不登校の子に先生がしつこい!その理由や対応の仕方について
「不登校の子に先生がしつこいのはなぜ?」
「先生からしつこく連絡が来たときの上手な対応法は?」
不登校の子を持つ親御さんの中には、このような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
不登校になると先生から定期的に連絡が入るようになります。しかし、頻繁に連絡がくるのはしつこいと思う人もいるでしょう。
この記事では、不登校の子に先生からしつこく連絡が入る理由を徹底解説します。先生がしつこいと感じたときの対応法や、親の心構えも伝授。子供に対して先生がしつこい場合、親ができることも解説します。
不登校の子に対し、先生の連絡がしつこいと感じている親御さんはぜひ最後までご覧ください。
目次
子どもが不登校だと先生とのやり取りがでてくる
不登校の子がいると、先生とのやり取りは必須です。不登校で学校に行けなくても、登校の欠席や今後の対応について確認が必須だからです。
学校教育法施行令では、校長の義務として学校に在籍する子の出席状況を明らかにしておかなければならないと定められています。また、保護者に欠席の正式な理由がなく7日間欠席するようなら教育委員会へ報告する義務もあります。
児童虐待防止の観点からも、学校として欠席理由の確認を行わなければなりません。欠席連絡の方法は、電話か家庭訪問が一般的です。メールや連絡アプリを取り入れている学校もありますが、まだまだ少ないのが現状です。
毎日の欠席連絡以外にも、今後の学習や学校復帰に向けての取り組みを話し合う必要もあるでしょう。不登校の子がいる家庭では、学校とのやり取りが増えると心得ましょう。
参照:e-Gov「学校教育法施行令」
不登校の子に先生がしつこい!その理由とは
不登校の子に先生がしつこく連絡してくるのは、先生個人の考えや立場もあります。ここでは、しつこい先生にみられる理由を3つ紹介します。
熱心な先生だから
先生が子どもに対して熱心なため、不登校の子への連絡が増える場合もあります。先生に「なんとか学校に登校させたい」「みんなと学習できるようにさせたい」という気持ちが強い場合にありがちなケースです。
学校は学習や集団生活を学ぶ場であり、先生もクラスの一体感を大切にしています。その中で不登校の子が出ると、クラスのまとまりが失われたように感じるのでしょう。子どもへの登校刺激を与えすぎてしまい、家族や子どもからしつこいと思われてしまうのです。
評価を気にしているから
不登校の子がいると自分の評価に響くと考えている先生は、休んでいる子にしつこく連絡してしまうかもしれません。
教員には人事評価制度があり、自己評価をもとに校長が先生の能力や成果を評価します。評価により、上の立場の役職が与えられたり、給料やボーナスが上がったりします。子どもの力を伸ばすため努力し、結果的に昇任や昇給している先生がほとんどです。
不登校の子がいても、するべき対応をしていれば先生の評価は下がらないでしょう。しかし、先生が評価を気にしすぎるあまり、不登校の子を復帰させたいと強く思う先生もいるのです。
不登校への知識や理解があまりないから
不登校の子にしつこく接するのは、先生自身が不登校への知識や理解に乏しいためかもしれません。
不登校や発達障害など特別な支援を必要とする子の対応について、学校の先生方も講習会などで指導法を学ぶ機会があります。また、子どもや親の気持ち、主治医やカウンセラーなどの意見を取り入れ、子どもに合った距離感で接する先生がほとんどです。
しかし、登校すれば解決すると思っている先生もいます。学校への登校をすべてと考えるのは、不登校の子にとってつらいものとなるでしょう。
不登校の子に先生がしつこい場合の対応の仕方
不登校の子に先生がしつこく連絡してくる場合、どのように対応したらいいか親子で困りますよね。先生に適切な協力をしてもらえるよう、こちらの意向をうまく伝えていきましょう。ここでは、不登校の子に先生がしつこい場合の対応方法について具体的に解説します。
連絡のタイミングや頻度を決める
先生からの連絡が多い場合、タイミングや頻度を決めるとよいでしょう。先生の連絡の多さは、子どもを心配している可能性もあります。親がちゃんと保護しており、子どもの状態を観察していることを伝えるのがおすすめです。
電話をしている様子を子どもに見られたくない親御さんもいるでしょう。都合のよい時間帯や頻度の希望を伝え、定期連絡に切り替えていきましょう。
担任以外の先生とつながる
担任の先生からの支援がしつこいようなら、担任以外にも話せる先生とつながるのもよいでしょう。心と体のことを相談できる養護教諭や、心理面からアドバイスをもらえるスクールカウンセラーがおすすめです。
先生が授業を行っている間に養護教諭に欠席連絡をするのもよいでしょう。しつこい指導で親子とも精神的にまいってしまうようなら、教務主任や副校長、校長など上の立場の方に相談してもよいでしょう。
登校するかどうかは家族で決める
登校するかどうかは家族で決めると伝えれば、先生からの過度な連絡が減ります。登校するかどうかは、先生からの働きかけに関わらず、子どもや親が決めるという軸を持ちましょう。
学校では欠席が長期化すると教育委員会への報告を行わなければなりません。子どもはまだ登校できる雰囲気ではないのに、学校に来るよういわれて気持ちが焦る場合もあるでしょう。気持ちの整理がついていないのに、無理に登校させるのは逆効果です。
学校への復帰は子どもの状態を見極め、慎重に行うべきです。登校するかどうかは家族で決めると伝え、毎日何時に電話連絡すると伝えましょう。先生からの連絡は減りますし、子どもに対するプレッシャーも減ります。
家庭訪問は断ってもいい
学校から家庭訪問を提案された場合、代わりの方法を提案し断っても大丈夫です。学校が家庭訪問を行うのは、子どもの安否確認や家庭状況の確認が必要だからです。担任と相性が悪い場合など、家に来られては困ると感じる家庭もあるでしょう。
家庭生活に問題がないと伝えられればいいので、家以外で会う方法を提案してください。例えば、別の場所で会う、親子で学校に行くなどの方法があります。
不登校の子に先生がしつこいときに注意したいこと
不登校の子に先生からしつこく連絡が来るとき、間違った対応をすると状況がさらに悪化する可能性があります。ここでは、先生がしつこいときに注意したいことを4つ紹介します。
先生に謝らない
不登校の子に先生から連絡が来たとき、謝罪するのはやめましょう。不登校の子どもが休んでいることに負い目を感じ、心の回復が遅くなるかもしれません。
謝罪の言葉は会話の潤滑油として、自分に非がなくても使いがちです。学校の先生から連絡があると、つい「すみません」と謝りたくなる人もいるでしょう。しかし、学校に行きたくても行けなくなった不登校の子が聞いたら「自分が悪いのか」と思う可能性があります。
学校を休んで心身の回復を待っている状態なら、先生とのやり取りを聞かせない方がよいです。学校からの電話は別室で受けるよう気をつけましょう。
先生の押しに負けない
先生からの連絡がしつこくても、先生の押しに負けてはいけません。登校するかどうかは、子どもの状態を第一に考え親が決めましょう。
学校からのしつこい連絡に「こんなに言ってくれるなら無理にでも登校させよう」と思う場合もあるでしょう。しかし、連絡をしてくれて申し訳ないと思う必要はありません。先生は、子どもの安否確認や登校刺激などで連絡をしなければならない立場だからです。
先生も、登校できたら嬉しいとは思いますが、無理に登校させてほしいとは考えないでしょう。子どもを毎日見ている親の判断で、登校する時期を決めるのがベターです。
子どもを焦らせない
先生から何度も連絡があるからといって、子どもを焦らせてはいけません。子どもの状態に合わせ、しっかり休ませて回復させたほうがよいでしょう。
特に、休みはじめたばかりの時期は、先生も心配して頻繁に連絡をよこす場合があります。本格的な不登校になるのを避けるため、登校させたいと考える先生もいるでしょう。しかし、精神的に不安定な状態なら、思い切って休ませて回復を優先させたほうがよい場合もあります。
不登校からの回復は、原因や子どもの性格などにより違います。登校を急がず、子どもの状態に合わせて様子を見たほうがよいでしょう。
勉強をきちんとしていることを伝える
学習面を気にして先生がしつこく連絡してくるなら、勉強をきちんとしていると伝えましょう。家庭から子どもの状態を伝えていけば、過度な連絡も減るはずです。
学校では、勉強の遅れを気にして連絡してくるケースもあります。欠席している子が、どのような状態で過ごしているか把握したいためです。家庭で勉強をしていることや、生活リズムを整えていることなどを伝えると定期連絡で済むようになるでしょう。
不登校の子に先生がしつこいときに心得ておくこと
学校を休んでいるときに先生から連絡があると、ストレスに感じる場合もあるでしょう。考え方を変えたり、学校復帰に向けて行動したりするとよいでしょう。ここでは、不登校の子に先生がしつこいときに心得ておくことを5つ紹介します。
担任を変えてもらうことはできない
先生からの連絡がしつこいからといって、担任を変えてもらうことはできません。先生が頻繁に連絡する理由はさまざまですが、家庭からの連絡が少ないと連絡が増える傾向です。先生から連絡が来る前に、先回りして連絡してしまうのもひとつの方法です。
いちばんつらいのは子ども
先生からのしつこい連絡で、いちばんつらい思いをしているのは子どもだと心得ましょう。頻繁に電話連絡をしてくる先生に対し、親も面倒だと感じるかもしれません。先生に対しイライラした態度を見せてしまうと「休んでいるから悪いんだ」と子どもが罪悪感を持ってしまうでしょう。
先生は心配して連絡してくると考え、子どもの前では態度に表さないのがよいでしょう。子どもへの連絡が多いと感じる場合は、適当な理由をつけて電話に出さないのも方法です。
相性が合わないことは現実としてある
子どもの不登校対応について、先生と親の考えが合わないケースもみられます。相性が合わないのは仕方のないことで、今の学年では必ず付き合っていかなければなりません。ほかの話しやすい先生を通して考えを伝えるなど、担任以外に介入してもらうのがよいでしょう。
学校内で不登校について相談できるのは、養護教諭や特別支援コーディネーター、スクールカウンセラーなどです。「不登校の子への対応についていろいろな先生から意見を聞きたい」と申し出れば、担任の先生を悪者にせず済みます。
担任の先生と話したくない場合は、授業中にあえて連絡をする方法も。確実に不在なので養護教諭など話しやすい先生を指名し、連絡をするのもよいかもしれません。
勉強が遅れないようにサポートする
勉強が遅れないようサポートすると、学校からの連絡も減るでしょう。学校からの連絡が多いのは、勉強の遅れを気にしているせいかもしれません。家庭で学習サポートができていると確認できれば連絡が少なくなるでしょう。
親が勉強を教える方法もありますが、生活面のフォローだけでも大変ですよね。不登校に理解のある塾や家庭教師など、子どもに合わせた指導を行えるプロに任せるのがよいでしょう。
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不登校の子に先生がしつこいときに親ができること
不登校の子に先生からしつこく連絡があり、子どもが嫌がる場合もあるでしょう。親が間に入り、うまくサポートするのが大切です。ここでは、しつこく連絡してくる先生に対し、親ができることを具体的に解説します。
子どもの話を聞いてやる
子どもが「先生からの連絡がしつこい」と思っているなら、まずは話を聞いてあげましょう。話を受け止めるだけですっきりする場合もあります。
不登校だと、普段過ごすのが家庭だけになり、子どもの世界が限られます。そこに先生がしつこく連絡してくると、逃げ場がなくなります。学校から離れるために休んだのに、先生の連絡で現実に引き戻される気分になる子もいるでしょう。
子どもが先生への不満をもっているなら、批判や意見をせず話を聞いてみましょう。吐き出すだけでも、だいぶすっきりするでしょう。
担任の悪口をいわない
子どもが先生をしつこいと思っていても、親が担任の悪口を言ってはいけません。学校に対する不信感につながり、不登校が長引く恐れがあるためです。
子どもと担任との相性が悪いケースもみられます。ただ、相性の悪い人間はどこにでもいるので、うまく流していく方法も身につけなければなりません。子どもは人生経験が浅いため、相性の悪い担任との関係調整を親が行う必要があるでしょう。
子どもが担任の悪口をいったとしても、同調や担任のフォローをする必要はありません。「そう思ったんだね」と感想をいう程度で受け流しましょう。
次の学年では担任を外してもらう
子どもと担任の相性が悪いと感じたら、次の学年では担任を外してもらえるようお願いする方法もあります。学校の体制により難しい場合もありますが、校長や副校長など上の立場の人にお願いしておくと理解してもらえる可能性もあります。
学校ではクラス編成の際、友達関係でトラブルがあった子を違うクラスにするなど配慮する場合があります。担任の先生も具体的に困ったことがあるなら、伝えておくと配慮してもらえるかもしれません。どうしても違う担任にしてほしい場合は相談することをおすすめします。
他の先生とつながるようサポートする
担任が合わないなら、ほかの先生とつながるようサポートしましょう。学校の中で話しやすい先生をみつけたり、学校外で信頼できる先生とつながる方法もあります。
例えば、クラスで授業中に別室登校するなら、手の空いた先生が対応する場合もあります。担任との接触を減らしつつ学校復帰を目指せる方法です。
学校外なら、教育支援センター(適応指導教室)や不登校対応のフリースクールの先生と学習する方法も。学校に登校したとみなされる場合もあり、担任が変わる翌年度からの学校復帰を目指して学校のかわりに登校するのもよいでしょう。
そのほか、塾や家庭教師の先生など、信頼できる大人がいると子どもも安心です。先生以外に話せる大人とつながるきっかけを作ってあげましょう。
没頭できるものを見つける
先生のことが気にならないよう、没頭できるものを見つけるのもよいでしょう。不登校だと人間関係が狭くなり、先生との関係が悪化するとうまく発散できません。好きなことがあるとストレス発散にうってつけです。
もともとの趣味があるなら追及するのもよいですし、YouTubeなどで面白いと思った動画をまねて実験してみてもよいでしょう。工作が好きな子なら100均などで材料を用意し、自由に作るのもおすすめです。
二次障害にならないように気を付ける
先生との関係悪化で、二次障害にならないよう気を付けましょう。二次障害とは、発達障害など苦手さを持つ子が精神的なストレスを感じ、うつや不安、ひきこもりになってしまう状態を指します。
二次障害は、周りの不適切な対応が原因で起こります。本人の状態を考えず、先生が無理な登校刺激を加えたりすると、二次障害になる恐れがあるのです。
二次障害になると、子どもへの対応がさらに難しくなってしまいます。これくらいと放置せず、親が間に入りフォローするのが大切です。
人間不信にならないように気を付ける
担任との関係の悪さから、人間不信にならないよう気を付けましょう。不登校により人間関係が狭くなったため、担任との関係悪化で人間嫌いになる可能性があるためです。
担任と合わなくても、ほかに話せる先生や友達がいるはずです。「担任以外に理解してくれる人がいれば大丈夫」と子どもに伝えてください。大事な相談は話しやすい人に伝え、合わない人とは距離を置くことを教えましょう。
無理のない連絡方法や頻度を模索して提案しよう
子どもが不登校の場合、先生とのやりとりは必須で避けられません。しかし、先生からのしつこい連絡は親も子もストレスに感じるでしょう。
先生からの連絡を減らしたいなら、家庭からも積極的に連絡を取りましょう。家でどのように過ごしているのか、学習課題についての要望などを伝えてください。欠席が長期になりそうな場合は、無理なくできる連絡方法や頻度を提案するのがおすすめです。
担任との相性が悪い場合は、複数の人とつながりましょう。信頼できるほかの教員やスクールカウンセラー、各種相談先を頼るとよいでしょう。友達やその保護者、塾や家庭教師も頼りになります。発達障害などが疑われる場合は医療機関などと連携を取るとスムーズです。
まとめ
子どもが不登校になると、学校からの連絡が頻繁にくる場合があります。安否確認や教育委員会への欠席報告など、学校側にも連絡を取らなければならない事情があるためです。しかし、あまりに頻繁な連絡は、親と子を追い詰めることになり逆効果でしょう。
先生からの連絡がしつこい場合、子どもにストレスがかからないよう連絡を受けている様子を見せないようにしましょう。欠席が長期になる場合、家庭からも子どもの状態を積極的に伝え、連絡頻度を調整するとストレスが減ります。
担任との相性が悪いなら、信頼できる先生とつながるサポートをしましょう。信頼できる人がたくさんいると実感できれば、世界が広がり人間不信や二次障害を防ぐことができます。子どもが楽に過ごせるよう、親が環境調整をしてあげましょう。