【共通テスト現代文】9割も目指せる勉強法と厳選おすすめ問題集|今日からできる対策満載
2022年度入試、共通テストは2年目を迎えます。
「現代文はセンス」なんて言われがちで、対策が難しい科目が現代文です。「センター試験の過去問は使えるのか?」「どんな勉強をすれば、高得点が狙えるのか?」と迷うことも多いでしょう。
今回は「現代文の共通テスト対策」を中心に、センター試験と共通テストの違い、おすすめの参考書・問題集もご紹介していきます。しっかり取り組めば、現代文で9割得点も夢ではありません。
最後まで読み、ぜひ今日からあなたの現代文対策に役立ててくださいね!
目次
初めて実施された「大学入学共通テスト」を振り返る
まずは2021年度入試から実施された「大学入試共通テスト」を振り返ってみます。センター試験との違いを抑えておくと、センター試験の過去問を利用するときにも役立ちますよ。
出題形式はセンター試験を踏襲
共通テストの出題形式はセンター試験を踏襲し、評論と小説をそれぞれ単独で読んで答えるという形に落ち着きました。試行調査で見られた図表や実用的な文章、詩といった題材の出題はありませんでした。
センター試験と異なる形式の問題としては、次のようなものがあります。
◆ 第1問(評論)問5
- 本文の内容をまとめたノートの空欄を補う問題
- 出典の書物の別の箇所を読んで答える問題
◆第2問(小説)問6
- 提示された批評文(出典小説に対するもの)を読み、答える問題
いずれも難易度や解き方が極端に難しいということはなく、従来通りの現代文対策を行っていれば対応できたものと思われます。
平均点
平均点も前年と比較し、ほぼ同水準という結果になりました。
2021年度 共通テスト(第1日程)平均点 |
2020年度 センター試験本試験平均点 |
差 | |
国語(200点満点)※ | 117.51点 | 119.33点 | -1.82点 |
※ 国語は「現代文」「古文」「漢文」ごとの平均点は公表されていません。
試行調査時の平均点が90.81点/102.74点(各200点満点)であったことを考えても、本番の試験ではやや易化したとも言えます。
2022年度も変わらず実施される
共通テストは2022年度入試でも引き続き実施されます。センター試験を踏襲した問題傾向は引き継がれると見られていますが、新傾向の問題が出ないとは限りません。また出題形式が思考力を測るように変化していくことも考えられます。
基本的な現代文の対策を行いつつ、資料問題や複数の要素を関連付ける問題など、さまざまな問題形式に触れていくことが需要でしょう。
★ 共通テストについては、こちらもどうぞ!
「大学入学共通テストとは?教科ごとの出題科目は?日程や出願方法など詳しく解説!」
共通テストの現代文が難しいといわれる理由
共通テストはセンター試験の形式を踏襲していることがわかりましたが、センター試験のころから現代文に悩まされる受験生は少なくありませんでした。
他教科にはない、「現代文対策が難しい」といわれる理由を見てみましょう。
1.時間配分が難しい
現代文対策が難しい理由の1つ目は「時間が足りない、適正な時間配分が難しい」ことにあります。現代文を含む国語全体に与えられた時間は80分。多くの受験生は、80分で現代文2題(評論・小説)、古文、漢文を解かないといけません。
そして予備校などで語られる標準的な時間配分は次の通り。
- 評論:25分
- 小説:20分
- 古文:20分
- 漢文:15分
当然、見直しもこの時間に含まれます。
後ほど触れますが、現代文の出典は専門的なものや受験生にとっては難解なものばかり。25分で本文を読み、問題を解ききるためには高レベルの読解力と効率的な解答力が欠かせません。
綿密に立てた時間配分も、当日の問題傾向ひとつで予定通りにはいかなくなることも。問題量・レベルに対して時間がたりないこと、そして時間配分が難しいことが、共通テストの現代文が難しいといわれれる理由の1つ目です。
2.選択肢が紛らわい
共通テストの問題はすべてが選択式ですが、現代文で厄介なのは選択肢同士がとても紛らわしいこと。ぼーっと読んでいて、すべての選択肢が同じことを言っているように見えて困った、という経験がある人も多いのではないでしょうか。
また選択肢自体の文章量が多いことも、現代文を難しくしているポイントです。本文で書かれている内容をしっかり理解しつつ、長い選択肢を一つひとつ丁寧に吟味し、違いを見つけないといけないのです。中には本文と同じ主旨のことを書いているにもかかわらず、言い回しが異なるため一見しただけでは「間違っている」と判断しやすいものも。
選択肢の複雑さ、これが共通テストの現代文が難しいと言われる理由の2点目です。
3.文章の難易度と量が半端ない
現代文の過去問を開き、本文の分量はもちろん、難しそうな見た目に圧倒された経験を持つ人も多いでしょう。センター試験では人文科学や社会科学、建築、芸術、比較文化論など、実にさまざまな分野の専門家が書いた文章が出題されてきました。
過去5年分をざっと遡っても、次のようなラインナップです。
※評論の出典をまとめました。
年度 | 出典 | 著者 |
2021 | 『江戸の妖怪革命』 | 香川雅信(兵庫県立歴史博物館 学芸課長) |
2020 | 『境界の現象学』 | 河野哲也(哲学者、立教大学文学部教育学科教授) |
2019 | 『翻訳をめぐる七つの非実践的な断章』 | 沼野充義(スラヴ文学者、名古屋外国語大学世界教養学部教授・副学長、東京大学名誉教授) |
2018 | 『デザインド・リアリティ:集合的達成の心理学』 | 有元典文(横浜国立大学教育学部教授) 岡部大介(東京都市大学准教授、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員) |
2017 | 『科学コミュニケーション』 | 小林傳司(科学哲学者、大阪大学教授・理事・副学長) |
タイトルももちろんですが、あらためて著者を見、驚いたのではないでしょうか。各界の第一人者たる肩書きが錚々と並んでいます。
そう、現代文で出題される文章は「大学入試向けに書かれたもの」ではなく、専門家が本気になって書いた文章の一部を抜粋してきたのものなのです。
現象学、翻訳、デザイン、心理学、、、。およそ、一般の高校生からかけ離れた内容が出題されるのが共通テスト。本文そのものの難易度が高い、これが共通テストの現代文が難しいといわれる理由の3つ目です。
共通テストで9割を目指す!勉強のコツ
共通テストの現代文が難しいことは分かった、では高得点は無理なのか?というと、そんなことはありません。傾向と特徴を知り、相応の対策を積み重ねていけば、9割得点も夢ではありませんよ。
ここからは共通テストの現代文対策を見ていきましょう。受験生が気になる解き方のポイントも解説します。
評論編
評論の問題は「漢字」と「読解」に分けられます。漢字は10点満点、満点を目指していきましょう。
問題は読解問題ですよね。読解問題は1問あたり8点。本文中の指定箇所(傍線部)について、「どういうことか」「なぜか」と問うのが基本形式です。
評論の読解問題で大切なのは、とにかく「本文の主旨を正確につかむこと」、そして「設問に正しく応答すること」です。
評論は一般的な事象や理論について、筆者が分析や思索を加え、一定の結論を導くというのがオーソドックスな形式です。本文中には「結論」と「根拠」、「具体例・事例」「想定される反論」「反論の論破」「一般的に言われていること」といった要素が盛り込まれているので、まずは本文のどの部分が・どんな役割を果たしているのかを見極められるように練習していくと良いでしょう。
この時お勧めなのが、「段落ごとに見出しを付ける」という作業です。段落はすなわち、意味や役割のカタマリです。そのカタマリ(段落)で一番言いたいことはなにか?という主旨を見つけられるようになると、読解がぐんと楽になりますよ。
★ 現代文の詳しい勉強法は、こちらの記事もご覧ください。
『【大学入試】現代文には正しい勉強法がある!今日からできる論理的な読解力養成法』
また選択肢を吟味する際は、選択肢の微妙な違いを見極めるようにしましょう。接続詞や助詞に注目し、「その選択肢が言っている内容」を正確につかみます。その上で、本文中に同じ主張の箇所があったかどうか、必ず照らし合わせてください。
本文の読解がしっかりできていれば、意外と選択肢の見極めには苦労しなくなるものです。まずは正確な本文読解の力をつけること。これが何より大切です。
小説編
評論より読みやすい、と対策の比重が軽くなりがちなのが「小説」。2次試験で国語を使う受験生でも、小説を解くのは共通テストだけ、というケースも多いですよね。その分、どのように対策すればよいのか、いまいちわからない……、という相談はよく聞きます。
小説も評論同様、「本文に書いてある内容を、正しくつかむ」ことが基本、という点を忘れないでください。
注意したいのは、本文の表現から一般的に導くことができる展開は許容範囲ですが、「自分の感情で読む」ことはNGということ。主人公に感情移入しすぎて、本文には書いてないのに「自分ならこうする!」と勝手に妄想し始めてしまっては、正しい解答を導くことはできませんからね。
小説を読む際は「誰が/いつ/どこで/何をして/どう感じたか」「人間関係」を整理しながら進めるのがおすすめ。。繰り返しになりますが、解答の根拠となるのはあくまで本文に書いてあることだけです。自分勝手な解釈は厳禁ですよ。
問題文は先に読んだ方がいい!
受験生が悩みやすい点に、「現代文の問題は先に読んだ方が良いのか?」というものがあります。
結論、先に読んだ方が良いです!
選択肢まで入念に読み込む必要はありません。問題をざっと見て、「どのような問題が出されているか」「傍線部を読むときに、注目すべき点は何か」といった問題の概要を把握しましょう。
新傾向の問題を発見したら、「これは時間がかかるかもしれない」と時間配分の調整ができますよね。また「~とはどういうことか」という説明問題を見つけたら、本文中の該当傍線部を読むときに「どういうことか?」と考えながら読むことができます。こうした『ちょっとした工夫』が時短につながるのです。
また問題を読む際は「出題者の意図」、つまり「出題者は何を読み取らせようとしているのか?」「出題者は、何を考えさせようとしているのか?」という点にも注目しましょう。
筆者の主張はもちろん重要なのですが、正解・不正解を分けるのは「出題者の意図を汲んでいるか」という点であることも多いのです。特に選択肢を2つにまで絞り込み決めかねたときは、出題者の意図を考えると正解がわかることもあります。
◎ 問題文は先に読む
◎ 出題者の意図も把握する
この2点に注意していきましょう。
受験生が苦手な「二項対立」に気をつけよう!
「二項対立」という言葉は聞いたことがありますか?文字通り、2つの主張や概念、論理が対立関係(あるいは矛盾した関係)にあることを指します。評論でもよく登場する構造で、しかも苦手な受験生が多いので、ちょっとチェックしてみましょう。
評論における二項対立は、主に「筆者の主張」「主張に対する反論」で成り立ちます。
筆者は当然、何か言いたいことがあって書いているわけですから、「筆者の主張」が重要なのはかわかりますよね。
気を付けてほしいのは、「筆者の主張に対する反論」の部分、評論では必ずといっていいほど登場するので注目してみてください。
「主張への反論」とありますが、実は筆者が自分の主張の正当性を高めるために入れている部分になります。自分の言いたいことだけを書き連ねるよりも、想定される反論や批判を書き、さらに論破すると主張の正しさが際立ちますよね。そのために含まれているパートになります。
重要な役割を果たすパートなだけに、「主張に対する反論」ももっともらしく書かれ、うっかりすると「筆者の主張」だと勘違いしやすいのが紛らわしいポイント。見極めができないと「主張ばかりがたくさんあって、筆者が言いたいことがどれなのか?」と論理迷子になってしまいかねません。
◎ 評論は「二項対立」で書かれることが多い
◎ 筆者の主張と反論、さらに論破している部分を見極める
この2点に注意して読んでいくと、さらに内容理解が深くできるようになりますよ。
共通テスト対策におすすめの問題集
最後に共通テスト対策におすすめの参考書・問題集をご紹介します。センター試験の過去問やマーク模試対策の問題集ではなく、読解力を高められるものを厳選しました。
現代文の「単語帳」を用意しよう
まず用意したいのは「現代文の単語帳」です。先に書いたように、特に評論は専門家が書いた難解な文章が出題されます。予備知識なしで解けるほど、甘いものではありません。
評論で出題されやすいテーマや頻出語句については、あらかじめ勉強し知識を得ておくようにしましょう。精通しているテーマが増えるほど、読解の精度が上がっていきますよ。
おすすめは次の3冊です。
◎『現代文キーワード読解』/Z会編集部
◎『読解を深める 現代文単語〈評論・小説〉』/桐原書店
◎『イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語げんたん』/いいづな書店
入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾)
読解対策の入門としておすすめなのが、「入試現代文へのアクセス 基本編」です。頻出分野を中心に、丁寧な読解と問題の解き方が身に付く1冊。癖のある文章は少ないので、これから現代文の対策を始めるという人にもピッタリです。
基本編が終わったら、発展編にも挑戦してみましょう。また読解問題に取り組む際は、「現代文の単語帳」を一緒に使うこともお忘れなく。
入試精選問題集 7 現代文(河合塾)
読解の基本はマスターした、二次試験や個別試験対策も視野に入れたい、という受験生におすすめなのが「入試精選問題集 7 現代文」です。やや難度の高い題材が収録されており、より発展的な読解力が身につくでしょう。
また解説が充実しているのもポイント。「なぜ、それが正解なのか?」という疑問を徹底的に追及できるので、自習用にピッタリです。
まとめ
紆余曲折あったとはいえ、いよいよ始まったのが共通テスト。来る受験に備えて、しっかりと対策を進めていかないといけません。現代文は勉強方法が確立しにくく、また成果が出るまでに時間がかかるため、苦手なまま受験を迎えてしまうケースも多い科目。しかし、紹介した方法で取り組めば、志望校合格に大きく近づく力が身に付きます。
共通テストの現代文で得点するために大切なのは、「正確な読解力」と「選択肢を吟味する力」に他なりません。さあ、迷っている時間はありませんよ!早速「現代文の単語帳」を脇に、取り掛かってみましょう!
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