【防衛医大合格体験記】対策や勉強法、リアルな試験内容を現役医学生が語る!
防衛医科大学は一次試験が通常の大学入試よりも早い時期に行われるため、東大や京大などの難関校を目指す受験生たちがこぞって受ける大学です。そんな難関医学部を地方公立高校から現役で突破した筆者が防衛医科大学医学部合格の体験談を語ります!
今回は実際に受験したからこそわかる対策内容や、あまりネットでは公開されていない試験内容まで詳しく解説します。
最後まで読み、夢をかなえるための参考にしてくださいね。
防衛医科大学はどうして難関なの?
防衛医科大学は試験が行われる時期が早いことで有名です。
(ちなみに今年は一次試験が10月23日、二次試験が12月15~17日に行われます。)このように早い時期に試験が行われるため、東大や京大など難関大学を志望する受験生が力試しのために一次試験を受けます。そのため、受験生の全体的なレベルが高くなり、防衛医科大学に合格することは難しいと言われています。
防衛医科大学の特徴
防衛医科大学の特徴として最も大きいことはお金がかからないということです。防衛大学に合格し、入校(防衛医科大学では一般的な意味での入学を入校といいます)すれば、防衛省職員となります。制服や食事が支給され、寮費もかからず、学費もかからないため一切お金がかかりません。それに加えて、学生手当というお給料も支給されます。
一方で、卒業後9年間は自衛隊の医官として勤務しなければなりません。もし、この条件を果たすことができない場合、4000万円を超えるお金を一括で返金する必要があります。
防衛医科大学の試験
防衛医科大学校医学科の基礎知識を踏まえたうえで、まずは試験内容について解説をしていきます。防衛医科大学の試験は学科試験を行う一次試験と、面接や小論文を行う二次試験に分けられます。以下ではその様子を解説していきます。
防衛医科大学の一次試験
【試験会場の様子】
一次試験は学科試験のため通常の模試のようなイメージですが、普段の模試とは異なり周りに知っている人がいなくて緊張しました。その意味では、後日受ける共通テストや、国立大入試のいい練習になりました。
【試験監督】
試験会場では、制服を着た自衛官の方たちが試験監督を務めます。
そのため、試験中に近くを歩かれた時などは少し緊張しました。また、試験会場の雰囲気も、目つきが鋭い自衛官の方などもいるので普段の試験とはまた違った雰囲気でした。
【試験中の様子】
ここは通常の模試と同じように、自衛官の人たちが問題用紙と解答用紙を一人ずつ配っていきました。その間は静かに待ってる感じです。
試験時間は試験会場にあった時計を基準にして行いました。
最後に解答用紙と問題用紙はともに回収されます。
【お昼・休憩時間の様子】
私が受けた年は、コロナ禍での試験だったので、自分の席で静かにお弁当を食べました。
ご飯を食べ終わった後のお昼の時間に何をするかも試験当日は重要になってくるのでこの時間もいい練習になったと思います。実はこの時間で何をするべきかも試験当日重要です。初めての試験の場合、この時間に何をするかも重要になってきます。
お弁当を食べ終わったあとに、少し休憩時間があります。
周りには寝ている人もいれば、次の試験科目の勉強をしている人もいました。私はルーティーンとしているお菓子を食べてぼーっとしてから歯磨きをしました。いつもと同じことをすることでリラックスできたので皆さんもぜひやってみてください。
【一次試験合格発表までの過ごし方】
国立大学も受ける予定だったので、大学の2次対策に加え共通テストの勉強をしました。
防衛医科大学二次試験
①身体検査
簡潔に言ってしまえば、健康診断です。防衛医科大学大学病院の各診療科を回って検査を受けます。女子はジャージを持っていき、それに着替えて身体検査を受けます。
基本的に健康であれば引っかかることはないので大丈夫ですが、目が悪くてメガネやコンタクトの度が合っていない場合は注意が必要です。
同じグループの人で視力が悪かった人は医官の方に質問をされていました。
【合格基準】
募集要項にのっている事柄がクリアできていれば問題ありません。
参照元:防衛医科大学校医学教育部 医学科学生受験要項
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/pdf/y/r4_bouidaiigaku.pdf
②小論文の試験
【小論文の内容】
普通の小論文と異なり、自衛隊の一員としての自覚を問われるような試験でした。
面接練習などでそのような考えを自分なりに考えておけば問題はありません。
【小論文試験の様子】
試験監督は一次試験とは異なり、自衛官の方ではなく、事務官の方でした。
部屋の温度がちょうどいいかなど聞いてくださるなど私たちを気遣ってくれます。
小論文ということもあり、全体の緊張度は一次試験ほどではありません。
③面接
【面接内容】
どうして医官になりたいのかを詳しく聞かれました。
また、最近の自衛隊の活動についても聞かれました。有名なものを答えたら突っ込んだ質問を聞かれたので、普段から自衛隊について情報収集おくとよいと思いました。
基本的には、事前に提出した志望理由などを書く紙に沿って質問をされます。それを基に対策をしておけば心配ありません。事前に提出する紙は、一次試験の合格通知と一緒に届きます。届いたら、できるだけ早く書く内容を決めて対策を始めましょう。
【面接後の様子】
面接が終わった人から事務官に声をかけられて、帰る感じです。
※私が受けたのはコロナの影響で追試になった時のものなので試験の日程は通常と異なります。
④二次試験合格発表までの過ごし方
国立大学を受けるのでその対策をしました。二次試験合格発表後も、勉強のペースは変えずに勉強をつづけました。
防衛医科大学医学科の対策内容
防衛医科大学医学科の受験対策を一次試験、二次試験、科目別に解説していきます。
一次試験
【対策開始時期】
私が防衛医科大学の対策を始めたのは一か月前くらいからです。第一志望は国立大でその滑り止めとして受けたのでそれほど対策に時間はかけませんでした。
第一志望とするなら、もっと早い時期にはじめてもいいと思います。適切な時期については学校の先生に聞いてみてくださいね。
【試験の形式】
教科ごとの対策内容を説明する前に、まずは一次試験の形式について解説します。防衛医科大学の試験は通常の入試とは大きく異なります。
試験は大きく分けて択一式と記述式に分けられます。これらを一日で行います。試験の合否は、択一式を行い、それで一定以上の点数を超えたら記述式を採点して、この合計点で決まります。つまり、択一式で点数が取れていないと記述式を採点もしてもらえないということです。
【択一式について】
ここでは択一式について解説します。
前述のとおり、択一式の出来によって記述式を採点してもらえるかが決まるため、択一式は非常に重要です。
択一式は、英語、数学、国語の三教科からなり、これを90分間で解きます。時間配分などは特に決まっていないので自分で過去問を解く中で決める必要があります。
合格者の得点が公表されていないので、正確かは定かではありませんが、私受けたときは6割を超えれば記述式は採点してもらえると言われていました。
【択一式の対策】
択一式の対策で最も有効なのは、何年分も問題を解くことです。
前述のとおり、択一式は時間配分が決まっていないので、自分の得意、不得意科目に応じて時間配分が決まってきます。
これは何回も解く中で自分にとって最適な配分が決まるので、時間を惜しまずやってみてください。
また、すべての問題を解こうとしないことも重要です。択一式は時間との勝負なのでわからない問題があったらとばす勇気を持ちましょう。
【記述式の科目】
記述式の科目は国語、英語、数学、理科二科目です。
以下ではそれぞれの科目の特徴と対策をお話していきます。
各科目の特徴と対策は?
【国語】
国語では現代文と古文が出題されます。それほど難易度の高い問題が出るわけではないので、共通テスト対策をしていれば十分対応できます。国立医学部も受ける場合、国語が必要になるのは共通テストのときのみです。
そのため、国語にはあまり時間をかける必要はありません。共通テスト対策を万全にしていればある程度の点数は取れるので、国語の記述の対策をする時間をほかの教科の勉強時間に当てましょう。
【英語】
リスニングはなく、長文、英作文、和訳、文法問題などがバランスよく出題されます。使われている単語は難しいですが、国立医学部を目指している人であれば、全体として文章の流れは把握できるレベルです。
防衛医科大学ならではの問題が出題されるので、過去問演習が必須になってきます。数年分を解いて時間配分を決め、苦手分野を対策していけば問題ありません。
医療系の単語も散見されますが、全く文章が理解できないほど難しいわけではないので、わざわざ医療系の単語帳を勉強しなくても十分対応できます。
【数学】
数学の難易度は高く、難関国立大学程度です。計算力を試される問題が多いため、方針はたっても解ききることが難しい問題となっています。
また、すべての範囲から問題が出題されるので、国立大学の二次対策をしていればそれがそのまま防衛医科大学の対策になります。一方、防衛医科大学の独特な問題があるので、それに慣れるためにも過去問はある程度解いておいたほうがよいでしょう。
【理科】
私が物理、化学選択だったのでその二つについて紹介します。
【物理】
物理は例年、力学と電磁気学は必ず出題され、年によってそのほかの分野のうちどれが出題されるかが変わります。
問題の難易度は、入試標準レベルですが、中には難しい問題もあります。これも数学と同様に国立医学部の入試対策をしていればそれが防衛医科大学の対策になります。
数学ほど癖のある問題が出るイメージはないので、直前期に過去問を解く程度で十分に対策ができると思います。この際、時間配分などを意識して本番を想定して解きましょう。
【化学】
化学は例年まんべんなくすべての分野から出題されています。
難易度としてはやや難レベルです。複雑な計算問題が多いため、計算に時間をとられてしまうとそのほかの問題が解けなくなってしまうため、その意味で難易度が高いということができるでしょう。
問題集などで速く正確に解く練習をしておくと有利です。また、記号を選ぶ問題から、論述問題まで様々な形態で解答することが求められるため、過去問を用いた演習も必要となります。
国立医学部の対策に加えて、過去問演習も忘れずに行いましょう。
二次試験
①対策開始時期
防衛医科大学の二次試験は前述のとおり12月の中旬に行われます。この時期は共通テスト対策などでとても忙しい時期なので、どちらかの対策に偏りすぎないようにする必要があります。
以下では私が対策を開始した時期についてお話していきます。
【小論文】
小論文は学校で小論文の対策講座が始まった頃に11月の半ばくらいに始めました。
【面接】
面接は合格発表があってからやりました。もともと面接が得意だったこともあり、それほど時間はかけませんでした。
②対策内容
【小論文】
学校の小論文対策でやっている内容をそのまま続けていました。防衛医科大学校の小論文問題は公開されていないので、対策のしようがありません。そのため、様々な形態の小論文を解いていました。国立大学の後期でも使うのでやっておいて損はないと思います。
【面接】
自衛隊の地方協力本部の人たちがやってくださる練習に参加しました。ここで、防衛医科大学校ならではの入退室の作法などを教えていただきました。
皆さんの地域でも行われていると思うので是非参加してみてください。
そのほかには、テレビなどで自衛隊に関する情報を入手しました。本番の面接で役に立ったのでおすすめです。
まとめ
以上、防衛医科大学医学科の対策法と試験内容を解説してきました。
防衛医科大学は難関といわれていますが、お試し受験をする人も多いため、キチンと対策をすれば合格が見えてきます。皆さんの夢が実現できるように応援しています!
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