模試は復習してこそ意味がある!やり方や成績表の分析視点を解説、模試ノートの作り方も
模試は「受けただけ」、そのあと放ったらかしにしていたのでは、はっきり言って時間の無駄です。模試は「受け終わった後」が大切。学校や塾の先生もよく「模試は復習が大事だぞ!」と言いませんか?
でも、「じゃあ『復習』って、具体的にどうすればいいんだ?」と思いますよね。そこで今回は、ポイントを抑えた効果的な模試復習方法を解説します。マーク模試でも記述模試でも活かせる方法なので、ぜひ取り入れて実力アップを狙ってくださいね!
目次
「模試を受ける意味」を考えると、復習の重要性が理解できる!
模試は何のために受けるか、考えたことはありますか?「高校で受けることになっているから」ではないですよ。
模試の役割は「自分の弱点を見つける」ことにあります。
模試は出題範囲や問題形式、難易度など、すべて本番を想定して作られているもの。本番想定の問題を解き、日頃の勉強では発見できない弱点を見つける。見つけた弱点を克服するよう、受験勉強の計画を改善していく、それが模試を受ける目的です。
「模試を受けただけ」では、どこができていて・どこが弱点なのかもわからないまま。だから「受けただけ時間の無駄」といわれてしまうのです。
「模試は受け終わってからが大切」「模試は復習して初めて生きる」というのには、こうした理由があるからなのですね。
復習のタイミングは2回|直後&成績表返却時
「模試は復習が大事!」と分かったところで、復習の具体的なやり方を見ていきましょう。
まずは復習のタイミングから。
模試の復習効果をアップさせるには、『2回』取り組むことがコツ!
1回目は「模試が終わった直後」、当日か翌日。2回目は「模試成績表が返却されたとき」、1か月半後くらいですね。
実はこの2回、それぞれ【復習の目的】が異なります。
ザクっとまとめると、模試直後の復習1回目の目的は「問題の解きなおし」、解けなかった問題の解き方を知るということにあります。成績表が返ってきた復習2回目の目的は「自分の弱点を知る」、成績表を分析して強化ポイントを見つけることにあります。
では1回目・2回目、それぞれの復習の手順を解説していきましょう。
模試直後の復習は「解きなおし」が大事
模試が終わると、「解答・解説」が配布されますよね。「ちゃんと見直ししておけよ~」なんて先生が軽く言いながら配っているかもしれませんが、この「解答・解説」がものすごく大事なんです。
問題を解いた記憶が鮮明な当日、遅くとも翌日には「解答・解説」を使って復習をスタートしましょう。
まずは自己採点から。
採点しながら問題を次の3種類に分類し、印をつけてくださいね。
①完答できた/自信を持って正解できた⇒ 〇
②悩んだ/時間がかかったが解けた⇒ △
③解けなかった/勘で正解した⇒ ×
解けなかった問題は「解説を見ながら」チャレンジ
分類出来たら解きなおしです。
さて①~③のうち、最も解きなおしの優先順位が高いのはどれでしょう?
③?いいえ、②です。
「② 悩んだ/時間がかかったが解けた」問題は、解く力はあるけれどもスピードが課題、あるいはまだ安定して解ける段階にはない問題だということを意味します。②を「いつでも安定して解ける」状態に持っていくと、それだけで得点の安定度が違ってきますよ。
勘で解けた問題は「根拠を確認」
②の次は?③ですね。
ポイントは「勘で正解した問題」が含まれている点です。とくにマーク式の模試では「まぐれ当たり」がつきもの、これは実力とはいえませんから見直し対象に含ませてください。
また解けなかった問題は時間をかけて、じっくり解き直してみましょう。場合によっては単元の理解が不十分だということもあります。参考書を見る、先生に質問するなど、分野の理解を深めるアクションも面倒がらずにやってくださいね。
解けた問題は「解き方の正しさ」を確認
最後に①をサクッと見直します。
①も解説に目を通すことで、もっと速く解ける考え方に気づいたり、知らなかった知識を補えたりすることがあります。
また「自分の解き方が正しかったのか」「自分の考え方で良かったのか」という点を確認することも重要。時間は最小限で良いので、①も見直しをしてみましょう。
成績表返却時は「弱点強化」を重視して
模試から1か月半、忘れたころになって「成績表」が返却されます。さてこの成績表、合格のためには欠かせない宝の山が隠れているのですが、見方は知っていますか?
得点や偏差値、合格可能性判定「以外に」、とても役に立つ分析観点をお伝えします。
成績表のチェックポイント
成績表は「弱点を見つける」という意識で見ることが大切。自分の弱点は、次の3か所で発見できます。
- 偏差値
- レーダーチャート
- 設問別成績
◎ 偏差値
「平均点=偏差値50.0」です。自分の偏差値が「50.0」からどれくらい乖離しているかを見ると、平均に対しての出来具合が判断できます。
たとえば次のような偏差値の成績表があったとしましょう。
英語 60.0
数学 50.0
国語 55.0
理科 47.5
地歴公民 62.5
この受験生は、英語と地歴公民は平均よりよくできている。数学が平均程度、理科は平均以下……、ということがわかりますね。
私立文系(3教科受験)でない限り、学習の優先度は理科・数学だということが見えてきます。
◎ レーダーチャート
成績表には様々なレーダーチャートが載っています。「教科別」の場合もあれば、「設問別」の場合もありますね。レーダーチャートは、一目で自分の弱点がわかる便利なもの。グラフのへこんでいる部分が、すなわち弱点だということ。
へこんでいる教科や設問に注目して成績表や自己採点をチェックすると、新たな課題が見つかります。
◎ 設問別成績
学校や塾の先生に成績表を見てもらうと、必ずと言っていいほどチェックされるのが「設問別成績」ではないでしょうか。「設問別成績」では問題の形式ごとの得意・不得意が分かります。
たとえば英語なら、「語彙・文法」「空所補充」は比較的よくできているが、「内容一致」「英作文」になるとぐっと得点が下がる、といったこともわかります。
数学なら単元別に、「二次関数」はよくできるが「集合と命題」「場合の数と確率」は得点できていない、といった具合ですね。
次の模試に向けて勉強計画を立てよう
ここまでの分析で見つかった苦手や弱点は、もちろん克服していかないといけません。学習計画を修正し、対策に取り組んでいきましょう。
計画を立て直す目安は「次の模試まで」の間です。次の模試で努力が成果に反映されるように、模試に間に合うように修正します。
「いつまでに」
「なにを」
「どんな状態にする」
⇒そのために、どんな勉強に取り組む?
この考え方で勉強計画を練ってみてください。やることが多くて手に負えない、どこから手を付ければよいかわからないという場合は、学校や塾の先生に相談してみてもいいでしょう。
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『模試ノート』を作ってみよう!
「模試ノートを作った方が良いよ」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?「模試ノート」とは、文字通り模試の復習のために作るノートのこと。勉強効率を上げるために、とてもおすすめの方法です。
模試ノートは専用のノートを作りましょう。
模試の復習とは、弱点や苦手、できなかった問題をできるようにしていくことでしたよね。つまり「模試ノート」とは、できないことだけを集めたノート、ということです。
学校の授業と共有のノートにしてしまうと、「新しく習った知識」と「できなかった項目」がごちゃまぜになってしまいます。必ず区別しましょう。
模試ノートの作り方・おすすめ手順
模試ノートは「できなかった問題を/納得いくまで取り組める」場所として活用しましょう。どの教科にも共通するおすすめの作り方は、次の通りです。
- 1ページ・1問題にする
- 理解不足や重要事項もメモする
- 問題はコピーして貼り付けてもOK
何より大切なのは「余白をたっぷりとる」こと!
1ページに1問題というのも、余白を確保したいからに他なりません。
余白を確保するのは、「できるようになる」までに必要な知識やプロセスを同じページにまとめていくためです。重要事項や解き方のコツを書き込みたいこともあるでしょうし、2回・3回と解きなおすこともあるかもしれません。その都度別のページに移っていては、結局「どこに何が書いてあったのか」が分からなくなってしまいますよね。
できなかったことを、できるようにするためのポイントがぎゅっと詰まったノート、それが「模試の復習ノート」です。
時間がないときも、このノートを見直すだけで「弱点だけを効率的に復習」できますし、勉強の過程が一目でわかり、学習計画の練り直しにも役立ちます。解き方のポイントも載っているので、模試や本番直前の見直しにもピッタリ。
作れば作るほど、自分だけの実戦的な復習が完成していく、それが「模試ノート」を作るメリットだと言えます。
まとめ
目先の勉強に忙しく後回しにされやすい「模試の復習」ですが、勉強の効率アップにはとても役に立つ方法だということが伝われば嬉しいです。
模試は点数や偏差値、合格可能性判定を見て一喜一憂するためのものではありません。点数も偏差値も判定も、それは模試を受けたその日のあなたの結果でしかなく、大切なのは本番までにどれだけ実力を伸ばせるか、です。実力を伸ばすためには、実戦を想定した問題を解き、弱点を見つけ、克服していくしか方法はないのです。そのために模試はうってつけの材料だというわけですね。
ぜひ次回、いや前回の模試からさっそく復習を取り入れてみてください。今まで見えなかった自分の課題が見つかりますよ!頑張ってくださいね。
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