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【医学部受験】英語対策完全ガイド!|元予備校校舎長が国公立、私立別に詳しく解説

大学受験において、難易度・人気とも別格なのが医学部です。高い偏差値帯の受験生ばかりが、国公立大は4~5倍・私立大は15倍前後にもなる狭き門を争うことからもわかりますね。そんな医学部に合格するためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。

今回は医学部合格者輩出実績もある元大手予備校校舎長が、受験勉強のスタートから本番までを網羅した「医学部受験英語対策完全ガイド」をお届けします。最後まで読み、ぜひ今日からあなたの学習メニューに加えてくださいね。

医学部入試英語の概要

医学部入試英語の概要

具体的な対策を解説する前に、医学部入試英語の概要について触れておきましょう。よく、「医学部は難関だから、超難しい英文が読めないといけないんでしょ?」と聞かれることもあるのですが、そんなことはありません。

一部の私立大学を除けば、過剰に難解な英文を課す大学はありますが。基本を徹底的に習得し、良問を反復しておけば多くの大学の医学部入試問題に対応できます。

まずは国公立大と私立大に分け、それぞれの特徴や傾向を見てみましょう。

国公立大編

国公立大志望の場合は、まず共通テスト対策を万全にすることが最重要です。どの大学でも85%以上、首都圏の難関大学や旧帝大レベルだと90%以上がボーダーラインとなるからですね。

多くの国公立大学では「第一段階選抜」、いわゆる「足切り」を共通テストの結果によって行います。共通テストで高得点を取れていないと、そもそも2次試験を受けられないこともあるということです。共通テスト対策は、常に「満点」を目指して学習するようにしましょう。

国公立大学の2次試験は医学部専用の問題があるわけではなく、他の理系学部と同じ問題に取り組むことになります。ここで目指すべきは「高い完成度の答案を作成する」こと。共通テスト対策で培った基礎力を、標準~応用レベルの記述問題にも対応させるという学習方針が有効です。

私立大編

私立大学は大学ごとに傾向が異なる上、「医学部専用」の問題を出してくる大学もあるので過去問をよく研究することが大切です。過去問をよく見ないままに志望大学を選んだがゆえに、傾向がまったく異なる2校の対策を両立しないといけなくなった……、という事例も実際にありました。

また私立大学の入試は1月下旬から始まりますが、直前に共通テストがあるため、国公立大と併願する受験生は対策がどっちつかずになってしまうおそれがあります。優先順位を意識し、学習スケジュールを綿密に立てておきましょう。

私立大学も最も大切なのは「基本」に他なりません。基本を身につけた上で、大学ごとレベル・傾向に合わせた演習を行うことが合格につながります。

《分野別》医学部入試英語対策の方法(国公立大・私立大共通編)

ここからは国公立・私立共通で、医学部志望生におすすめの学習対策を、英語の学習分野ごとに解説していきます。「単語」「文法」「長文読解」「英作文」に分けて進めますので、必要なところだけ拾い読みしてもOKです。

単語は7000語の習得を目指そう

英単語・熟語は早めに着手しましょう。英語学習の基礎でもあり、習得に時間がかかるものでもあるからです。

国公立大・私立大とも大学個別試験で必ず英語が課されることを踏まえると、6000~7000語は覚えたいところです。市販の単語帳は、1冊あたり2000語程度収録されているものが多いので、高2後半までに3冊を終えられるように計画すると良いでしょう。

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「現役合格を目指すのであれば、高2の後半の方が有利です。」/信州大学医学部1年生 Sさん

後ほど詳しく触れますが、医学部志望だからといって医療系の英単語ばかりを覚えても役に立ちません。共通テストでも2次試験・大学個別試験でも、出されるテーマはオーソドックスなものが多いからです。重要単語から順に、まんべんなく取り組みましょう。

英文法は早めに一巡完了

英単語と同様、英語の基礎になるのが英文法です。英文法が分かっていないと、長文の文章構造がつかめず、読んでもよんでもチンプンカンプン。よって英文法も早い段階から対策した方が良い分野です。

英文法の勉強は「文法解説の理解」と「文法問題の演習」に分けて取り組むと進めやすいですよ。まず重要事項を理解し、「どうしてそうなるのか」を自分で解説できるレベルを目指しましょう。

問題演習の際も「理解した内容の確認(基本レベル)」と、「実力アップの練習(標準レベル)」に分けて取り組むと良いでしょう。いつでも「いま、どんな力をつけるための勉強をしているのか」を意識することが大切です。

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「タイトルにある『早めに』という時期について、おすすめは【高2の間には文法を終わらせる】くらいを目標にすることです。大学の同級生も実際、高2までに英文法を終わらせた、という人がたくさんいます」/信州大学医学部1年生 Sさん

長文読解はオーソドックスなテーマをまんべんなく

長文読解は医療系に偏らず、社会・経済・文化・歴史など幅広いジャンルに取り組みましょう。またいきなり1文1文が長いものや難解なものに取り組まず、基本レベルから順を追って進めることが良い結果につながります。

最終的に目指すのは「速読&直読直解」、スピードを持って英文を英文のまま(日本語に訳さず)理解していける状態です。そのために、まずは「精読」から始めましょう。1文1文の文構造を把握し、訳しながら読みます。精読ができるようになったら、徐々に読むスピードを上げ、訳さずに理解できる箇所を増やしていってみてください。

問題演習は自分が正しく英文を読めているかを確認するためにも、読解練習と同時に取り組みましょう。

英作文は必ず添削してもらおう

英作文は単語と文法の力が付いてくると、自然とある程度は書けるようになります。「こういう日本語表現は、この英語構文で言い表せる」という典型パターンもありますから、英語学習の中で意識的に覚えていくと良いでしょう。

2次試験・個別試験では、与えられた日本語自体が難解、という問題も散見されます。この場合は、与えられた日本語を一旦”英語に訳しやすい日本語”に翻訳し、翻訳語の日本語を英語にする……、といった2段階プロセスを経ることが大切。つまり「国語力」も重要な役割を果たすのです。

書いたものは英語の先生や塾の先生などに必ず添削してもらってください。自分では気づけない、思いがけないミスや誤解が見つかります。

《国公立大・私立大別》医学部入試英語でとくに注意したいポイント

国公立大・私立大別》医学部入試英語でとくに注意したいポイント

続いて、国公立大・私立大それぞれの医学部受験に特徴的な、とくに注意してほしいポイントについてまとめていきます。

国公立大志望なら「自由英作文」

多くの国公立大2次試験で出題されるのが「自由英作文」です。与えられた資料にもとづいて英文で解答するパターンや、お題だけが与えられ自分の考えを英文で書くスタイルなど、大学によって出題形式もさまざまです。語数指定は短いもので30~40語、長いものだと100~150語という場合もあります。

自由英作文対策のポイントは、「自由英作文は、自由ではない」という点にあります。目的は1点でも多くとることであって、あなたの価値観や考えを採点者に伝えることではありません(考えや価値観を論じるのは、小論文に任せましょう)。自由英作文には「正解の型」があり、型に沿って書くことで時間内に減点が少ない解答が作り上げられるのです。

自由英作文の「型」は合格テクニックのようなものなので、塾や予備校の先生の方が詳しく知っていることが多いですよ。聞いてみてくださいね。

私立大志望なら「難解な単語、英文法・構文や読解」

近年、私立大医学部の入試問題は難化傾向にあります。一部の大学では、高校生にはとても読解できないであろうレベルのものや、ネイティブでも難解なものが出されるほど。医学部人気を考えると、問題が難しくなるのはやむを得ないのかもしれません(ある程度のレベルであれば、みんな解けてしまいますからね)。

「英語が難しい」という傾向を分析すると、次の4つに分けられます。

  • 単語が難しい
  • 使われている文法・構文が複雑
  • 長文読解のテーマが難解
  • 問題自体が難問


志望する大学がどの傾向があるかを分析し、難解な分野は重点的に対策しておきましょう。市販の大学入試問題集では網羅できない場合は、TOEICやTOEFL、IELTSといった検定試験の問題集を活用するのもおすすめです。

医療系テーマや単語は最後に完成させればOK!

医学部入試英語は医療系テーマに偏ってはダメ、と書きましたが、医療系の単語や読解がまったく不要かというとそうではありません。全方位的な対策を完成させた上で、最後に医療系知識をつけて完成させる、という順番が効率的でおすすすめです。
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ここでは医学部入試で実際に出題された「医療系テーマ」や、覚えておきたい医療系英単語をご紹介します。

医療系長文読解テーマの例

長文読解では次のようなテーマが出題されたことがあります。

  • 北里大学 遺伝子検査と遺伝子治療の可能性
  • 東邦大学 万能インフルエンザワクチンの可能性
  • 産業医科大学 日本のガンの現状
  • 帝京大学 肥満が引き起こす病気と世界への蔓延
  • 関西医科大学 糖分を摂りすぎるアメリカ人
  • 日本大学 小児肥満症への対策
  • 東京医科大学 医師に求められること
  • 日本医科大学 チーム医療に求められているもの
  • 杏林大学 医師と患者のコミュニケーション

医療系小論文テーマの例

小論文では次のようなテーマが出題されたことがあります。

  • 岩手医科大 広井良則『持続可能な医療』(2019年度)
  • 獨協医科大学 中山あゆみ『難手術に挑む「匠の手」ー上山博康』(2018年度)
  • 昭和大学 中国誕生したゲノム編集技術による双子について(2019年度)
  • 帝京大学 外国人の患者の受診時に配慮すべきことについて(2019年度)
  • 兵庫医科大学 本川達雄『人間にとって寿命とは何か』(2019年度)
  • 聖マリアンナ医科大学 田中まゆみ『ハーバードの医師づくり―最高の医療はこうして生まれる』(2017年度)
  • 北里大学 里美清一『医者と患者のコムニケーション論』(2018年度)

医療系英単語の例

医療系の英単語には、たとえば次のようなものが含まれます。

  • pharmacy 薬局
  • surgery 外科手術
  • vein 血管
  • artery 動脈
  • symptom 症状、兆候
  • sore (喉や筋肉などが)ヒリヒリ痛む
  • paralyze ~を麻痺させる
  • diagnose 診断する
  • remedy 治療法、救済策
  • tumor 腫瘍
  • diabetes 糖尿病
  • infent ~に感染させる
  • vaccine ワクチン
  • organ 臓器、組織
  • clone クローン、クローンを作る
  • molecule 分子

医学部受験生におすすめの参考書5選

最後に、医学部を目指す受験生におすすめの参考書・問題集を4つ厳選してご紹介します。

鉄緑会東大英単語熟語「鉄壁」(角川書店)

東大合格者は毎年200人以上という東大専門塾「鉄緑会」が出版する単語帳です。収録語数は3000語以上で、いずれも標準レベル以上の単語ばかり。医学部の難易度は東大に匹敵するレベルですから、東大志望ではなくてもぜひチャレンジしてほしい単語帳です。

ポイントは単語がすべて「分野別」にまとめられている点。もちろん「医療」カテゴリーもありますよ。またイラストや接頭辞・接尾辞等を使って、コアイメージを覚えられる構成になっていますから、派生語や熟語も効率よく覚えていけます。

徹底例解ロイヤル英文法(旺文社)

医学部入試に臨むなら、英文法も通り一遍ではなく、本質的に理解しておきたいところです。一般的な解説ではどうしてそうなるのかがわからない、もっと徹底的に理解したい!という受験生は、「ロイヤル英文法」を使ってみてください。900ページすべて、文法解説という充実度です。一通り文法の復習をした、その後のレベルアップにおすすめ。大学生になっても使える英語力が身につきます。

日本人が英語を学んでいて疑問に思いやすい視点に沿って解説されているので、きっとこれまでの英文法の悩みがすべて吹き飛びますよ。

「やっておきたい英語長文」シリーズ(河合出版)

医学部受験専門後者も持つ大手予備校・河合塾が出版する英文読解書です。英文の長さと難易度別に4冊ありますが、医学部受験生は最終的に「1000(難関大レベル)」が読み解けるよう目指しましょう。過去、実際に大学入試で出題された英文から良問だけを選定し、記述式中心で問題が作られています。

ただし解説は要点をシンプルにおさえた記述なので、英文読解が苦手という人には難しめかもしれません。基本的な英文法や英文読解の練習をした上で取り組むと効果的です。

「英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー」シリー(河合出版)

速く的確に英文の内容をつかむ「パラグラフリーディング」の手法を解説している参考書です。まずは「1. 読み方・解き方編」でコツを身につけ、志望系統に合わせて「2. 実践編 国公立大対策」「2. 実戦編 私立大対策」を選ぶと良いでしょう。

筆者が指導していた予備校でも、この本のおかげで「英語が全っ然読めない!」というレベルから大学に合格していった受験生が続出しました。医学部入試英語はハイレベルな争い、解答に時間をかけるためにも本文はできるだけ短時間で読解したい、その希望を叶える1冊です。

まとめ

医学部入試は、確かに難関です。他学部より高いレベルで、高い競争率を勝ち抜かないと合格できません。しかしそんな医学部入試でも、一番大切なのは「基本」に他ならないということが分かっていただけたでしょうか。

医学部合格戦略は、「基本をできるだけ早期に習得し」「標準以上レベルの問題演習・過去問演習に十分な時間をかけること」です。つまり受験本番から逆算した、綿密な学習計画が欠かせません。一人で立てるのは難しいと思いますから、塾の先生などプロにぜひ相談してみてくださいね。あなたの受験を応援しています。

オンライン家庭教師ピースでは、多くの医学部受験をお考えのご家庭から相談を受けています。医学部は、志望校に向けた対策が必要です。何から始めたらいいか分からない方、成績が伸びずに悩んでいる方はまずご相談(無料)ください。

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