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小学生|自由研究が格段に取り組みやすくなる手順と親の関わりベストバランスをまとめて解説!

「夏休みの自由研究」。
できれば子どもに主体的に取り組んでほしい、でも放っておけば最終日に慌てることになる。結局、親が手を出さないと進まないけれど、一体どれくらいなら関与してもいいものか。
勉強とは違ったテーマですが、そんなご相談をいただくこともよくあります。

今回は「自由研究が格段にやりやすくなる!」というテーマで、自由研究が子どもたちにとって難しい理由や、親の関わり具合のベストバランスを解説します!小学校卒業まで使える内容です、ぜひブックマークしてご活用くださいね。

自由研究が子どもも親も悩ませる理由

自由研究が子どもも親も悩ませる理由

夏休み前の7月中旬。先生は子どもたちに「自分の興味のあるテーマを見つけ、”自由に”研究してきてくださいね」と宿題を出します。この一言が、夏休みの1か月の間親子を悩ませ続ける種です。

「好きなテーマについて」「自由に」「好きなだけ」取り組んでいいなら、本来は楽しい課題であるはずですよね。しかし一体どうして、自由研究は面倒がられてしまうのでしょうか?

自由研究は「自由」じゃない?!

実は「自由に」という部分を、本当に”自由に”、つまり「ゼロから完成までを自分のオリジナルで作り上げるべし」と捉えると、自由研究は一気に複雑に、面倒なものになってしまいます。

それはそうです。
テーマ、研究の取り組み方、最後のまとめ。
自由研究の全てのプロセスを独創性高く取り組むなんてことが、まだ年端のいかない小学生に可能でしょうか?(稀に天才的な才能で一人で黙々と取り組める子もいますが、例外的ですね)

「自由研究」は「自由」にこだわればこだわるほど、どんどん取り組みの難易度が上がり、子どもの手に負えなくなり、結局大人が手を焼くことになるのです。あるいはある程度のクオリティの成果物が容易に完成させられる「自由研究キット」に手を伸ばすことになるのです。

実は自由研究は「自由」ではありません。そして自由ではないほうが子も親も取り組みやすくなるのです。

自由研究は自由ではない、とすると、どんな制約があることになるのでしょうか?

自由研究には”研究の手順”がある

自由研究は「研究」という名前がついています。

「研究」と聞いて、何を連想しますか?大学の研究室で、さまざまな実験道具に囲まれて一心不乱に何かを追求している姿でしょうか?

大学で行われている「研究」やその成果を発表する論文には、一定の「型」があります。研究について正確に・分かりやすくまとめるための「ルール」のようなものです。この「型=ルール」があるから、研究者たちはブレずに研究を進めることができますし、膨大な数の論文を読み解いていくことができるのです。

自由研究も「研究」という名前がついている以上は、「研究」なのです。つまり「型」があるのです。「手順」と呼んでもいいですね。自由研究はゼロからオリジナリティを追求すると非常に手間がかかりますが、この「型」に沿って進めるだけで、面白いほど整理でき、やることが明確になっていきますよ。

余談になりますが、「自由研究」というと不思議と理科系・自然科学系のテーマが選ばれますよね。もしかしたら理科系のテーマでないといけない!と思い込んでいるお子さん・親御さんもいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

理科系のテーマが選ばれやすいのは、「事例が豊富で参考にしやすい」「まとめやすい」といった理由だけです。音楽が好きなお子さんでしたら音楽をテーマにしてもOKですし、芸術でも、スポーツでも、家のことでもなんでもOKなのが自由研究です。

この後お伝えする「型=手順」に沿って取り組んでいけば、どんなテーマでも自由研究として完成させることができますよ。

自由研究の鉄板手順4ステップ

自由研究の鉄板手順4ステップ

それでは自由研究の「型=手順」について解説していきましょう。この「型」を知っていれば、どんなテーマにも応用できます。

ちなみに日本の学校教育では教えてもらう機会に出会わない人の方が多い考え方です。理系の大学・学部に進み、研究レポートをまとめる段階になったときに、ようやく知ることができるかもしれませんね。

研究の鉄板4ステップ「目的」「方法」「結果」「考察」

どんな研究でも以下の4ステップを踏むことが基本です。

  • 目的|どんなことを解明したいのか、どうして疑問に思ったのか
  • 方法|どんな方法で解決するか、どうすれば疑問が解けるか
  • 結果|「方法」で取り組んでみた結果、得られた事実
  • 考察|「結果」は予想通りだったか、どんなことが考えられるか

自由研究はこうした「型=手順」とセットで出されると、ぐんと取り組みやすくなる気がしませんか?この「型=手順」の順序整理がなく、どのように取り組めばいいのかの指針もなく「自由にやってみて」と出されるから難しいのです。

たとえば「お風呂の残り湯と水道水とでは、洗濯の汚れ落ちの具合は変わるのか」というテーマに取り組んでみるとしましょう。このテーマを「自由研究の鉄板手順4ステップ」に当てはめると、以下のようになります。

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●目的|どうして疑問に思ったのか

ぼくの家では、お母さんがお風呂の残り湯で洗濯をしています。どうして残り湯を使うのか聞いたら「残り湯を使った方が、汚れがよく落ちるのよ」と言っていました。ぼくは本当かな?と疑問に思ったので、調べてみることにしました。

● 方法|どんな方法で分析してみるか

古いタオルを同じくらい汚したものを2種類ずつ用意します。汚れの種類によっても汚れ落ちは変わるかもしれないので、3種類準備しました。

  • 泥汚れ
  • 油汚れ
  • 絵の具の汚れ

この3種類のタオルを、①水道水 ②お風呂の残り湯 で洗い、汚れの落ち具合を比べます。洗濯機の水量や洗う時間は①と②で同じにします。

● 結果|取り組んでみた結果

分かりやすいように、洗い終わったタオルの写真を撮って並べてみました。
こうすると次のことが分かりました。
【例】水道の水で洗ったものはシミが残っていた

  • (わかったこと、気付いたことを箇条書きで書く)
  • (わかったこと、気付いたことを箇条書きで書く)
  • (わかったこと、気付いたことを箇条書きで書く)

● 考察|どんなことが考えられるか

水道水とお風呂の残り湯で洗ってみたら、残り湯の方が汚れがよく落ちていることが分かりました。これは「水の温度」が関係しているそうです。
特に油汚れは温度が高いほうが洗剤液によく溶けだすので、汚れも落ちやすいということでした。お母さんがフライパンを洗うとき、「水よりお湯の方が油がよく落ちるからね」と言ってたのも「温度によって汚れ落ちがかわるから」だということだと分かりました。

ぼくは「何度くらいのお湯が一番よく汚れが落ちるのか」気になってきました。次はお湯の温度を変えて、一番汚れが落ちやすい温度を見つけてみたいと思います。

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どうでしょうか?
お風呂の残り湯で洗濯という、あまりに身近で日常的なテーマですが、立派な自由研究になってはいないでしょうか?

自由研究の鉄板4ステップ「目的」「方法」「結果」「考察」は、大学のレポートや論文でも使われる間違いのない「型」です。ぜひこの4ステップに沿って、自由研究を考えてみてください。

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ステップ別親の関りベストバランス

ステップ別親の関りベストバランス

「型」に沿って取り組めば自由研究は進めやすいとはいえ、小学生がいきなりすべてを自力でやるのはレベルが高いですよね。やはりはじめは「親(大人)の適切なサポート」が欠かせません。

ここからは「自由研究鉄板手順4ステップ」の段階ごとに、親の関わり方についてまとめていきます。自由研究の主人公はあくまでお子さまです。親の役割は、お子さまが目をキラキラさせて、主体的に取り組めるよう方向を示し道筋を示すことにあります。

① 目的×親の関わり

小学生は一人ひとり、非常にさまざまな方面に興味や疑問を持っています。ただし興味や疑問の対象を”自覚”していないことがほとんどなので、いざ「自由研究をしよう」と言われても、「何について調べたらいいかわからない…」と困ってしまうのです。

お子さまの日頃の言動をつぶさに観察し、興味や疑問の対象を「明確にし自覚させる」ことが手助けになります。そしてお子さまが「それについてもっと知りたい!」と意欲を出してきたら、興味や疑問をさらに深める質問を投げかけてあげてください。

たとえば「カエルについて調べたい!」と興味を持ったとしたら、次のような質問を投げかけると「ステップ①目的」段階が深まりますよ。

  • どうして知りたいと思ったの?
  • カエルのどんなことを知りたい?

注意すべきなのは、親が答えを与えないということです。親は子どもが主体性を持って考えられるように導くのが役割。あくまで考えるのは子ども自身です。

② 方法×親の関わり

味や疑問が明確になってきたら、次に「どうやって調べるのか」を考える段階です。もちろん、お子さまがどうすれば調べられるか分かっている場合は任せてOK。
ただ多くの場合は、この「ステップ②方法」でつまづきます。そこで親の出番です。

たとえば先ほどの「カエル」の例を考えてみましょう。お子さまが「カエルの生態について詳しくなりたい!」と思ったとしても、夏休みの時期にオタマジャクシから育ててみるのは至難ですね。「図鑑で調べてみたら?」「何かいい動画がないか一緒に見てみようか」、あるいは「昆虫館に行ってみようか」などと現実的かつ子どもの興味を持続させられそうなやり方をアドバイスします。

また実際に研究が始まったら、記録をつけていくことも大切です。子どもたちは調べることに夢中になるあまり記録がおろそかになりがちですから、適宜親が声をかけてあげてください。

記録をつける際に注意する点は3つ。

  • 観察は「記録しておける要素」を重点的に
    ⇒「ある/なし」「数字」など
    ⇒写真で記録するのもオススメ
  • 実験する場合は条件を一定にすること
  • 取り組んでいる最中の気付きや感想をメモしておくこと

この3点を意識して記録していくと、さいごの「まとめ(清書)」が見違えるほどわかりやすく整理でき、生き生きとした自由研究になりますよ。

③ 結果×親の関わり、④ 考察×親の関わり

「結果」が出てくる、また「考察」の段階に入ると発展的な疑問を持つ子どもも入るでしょう。ここで大切なのは「教え過ぎない」ということです。

親はつい教えたくなってしまいます。「オタマジャクシは鰓(えら)呼吸をしているらしい。じゃあ、他に鰓呼吸をしている生き物って、何がいるんだろう?」と子どもが発展的な疑問を口にしたときに、「鰓で呼吸する生き物は、魚だよ」と言いたくなってしまいます。

たしかに子どもの疑問には答えているのですが、せっかくの「学びのチャンス」をつぶしてしまいかねません。

もしお子さまの「他に鰓呼吸をする生き物は?」という疑問に対し、「じゃあ、博物館か図書館に行ってみようか」という提案ができたらどうなるでしょうか?博物館や図書館で出会った周辺情報が、お子さまの興味をひきつけ、さらなる知的好奇心が開花するかもしれません。

これこそが「自由研究」の醍醐味です。自由研究は「型」はあれど、子どもたちの好奇心には一切制約を設けていません。

研究や成長で一番重要なのは「なぜ?どうして?」という気づきです。気付きがどんどん湧いてくるような声掛けをして、子どもを導いてあげること。親としてこれができたら、最高の自由研究が完成しますよ。

また子どもたちは方針を見失い、いま自分が何をしているのかがわからなくなると、途端にやる気をなくします。自由研究に対して急にモチベーションが下がったなと感じたときは、お子さまがどこの段階でつまづいているのかを見つけてあげてください。

自由研究の全体像を片方の頭で考えながら、もう片方の頭で目の前のテーマに取り組むというのは大人でも難しいものです。いまやっていることが、全体のどの部分なのか、どんな意味を持っているのかという俯瞰的な視点は、隣で見守る親の方がつかみやすいかもしれませんね。

補足:まとめ(清書)×親の関わり

考察まで完了したら「清書」、つまり学校に提出する形に仕上げていきましょう。この段階でも、主人公は「お子さま本人」です。親はお子さまが制作しやすいように環境や道具を整えてあげる程度で良いでしょう。たとえば以下のようなサポートが考えられますね。

  • 模造紙を広げられる場所を確保する
  • 裏写りの心配なく書けるよう、新聞紙などを下に敷く
  • マジックやテープ、長めの定規など必要な道具をそろえる
  • 完成まで数日間広げっぱなしで良いと伝える(住宅事情が許せば)

もしお子さまがどうやってまとめれば良いか分からないとアドバイスを求めてきたら、書くべき内容を整理して伝えてあげます。「自由研究の鉄板手順4ステップ」を順番通りに書いていくだけでも体裁の整ったものになりますから、「この4つに分けて書こうね」などとアドバイスしてあげてください。

自由研究の清書で親がやってしまいがちなNGポイントは次の3つです。

  • 見栄えを意識し、つい、親が書いてしまう
  • 見栄えを意識し、書く言葉を一語一句指定する
  • 「きれいにまとめる」ことばかりを意識する

自由研究の清書で大切なのは「映え」よりも「子どもが生き生きと取り組んだ形跡」です。研究の途中で子どもが気付いたことや感想をメモしておいたのも、それらを入れると自由研究に生命力が宿るからです。

くれぐれも「子どもが書いたのは名前だけ」なんてことにならないように、最後までお子さまが主体的に取り組めるようにサポートしてあげてください。

まとめ

自由研究の鉄板の型と親の関わりについてまとめてきました。

いまはインターネットで検索すれば、すぐに「簡単にできる・1日で仕上がる自由研究」なんていうテーマが見つかります。確かに「提出すること」だけが目的なら、そういったテーマを選んだほうが効率的でしょう。

しかし「自分が興味のあるテーマについて、いくらでも自由に調べていい」なんて、考えてみればとても贅沢な時間の使い方ではないですか?大人になったら、いや中学生や高校生になった時点で部活に課題にと忙しく、じっくり一つのことに取り組む余裕なんてなくなります。

「自由研究」という”今しかできない”豊かな時間の使い方と、親子でじっくり向き合う機会にしていただけたらなと思います。

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