静岡県の高校入試情報・偏差値ランキング｜オンライン家庭教師ピース

1.公立高校入試制度・日程

【概要】

静岡県公立高校入試は3月上旬に検査が行われる「一般選抜」にて全員の合否が判定されます。出願にあたって学区制の制約はありません。また出願は1人1高校・1学科（コース）に限られますが、複数学科を有する高校では第2志望が認められています。

一般選抜には各高校が独自に定める「学校裁量枠」と、共通の方式で選考する「共通枠」とがあります。別々に出願する必要はなく、選考が学校裁量枠のち共通枠と2段階で行われるという仕組みです。

学校裁量枠の募集人員は定員の50%を上限として、各高校が設定します。したがって共通枠の募集人員は、募集定員から学校裁量枠の合格者数を減じた数となります。 学校裁量枠は希望者のみに選考を行う場合と、受験者全員に行う場合があります。また専門科では実技検査を課すこともあります。

【入試科目】

受験者全員に英語・数学・国語・理科・社会の5教科学力検査が課されます。試験時間は1教科50分、各50点満点（合計250点満点）です。
また全員に面接（個人／グループ）が実施されます。

【選考方法】

● 学校裁量枠
高校・学科（コース）ごとの特色に応じて、独自の方法で選考します。調査書、学力検査、面接の結果、その他実施した学校独自の検査（実技検査、作文、適応力検査）などの結果を総合的に判定します。

● 共通枠
第一～第三段階に分けて選考が行われます。 第一段階では、募集定員から学校裁量枠の合格者数を減じた数の75%程度までを内申点および学力検査結果上位の者から合格とします。第二段階は残りの枠の10%程度を、調査書（学習の記録以外の記載事項）と面接の結果から判定します。最後に第三段階として定員までを学力検査結果・調査書・面接を総合的に判断し、合格者を選出します。

2.内申点の扱い

調査書に記載される成績は中3のみ（2学期期末、もしくは12月末まで）で、9教科がそれぞれ5段階評定で記入されます。「特別活動の記録」、「諸活動の記録」等も参考にされます。

3受験科目の特徴

【静岡県公立高校入試の傾向と対策】

英語は大問5題構成で、「リスニング」「英作文」「長文読解」から出題されています。英作文がやや難しい傾向にあり、言いたいことにぴったりの英語表現が思い浮かぶかどうかが差となります。教科書や問題集などで、多彩な言い回しを身につけておきましょう。

「長文読解」は290～500語程度のものが出題されています。問題が言っていることは理解できるが、どのように答えれば良いのか悩む問題も散見されます。受験生の思考力が試されますので、パターンの暗記ではなく自分の頭で考えて解答する癖をつけておきましょう。

静岡県公立高校の英語入試問題構成や分量、配点などは毎年ほぼ変わっていません。過去問を活用し、十分な演習を積んでおくことが対策になります。自分が正解すべき問題を見極め、限られた試験時間を有効に活用する戦略も大切です。

数学は大問7題構成で、「小問集合」「資料の活用」「数と式」「関数」「図形」等から出題されています。大学入試改革の影響か、これまでになかったタイプの問題も見られるようになりました。さまざまな形式に慣れておくことが必須だと言えます。

問題のレベルは難度の高いものと標準的なものが、大問の中に入り混じります。高得点を狙う場合は全問チャレンジしたいところですが、自分の目標点に合わせて失点を最小限に減らす、難しそうなら飛ばすといった判断も大切になってくるでしょう。

資料の活用や関数、図形等はひねった問題が出やすいので注意が必要です。過去問演習や学校の実力テストの復習、模試なども良い学習材料になります。また他県の入試問題や私立高校の過去問も参考にしてみてください。

国語は大問5題構成で、「小説」「説明的文章」「会話発表」「古典」「作文」と、バリエーション豊富な出題が特徴です。国語表現を問う問題や図の読み取り問題も出されています。時間をかけるべきは読解と作文、知識問題は素早く処理していきましょう。

読解は本文のボリュームが多く、約2000字の長さになる年もあります。さらに50～60字で記述させる問題も出されています。本文の読解はもちろん、設問で問われていることを正確につかみ条件を踏まえて記述するという練習をくり返してみてください。

第5問の作文は、与えられたテーマについて180字で書くという出題です。自分の立場を明確に示しつつ、そう考える理由まで書けると良いでしょう。自分が書いたものを国語の先生や塾の先生にチェックしてもらっても良い勉強になりますね。

理科は大問6題構成で、「小問集合」のほか物理・化学・生物・地学の各分野からまんべんなく出題されます。どの分野も用語や基本計算など暗記で解ける問題は少なく、現象や実験を本質的に理解しているかを問う問題が多めとなっています。

化学分野からは「中和とイオン」「電池」に関する問題が、生物分野からは「植物のなかまわけ」に関する問題が頻出です。苦手とする受験生も多い分野ですが、中和の仕組みや反応後の生成物、電池になる条件などしっかり押さえておきましょう。

勉強の際は現象が起きる理由、実験の狙いなど「深く理解する」ことを大切にしましょう。本質から理解すれば、応用問題や複雑な計算問題も怖くありません。自分のレベルに合った問題集や過去問で、十分に演習を積むことが対策になります。

社会は大問4題構成で、「地理（日本・世界）」「歴史」「公民」の各分野から出題されています。2021年度入試は全体の35％ほど記号を選択する問題、また65％程度が語句を書かせる問題でした。基本に忠実な対策が実を結びやすい問題構成と言えます。

短文で記述させる問題、また70字程度で書く問題もありますので、用語の暗記だけで乗り切るのは難しいと言えるでしょう。出来事の原因や目的、結果などまで流れで押さえた上で、情報を端的にまとめる力も要求されます。

また資料の読み取りは、面倒がらずに1つずつ取り組む地道さが大切です。与えられたデータと自分の知識とを組み合わせ、必要な記述を抜け漏れなく取り出せるよう、日頃からトレーニングしておくと良いでしょう。

【静岡県私立高校入試の傾向と対策】

静岡県の私立高校を受験する場合、最も重要な意味を持つのは「内申点」です。特に単願で受験する場合、高校が示す内申点の合格ラインに達していればほぼ合格となる傾向が続いています。また併願受験生も、内申点で合否が決まることが多いようです。

従って私立高校受験を考える際は偏差値や実力テストの得点はもちろん大切にはなりますが、まず内申点を上げることを意識していきましょう。

4.推薦入試について

静岡県の公立高校には推薦入試制度はありません。
私立高校でも2021年度入試において推薦入試を実施したのはオイスカ高校の自己推薦のみでした。

5.公立高校入試の注意点

静岡県公立高校入試は、一般選抜の1回で合否が決定すること・調査書に記載される成績が中3次のみであること、という2点が特徴です。第一志望に合格するためには、学力検査で合格点を取れることと、中3の内申点をできるだけ上げておくことが大切ということになります。
学力検査は中1から中3までの内容がまんべんなく出される上に、一部難問も含まれます。中1の学習内容から丁寧に復習し、早めに過去問演習に入ることが得策でしょう。内申点を上げるには定期テストの成績を上げる、提出物をしっかり出す等が有効です。内申点は私立高校入試にも影響を与えます。できることからコツコツ取り組むことが重要です。

6.偏差値ランキング