登校拒否の小学生への正しい対応とは?登校拒否との違いや親がしてはいけないこと
「登校拒否の小学生にどう対応したらいいの?」
「小学生が登校拒否になる原因は?」
このような疑問を持つ親御さんもいるのではないでしょうか。
この記事では、小学生の登校拒否について徹底解説します。登校拒否と不登校の違いや、小学生が登校拒否になる原因も具体的に紹介。登校拒否の小学生への対応方法もくわしく解説します。
登校拒否の子どもにあったオンライン家庭教師も紹介しますので、登校拒否の小学生への対応について知りたい人は必見です。
目次
登校拒否の小学生は増えている?
登校拒否の小学生は増加傾向にあります。2021年10月、文部科学省が「2020年度に不登校と認定された小・中学生は19万人を超え、過去最多を記録した」と発表しました。2021年度はさらに増加し、24万人を超えています。
不登校で休んでいる子どもの中には、登校拒否も含まれていると考えられます。ここでは、登校拒否の状態と、不登校との違いについて分かりやすく解説します。
登校拒否とは
登校拒否とは、健康面で問題がないのに学校に行きたくないという理由で登校しない状態です。1990年代まで、学校に行きたくなくて休む子を指す言葉としてよく使われていました。言葉から、非行に走ったり勉強したくなくてさぼったりする子のイメージを持たれていました。
しかし、学校を休む子の中には、非行やさぼりなどで登校を拒否している子だけではありません。学校に行きたくても行けない子も含まれているため「不登校」と呼ばれるようになったのです。
登校拒否と不登校の違い
登校拒否と不登校は似ているようで違います。学校を休みがちな点は同じですが、学校へ登校したい気持ちをもっているかがポイントです。
不登校は、登校したい気持ちがあるものの、学校に行けない状態を指します。何らかのきっかけで学校へのストレスを感じるようになったことが原因です。例えば、学校に行こうとすると体の調子が悪くなったり、体が動かなくなったりします。
登校拒否は、健康面の問題がないのに登校しない状態を指します。学校に行こうと思えば登校できるはずですが、本人に行く気がないので学校を休みがちです。登校拒否の言葉どおり、学校に行くのを拒んでいる状態といえます。
小学生が登校拒否になる原因
小学生が登校拒否になる原因は、その子によってさまざまです。登校拒否の子によりよい対応をするため、主な原因を知っておきましょう。ここでは、小学生が登校拒否になる主な原因3つをくわしく解説します。
人間関係
小学生が登校拒否になる原因のひとつに、人間関係があります。集団生活の学校では、人間関係がうまくいかなくなると、学校生活すべてに影響するためです。
小学生の人間関係のトラブルで多い要因は友達付き合いです。文部科学省の調査でも不登校の主な原因として「いじめを除く友人関係の問題」と答えた小学生は6.1%でした。不登校の要因として4番目に多い結果です。
いじめのように大きな問題ではなくても、友だちとうまくいかなかったり、ささいなトラブルやケンカはあるものです。うまく解決できずにこじれてしまい、登校拒否につながると考えられます。
小学校では先生との関係性も不登校にかかわるケースも見られます。小学校では授業や生活指導のほとんどを担任が受け持つため、先生との相性も重要になると考えられます。
環境になじめない
環境になじめないのも、小学生が登校拒否になる原因です。学校の雰囲気があわない、勉強についていけないなどの理由から登校拒否になるケースがあるためです。
小学校低学年では、母親と離れると不安になる母子分離不安により、学校を休みがちになるケースが見られます。自分で登校できていたのにできなくなったり、母親の愛情を確かめるような行動が見られる場合もあります。
また、集団行動についていけなくなり登校拒否になる子もいます。集団行動の苦手な子にとって学校は疲れる場所です。適切なフォローが受けられないままだと、学校に行く気がなくなり登校拒否になってしまう可能性があります。
障害や病気がある
登校拒否の原因として、障害や病気が隠れている場合も考えられます。発達障害や精神疾患、朝起きられない起立性調節障害などが代表的です。
ADHDや自閉スペクトラム症の特性を持つ子の中には、集団生活が苦手な子がいます。音やにおいなどに敏感な子は、人が多い教室では非常に疲れてしまうことも。学習障害では、適切なフォローがないと勉強についていくのは難しい場合もあります。
思春期に多い起立性調節障害は、低血圧などを伴う自律神経の病気です。朝起きられず午前中は調子が出ない場合も多いため、登校時間に間に合わない場合も。学校に行くタイミングを逃し、休みがちになる可能性もあります。
登校拒否の小学生への対応
登校拒否の小学生には、慎重に対応するのがポイントです。子どもの様子をよく観察し、声がけや接し方を工夫すると、よい方向に向かうでしょう。ここでは、登校拒否の小学生への対応について具体的に解説します。
学校を休んでいいと伝える
登校拒否になった子どもには、学校を休んでいいと伝えましょう。休んでいるうちに原因を解決したり、気持ちをリフレッシュしたりするのが大切です。
学校に行きたくない子は、休んでいることが悪いと感じる場合もあります。登校拒否では体に問題はないので、健康なのに学校を休んでいると周りの目が気になる可能性も。今は休む時期と親子で割り切り、しっかり休んで気持ちを切り替えましょう。
好きなように過ごさせる
登校拒否になったばかりの時期は、好きなように過ごさせるのもよいでしょう。学校へのストレスから解放され、学校へ行く気力が出てくるかもしれません。
登校拒否の原因は人それぞれですが、学校へのストレスを感じている点は共通しています。学校を休むなら思い切って、好きなことをして過ごすのもひとつの方法です。ストレスが解消され気持ちが切り替わるきっかけとなるでしょう。
ただし、生活リズムの崩れには要注意です。昼夜逆転の生活になってしまうと朝起きられなくなり、登校するきっかけを失ってしまいます。好きなことをしていい時間帯や期間を子どもと約束するとよいでしょう。
勉強を再開する
登校拒否の子どもが学校に復帰できるよう、勉強を再開しておきましょう。クラスの学習進度についていけるよう勉強を進めておくと、学校への復帰がスムーズになります。
登校拒否の子どもと勉強を始めるならタイミングが重要です。「学校に戻ったときのために勉強しよう」と話し、子どもが納得した上で勉強を始めます。本人に勉強する気がないなら無理強いせず、やる気の出るタイミングを伺いましょう。
勉強をすすめるなら、子どもが家で暇そうにしていたり、学校に行きたい様子を見せたりしたときなどがよいでしょう。
学校ではない場所との接点をもつ
登校拒否の子には、学校ではない場所との接点をもつのもよい方法です。登校拒否の子は家族以外とのコミュニケーションが不足している状態です。学校以外での活動はコミュニケーションの練習にもなり、学校復帰の足掛かりとなるでしょう。
学校以外の活動として、趣味や興味のある習い事や不登校をサポートしているフリースクールなどがあります。外出していろいろな人と触れ合うのは、登校拒否の子にとってよい刺激となるでしょう。
でも、学校を休んでいる状態で外出するのは気が引ける子もいるでしょう。家から出られない子にはオンライン家庭教師がぴったりです。オンラインでマンツーマンの学習が受けられるので、お子さんに合わせた指導が可能です。
中でも不登校サポートが充実しているオンライン家庭教師ピースがおすすめです。お子さんと講師の信頼関係を第一に考え、お子さんと相性のよい講師を全国からマッチング。話の合う先生と楽しく勉強に取り組めるのが魅力です。
気になる学習面のサポートもおまかせください。ピースでは理解不足の部分がないよう、戻り学習を丁寧に行います。ポイントを押さえた指導で効率よく学習するので、基礎力アップが実感できますよ。
家庭教師の時間以外に学習できるよう、お子さんに合わせた学習計画も無料作成。自主学習の習慣を身につけられるので、学校に復帰したときにも役立ちます。学習面の不安は、直接指導する講師のほかに教務担当にも相談でき、手厚いサポートが魅力です。
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登校拒否の小学生にやってはいけないこと
登校拒否の小学生にどう接すればよいか悩む親御さんも多いでしょう。難しく考えず、お子さんと楽しい時間を過ごすよう心がければ大丈夫です。
しかし、間違った接し方は状況が悪化する恐れもあるので要注意です。ここでは、登校拒否の小学生にやってはいけないことを2つ解説します。
感情的になる
子どもの話したことや行動に対し、感情的になるのはNGです。子どもが感情をぶつけてきても、張り合わずスルーするのがポイントです。
登校拒否になると家にこもりがちになるため、親子で過ごす時間が増えます。親の愛情を試すため、わざと親を心配させる「試し行動」をする場合も考えられます。親があわてる様子を見て、気を引くための悪い行動がエスカレートする可能性も。
子どもが試し行動をしたときや感情的に接してきた場合は、冷静に話を聞きましょう。子どもの気持ちが落ち着いたら、どうしてそんなことをしたのか聞いてみてください。子どもの気持ちを受け入れた上で、してはいけないことを注意すると効果的です。
過ごし方を強要する
学校を休んでいる間の過ごし方を強要するのはやめましょう。親が「こうしてみたらいいのでは」と思っても、無理にやらせないほうが無難です。
学校に行かず好きなことをして過ごしている子どもには「勉強したら?」と一言いいたくなるものです。学校を休んで間もない場合など、まだ勉強に気持ちが向かうタイミングではない可能性も。やりたくないことを強要されると、親のいうことを聞かなくなってしまうでしょう。
学校を休んでいる間の過ごし方は、子どもが選択できるよう提案にとどめるのがポイントです。タイミングを見て、子どもと相談しながら決めていくとよいでしょう。
外部の力を借りて気長に対応を
登校拒否への対応は、外部の力を借りて長期戦で取り組みましょう。文部科学省の調査では、不登校で90日以上休んでいる児童生徒は不登校全体の約55%にのぼります。登校拒否や不登校からの回復は長くかかるものと考え、子どもの状態を受け入れましょう。
また、登校拒否の子へのサポートは外部の力を借りるのを強くおすすめします。親子で解決しようとすると視野が狭くなり、子どもの感情にふりまわされがちです。第三者が入ることで親の気持ちに余裕が生まれ、わが子を客観的に見られるようになります。
自治体の運営する教育支援センター(適応指導教室)や、NPOなどが運営するフリースクールなど、不登校支援を行っている場所はいろいろあります。学校以外の相談先も利用して、困りごとを相談してみましょう。
参照:文部科学省「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
まとめ
登校拒否は元気なのに学校に行きたくない気持ちがあり、学校を休んでいる状態です。不登校の小学生は年々増加傾向で、その中には登校拒否の子どもも含まれていると考えられます。登校拒否になる原因は、人間関係や環境になじめないなど人それぞれです。
子どもが学校を休みたいと言ったら、登校拒否なのかどうか様子をよく観察してみましょう。学校に行きたくないようなら、少し休ませて気分転換させるのも方法のひとつ。学校への復帰を考え、タイミングを見て勉強を再開するのもよいでしょう。
家庭で勉強を見るのは大変なので、プロに依頼するのがおすすめです。ご紹介したオンライン家庭教師ピースなら、不登校のお子さんへのきめ細やかなサポートが受けられます。スムーズな学校復帰を目指し、外部の手を借りながら長期戦で取り組みましょう。