【完全ガイド】中学受験を成功させる塾の選び方|お子さまにピッタリの塾と出会うコツ徹底解説
「中学受験に塾は必要か」「うちの子どもに最適な塾はどこか」というご相談はとても多くいただきます。大切な中学受験ですから、より悩みますよね。入塾してから「成績が伸びない」「相性が合わない」ということになっても困ります。
今回は学習塾勤務10年以上の教育業界のプロが、お子さまにピッタリの塾を見つけるポイント、プロだから知っている見落としがちな観点までお伝えします。
中学受験特有の事情も分かりますよ!ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
中学受験は専用の勉強や対策をしないと受からない?
中学受験とは私立中学や公立の中高一貫校、国立大学の附属中などの入学試験を受けることを指します。
出題範囲は小学校の学習内容、主に小5・6年生で扱う分野です。「小学校の範囲なんて、そんなに差がつかないのでは?」と思われるかもしれません。しかし中学受験は学校別に専用の対策が必要なレベルのところが多いのです。
中学受験で出される問題には、以下のような特徴があります。
- その場で考えて、自分の言葉で説明する力が問われる問題
- 基本的な知識だけでなく、思考力や表現力が必要となる問題
- 時事問題や環境問題
また算数では「鶴亀算」や「旅人算」と呼ばれる「特殊計算」が出題される中学もあります。いずれも公立小学校の授業で学習する内容とはかけ離れた、子どもたちがそれまで見たこともないような問題が並ぶのです。
小学校のテストでは満点ばかりというお子さんが、試しに中学受験の問題を解いてみたら手も足も出なかったというケースは少なくなりません。
小学校のテストでは満点ばかりというお子さんが、試しに中学受験の問題を解いてみたら手も足も出なかったというケースは少なくなりません。
中学受験をすることで期待できるメリット
特別な対策をしてまで受ける中学受験には、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。3つ、まとめてみました。
メリット1.大学進学に有利になる
まず大学受験で有利になるという点が挙げられます。
中学受験を経て中高一貫校に入ると、6年間一貫教育になります。途中で学習が分断されないため、6年先まで見越して速いペースで学習を進めます。公立中高より1年速いペース、つまり高2の終わりまでに高3の教科書を終わらせるのが一般的。
すると高3の1年間は大学受験に備えることができるのです。1年間かけてしっかり受験勉強ができるわけですから、公立高校生とは対策量に大きな差が生まれます。
難関大合格者に一貫高出身者が多いのはそのためです。
また私立中高一貫校には、大学附属の学校もあります。こうした学校は内部進学で大学に進めるケースが多く、一般試験を受けて合格するよりも大学に入りやすいというメリットもあります。
メリット2.学習習慣が身につく
中学受験では学校の勉強以外に対策をすることになります。また塾に通うと、長時間勉強に取り組んだり、苦手を見つけ克服し得意を伸ばすという「力がつく勉強法」を経験できます。
この「勉強時間の確保」や「勉強サイクル」こそが「学習習慣」と言われるものの本質であり、受験を通じて身につけた習慣は中学入学後の勉強にも活かせる点もメリットと言えるでしょう。
メリット3.自己管理力が身につく
中学受験を乗り切ると、「優先順位づけが上手くなった」「整理整頓ができるようになった」という声が聞かれることがあります。これは中学受験の成功には「自己管理力」が欠かせないからに他なりません。
中学受験において、管理しないといけないことは実にさまざまです。
スケジュールに始まり、教材やプリントの整理、タイムマネジメント、モチベーションなど‥‥、小学生の子どもが一人で全て行うのは難しいので親も一緒に取り組むことになるでしょう。
親子で協力し、親の経験も伝えつつ工夫しながら前に進んでいくうちに、「自己管理」に対する意識とノウハウが身についていくのですね。
中学受験で塾に通う必要があるのか
「中学受験特有の問題に対応するためには専用の対策が必要」だと書きました。では中学受験専用の対策をするには、塾は必要なのでしょうか。
結論から申し上げると、中学受験は塾に通うことを強くオススメします。特に難関校、国立大附属中、私立のハイレベル中学を狙う場合は塾なしではかなり厳しい戦いになるでしょう。
中学受験において、塾が果たしてくれる役割は次のようなものがあります。
- 現状から中学受験合格レベルまで学力を上げる対策
- 志望校の入試問題や傾向に合わせた対策
- 学習習慣を身につけるためのさまざまな工夫
- 仲間と共に切磋琢磨する環境
- 不安やストレスなど、精神面のサポート
- 中学受験に向けた不安や疑問の解決
- 中学受験に関する情報提供
塾に通わないということは、これらすべてを自分たちだけで行うということです。ちょっと大変そうですよね。
学習計画や対策、受験情報はプロに任せ、お子さまと保護者は勉強に集中するというのが効率の良い取り組み方です。そのためにも受験のプロである塾の力は必要なのです。
完全ガイド!中学受験を成功させる塾の選び方
ここまで中学受験の概要と中学受験に塾は必要か?という点についてお伝えしてきました。ここからはいよいよ塾探しの段階に入っていきます。
お子さまにピッタリ、かつ受験を成功させてくれる塾を見極めるポイントは6つあります。一つひとつ解説していきますね。
授業形態はお子さまにあったものを
まず授業形態から考えていきましょう。
中学受験対策を行っている塾には「集団授業型」と「個別指導型」の2タイプがあります。このどちらがお子さまに合っているかを見極めることから、塾選びは始まります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
集団授業型
- 生徒を数十人のクラスに編成
- 講師は1クラス1人
- 全体に一斉指導、一定のペースで授業
個別指導型
- 講師1人に生徒1~3人程度
- 授業内容や進度も個別に対応
- 講師が別の生徒を指導している間は問題演習等
集団授業型・個別指導型いずれも得意なこと、不得意なことがあります。それぞれのメリット・デメリットを表にまとめました。
また近年は「オンライン家庭教師」という選択肢も人気を集めています。
オンライン家庭教師
- パソコンやタブレットで講師と生徒をオンラインでつなぎ指導
- 自宅にいながらプロ講師の指導が受けられる
- 指導は完全マンツーマン
- 対応地域は全国。各地の中学受験にも対応
生徒の手元を映せる書画カメラを使う、ホワイトボードを共有する等の工夫で、対面指導と同じ感覚でマンツーマン授業を受けることができるのが特徴です。
一人ひとりにきめ細やかに対応できるので、大手塾塾と併用し、分からない点のフォローアップに利用することも可能です。
プロ講師によるマンツーマン個別指導「家庭教師のピースネット」
志望系統に強い塾を選ぶ
塾にはそれぞれ得意な系統があります。
中学受験は学校によって全く出題傾向が異なるので、志望中学の対策を得意としていない塾を選んでしまうと、かえって合格まで遠回りになってしまうことがあります。
国立・私立中学の入試に強い塾、あるいは公立一貫校受験に強い塾など、「塾には得意系統がある」ことを念頭に、お子さまの志望に強い塾を見つけることが肝心です。
それぞれの塾がどの系統に強いかは、合格実績を見ると分かります。ホームページや広告に掲載されている実績のうち、「最も人数が多い学校」あるいは「最も大きく目立つところにある学校」が、その塾が得意とする系統です。ぜひチェックしてみてください。
講師の指導力はここで分かる
授業を担当する講師の質は成績アップにつながる大事なポイントです。
実際の指導力は授業を受けてみないと分かりませんが、入塾前でもある程度比較材料になる情報を集めることはできます。
校舎に訪問した際、以下の3つの点に注目してみてください。
- 教室長の応対の雰囲気、人柄
- 講師・スタッフの来訪者への対応
- 講師・スタッフの在籍塾生への対応
塾に話を聞きに行く際は、他の生徒たちがいる時間帯を選びましょう。そうすると校舎のスタッフが塾生たちにどのような雰囲気・態度で接しているかを見ることができます。
来訪者へハキハキと挨拶をしている、在籍している生徒には親しみをこめた対応をしているようであれば、まずは安心して良いでしょう。
また教室長の人柄も大切なポイントです。教室長は講師たちに方針や指示を示す立場ですから、教室長の人柄が校舎全体に及ぼす影響は非常に大きいのです。
教材とカリキュラムはここをチェック
教材やカリキュラムは塾によって異なります。
合格に必要な教材とカリキュラムが揃っているかどうかを見極めるポイントをお伝えしますね。
- 1週間に取り組む課題の量
- 小テスト・確認テストの頻度
- 入塾時、カリキュラムに未習範囲が発生するか
- テキストや解説はわかりやすいか
塾で実際に教材を見せてもらうことをオススメします。1週間に授業で進む量や宿題の量も手に取って確認してください。あまりに多くてこなしきれないと思う場合は、入塾を再検討した方が良いでしょう。
中学受験は親の出番が多いのですが、それは勉強面でも同じです。実際に宿題を見たり、教える必要がある場面も出てきます。親が見たときのわかりやすさ、解説できそうな難易度かといった点も要チェックです。
保護者対応と情報公開度
中学受験は「お子さま・保護者・塾」の三者の連携が重要です。お子さまを中心に塾と保護者が連携して見守り、いつでも最適なサポートができる体制を整えておくことが大切だということです。
そこで塾が保護者にどのような情報を提供してくれるかという点も確認しておきましょう。たとえば以下のような項目が挙げられます。
- 入試情報の提供範囲、頻度
- 保護者面談の実施頻度、タイミング
- 子どもに心配な様子があった際の対応
- 使用可能な連絡ツール(電話のほかに、メールやLINEがあると便利)
子どもの様子についての相談が気軽にできそうな塾だと、安心できますね。
アクセス・通塾所要時間や通いやすさ
中学受験は毎日授業が行われる塾もあります。授業がない日も自習室を利用するなどして、結果的に毎日塾に行っているというお子さまも多いでしょう。
そこで通塾にかかる時間や経路も確認しておいてください。「自分で塾に行く」「保護者が送迎する」の両パターンが考えられます。いずれの場合も安全が第一です。経路や所要時間に不安な点がないか、入塾前に実際に歩いてみるといいですよ。
在宅で学習できるオンライン家庭教師などであれば、通塾時間や送迎の懸念はありませんね。
費用
中学受験用塾の費用相場は、月に数千円程度のところから十数万必要になるところまで千差万別です。比較的集団授業の方が安価な傾向がありますが、大手塾であれば例外もあります。
間違いのない塾選びのために、塾の費用は次の3つの点から検討しましょう。
- 費用は総額で考える(後から追加になるものがあれば先に聞いておく)
- 実際に支払える上限を決める
- サービスに対して適正価格かどうか客観的に考える
下記は塾で一般的にかかる費用を一覧表にしたものです。
プリントアウトし、塾を比較検討する際にご活用ください。
【お得情報】
こうした旧来の複雑な塾費用形態を廃止し、「全て込々で月にいくら」という明瞭会計を謳う塾サービスも最近は増えてきました。
分かりやすい費用形態というのは信頼につながる大事なポイントですね。
プロが教えます!見落としがちなポイント
さてここまでは「塾が提供するサービス」についてまとめてきました。ここからは「選ぶ側が見落としがちな視点」をお伝えします。
ネームバリューや塾の規模に注目しがちですが、次の5つの視点で見てみるとお子さまに本当に合う塾が見つかりますよ。
授業外サービスの充実度もチェック!
中学受験は多くのお子さまにとって「初めての受験」です。そんな「初めての受験」を乗り越えるために、塾は授業以外にもさまざまなサービスを提供しています。
以下に「中学受験生に欲しいサービス」をまとめました。ホームページ等で分からない場合は、塾に直接問い合わせてみてくださいね。
チェック!授業以外のサービス
- 自習室の有無、利用時間、利用条件(学校の宿題をやっても良いか、塾の課題だけか等)
- 面接練習の有無、利用条件
- 進路指導の内容
共働きで忙しく、家であまり勉強を見られない、というご家庭もあるかと思います。そんな場合は自習室がある塾だと嬉しいですね。
自習室については、自学が基本スタイルか講師が見てくれるのか、また質問はできるのかなども合わせて確認しておきましょう。
さらに「面接練習」も確認します。試験本場で面接を課す中学が多いからです。本番で落ち着いて受け答えができるよう、面接の練習もしっかりしてもらえると安心ですね。
安心・安全への対応は万全に!
安心・安全への取り組みも確認してみてください。小学生の通塾で最も大切とも言えるポイントです。
塾によっては以下のようなサービスをしているところもあります。入塾を検討している塾が「お子さまの安全」にどれくらい配慮しているか、チェックする際の目安にしてください。
- 教室到着と退室をお知らせするメールを保護者に送信
- 防犯セキュリティシステム(セコムなど)の設置
- 通塾バスの運行(校舎と最寄り駅、学校など)
- 防犯ブザー貸与
- 校舎内外に監視カメラ設置
- 授業後、講師が最寄り駅まで生徒を送り届ける
体験授業は必ず複数の塾で受けよう!
塾の体験授業は面倒がらずに必ず受けることをおすすめします。試しに、候補の塾を最低でも2~3つ受けられると、違いがよくわかり比較しやすくなりますよ。
体験授業を受けることで校舎の様子や雰囲気、授業のレベル、スタッフの人柄などがわかり、実感を伴った判断ができるようになります。実際に受けてみたときの「ここがいい」「あそこは嫌だ」というお子さまの感想も大切な判断材料です。
そして体験授業の際には、ぜひ保護者も塾まで足を運んでみてください。実際に校舎に行ってみると、チラシやホームページの情報だけでは分からなかった情報が把握できますよ。
オンラインにも対応していると安心度アップ!
何があるか分からない時代です。突然外出自粛になり、塾に通えず困る可能性があることも否定できません。万一の場合に「オンライン授業」など対応をしてくれる塾だと安心できますね。
今、各塾のホームページにはコロナ禍の外出自粛期間にどのような対応をとったかが残されています。「オンライン授業に対応しました!」「映像授業を始めました!」など、素早くオンライン対応していた塾だと、これから不測の事態があっても迅速に対応してくれそうですよね。
オンライン家庭教師など、初めからオンラインの指導形態を選ぶのも一つの選択肢です。人との不要な接触の心配もなく、通塾時間も節約できます。小さな体で重い教材を持ち運ぶ必要もありません。比較検討の候補に入れてみてください。
プロ講師によるマンツーマン個別指導「家庭教師のピースネット」
まとめ
「お子さまの中学受験を成功させる塾」選びのポイントについて説明してきました。
「中学受験は親の受験」とも言われるほど、親のサポートが肝要です。しかしだからといって、親の意向だけで塾選びのすべてを決められるわけではありません。
どの塾に通うかは、受験の成否を決める大きな問題であり、少なからず費用もかかる問題でもあります。親の気持ちだけなく、お子さま本人の気持ちや意向も聞きつつ、将来も見据えながら最適な塾を選びたいですね。
今はオンラインでリーズナブルに学べる方法も充実しています。塾に「通う」こと、また自宅で学ぶこと、その両方を視野に探してみることをオススメします。
記事を参考に、お子さまにピッタリの塾に出会えることを祈っています。