数学のやり直しはどのように進めればいい?受験に間に合わせる秘訣も
「なんとなく、数学が苦手」「やり直しをした方がいいのかもしれないけれど、どこから手を付ければよいかわからない」、そんな悩みを抱えてはいないでしょうか。
数学は、何がわからないのかよくわからないと言われることが多い教科です。とはいえ、わからない点を放置しては、得点も伸びず合格も遠のいてしまうでしょう。
この記事では数学のやり直し学習を効率よくすすめる方法を解説します。使いやすい教材や、学習の順番もまとめました。
この機会に、数学のやり直しに着手しましょう。数学が得意に慣れれば、他教科にも良い影響を及ぼし総合点のアップも期待できます。
目次
数学にやり直しは必要?復習のメリット
数学にやり直しは必要です。わからなくなったとき、不安を感じたときに必要な箇所まで戻ってやり直すと、以降の学習が劇的に楽になります。
数学のやり直しによって得られるメリットは、次の3つです。
- 正しく理解できる
- つながりのある他の単元の理解も深まる
- 不安が解消され、自信が持てる
わからなくなっているときは、得てして間違った理解をしていることが多いものです。やり直しをして正しく理解すると、絡まった糸がほどけるようにスルスルと理解が進みます。
また数学は、単元同士のつながりが深い教科です。ある単元をやり直したことで、関連する他の単元もわかるようになる可能性があります。
やり直しによって数学の理解が深まると不安がなくなり、自信が持てるようになるでしょう。その結果、数学以外の勉強にも良い影響を及ぼしてくれます。
数学のやり直し学習・基本の3ステップ
数学のやり直し学習を効率的に進める手順を、3つに分けて解説します。この3ステップは、中高生に共通です。
「やり直しが必要だと思うが、何から手を付ければよいかわからない」人は、ぜひ参考にしてください。
step1. 苦手単元、不安な単元を見つける
はじめに、苦手な単元や不安な単元を見つけましょう。これまでに学んだ数学の全体像を俯瞰できる資料があると便利です。
教科書や参考書の目次のほか、教科書会社が公開している「単元関連表」も活用できます。下の画像は、教科書発行会社である「啓林館」による数学の単元関連表です。
画像1枚目の右側と画像2枚目の左側に中学数学が、画像2枚目の右側に高校数学が掲載されています。
引用:新学習指導要領における算数・数学内容系統一覧表|啓林館
数学のやり直し学習を進める際は、「以前習った関連する単元」の復習が必要になる場合があります。関連表を使うと、苦手単元の土台になる単元が一目瞭然で学習計画が立てやすくなります。
step2. 基本から丁寧に解説する参考書に取り組む
苦手・不安な単元が見つかったら、基本からわかりやすく解説する参考書を片手に復習をはじめましょう。
苦手な単元は、教科書の解説だけを読んでもよくわからないことが多いものです。教科書の解説は基本に忠実で、定理・定義を正しく述べているためです。
「なぜそうなるのか」「どうしてそう考えるのか」といった考え方の部分を詳しく解説している参考書を探してみてください。講義形式(対話式)でまとまっている参考書は、解説が平易で独学に向いています。
◎ 中学数学|対話形式の参考書
『やさしい中学数学 改訂版』(学研プラス)
◎ 高校数学|対話形式の参考書
『大学入学共通テスト 数学I・Aの点数が面白いほどとれる本』(KADOKAWA)
※ 数II・B版もあります
step3. 問題演習は短期間で3周する
講義形式の参考書で基本を理解しつつ、問題演習も進めましょう。
問題演習は参考書に付属の問題か、使いやすい問題集を用意します。基本レベルで解説が詳しいものを選んでください。
ポイントは「短期間で3周する」ことです。周回ごとに異なる目的があり、一通りの学習を完了させられるのが「3周」だからです。
◎ 問題集を3周する目的
- 1週目:理解した知識を試し、問題ごとの「できる/できない」を明確にする
- 2週目:1週目でできなかった問題をできるようにする
- 3週目:通してとき、抜け漏れがないか再チェックする
また「できるだけ短期間で」完了させてほしいのは、時間をかけすぎるとせっかく覚えた知識を忘れてしまうためです。覚えた・理解した知識(インプット)は、速やかに問題を解く(アウトプット)ことで定着します。
高校受験生向け・数学のやり直し学習のコツ
高校受験を控えた中学生が、数学のやり直し学習を進めるコツを解説します。高校入試では難問・奇問は出されないため、基本を重視した学習が数学の得点を底上げしてくれます。
3年分の定期テストから苦手を見つけよう
はじめに苦手分野・単元を見つけましょう。模試の成績表からも苦手を見つけられますが、おすすめは3年間の定期テストを振り返ることです。
定期テストを順に見返しながら「苦手だと感じた問題」「解ける実感がなかった問題」をピックアップしてください。抽出された問題を単元ごとに分類し、もっとも多かった単元が最優先で克服しないといけない苦手単元です。
高校入試での出題傾向も把握しよう
苦手単元の発見と同時進行で、高校入試の出題傾向もチェックしてみてください。
高校入試の問題は、都道府県ごとに傾向があります。「毎年必ず出る単元」「ほんとど出ない単元」を区別しましょう。
苦手単元が頻出なら優先的に克服する必要がありますし、ほとんど出ない単元なら後回しにしても良いかもしれません。
学校の問題集で基本をしっかりマスターしよう
中学生のやり直し学習におすすめの教材は、学校で配布された問題集です。収録されている問題は基本をしっかり網羅しており、無理なく理解できる構成になっています。
学校問題集を仕上げたら、高校入試向けの問題集に取り組みましょう。全国の高校入試問題を収録した問題集もおすすめです。
『2023年受験用 全国高校入試問題正解 数学』(旺文社)
近年は学習指導要領の改訂にともない、新傾向と呼ばれる問題も増えています。新傾向の問題はまだ数が多くないため、他県の入試問題を参考に今年の入試問題を作成するケースもあります。
自県の過去問だけでなく、他県の問題にチャレンジしておくとより実戦的な力が身に付きます。
国立文系受験生向け・数学のやり直し学習のコツ
国立文系を目指す受験生は、共通テスト対策が学習の中心になります。共通テストでボーダーラインを超える点数を取れるよう、しっかり準備していきましょう。
国立文系受験生向けに、数学のやり直し学習のコツを解説します。
模試を分析し苦手単元を見つけよう
「数学は全体的に苦手だ」という受験生もいるかもしれませんが、まずは苦手単元を整理する作業からはじめます。
利用するのは模試の成績表です。得点率や評価、ヒストグラムを参考に「安定的に得点できていない単元」「突出して得点できていない単元」を見つけましょう。
引用:個人成績 | 返却資料・成績確認方法 | 全統模試案内 | 大学受験の予備校・塾 河合塾
画像は、河合塾が実施している「全統模試」成績表の裏面です。裏面には科目ごと・設問ごとの成績が記載されています。
引用:個人成績 | 返却資料・成績確認方法 | 全統模試案内 | 大学受験の予備校・塾 河合塾
設問別の成績を見ると、とくに補強が必要な分野がわかります。平均点と比べて得点が低い分野や、同じ学力層の仲間より出来ばえが悪かった分野も把握しましょう。
チャート式(黄色)を学習の中心に据えよう
苦手分野が明確になったら、黄色のチャート式などを使い復習を進めます。
共通テストのみで数学が必要な国立大文系受験生の場合、あまり難しすぎる参考書は不要です。それよりも基本を丁寧に解説し、必要な問題を網羅している参考書を選んでください。
この段階では、共通テストの問題形式は意識しなくて大丈夫です。はじめから終わりまで自分の力で記述できるように、過程を飛ばさず解けるよう練習しましょう。
共通テスト形式の問題に慣れよう
復習がある程度進んだら、徐々に共通テスト形式の問題に合わせていきます。
共通テストの数学は「時間内に」「正確に」解ききる力が要求されます。また問題文や条件解説が長く、読解力が必要な問題も増えてきました。時間を意識し、要点を押さえて解き進められるよう練習してみてください。
共通テストの過去問はまだ数年分しかストックがないため、予想問題集やセンター試験の過去問を使うのもおすすめです。
理系大学受験生向け・数学のやり直し学習のコツ
ほとんどの理系大学受験生は、2次試験・大学個別試験でも数学を使います。国立大学なら記述式問題が、私立大学は見たことがないタイプの問題が出されることを踏まえても、基本をしっかり押さえ発展的な問題に対応できる力をつけることが大切です。
理系大学受験生向けの数学のやり直し学習のコツを解説します。
足を引っ張っている単元を見つけよう
数学の得点が伸び悩んでいる単元を見つけましょう。「模試で毎回得点できない単元」「出題されると気分が滅入る単元」などが該当します。
理系受験生は共通テストで数学I・AとII・Bを、2次試験・個別試験で数学IIIを使います。マーク模試(共通テスト模試)では数学II・Bまでしか範囲にならないため、記述模試の成績表もチェックしてください。
チャート式(青色)でサクッと復習しよう
理系受験生の数学やり直し学習におすすめなのは、青色のチャート式です。
『チャート式基礎からの数学III』(数研出版)
青チャートは教科書レベルの基本問題から、入試レベルの発展問題までを収録しています。理系の受験生がかならずマスターしておきたい問題ばかりが並んでいるため、これ1冊で入試対策まで万全です。
またすべての例題は、アプリで解説動画を視聴できます。書籍の解説だけではわからない問題だけ動画を見るといった使い方もできるため、時間を効率良く使えます。
参考:解説動画アプリ「数研Library」
2次試験対策を学習の中心に据えよう
理系受験生の場合、やり直し学習を進めるあいだも2次試験・個別試験が最終目標だということを忘れないでください。
共通テストと2次試験・個別試験のあいだには、大きな壁があります。
◎ 共通テストと2次試験・個別試験の壁
- 問題の難度
- 出題範囲
- 解答にかかる時間
- 必要な理解度、習熟度
いずれも共通テストを2次試験・個別試験が上回ります。
記述式の対策を基本に据え、共通テスト対策は直前に「合わせる」ようにしましょう。
数学のやり直し学習におすすめの教材・サービス
数学のやり直しが必要だと感じる頃には、わからない・苦手な単元がいくつも積み重なってしまっているのではないでしょうか。
限られた時間で効率良くやり直しを完了させるには、自分に合った解説やわかりやすい授業を利用するのが近道です。
数学のやり直しに利用したいサービスを、4つ紹介します。
映像授業
映像授業は、有名講師のわかりやすい解説を見て学べる点がメリットです。1回の授業動画は5分~15分程度と短時間にまとまっているものが多く、スマートフォンで空き時間にサクッと視聴できます。
レベル別・目的別に数多くの授業がストックされているため、必要な単元だけ抜粋してみるといった使い方もできます。
ただし、基本的に質問は受け付けていません。授業でわからない点があった場合は自力で解決するか、オプションの質問・相談サービスを利用することになります。
また利用の前には、最新の内容に更新されているかもチェックしてください。大手資本が配信する映像授業は常に更新されているため心配ありませんが、一部には数年前に録画した授業をそのまま配信しているケースも見られます。
講義形式の参考書
講義形式の参考書は、読者の思考の流れに沿って解説がまとめられています。間違えやすい要点や補足情報などをいつでも確認しやすく、自分のペースに合わせて利用できる点がメリットです。
数学を全体的に網羅した参考書のほか、テーマを絞って深く解説する参考書もあります。以下は数学に必須の「計算」に焦点を絞った参考書です。
『合格る計算 数学I・A・II・B』(文英堂)
書店にはさまざまなタイプの参考書が並んでいます。実際に手に取り中身を見て、使いやすそうな1冊を選んでみてください。
タブレット学習
専用タブレットに収録されたオリジナル教材を使って学習を進めるタブレット教材も便利です。タブレットに搭載されたAIが「苦手分野を自動的に反復」「復習が必要な問題を自動編成」など、人の力では見極めが難しいレベルでやるべき問題を抽出してくれます。
一般入試はもちろん、推薦入試や総合型選抜、さらに数検対策ができる教材もあります。受講料が塾に通うより安価に抑えられる点も見逃せません。
またタブレット教材は、一度契約すると5教科すべてを学べます。数学だけでなく、英語や国語、理科の対策をしたい人にもおすすめです。
家庭教師
個別のペースで進めることが重要になるやり直しには、マンツーマン指導がぴったりです。家庭教師なら、どのようなペースにも・どのような目的にも柔軟に対応できます。
講師と生徒が1対1になる家庭教師は、相性が何より大切です。まずはお近くの家庭教師センターに問い合わせ、学習の目的と講師への希望を伝えましょう。体験授業をかならず受け、相性が合うかどうか確かめてから本申し込みをするようにすると失敗がありません。
もしお近くに良い講師がいない場合は、全国の講師から授業を受けられる「オンライン家庭教師」を検討してみてください。
数学のやり直しには効率的に学びやすいオンライン家庭教師がおすすめ
オンライン家庭教師とは、文字通りオンラインで指導する家庭教師です。パソコンやタブレットを介して講師と生徒を1対1で接続し、リアルタイム・双方向で授業を行います。
お互いがどこに住んでいても授業が成立するため、「近くに良い先生がいない」といった悩みは発生しません。地方にいながら首都圏の講師から授業を受ける、遠方にある志望大学の先輩から指導をうけるなども可能です。
オンライン家庭教師のメリット
オンライン家庭教師は高品質なマンツーマン授業を展開するため、一人ひとりに合った学習計画を立てることから始めます。「数学のやり直しをしたい」「受験に間に合うよう、数学の底上げをしたい」など、どのような希望にも対応可能です。
また自宅で受講するため、塾のように周りからの視線がストレスになりません。思う存分、やり直しに没頭できます。
高品質なマンツーマン授業を受けられる割に、塾よりコスパの良い受講料も人気の秘密です。
オンライン家庭教師ピースがおすすめの理由
数あるオンライン家庭教師のなかでも、中高生の数学やり直し学習には「オンライン家庭教師ピース」がおすすめです。ピースには、各分野に精通した講師が多数在籍しているからです。
「自分自身も数学が苦手で、克服した経験を持つ講師」「計画の立て方が得意な講師」など、悩みの解決に適任な講師がきっと見つかります。
ピースに在籍する3,000人以上の講師全員について、特性・個性を把握しているからこそできるマッチングです。
まずは数学の悩みをお聞かせください。解決の力添えができる講師を、ご紹介します。
オンライン家庭教師ピースへのお問合せ・体験授業申込はこちらから
まとめ
数学は、一度わからなくなるとあっという間に苦手意識が強まる教科です。単元同士の関連性が深く、積み上げ式の理解が必要な教科の性質も影響しているでしょう。
「入試までに数学の得点を安定させたい」「数学全体の底上げをしたい」場合は、思い切って数学をやり直すのも良い方法です。苦手単元を洗い出し、基本から徹底的に理解できる計画を立てましょう。
数学のやり直しには講義型の参考書やタブレット教材、映像学習など自分のペースで勉強しやすい教材が便利です。マンツーマンでその場で質問を解決できるオンライン家庭教師も、やり直しにおすすめの教育サービスの1つ。
オンライン家庭教師ピースは、どこよりも講師と生徒の相性にこだわっています。まずは体験授業で、ピースの指導力をお試しください。