【共通テスト地学基礎】9割も目指せる勉強法と過去問活用のコツ!共通テストの傾向と分析も掲載
地学基礎はセンター試験から共通テストに移行しても、変化が少なかった科目です。対策の重点は暗記にあり、比較的点数も取りやすいとも言われますよね。
とはいえ、一回勝負なのが共通テスト!失点は最小限に抑えたい、高得点できる対策を知りたい、という受験生は多いのではないでしょうか。
今回は共通テストの傾向を分析し、本番で9割も指せる状態に仕上げる勉強法を解説します。最後まで読み、ぜひ今日から取り入れてみてくださいね。
目次
初めて実施された「大学入学共通テスト」を振り返る
まずは共通テスト(地学基礎)の概要を振り返っておきましょう。センター試験の違いも踏まえておくと、センター試験の過去問を利用する際にも役立ちますよ。
問題形式、出題傾向
共通テストの問題数・配点は、センター試験と比較してやや変化がありました。
- 大問数が4問から3問に減少
- マーク数は15で変化なし
センター試験(2020年度) | 共通テスト(2021年度) | |
第1問 | 20点(6問) | 24点(7問) |
第2問 | 10点(3問) | 13点(4問) |
第3問 | 10点(3問) | 13点(4問) |
第4問 | 10点(3問) | - |
合計 | 50点満点 | 50点満点 |
出題された分野は、「地球」「大気と海洋、環境」「宇宙」と、地学基礎の全範囲を網羅したものでした。
特徴的だったのは、単に知識を問う問題よりも「何を問われているのか、何を答えるべきか」を考えながら解くタイプの問題が多かったことです。 問題文で示された状況や与えられた情報の読み取りが必要なものがあり、読解力も求められるようになった点が変化だといえます。
共通テストには「問題作成の方針」というものが定められています。以下は2022年度の共通テストの出題方針を抜粋したものです。
(理科基礎科目について)
日常生活や社会との関連を考慮し,科学的な事物・現象に関する基本的な概念や原理・
法則などの理解と,それらを活用して科学的に探究を進める過程についての理解などを
重視する。問題の作成に当たっては,身近な課題等について科学的に探究する問題や,得
られたデータを整理する過程などにおいて数学的な手法を用いる問題などを含めて検討
する。
「日常生活や社会との関連性」「探求」「身近な課題」「数学的な手法」といったキーワードが目につきますね。
ただし、難しく考えることはありません。問題文に会話文形式を採用したものや、科学に関するエッセイ使った問題、また実験や考察を伴う問題など、いわゆる「新傾向」と言われる問題は、既にセンター試験で出題されているからです。
地学基礎は今後も、長年培われてきたセンター試験対策を踏襲していけば問題なく対策ができると言えるでしょう。
平均点
過去5年の平均点を見てみましょう。
年度 | 平均点 | 前年差 |
2021年度 | 33.52 | +6.49 |
2020年度 | 27.03 | -2.59 |
2019年度 | 29.62 | -4.51 |
2018年度 | 34.13 | +1.63 |
2017年度 | 32.50 | - |
地学基礎の平均点は見事な隔年現象となっています。
新しい入試制度が始まって数年は出題傾向も安定せず、平均点の乱高下も起きやすいと言われています。共通テスト1年目だった2021年度入試の地学基礎は比較的高めの平均点となっていましたが、まだしばらくは予断を許しません。
センター試験同様、基本に忠実な対策をしっかり行っていくことが最重要です。
★ 共通テストについては、こちらもどうぞ!
「大学入学共通テストとは?教科ごとの出題科目は?日程や出願方法など詳しく解説!」
地学基礎の共通テスト対策・基本方針3か条
文系の受験生が選択するケースが多いのが地学基礎。英語や数学、地歴科目に時間を取られ、理科には手が回らない……、ということも多いのでは?
共通テストの地学基礎では、「まんべんなく基礎を覚えること」と、「良質な問題演習を繰り返すこと」が何よりの対策!
ここからはポイントをおさえた効率的な地学基礎対策を見ていきましょう。
1.対策の基本は「教科書」!全範囲の重要事項の暗記を
共通テストでは思考や判断が必要とされる問題が多く出題される傾向がありますが、だからといって基本事項を覚えなくて良いという話ではありません。
そうした問題も「基本知識」という武器があってこそ、応用問題の吟味・検討ができるのです。教科書を中心に据えた基本の習得は、最優先で取り組みましょう。
地学基礎は以下の分野で構成されています。
- 地球(火山・地震)
- 地層と化石
- 大気と海洋
- 太陽系と宇宙
- 地球環境
まずはそれぞれの章ごと、教科書をじっくり読んでみてください。ここでは分野ごとの「要点」、つまり、「どんな項目が含まれていて、だいたいどのような内容なのか」を把握します。
このとき、闇雲に暗記しても実戦的な”使える知識”にはなりません。
火成岩なら、組成の特徴を覚えるだけではなく、「どうしてそうなるのか」までセットで覚えるようにしましょう。
地層の「断層」を覚える際は、力の加わり方がどのようにズレを生むのかまで理解します。
オゾン層の破壊やエネルギー放射も、原因と仕組みまで理解することが大切です。
一つひとつの用語や事象を本質的に理解する、という姿勢を忘れなければ大丈夫!概要を把握したら、早速問題演習に取り組みましょう。
2.問題演習を通じて知識を定着させる!
地学基礎の問題演習には、学校で配布された傍用問題集がおすすめ。あるいはセンター試験の過去問を使ってもOKです。どの問題集を勉強すれば良いか迷ったら、学校や塾の先生に相談してみてくださいね。
また後ほど、おすすめ問題集もご紹介しています。参考にしてみてください。
共通テストでは問題文や図表の読み取りが必要となる問題が多く出題されています。演習でも「読み取り」を意識して取り組みましょう。
「読み取りを意識した演習」とは、問題を解きながら解答のポイントとなる箇所を「素早く、的確に」見つける意識を持つということ。
- 「どこに」着目すれば読み取れるのか
- 「何を」読み取ればよいのか
- 解答の根拠・基準となる箇所はどれか
こうした点を意識的に探しながら解く能動的な姿勢が大切です。
問題を解きながら、重要だと思った箇所や解答の根拠となるデータには印をつけておきましょう。つけた印と解説を見比べて、「正しい読み取り・分析観点」を知ることが、共通テスト対策として有効なのです。
3.センター試験の過去問と予想問題、どちらが重要?使い分けは?
地学基礎はセンター試験から共通テストになっても変化が少なかった科目。長年の蓄積があるセンター試験の過去問も、積極的に使っていきましょう。
共通テストには「思考・判断を要する問題が多い」という特徴もあります。対策を共通テストに寄せるには、共通テストの過去問や予想問題集もおすすめです。
センター試験の過去問と共通テスト予想問題は次のように使い分けると効果的でしょう。
- 問題演習の「量」をこなす/知識の確認には ⇒ センター試験過去問を
- 傾向に慣れ、さまざまな読み取り問題を解くなら ⇒ 共通テスト予想問題を
目的に合わせて使い分けることで、一層精度の高い演習が実現します。
ちなみにセンター試験の過去問を使う時は、現在の教育課程になった「2015年度以降」のものを解くようにしてくださいね。
共通テスト対策におすすめの参考書3選!
共通テストの地学基礎対策を効率良く進められる参考書を3冊、厳選してご紹介します。独学でも進められるものを選んでいますので、ぜひ活用してくださいね。
おすすめ①『大学入学共通テスト 地学基礎の点数が面白いほどとれる本』(KADOKAWA)
大学受験生にはお馴染みですね、”黄色い表紙の参考書”から地学基礎版をご紹介します。『大学入学共通テスト 地学基礎の点数が面白いほどとれる本』は、教科書に書かれている内容をさらにわかりやすく解説した1冊。教科書を読んでも、つまりどういうことなのかイマイチ納得できない!という受験生におすすめです。
共通テストで出題されやすい、地学現象のメカニズムも図を使って詳しく説明。狙われやすいポイントも自然と対策できるようになっています。巻末には良問集も掲載、理解と問題演習が1冊でまとめて取り組めるお得な1冊です。
おすすめ②『マーク式基礎問題集地学基礎(河合塾シリーズ)』(河合出版)
『マーク式基礎問題集地学基礎』はマーク形式に特化した問題集です。収録されている問題は河合塾のオリジナルが中心で、共通テストの予想問題としても活用できます。図表・写真・グラフを使った問題が多いのが特徴で、間違えやすいポイントには注意書きがあるなど、受験生が使いやすい配慮がたくさん。
問題はジャンル別・分野別に並べてあります。苦手分野だけ集中的に取り組む、1分野ずつ計画的に取り組むなど、進め方の自由度が高いのも◎。精度の高い良問に効率的に取り組みたい、という受験生におすすめできる1冊です。
おすすめ③『解決!センター地学基礎』(Z会)
「9割を狙え!」というキャッチコピーが目を引く、地学基礎の問題集。『解決!センター地学基礎』は、「7割を狙う例題&解説|9割を狙う実戦問題」という構成で無理なくステップアップしていけます。赤シートを使った要点整理のコーナーがあるのもGOOD。
地学知識を強化してくれるコラムも充実しており、発展的な内容が問われやすい共通テスト対策にピッタリ。分かりやすい解説に加え、映像授業の特典もあるので徹底的な理解が叶います。
ピンポイントでオンライン家庭教師を利用するのもおすすめ
地学基礎は覚えることが多い?なんとなく苦手?後回し?……、計画的に進めるのが理想ですが、「なんとかなるか」と思っているうちに直前になってしまった!なんて慌てる受験生が多い科目でもあります。
地学基礎は勉強した結果が成果にあらわれやすい科目なので、早期・短期集中で対策を行い、得点源にしてしまうのがおすすめ。もしぎりぎりまになってしまっても、要点をおさえたてすれば本番にちゃんと間に合います。
「地学基礎をなんとかしたい!」、そんな時におすすめなのが、スポット的にも利用できる「オンライン家庭教師」です。受講科目、時間、回数などは自由に相談できるので、苦手なところや過去問演習を短期集中トレーニングするのにピッタリ!
指導に当たる講師は、自身もセンター試験や共通テストを経験した大学生がメイン。「ホントに時間がないときにどうしてた?」「二択で迷ったときは?」「8割の壁を越えられない!」といった、受験生の悩みを乗り越えてきた経験も聞くことができます。
「自分だけのカリキュラムを自宅で受講できる」オンライン家庭教師、ぜひ一度体験してみてください!
まとめ
地学基礎の共通テスト対策についてまとめてきました。
地学基礎は大げさではなく、ちゃんと勉強すれば9割が狙える科目です。教科書レベルの基本をしっかり理解し、良質な問題演習で知識を補強する。この反復で、早い人なら2か月で成果が見えてくるでしょう。
そのためにも「基本を効率的におさえること」が何より大事。教科書と、紹介した参考書・問題集を活用し、効果の高い対策を実践してみてくださいね。応援しています。