医学部合格に必要な勉強時間はどのくらい?スケジュール例や勉強すべき科目
医学部受験は難易度が高いため、多くの勉強時間が必要とされています。ですが、具体的にどのくらい勉強時間を確保すればいいのか詳しく解説されることはありません。 そのため、医学部を目指していても、「どのくらい勉強したらいいのかわからない!」という方が多いのではないでしょうか? 今回はそんな皆さんが具体的な目標をもって勉強できるように、医学部受験に必要な勉強時間を詳しく解説していきたいと思います。ぜひ最後まで読み、今後の勉強に活用してください!
医学部受験の難易度
医学部受験は非常に難易度が高いとされています。その理由としては以下の3つがあげられます。- 医学部受験の倍率が高いこと
- 他学部に比べ受験者のレベルが高いこと
- 公立私立に関わらず受験科目が多いこと
高倍率
医学部は倍率が高いと言われていますが実際どれくらい高いのでしょうか? 2022年度の国公立大の前期の倍率は2.8〜10.4倍、後期の倍率は14.1〜40.5倍となっています。(地域枠入試を除く) これだけではどれくらい倍率が高いのかわかりづらいので、最難関大学と言われている東京大学の倍率と比べてみましょう。 東京大学は2022年度入試の倍率が3.2倍となっています。 このことから医学部の倍率は再難関大学である東大と同じくらい高いということがわかります。 ▼参考URL 東京大学 合格者数・志願者数・倍率の推移|東大塾 ▼参考URL 医学部出願状況 国公立大学|河合塾高難度
2021年度入試での医学部の偏差値は、国公立私立の中で最も低くても55.0となり、トップの大学では70を超えます。(地域枠、共通テスト利用を含む) また、医学部の偏差値は平均でいうと65.0くらいになります。 難関大学といわれている北海道大学の偏差値が62.5(総合文系)、東北大学の偏差値も60.0(文‐人文社会)となっています。 このことから医学部の難易度は旧帝大に匹敵するくらい高いということがわかります。 ▼参考URL 大学受験2021】河合塾、入試難易予想ランキング表10月版 | リセマム 偏差値60以上は試験を受けた人の中で上位16%以内、70以上は上位3%に入らなくてはならないほどのレベルとなるため、医学部受験はとても高難度だということがわかります。受験科目が多い
医学部は私立、国公立に関わらず受験科目が多いことも難易度が高い理由です。私立大学は個別試験を2〜4科目、国立大学は共通テスト6科目に加えて個別試験を2〜4科目受験しなければなりません。 そして大学の個別試験の際には、ほとんどの大学で面接試験が加わります。 また、私立大学の試験や、国公立大学の後期試験では小論文が出題されることが多いです。 そのため医学部入試の対策をするためには、通常の試験科目の勉強に加え、面接や小論文など医学部独自の対策が必要になってきます。医学部に合格するために必要な勉強時間
ここまで解説したことから、医学部は東大や旧帝大などの難関大学以上に合格するのが難しいということがわかります。 そのような難しい試験を突破するには、高校三年間のトータルで約5000時間以上の勉強時間を確保する必要があるとされています。 ここからは、実際に学年別でどれくらいの勉強時間を確保すればいいのか解説していきます。学年ごとの平均勉強時間①高校1年生
高校1年生の場合は週に20時間以上、1日あたり3時間以上が目安です。 1年生は初めての高校生活で慣れないうちは大変かもしれません。 ですが、早いうちから毎日勉強をする癖をつけることで、学年が上がっても継続的に勉強できるようになります。 この継続が現役医学部合格への鍵になるので頑張って続けてみてください。学年ごとの平均勉強時間②高校2年生
高校2年生の場合は週に30時間以上、1日あたり5時間以上が目安です。 2年生は部活などで主体となることもあり、平日が忙しい場合もあるかもしれません。 そんな時は、部活がない休日に平日出来なかった分を多めに勉強するようにしましょう。 高校2年生の勉強内容は入試の基礎となります。この時期にしっかりと基礎を固めておきましょう。 基礎を固めておくだけでも、一年後の入試に大きな差が出てくるので勉強をしっかりとしておきましょう。学年ごとの平均勉強時間③高校3年生
高校3年生の場合は週に40時間以上、平日で3〜6時間程度、休日で12時間程度が目安です。部活の引退をまだしていない場合は、部活があるかないかで平日の勉強時間が変わると思います。 部活で勉強時間を増やせない場合は、移動時間などのすきま時間を有効に使っていきましょう。 すきま時間を活用しなさいと言われても、すきま時間は短いからと軽視してしまいがちです。 しかし、たとえ10分間の休み時間だとしても、6コマの授業があれば合計で50分の時間を確保できます。この時間を有効活用していけば部活のある平日でも勉強時間を確保することが可能です。 はじめは大変かもしれませんが、意識していれば徐々に習慣になります。医学部合格のためにすきま時間の活用を心がけてみてください。学年ごとの平均勉強時間④浪人生
浪人生の場合は1日あたり13時間が目安です。現役生に遅れを取らず、確実に合格できるように、気を抜かずに勉強時間を確保しましょう。 1日13時間を1年続ければ約4700時間の勉強ができます。つまり、1年間だけで約5,000時間の勉強が可能ということです。 1年間は長いようで一瞬で過ぎていきます。一瞬一瞬を大切にし、確実に合格できるようにしましょう。高校3年生の勉強スケジュール例
高校3年生では受験も近くなってきて勉強に焦りが出てきてしまう人もいるかもしれません。ですが、平日も休日も睡眠時間や食事の時間、休憩の時間をしっかり取るスケジュールにしましょう。 焦りのあまり続けて勉強しすぎると集中力が途切れてしまいます。適度に休憩をとり、気分転換をすることで集中力を保ちながら勉強をするようにしましょう。 勉強時間も確保しつつ、集中力を確保するためには、移動時間などのすき間時間の使い方がカギとなってきます。 一回のすきま時間は短くても一日のすきま時間を合計すればとても長い時間になります。 この時間を有効に活用できるようにしましょう。 ポイントは「何もしない日・時間」をなくすことです。だらだらと携帯を見ながら過ごす時間をなくし、休憩と勉強のメリハリをはっきりとすることを意識してみてください。平日の例
部活がある場合(帰宅後のスケジュール例) | |
19時 | 帰宅 |
19時~20時 | 夕食 |
20時~23時 | 勉強 |
23時~24時 | 入浴、自由時間 |
休日の例
7時 | 起床 |
7時~8時 | 朝食、身の回りの支度 |
8時~12時 | 勉強 |
12時~13時 | 昼食 |
13時~17時 | 勉強 |
17時~18時 | 自由時間 |
18時~19時 | 夕食 |
19時~23時 | 勉強 |
23時~24時 | 入浴 |
24時 | 就寝 |
勉強時間を割くべき科目・教科
高校生は部活などに忙しいことに加え、医学部は受験に必要な科目が多いです。そのため、貴重な勉強時間をどの科目や教科に充てるかはとても重要になります。 では、実際どのような科目に重点を置けばよいのでしょうか?英語と数学
どの医学部を受験するにしても、英語と数学は必須になります。また、これらの科目は合格点における点数の割合が大きいです。つまり、医学部受験をするならば攻略しておかなければならない科目と言えます。 高1高2の間に数1A、数2B、英単語、文法、熟語といった基礎的なことを勉強しておきましょう。これらは入試の基礎となります。そのため、ここができていれば高3になったときにほかの受験生よりも一歩リードすることができます。理科科目
医学部受験では物理、生物、化学の3科目の中から2科目選んで受験する大学が多いです。 ほとんどの高校では、高校1年生の文理選択の時に、理科科目を2科目選びます。ほとんどの受験生は化学物理、化学生物という選択なのでこのどちらかを選択しておけば間違いないです。 化学は生物や物理と範囲が被っているところがあります。また、物理や生物と違い、文理選択前の1年生のころから勉強をする高校が多いです。 そのため、化学を勉強しておくと効率的に勉強を進めることができるためおすすめです。過去問
高校三年生になり、志望校がある程度決まってきたら、志望大学の過去問に取り組んでみましょう。おすすめは高3の夏休みに志望校の問題を解くことです。1年分だけでも解いて自己採点をすると、志望校と自分の今の実力の差がわかり、夏以降取り組むべき課題が明確になります。ぜひやってみてください。 私立大学では大学によって出題の傾向に大きな違いがあります。早めの対策をしておくことで、問題に慣れることができ、本番も落ち着いて実力を発揮することができるようになります。 また、共通テストの過去問にも取り組んでみましょう。特に国公立大学医学部志望の人は、入試における共通テストの配点が低いため、共通テストを軽視しがちです。 ですが、共通テストの問題はよく練られているため、基礎力の確認にも使うことができます。本格的に対策を始めるのは10月くらいで問題ないですが、夏休みに一度解いてみて苦手分野を確認するとよいでしょう。医学部合格のための戦略

国公立大学編
国公立大学の医学部を志望する場合に避けて通れないのが「共通テスト」です。共通テストのボーダーラインは「80~91%」ですが、合格に余裕を持つためにも「85~95%」を目標に据えると良いでしょう。 「ボーダーライン」とは、合否が分かれる境目を指します。つまりボーダーラインぎりぎりの得点は、合否当落線上ぎりぎりということ。2次試験や面接で何が起きるかわからないということを踏まえても、共通テストでできるだけ得点を重ねておくことが基本路線です。 また国公立大学の中には「第一段階選抜」、いわゆる「足切り」を共通テストの結果によって行うところもあります。共通テストで高得点を取れていないと、そもそも2次試験を受けられないこともあるということです。 国公立大学の二次試験は医学部専用の問題が用意されるというわけではなく、他の理学部と同じ問題が使われます。ただし「答案の完成度」が他学部より高いことが特徴。記述式の問題も完答を目指していきましょう。私立大学編
私立大学の個別試験は、他学部と同一問題を課す大学もあれば、医学部専用の問題を用意する場合もあります。志望大学の過去問に取り組み、傾向を把握することから始めてください。 私立大学は学校によって出題形式や難易度に幅があるのが特徴です。中には難問・奇問と呼ばれる極端に難しい問題や奇抜な発想が必要なもの、あるいは試験時間内に解き切れないほど解答過程が多いものなどを出題する大学もあります。個別試験の目標は「完答すること」ではなく、「合格点をとること」です。自分が解くべき問題・解かなくても良い問題を見極める目を養っておきましょう。 面接や小論文も事前の準備が肝心です。医療系の質問やテーマが出されることも多いのですが、大学が見たいのは「受験生の医師適性」や「総合的な人間力」です。将来の目標やこれまでの経験、また人文社会科学系や芸術系など、幅広い話題に対応できるよう練習しておきましょう。狙い目の医学部入試枠はここ!
高難易度・高倍率の激戦となる大学が多い医学部入試ですが、「狙い目」ともいえる募集枠があります。 まず「地域枠」をご紹介しましょう。これは医学部独特の募集枠で、地方や僻地における医師確保のために始められた制度です。したがって卒業後は、指定された地域(病院)で一定期間勤務することが条件となります。 出願のためには大学側が提示する「地域条件」を満たしていることが必要ですから、誰でも出願できる一般枠に比べて、そもそも出願できる受験生が少ないのです。 地元出身者であることが条件となっている大学が多いのですが、近隣県出身者も出願できる場合もあります。 2つ目に狙い目なのが「推薦入試」です。私立大学が行っている「指定校推薦」と、募集人員が比較的多めの「公募型推薦」とがあります。いずれも学校長の推薦が必要、指定校推薦は高校内選考を通過する必要もあります。 出願するためには「評定平均が〇以上であること」といった、成績条件がつけられていることがほとんどです。つまり評定が高い人しか出願できない、誰もが出願できるわけではないということですね。医学部が推薦入試を行っていることは知らない人も多いので、狙い目ですよ。科目別・医学部受験のための勉強法

英語
英語の重点ポイントは4つ!- 英単語は目指せ7000語!
- 文法は早めに一巡!
- 読解は精読⇒速読の順番で!
- 英作文対策も忘れずに!