきっかけや目的、その結果どうなったかというところまで押さえると、問題が解きやすくなります。

【北海道私立高校入試の傾向と対策】

代表的な私立高校の入試問題の傾向と対策について解説します。

立命館慶祥高校は中高一貫校ですが、高校からの入学も可能です。高校から入学する場合は、「高入SPコース」および「高入生コース」を選択して受験します。立命館の附属校として、立命館大学と立命館アジア太平洋大学に希望者全員が進学できる学内推薦枠を持っているのが特徴です。

一般入試では英語・数学・国語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。

「リスニング」「長文読解」「表・グラフの読み取り」などが出題されています。作文も出題されますので、基本的な表現や動詞の文法・語法を中心に練習しておきましょう。読解は1文1文訳しながら読んでいると間に合わない可能性があります。主語と動詞、接続語などに注目して「大意を正確につかむ」練習をしておきましょう。

「関数」「空間図形」「規則性」「確率」等の出題が多めです。これらは高校で学ぶ数学へ直接的につながる分野であり、入試の時点から高校入学後を意図していることが分かります。それぞれの分野の基本知識を組み合わせて解く問題や、思考力を問う問題も散見されます。計算は速く正確に、基本レベルの問題演習を丁寧に行った上で、応用問題にもチャレンジしておくと良いでしょう。

「説明的文章」「小説」「国語の基本知識」「作文」などが出題されています。国語の総合力を問われる問題構成となっており、語彙力・読解力・記述力ともに必要です。段落ごとの要点や、場面・心情の変化をとらえることでポイントを押さえた読み方ができるようにしておきましょう。作文は相手に自分の考えを正しく伝える表現力が大切です。書いたものを先生に添削してもらうなどして対策しましょう。

問題のレベルは標準的ですが、基礎から応用まで幅広く出題されます。基本的な知識だけではなく、問題文や図、グラフから条件を読み取り論理的な根拠を持って考察する力も問われます。実験や観察の目的、実験から分かることなどを日頃から言葉にまとめていく練習をしておくと良い対策になります。

基本的な問題が多いのですが、資料の読み取り問題に注意してください。語句や文章を選ばせるほかに、ふさわしい資料を選択させるパターンもあります。これは与えられた条件を正しく思考し判断することが大切。たんなる暗記では太刀打ちできないと思っておいてください。論述問題も出題されます。丁寧な記述で失点をできる限り抑えることが肝心です。

一般入試では普通科314名が募集されます。定員の内訳はプレミアSコース25名、特進コース135名、総合進学コース154名で、先だって行われる推薦入試の合格者も含みます。選抜は学科試験および調査書を総合して判定されます。また第一志望のコースに不合格でも別のコースに合格となる「スライド合格」の制度もあります。

学科試験は英語・数学・国語・理科・社会の5教科が課されます。

英語は4題構成で、「リスニング」「穴埋め・並び替え等」「会話文」「長文読解」となっています。「プレミアSコースおよび特進コース」と「総合進学コース」では別の長文読解が出題されます。長文読解の文章量は多くはないのですが、「プレミアSコース・特進コース」で出題される問題では資料の読み取りもあるため、難しく感じる受験生もいるかもしれません。教科書レベルの単語や文法をしっかり押さえ、過去問演習を重ねておきましょう。

数学は全5題構成で、「計算などの小問集合」「連立方程式の利用」「場合の数」「関数」「図形」となっています。全体的には基本レベルと言えるでしょう。ワーク等で十分対策可能です。プレミアSコース、特進コースのみ出題される6題目がやや難易度が高め。他県の高校入試問題も活用して対策しておきましょう。

国語は全5題構成で、「漢字や文法などの基本知識」「資料を見て解答する小問集合」「小説」「説明的文章」「古文」などとなっています。ほとんどが選択問題なので、問題文と選択肢を丁寧に絞り込むことが大切です。記述で解答する形式は30字以内～60字以内が多く、全体で2～3問程度。

物理・化学・生物・地学の各分野から満遍なく出題されます。問題のレベルは基本的なものがほとんどなので、教科書の重要用語や主だった実験をしっかり理解し暗記しておけば対策できます。ワークや公立高校の入試問題も活用しましょう。

社会は大問ごとに分野分けがされておらず、1つの大問中で複数分野の出題があるのが特徴です。解答形式は選択問題がほとんどなので、問題文と選択肢を1つ1つ吟味していきましょう。苦手分野を作らず、基本の内容をしっかり整理しておくことが大切です。

4.推薦入試について

推薦入試は普通科は北海道札幌国際情報高等学校のみ、その他専門科を有する高校において行われます。
募集人員は農業に関する学科及び水産に関する学科は募集人員の範囲内の数、普通科は募集人員の20％程度（募集人員が120名以下の場合は30％程度）、その他の学科は募集人員の50％程度と定められています。

推薦入試の出願に当たっては、在籍する中学校長の推薦が必要となりますす。学力検査は行わず、内申書や推薦書などの内容、面接などの結果を総合的に評価して合否を判定します。
高校（学科・コース）によっては、自己アピール文の提出や、英語の聞き取りテスト、英語による問答、実技、作文を課す場合もあります。これらが行われた場合、その結果も選抜資料に加えられます。

私立高校の内推薦入試を実施する場合は、1月中旬～下旬にかけて行われます。推薦入試の検査日が重なる高校が多いので注意してください。また公立高校との併願（入学金等の延納措置）を認めている高校もあります。詳細は各高校のホームページ等でご確認ください。

5.公立高校入試の注意点

北海道公立高校入試では検査当日の学力試験が300点満点に対し、内申点は315点。さらに内申点を算出する際に「中1・中2時点より中3の比重が大きい」点が特徴です。つまり中3での学校の成績が非常に重要な意味を持っているということです。

中1・中2のうちは部活等で思うように勉強できなかった生徒は、中3での挽回を狙いましょう。定期テストでしっかり成績を出す、提出物等は忘れずに出すと言った取り組みが内申点対策になっていきます。さらに当日の学力検査でも実力を発揮できるように準備しておくことが、第一志望校合格への道だと言えます。

他県の入試過去問を活用する場合は、時間配分に気をつけてください。北海道の入試試験時間は45分ですが、他県には50分や60分というところもあります。

6.偏差値ランキング