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高校の推薦入試、全種類を解説!単願と併願の違いや推薦基準も網羅

「高校合格に向けて、受験チャンスを活かしきりたい」と考えたときに気になるのが、推薦入試です。推薦入試を受けると受験機会が増えるため、推薦入試を検討中の親御さんも多いのではないでしょうか。

しかし、いざ調べ始めると推薦入試の種類の多さや制度の複雑さに混乱してしまう方も少なくありません。「公立の前期選抜と私立の推薦入試は併願して良いのか」「推薦入試での合格は滑り止めとして利用できるのか」など、疑問も次々と浮かんできます。

この記事では、高校の推薦入試を「種類」の面から網羅的に解説しました。公立高校と私立高校の推薦入試の違いや併願と専願の違い、また推薦入試についてよくある質問にもお答えします。
最後まで読み、推薦入試について理解を深め、お子さんの受験方法を決めるヒントとしてください。

高校の推薦入試は大きく2種類

高校の推薦入試は大きく2種類
はじめに、高校の推薦入試について概要を理解しましょう。
推薦入試は、「学校推薦」と「自己推薦」に大別できます。学校推薦とは中学校長の推薦書が必要な入試方式で、自己推薦は基本的に誰でも出願できる推薦入試を指します。

それぞれの特徴や実施している高校の種類について解説します。

学校推薦

学校推薦とは、高校の推薦基準に合う生徒を中学校が選出し、推薦する入試方式です。中学校長の推薦書も必要です。

私立高校のスポーツ・文化推薦や特待生推薦などが該当します。

自己推薦

自己推薦とは、公立高校や一部の私立高校で行われている推薦入試です。受験生本人の努力や意志を重視した推薦基準である点が特徴で、基本的に誰でも出願できます。

公立高校では「前期選抜」「特別推薦」などと呼ばれ、5教科の学力検査によって合否が決まる一般選抜に先だって試験が行われます。

自己推薦で中学校長の推薦書が必要かどうかは、自治体・学校によって異なります。

実施している高校が多い推薦入試の種類

実施している高校が多い推薦入試の種類
高校は、欲しい生徒像によってさまざまな推薦入試を行っています。多くの高校で実施されている推薦入試4種類を解説します。

学力優秀な生徒を募集する推薦

私立高校に多い推薦入試です。学力優秀な生徒を選抜するための推薦入試制度で、難関大・医学部などを目指すハイレベルなコースに在籍する生徒を選抜したり、入学金・授業料などが減免される特待生を選抜したりするために行われます。

推薦を受けるには、中学校の成績(評定平均)が高いこと、学業に対する強い意欲があることなどが条件となります。

スポーツに秀でた生徒を募集する推薦

いわゆる「スポーツ推薦」と呼ばれる推薦入試です。部活動で都道府県大会や全国大会に出場した実績を持つ生徒や、目覚ましい戦績を持つ生徒が推薦されます。スポーツ強豪校やスポーツに力を入れている高校で行われています。

私立高校のスポーツ推薦が目立ちますが、公立高校の自己推薦にもスポーツに秀でた生徒が受験できる枠があります。

文化活動に力を入れた生徒を募集する推薦

吹奏楽や英語など、文化活動の実績を持つ生徒が受けられる推薦入試もあります。吹奏楽などの部活動なら大会やコンクールの実績が重視され、英語は英検の取得状況が審査されます。英語で推薦を受けるためには、少なくとも2級以上の取得が望ましいでしょう。

高校の特徴に合う生徒を募集する推薦

とくに推薦基準を設けない推薦入試や、高校の教育理念や特徴に共感する生徒を集める推薦入試もあります。推薦基準がないため誰でも出願でき、公立高校の併願先としても人気の方式です。

ただし、高校の合格状況によっては、その高校に進学する可能性もある点は押さえておきましょう。どの高校でも受けてよいわけではなく、「進学しても良い」と思える高校を受験することが大切です。

高校入試 推薦の種類を表で整理

推薦入試は自治体や学校によって名称がさまざまあるため、混乱しやすいかもしれません。ざっくり理解するためのポイントを解説します。

◎ 公立高校の推薦入試
公立高校の推薦入試は、5教科の学力検査で合否が決まる「一般選抜」に先立ち、1月下旬~2月上旬に行われます。「前期選抜」「特色選抜」といった名称で呼ばれます。
中学校長の推薦書が必要かどうかは、自治体教育委員会ごとに定められています

◎ 私立高校の推薦入試
私立高校の推薦入試は、12月から始まります。中学校長の推薦は必要で、推薦の基準も高校ごとに定められています。公立高校や他の私立高校と併願したい場合は「併願推薦」を受験しましょう。

表にもまとめましたので、参考にしてください。

推薦の種類 特徴 公立高校 私立高校
学校推薦
  • 学校長の推薦書要
  • 推薦基準あり

あり

  • 単願推薦
  • 併願推薦
自己推薦
  • 誰でも出願可能
  • 学校長の推薦書の要不要は高校による
前期日程、特別選抜など。
1月~2月に実施。
一部高校で実施

※ スポーツ推薦、文化活動推薦などは、公立高校の「自己推薦」、私立高校の「学校推薦」における推薦基準の種類です。

私立高校でよく聞く「単願推薦」「併願推薦」とは

私立高校でよく聞く「単願推薦」「併願推薦」とは
私立高校の推薦入試では、「単願推薦」「併願推薦」という名称をよく聞きます。どのような制度なのか、また両者の違いは何か、解説します。

単願推薦について

単願推薦とは、他の高校とは併願せず、出願する高校だけを受験する中学生を対象とした推薦制度です。単願推薦で出願する高校が第一志望校であり、合格したらかならず入学することが前提となります。

単願推薦は、出願・受験すればほぼ確実に合格できます。合格がかならずしも保証されていない併願推薦より受かりやすいため、第一志望が私立高校の場合は単願推薦での受験をおすすめします。

併願推薦について

併願推薦とは、公立高校を含む他の高校と併願する前提で受験する制度です。公立高校が第一志望で、念のため私立高校の合格を確保しておきたい受験生などが利用します。公立高校の受験結果の影響を受けるため、定員より多めに合格者を出すのが特徴です。

推薦の基準は専願よりも緩く、受験人数も多めです。試験内容は専願同様、面接や適性検査が実施されます。

私立高校推薦入試の推薦基準例

私立高校の推薦基準は、学校によってさまざまです。単願推薦の方が厳しい学校もあれば、併願推薦の方が厳しい基準の学校もあります。

東京の人気私立高校から、2校推薦基準を紹介します。

高校名 単願推薦の基準 併願推薦の基準
二松学舎大学付属高校 評定平均:5科17以上/9科30以上(進学コース)
※特進コースは単願のみ、5科20以上
評定平均:5科15以上/9科28以上(進学コース)
※特進コースは単願のみ、5科20以上
駒澤大学高校 評定平均:5教科20以上、かつ9教科34以上
※ 9教科中に1・2の評定がない
【併願優遇】
評定平均:5教科20以上、かつ9教科38以上
※国・数・英1~3がなく、その他の6教科中に1・2がない

推薦入試を受けるために必要な基準

推薦入試を受けるために必要な基準
推薦入試の中には、指定の基準をクリアした生徒のみが出願できる方式があります。多くの高校が基準として設定する、「調査書の評定」「出席日数」「その他の基準」を解説します。

調査書の評定平均(内申点)

調査書の評定平均は、私立高校で見られる推薦基準です。公立高校の推薦入試ではほぼありません。

調査書の評定平均は、「5教科で〇以上」「9教科で△以上」と設定されます。また平均値とは別に、「評定に1がないこと」を求める学校もたくさんあります。

出席状況

出席日数は、公立・私立ともに推薦基準に設定されることが多い項目です。「年間の欠席日数が〇日以下」とするケースが多く、中には「中1・中2・中3」の、それぞれの学年の欠席日数上限を定める高校もあります。

もともと高校入試では、3年間の欠席日数が30日以上の生徒は「不登校の可能性がある」として別に審議します。推薦入試は「学業やスポーツなどで優秀な生徒を高校に推薦する」制度のため、欠席日数についても厳しい基準が設けられるのです。

その他、高校がさだめる基準

スポーツや文化活動などの実績をもとに推薦を受ける特別推薦では、各高校が独自の基準を設けます。一例を紹介しましょう。

〇 早稲田実業高校(東京都)
都道府県大会で8位以内入賞、全国・関東大会等出場などの経験を持つ者。

〇 星城高校(愛知県)
部活動の顧問がスポーツ奨学生として推薦する者。

〇 近畿大学付属高校(大阪府)

  • 都道府県大会入賞レベル以上の優秀な成績を有する者。
  • 英語運用能力に秀でた能力を持つ者(英検資格準1級以上など)。

公立高校の場合は、スポーツ強豪校を除き「高校入学後も部活動を継続する意志がある」という程度の条件が見られます。

高校の推薦入試についてよくあるQ&A

高校の推薦入試についてよくあるQ&A
何度も受験する機会があるわけではない高校の推薦入試は、わからないこと・不安なことも数多くあるのではないでしょうか。
私たちオンライン家庭教師ピースに寄せられるご相談の中から、とくに多い質問5つについて解説します。

「合格したらかならず入学しないといけない?」

高校の推薦入試には、合格したらかならず入学しなければならないものと、他校の受験・進学が可能なものとがあります。

〇 合格したら入学が前提

  • 公立高校の自己推薦入試
  • 私立高校の併願推薦入試

〇 他校の受験・進学が可能

  • 私立高校の併願推薦入試

他校との併願や進学が可能かどうかは、募集要項にかならず書かれています。出願前にしっかりチェックしましょう

「合格後に別の高校に進学したくなったらどうすれば良い?」

私立高校の併願推薦入試での合格なら、別の高校を受験・進学しても構いません。

ただし公立高校の自己推薦入試や私立高校の併願推薦入試で合格したにもかかわらず、他校を受験したくなった場合は、かならず担任の先生に相談してください。

もし無断で合格を辞退し、別の高校に進学してしまうと、中学と高校との関係が悪化し、翌年度以降の入試に悪影響を与えるおそれがあります。担任の先生に相談し、指示に従うようにしましょう。

「推薦入試は必ず合格できる?」

私立高校の単願入試は、出願・受験すればほぼ合格できます。一方、併願推薦入試で合格できるかどうかは、受験してみないとわかりません。

また公立高校の自己推薦入試は、年度や都道府県によって合格率に差があります。

◎ 公立高校 自己推薦の合格率(令和4年度)

  • 東京都   39.2%
  • 長野県   68.1%
  • 新潟県   92.1%
  • 奈良県   93.4%
  • 福岡県   87.2%

※ すべて各都道府県教育委員会発表資料による

私立高校の単願推薦以外は「合格発表まで結果はわからない」と考え、一般選抜に向けた5教科の勉強を継続することが大切です。

「推薦入試に向いているのはどんな中学生?」

推薦入試に向いているのは、次のような生徒です。

  • 調査書の評定が高い
  • 面接でハキハキ受け答えできる
  • 入学後にやりたいことが決まっている

調査書は、推薦入試の合否判定でもっとも重視される項目の1つです。評定が高ければ、それだけライバルに対して有利になれます。
また面接でハキハキと自分の言葉で話せる、入学後にやりたいことが明確な生徒は、高校側も入学後の活躍が期待できると考えやすいため、合格しやすいようです。

「推薦入試を受ける際にしておくべき対策は?」

推薦入試を受けるためには、調査書の評定を上げることが重要です。調査書の評定は推薦してもらえるかどうかの基準になり、また合否判定の重要資料となるからです。

推薦入試の受験が決まったら、面接や作文、適性検査など、試験対策を始めましょう。面接は「よく聞かれる質問」を中心に、自分の言葉で自信を持って話せるようになるまで練習すること、作文や小論文は基本の型に沿って理路整然と書き上げられるよう練習しましょう。先生のアドバイスにも素直に耳を傾けます。

まとめ

高校の推薦入試は、一般選抜よりも早く合否が判明することや、受験チャンスが増えることがメリットです。とくに私立高校の単願推薦は、出願できればほぼ合格できるため、第一志望校が私立高校の場合はぜひ単願受験を検討しましょう。

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