【大学入試】古文は1か月で得点が見違える!正しい勉強の手順とやり方を徹底解説
「古文って、同じ日本語なのに全然読めない!」と悩む高校生や、「古文の勉強法がわからない」「古文は得点しやすい、って本当ですか?」という受験生に向けて、正しい古文の勉強法を解説します。
古文の勉強は英語と似ているといわれますが、英語よりずっと結果が出やすいのが嬉しいポイント。ちゃんとやれば、共通テストで「8割安定」できる科目です。伸ばしやすい古文を本当に伸ばす勉強法、知りたくありませんか?それでは早速、始めましょう!
目次
古文が解けない・成績が上がらない原因
古文の勉強法を解説する前に、古文が伸び悩む人に多いパターンを見てみましょう。あなたが当てはまる項目はあるか?自分を振り返りながら読んでみてくださいね。
古文単語を覚えていない
実は一番多いのが「古文単語を覚えていない」というパターンです。このパターンに該当する高校生の多くは、「古文って言っても日本語なんだから、フィーリングで読めるでしょ」と思っているようです。
でも……、次の古文単語の意味は正しく把握できていますか?
- おどろく
- おこたる
- もてなす
- せめて
これらは「現代語の意味とは異なる意味を持つ古文単語」の代表選手です。「おどろく=驚く」「おこたる=サボる」「もてなす=接待する」、などと現代の意味で古文を読んでも意味は通じませんよ。
それぞれの正しい意味は次の通りです。
- おどろく ⇒ 目を覚ます
- おこたる ⇒ 病気が治る
- もてなす ⇒ 振る舞う
- せめて ⇒ 無理に、強いて
今から1000年も前に書かれた文章は、21世紀の私たちにとっては外国語も同然。英語学習は英単語の暗記から始まるように、古文も古文単語の暗記から手を付けることが基本です。
古文解釈の練習をしていない
古文ができないと悩む受験生に多い原因の2つ目は「解釈の練習をしていない」ということにあります。
解釈とは本文を時代背景や特徴を踏まえて、正しく理解するということ。さらに英語でいう「精読」、つまり一文一文の文法構造まで見抜きながら丁寧に読むことも含まれます。古文が読めるようになるためには欠かせないプロセスですが、「古文ができません」と訴える大学受験生は、どうも面倒がってこの解釈を飛ばしてしまう人が多いようです。
古文は当時、つまり同時代の人が読むことを想定して書かれたものですよね。同じ時代において「前提/常識」とされるものに、いちいち解説はつかないわけです。私たちが「Twitter」や「インスタ」という言葉に逐一説明がなくても理解できるのと同じように。
しかし平安時代の常識を持たない令和の私たちは、やはり勉強しないとあの頃の「前提/常識」は把握できませんし、理解できるようにはならないのです。
また古文法を勉強したにも関わらず(やっていない人は勉強してくださいね)、本文を読むときに文法知識を活かさない人もいます。動詞、形容動詞、助動詞、助詞といった区別をせずに「なんとなく感覚で」読み進めるため、平仮名が続くと文章の途中からわからなくなってしまうのです。
騙されたと思って、一度『枕草子』か『徒然草』の1段分を品詞分解してみてください。「めっちゃ読めるようになった!」という感想を持つこと、請け合いです。
問題演習量が足りない
絶対的な問題演習量が不足しているというケースもあります。古文は英語や数学に比べて優先度がどうしても下がるため、勉強時間を確保しにくいということが原因のようです。
しかしいくら単語を覚え、解釈の練習をしたとしても、実践経験が足りなければ得点にはつながりません。
解釈をしている段階では「読めたつもり」だったのに、内容一致問題を解こうとしたらまったくできなかった。あるいは「どういうことか」という説明問題の解答が、どのように書けば良いか言葉が出てこなかった。こうした経験を積んで、やっと古文の問題が解けるようになるのです。古文の問題演習も「量」多く取り組むことは必須です。問題集1冊を終わらせるつもりで進めてみてください。
古文ができるようになるための勉強のコツ
ここまで古文が読めない・できない人にありがちなパターンを3つまとめてきました。つまり、この3パターンの逆に取り組めば、古文はできるようになるというわけです!古文はきちんとした勉強に取り組めば、1か月で結果があらわれます。では古文が読めるようになる・できるようになる勉強法を紹介しましょう。
古文単語|まず300語覚えよう!
まずは古文の単語帳を用意してください。英語と同様、単語を覚えることから始めます。ただし、大学入試において「英単語は6000語必要」といわれるのに比べれば、古文で覚えるべき単語量は少なめ。重要単語を中心に「見出し語で300」覚えれば、まずは十分です。
単語は一度で完璧に覚えようとしないことがコツ。何度も繰り返しながら、徐々に記憶を固定させるイメージで取り組みましょう。またはじめは「主要な意味」だけを覚えていけばOK。登場頻度の低い意味や派生語は、解釈や問題演習を進める中で自然と頭にはいっていくものです。
古文法|単語と同時進行がおすすめ
古文単語と同時進行で取り組んでほしいのが、古文法です。古文法でおさえるべきポイントは「識別」「活用」「意味」の3つ。
「識別」とは、その単語がどの品詞なのかを区別する力のことです。古文は漢字より平仮名のほうが多い文章ですから、識別する力がないと「どこで区切って読めば良いのか」がわからなくなってしまいます。文法書には必ず「識別のポイント」といったものが書かれていますので、その項目を参考にまず区別できる力を身につけましょう。
次に「活用」です。用言(動詞・形容動詞・助動詞など)は、後ろに続く言葉によって語尾が変わります。語尾の変化の仕方を覚えていないと、文章がまったく読めなくなってしまいます。
- 「上一段活用/下二段活用」「変格活用」などは数が少ないので丸覚え。
- 「四段活用/上二段活用/下二段活用」「形容詞/形容動詞」は規則性で覚えましょう。
また歌や暗唱を何度も繰り返すのもおすすめです。
最後は「意味」です。これも覚えていないと読解が始められません。まず最重要・最頻出の意味、現代語と異なる意味をおさえ、次いで2番手・3番手の意味を暗記するという順番が取り組みやすいでしょう。
単語と文法は、とにかく「暗記」の完成度が勝負になります!
まずは「精読」、丁寧に解釈に取り組む
単語と文法がある程度進んだら、解釈に入っていきます。教科書や基本的な問題集を題材に、「精読」つまり一文一文丁寧に読み解く練習を始めましょう。先にも書きましたが、おすすめは「品詞分解」をしてみることです。本文の品詞分解が解説に載っている問題集(多くは載っています)をチョイスし、本文をコピーして一語一語「品詞・活用・接続・意味」を書き入れてみてください。
一文終わったら、解説の品詞分解と照らし合わせます。間違っている箇所は「どうして自分の品詞分解ではダメなんだろう」と考えることが大切!これを繰り返すと、1ページ終わるころには本文を読みながら品詞分解が脳裏に浮かぶくらいになってきます。もちろん、意味も把握しながら読み進められるようになっていますよ!
また解説は必ず隅々まで読みましょう。時代背景や作品知識なども書かれていることが多いので、合わせておさえていくことが大切です。
問題演習は基礎から無理なく
問題集は「基礎から無理なく」ステップアップできるように選ぶのもポイント。古文は題材や出題元によって難易度の幅が広い科目です。とくに難関私大は「知っていないと解けない」問題や非常に難しい問題も出題されるので、「難関私大の過去問」が収録された問題集にいきなり当たると挫折してしまうこともあります。
古文の勉強を始めたばかりの段階は、「慣れる」ことも重要。「基本」「基礎」という問題集から取り掛かっていきましょう。
国公立大2次試験/難関私立大の古文対策
「古文は共通テストだけで使います」という受験生は、ここまでまとめてきた勉強法に取り組み、共通テストレベルの問題集やセンター試験の過去問を繰り返せば十分です。ただし国公立大2次試験や難関私立大個別試験で古文を使います、という受験生はプラスアルファの対策が必要。ここからは国公立大・難関私立大向けの勉強法について触れておきましょう。
古文の記述対策は「記述試験向けの問題集」を用意することから
国公立大2次試験は記述式の問題が多く出題されます。共通テストはマーク式ですから、2次試験で古文が必要という受験生は、記述対策もしておかないといけません。
古文の記述対策は「記述試験向けの問題集」に取り組むことがおすすめ。記述式独特の問題形式に数多く触れ、解答の作り方に慣れていきましょう。制限文字数内で必要な情報を抜け漏れなく網羅するためには、簡潔な文章表現力も欠かせません。模範解答と自分の答案を丁寧に見比べ、足りない部分を補っていってください。
また現代語訳の問題が出されることも多いので、古文を一文一文訳してみるのも良い勉強になります。この時「意味が正しく訳せているか」という観点のほか、「助動詞は識別できているか」「敬語は訳せているか」「敬意の方向は正しいか」といった減点されやすい箇所も忘れずにチェックしてくださいね。
難関私立大学古文対策は「過去問演習」が肝!
難関私立大学は大学によって出題傾向や出題意図が大きく異なります。そのため、まず「過去問」をチェックし、傾向をつかんでから対策を立てることがポイントです。
過去問をチェックする際は、次のような観点をおさえると良いでしょう。
- 本文の分量
- 出やすい題材・時代傾向
- 注釈の量
- 問題形式
- 選択肢の数、長さ
古文は現代文ほど長くなくても、冊子見開き2ページにもわたるものが出される場合があります。こうした大学を受験する場合は、「長い古文」に対応できる力が必要、ということになります。
また意外と見落としがちなのが「注釈の量」です。注釈は本文の解釈を助ける目的で置かれていますが、これが多いということは、それだけ解釈が大変である、本文が難しいということを意味するからです。
選択肢の長さも見てみてください。選択肢が長いと、それだけ読解の総量が増えるということになります。また選択肢内で吟味しないといけない要素も増え、時間がかかることも予想されます。
難関私大の個別試験で古文を使う場合は、自分がどのレベルで古文を完成させればよいのかを見極めてから、対策を立てていきましょう。
和歌・文学史が必要かどうかは「過去問で判断」
和歌・文学史は、勉強するべきか/どれくらい勉強すればよいのか、受験生を悩ませる要素ですよね。和歌も文学史も出題頻度は多くないくせに、知っていないとまったく解けない点が厄介です。
結論をいうと、自分に必要かどうかは過去問を見て判断すればOK。毎年のように出題している大学を受験するなら相応の対策は必要になりますし、隔年で出題するようであれば優先度は高くありません。
和歌や文学史は、真剣に取り組もうとするとそれなりに時間がかかる分野です。どうしても時間がないという場合は、和歌や文学史「以外」の完成度をあげ、合格点を目指すという戦略もあります。全体の学習計画と照らし合わせ、最適と思える方法を見つけていきましょう。
番外編・さらに得点を伸ばす!おすすめ勉強法
ここまでの古文勉強法で、大学入試は万全です。
さてここからは番外編!さらに古文の得点を伸ばす、速く解いて満点を目指せるちょっとした勉強のコツを3つ、お伝えしましょう。
古文の勉強法プラスアルファの3ポイントは、次の通りです。
- 主だった文学作品の「あらすじ」をおさえる
- 古代中国史や故事をおさえる
- 単語は文章をまるごと覚える
古文で出題される文学作品は、およそ決まっています。主要な題材は、あらすじを覚えてしまいましょう。あらすじを知っているということは、およその内容を把握できているということ。初見の文章でもぐんと読みやすくなります。
『伊勢物語』『和泉式部日記』『俊頼髄脳』といった出典を見た瞬間に、「あぁ、あの話ね」とピンとくるようになった自分、悪くないのではないですか?
また古文が書かれた時代というのは、中国からの政治的・文化的影響も大きかった時代です。具体的なエピソードとして登場することはなくても、そうした時代背景というのは行間にあらわれるもの。古代中国史や有名な故事を知っておくことも、古文読解の役に立ちます。
最後に、単語を覚える際は単体で覚えるのではなく、登場する文章を丸ごと覚えてしまうとより実用的な知識として活かしやすくなります。文章で覚えると、接続や活用はもちろん、周辺情報も一緒にインプットできるからですね。単語帳には「例」としてその単語が使われているシンプルな文章が書いてあることが多いですから、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
大学受験生向けに古文の勉強法についてまとめてきました。古文は後回しにされたり、敬遠されたりしがちな科目ですが、「単語を覚える」「文法を理解する」「丁寧に解釈する」「問題演習をする」という4ステップを踏むことで、短期間で点数を伸ばしやすい『お得な科目』です。早めに古文を完成させておくと、より時間がかかる科目に受験勉強を割くことができますよ。
「古文はちょっと……」と思っていたあなたにこそ、ぜひチャレンジしてほしいと思います!頑張ってくださいね。
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