医者になるにはどうすればいい?何年かかる?ステップや難易度を解説
「医者になるのは大変!」と言われていますが、医者になるためには具体的にはどのようなステップを踏む必要があるのでしょうか?
また、
- 大学はどの学部に進めばいいのか?
- 卒業して医師になるまでに何年かかるのか?
- 医者になるのはどれくらい大変なのか?
など、多くの疑問がある方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、現役医学部生の筆者が、医者になるにはどうしたらいいのかを詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
目次
医師とは
皆さんが思い浮かべる医師とは、どのような存在でしょうか?
ドラマによく出てくるような患者さんの治療をする医師は臨床医と呼ばれ、病気の治療や、リハビリテーションなどを担当します。臨床医は、病院に勤める勤務医と、自分で病院を経営する開業医に大別されます。
そして、医師は臨床医だけではないのです。
研究医という基礎医学の分野を研究する医師や、産業医という会社などで労働者の健康管理を行う医師などもいます。また、地域の住民全体の医療や、健康レベルの維持交渉のために仕組みなどを作る行政衛生医師もいます。
このように単に医師といっても、多くの仕事や分野に分かれています。
また医師は忙しいと言われていますが、実際のところどうなのでしょうか?
医師は忙しいの?
どのような医師になったとしても、皆さんのイメージ通り多忙を極めます。
臨床医は皆さんが想像されている通り、患者さんの対応に追われているため忙しいです。
研究医も、多くの場合は大学病院に所属して患者さんの治療をしながら自分の研究をするため、とても忙しいです。
また、産業医や行政衛生医師は、ほかの医師とは異なり定時で帰ることもありますが、一人でさまざまな問題に対応する必要があるため、大変な業務内容となっています。
以上のことから、医師は多岐にわたる業務内容をこなし、多忙を極めているということがわかります。
医師になるまでの道筋
ここからは、医師になるまでの道筋について、詳しく解説をしていきます。
まず医学部に入る
医師になるためには、まず医学部に入る必要があります。
ほかの職業の場合、通わなければならない学部は決まっていませんが、医師になるためには医学部に入るいることが最初の条件となります。
そもそも、医学部とはどのような学部なのでしょうか?
医学部とは
医学部は、6年制の学部です。
そのため、ほかの学部は卒業するまでに4年かかりますが、医学部は6年かかります。
学費に関しては、公立大学と私立大学によって大きく差が出ます。公立大学は、他学部の公立大学と同じ値段で通うことができます。その一方で私立大学の場合、私立理系の他学部とは金額が大きく異なり高額になります。
では、そんな医学部に入学する方法はどのようなものがあるのでしょうか?
医学部入試には大きく分けて二種類あり、一般入試と推薦入試です。
医学部の一般入試
一般入試は、学力試験と面接試験によって合否を決める試験です。
公立大学は、大学入学共通テストと大学個別の二次試験、面接試験の合計点で合否を決める大学が多いです。
私立大学の場合は、大学入学共通テストを利用する方式や、大学個別の二次試験を利用する方式など様々な方式があります。
どのような方式であっても、面接試験は行われるのが一般的です。
医学部の推薦入試
推薦入試には様々な方式があります。
主な形式は地域枠入試や学校推薦型入試、公募型推薦です。
地域枠入試は、医学部に独特の入試方式で、医師が不足している僻地医療を担う医師確保のための入試方式です。多くは出願できる人がその地方出身者のみに限られていますが、特に制限のない大学もあります。
学校推薦型入試は、主に私立大学で行われています。大学が高校に推薦枠を用意し、高校がその条件に合致する受験生を推薦する方式です。高校から推薦をもらえれば、合格の可能性はとても高い方式となっています。応募者が殺到した場合は、高校の中で選抜が行われます。
また、公募型推薦入試は、公立大学私立大学ともに行われている方式です。大学の出願要件を満たし、高校学校長の推薦が得られれば出願できます。他の推薦方式より募集人数は多めであることが多いですが、学校推薦型入試とは異なり、必ず合格できるとは限りません。
CBT/OSCEを受ける
医学部に入ることが出来たら、あとは国家試験を受けて医師になれるというわけではありません。在学中に「CBT/OSCE」というテストを受ける必要があります。
CBTとは「Computer Based Testing」の略称です。パソコンでランダムな試験問題が出題されて、大学ごとに設けられた基準点をクリアするというテストです。
OSCE(オスキー)とは、「Objective Structured Clinical Examination」の略称です。このテストでは、学生が臨床実習を行う臨床能力を身につけているかをみる実技試験です。OSCEに合格しないと、その後に行われる臨床実習をすることができません。
多くの大学では、4年生の時にCBTやOSCEのテストを受けますが、大学によってはもっと早い時期に行う大学もあります。
医学部卒業試験を受ける
CBTとOSCEを突破したら、臨床実習に入ることができます。
臨床実習が終わったら受ける、テストが医学部卒業試験です。
医学部卒業試験に合格しないと、医師国家試験を受けることができません。多くの大学の場合、6年生の10月から11月に行われます。
医師国家試験を受ける
医学部卒業試験に合格できたら、いよいよ医師国家試験を受けることができます。
医師国家試験の合格率は90%以上なので、周りの学生たちと同じくらい勉強をしていたら合格することができる試験です。
ただし、医師国家試験は一年間に一回しか行われません。そのため、合格しないと国試浪人と言って、一年間次の国家試験のために勉強しなければならなくなります。
臨床研修を行う
無事に医師国家試験に合格できたら、医師免許を得ることができます。
しかし、すぐに一人前の医師として働けるようになるわけではありません。大学卒業後2年間は、臨床研修を行う必要があります。
臨床研修では、医師としての基本的な知識・手技を習得するために、さまざまな診療科を回ります。この期間で、自分が将来進む診療科を決める人が多いです。
医師になるまでに何年かかる?
ここまでは、医師になるまでの道筋について解説してきましたが、医師になるまでには具体的に何年かかるのでしょうか?
大学で6年間
お伝えしてきたとおり、医師になるためには医学部に入ることが必要不可欠です。
しかし、医学部は旧帝大と並ぶくらい、入るのが難しい学部と言われています。そのため、学部における浪人生の割合が、他学部と比べてとても多いです。
難関入試を突破して医学部に入ることができたらまずは6年間、医学の勉強をする必要があります。
医学部の勉強は覚える内容がとても多く、テストも頻繁にあります。そのため、進級できずに留年をしてしまう人が一定数います。
以上のことから、医師になるためには最短でも6年かかります。また、多くの場合浪人や留年などを経験するため、もっと時間がかかる人がいることも事実です。
臨床研修の初期2年間
医学部を卒業することが出来たら、2年間の初期研修を受ける必要があります。
この期間に、医師としての基本的な知識や手技を学びます。初期研修では、内科や外科などさまざまな診療科を回る中で、自分が将来進みたい診療科を決める人が多いです。
後期研修から3~6年間で免許取得
初期研修が終わったら、続いて後期研修が待っています。
後期研修は、自分が決めた診療科で「専門医」を取得します。専門医資格を得ることができたら、一人前の医師として認められるのです。
多くの診療科の場合、後期研修を受けて専門医資格を取るまでには3~6年かかります。
以上のことから、医師になるまでには11~15年ほどかかることがわかります。
医師国家試験に不合格になったらどうなる?
医師国家試験は、一年間で一度しか行われないため、国家試験に合格できなかった場合は、いわゆる「国試浪人」になります。
国試浪人は現役生と比べて、国家試験の合格率が大きく下がります。つまり、一度不合格になってしまうと、どんどん国家試験に合格できる可能性が小さくなっていくということです。そのため、なるべく一発で医師国家試験に合格できるようにしましょう。
実は、医師国家試験に合格することは、それほど大変なことではありません。
どの大学でも、医師国家試験の前に卒業試験があります。その卒業試験に合格できれば、ほぼ国家試験に合格したのと同じ意味です。
また、医師国家試験は医学部入試とは異なり、みんなと協力して同じ勉強量をこなしていれば、合格することができます。
医者の適性とは
ここまでは、医師になるための道筋について解説してきましたが、そもそも医師の適性とは何でしょうか?
医学は日々進歩しているため、医療技術や医療知識はどんどん更新されています。医学の進歩においていかれないために、勉強をし続ける知的向上心が医師には必要不可欠です。
また、患者さんの治療は医師一人で行うわけではなく、コメディカルと呼ばれる看護師やそのほかの医療従事者とチームで行います。そのため、コメディカルとスムーズにコミュニケーションをとるための協調性も医師には必要不可欠です。
さらに、病気や治療に不安感を抱いている患者さんやその家族を思いやる心、日々の忙しい業務をこなせる体力も必要です。
結論としては、ただ成績がいいというだけでは医師の適性があるとは言えず、協調性や知的好奇心を持っていることが必要になります。
まずは医学部への合格を目指そう!
ここまで解説してきた通り、医師になるためにはまず医学部に入らなければなりません。
ここからは、医学部に入るためにはどうしたらいいのかについて、現役医学部生の筆者が詳しく解説していきます。
医学部受験の特徴
医学部受験は、なんといっても難易度が高いことで有名です。
偏差値が高いことはもちろんですが、倍率もとても高くなっています。2022年度の国公立大学医学部医学科の、前期日程全体の志願倍率は4.0倍です。
日本で一番難しいと言われている東京大学の倍率は、2.69倍~4.34倍となっていて、医学部受験よりも倍率が低い類が多いです。
つまり、医学部に入るためには、東大と同じくらい高い倍率を勝ち抜かなければなりません。
また、医学部は浪人生の割合が多いため、受験生のレベルがとても高いです。浪人生は現役生と比べて一年以上多く受験勉強をしていますから、現役生が対等に戦うためには、早め早めの勉強が必要不可欠になります。
以上の理由で、医学部受験は難易度が高いと言われています。
医学部の合格率
2021年度の医学部の合格率は、男性11.25%、女性9.55%ととても低いです。これは10人に1人だけが合格できるという割合です。
今回も、東京大学と比較してみましょう。東京大学の合格率は約31%となっており、3人に1人が合格できるという割合です。
つまり、東京大学よりも医学部のほうが、合格率が低いということがわかりますね。
医学部に合格するための方法
ここまでは、「医学部に合格するのはとても難しい」ということをお伝えしてきました。
では、医学部に合格するにはどうしたらいいのでしょうか?
筆者としては、塾や予備校、在宅でオンライン家庭教師に通うことをおすすめします。医学部は浪人生が多く、医学部に現役で合格するためには、先どりで勉強する必要があるということが理由です。
先どりで勉強をするのは独学でもできますが、独学ではあまり効率がよくありません。難しい内容を自分で考えながら進めていくよりも、誰かに教わりながら勉強を進めたほうがより早く、効率的に勉強を進めることができます。
医学部に現役合格するためには、浪人生と同等かそれ以上の演習をする必要があります。先どりで時間を割いてしまっては、十分な時間を演習に使うことができません。そのため、積極的に塾や予備校、在宅でのオンライン家庭教師を活用していきましょう。
オンライン家庭教師とは
「オンライン家庭教師」という言葉には、耳なじみのない方も多いのではないでしょうか?
オンライン家庭教師とは、家にいながら通常の家庭教師と同じような授業を受けられるというものです。
オンライン家庭教師のメリットは、家にいながら授業を受けられることです。学校と家の距離が離れていて塾に通う時間がない!という方でも、家にいながらプロの授業を受けることができます。
また、自分が受けたい授業だけ受けられるというのもメリットです。塾や予備校だと、カリキュラムが決まっているため、自分には必要のない科目や内容の授業も受けなければなりません。これでは、効率の良い勉強が求められる医学部受験には、あまり向いていないと言えるでしょう。
一方、オンライン家庭教師であれば、自分が今必要としている内容、科目の内容だけをスポットで受けることができます。無駄なく、効率的な勉強をするためには、オンライン家庭教師が最適です。
まとめ
この記事では、医師になるための道筋を詳しく解説してきました。
医師になるためには、医学部に入って、CBTやOSCEなどのテストに合格し、卒業試験と国家試験に合格しなければなりません。また、医師免許をもらった後も、初期研修に2年間、後期研修に3~6年間かかります。
つまり、医師になるためには、10年以上のとても長い時間がかかります。
少しでも早く医師になるためには、医学部に現役で合格することが必要不可欠です。しかし、医学部入試は難易度が高いことで有名です。
難易度が高い医学部入試を突破するには独学ではなく、塾や予備校、オンライン家庭教師などを活用して効率よく勉強をしていきましょう。応援しています!