不登校は母親が原因?相談する先や子どもへの対処法について
「不登校は母親が原因なの?」
「母親が原因で不登校になったときの対処法は?」
子どもが不登校になった場合、このような悩みを持つ人もいるのではないでしょうか。
不登校では、子どもへの接し方など母親が原因となる場合もあります。この記事では、不登校の原因や子どもが不登校になりやすい母親の特徴を徹底解説します。不登校の子どもに対する母親の対応や、不登校の悩みを相談できる場所についても説明。不登校の原因が母親にあるのではないかと悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。
不登校の原因とは
不登校の原因は、母親の対応だけとは限りません。理由はそれぞれ違い、複数の問題が重なっているケースもあります。子どもが理由を話さないのでわからない場合や、子ども自身がなぜ学校に行けないのか言い表せない場合もあるでしょう。
子どもが不登校になったとき、母親に原因がないかも含めさまざまな視点から探るのも大切です。ここでは、不登校の主な原因を具体的に解説します。
勉強のつまずき
不登校の原因には、勉強面でのつまずきが隠れているかもしれません。勉強する場の学校で、学習についていけないのは本人にとってつらいためです。
文部科学省の調査では「勉強がわからない」ことが不登校のきっかけと答えた小学生は22%、中学生は27.6%でした。学習内容が難しくなる中学生の方が、割合が高くなっていることがわかります。
中学校や高校などで進学校に入学した子の中には、勉強の進みが早すぎて落ちこぼれてしまう可能性も。勉強についていけないと学校に行く気力がなくなり、不登校になってしまうのです。
友人関係がうまくいかない
友人関係がうまくいかない場合も、不登校の原因のひとつです。学校は集団生活なので、友達付き合いの悪化は日常生活に支障が出るためです。
文部科学省の調査では、いじめも含む友達関係が不登校のきっかけと答えた割合が小学校では46.9%、中学校では51.1%と高い結果でした。中学生の方が友人関係に悩み不登校になった割合が高くなっています。
中学校になると、課外活動や部活動などで違う学年の人との人間関係も広がっていきます。コミュニケーションが活発になる反面、友人関係でのトラブルを抱えやすいといえるでしょう。
また、友達との直接的なトラブルがなくても、劣等感から友達を避けるケースも考えられます。周りがみんな優秀に見えて、友達関係がぎくしゃくしてしまい、不登校になってしまう子もいるでしょう。
先生との関係
先生との関係性が原因で不登校になる可能性があります。文部科学省の調査では、不登校のきっかけが「先生のこと」と回答した小学生が9.7%と、友達関係に次いで高い割合でした。中学校では27.5%と、先生との関係が不登校につながるのは明らかです。
具体的には「先生と合わなかった」「先生が怖かった」「体罰があった」などが不登校の理由に挙げられています。学校では先生と学習する時間が長いため、相性が悪いと学校に行けなくなってしまうのです。
学校の雰囲気
中学校以上になると、学校の雰囲気になじめず不登校になる可能性があります。校則や行事などが自分に合わず、学校の居心地が悪くなってしまうためです。
文部科学省の調査では制服や学校の決まりなどの問題で不登校になった生徒が7.8%と、小学校のときより高くなっています。特に進学や進級後、学校の雰囲気になじめず不登校になるケースが多いと考えられます。
新しい環境になじめない
新しい環境になじめないことも、不登校の原因になります。環境の変化に対応できず、学校に行けなくなってしまうためです。文部科学省の調査でも「入学、進級、転校して学校や学級に合わなかった」と答えた中学生は10%でした。
中学校や高校に入学するとき、今までとは違った環境に戸惑う場合もあるでしょう。友達がいない環境だったり、家から離れた学校で登下校の時間が変わったりすると、うまく適応できないかもしれません。入学時と同様に、転校やクラス替えなどがきっかけで不登校になってしまうケースも見られます。
部活動や課外活動がうまくいかない
部活動や課外活動がうまくいかず、不登校になる場合も考えられます。文部科学省の調査でも、部活動の問題がきっかけで不登校になった中学生は13.3%でした。
部活動の悩みには、同じ部活の友達とうまくいかなかったケースが見られます。チームで目標に向かう部活動では、良好な人間関係が大切です。友達とうまくいかなくなれば、競技が好きでも部活に行きにくくなってしまうでしょう。
ほかには、競技に関する悩みもあります。部活動では結果を残すため仲間と競争しなければなりません。試合に出たいと思ってもメンバーに選ばれないこともあり、ショックで不登校になる可能性もあるでしょう。
進路の悩み
不登校になる原因として、進路の悩みを抱えている場合もあります。中学校や高校では進路について考える機会が増えるためと考えられます。
文部科学省が高校を対象に行った調査では、進路に関わる不安で不登校になった生徒が2194人でした。不登校全体の4.3%で、割合は少ないものの進路の悩みで学校に行けなくなる生徒がいるとわかります。
参照:文部科学省「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
健康面の悩み
健康面の悩みも、不登校になる原因のひとつです。文部科学省の調査でも、身体の不調が不登校のきっかけと答えた生徒は、小学校で26.5%、中学校で32.6%でした。
学校に行こうとするとおなかが痛くなったことなどが理由で、休みがちになるケースが目立ちます。午前中に調子が悪く学校に登校できない場合は、思春期に多い起立性調節障害の可能性もあるかもしれません。
また、検査しても身体に異常がない場合は、心の不調が体調に出ている可能性もあるでしょう。いずれにせよ、心身の不調は不登校のきっかけにつながりやすいのです。
遊びや非行
年齢が上がってくると、遊びや非行が原因で不登校になる場合もあります。文部科学省が高校生を対象に行った調査では、生活リズムの乱れや遊び、非行が要因の不登校は4.9%にのぼりました。
好きなことをして過ごすと生活リズムが崩れてしまい、学校に登校できなくなってしまうためと考えられます。
母親・父親など家族との関わり
母親や父親など、家族との関わりが原因で、不登校になるケースもあります。文部科学省の調査では、不登校の原因が親のことと答えた小学生は6.7%、中学生で8.9%でした。
母親や父親などとうまくいっていなければ、子どもの悩みは深まるばかりです。心身のリラックスができない家庭環境では、学校に行く気力も奪ってしまうでしょう。
また、家族の世話や家事で忙しく学校に行けない生徒も少数ながら存在します。体調不良の母親の代わりに家事をしているなど、不登校の裏には家族のケアを行うヤングケアラーの問題が隠れている場合もあるのです。
母親が原因?子どもが不登校になりやすい母親の特徴
親子といえども別の人格なので、子どもとの相性があります。母親の接し方により子どもが不登校になる可能性もあるため注意しましょう。ここでは、子どもが不登校になりやすい母親の特徴について解説します。
過保護・過干渉
過保護や過干渉も、子どもが不登校になる母親のNG行為です。子どもの自主性が育たないどころか、自由にしたい子どもから反発されてしまいます。
母親は子どものことが心配で、つい口うるさくなってしまうものです。失敗しないよう先回りしてフォローしすぎてしまうと、自分で考えて行動できない子になる可能性があります。学校では自分で課題を解決する学習が多く行われており、考えることができない子は学習面でも遅れをとってしまいます。
また、思春期など自分で考えて行動したい時期に干渉しすぎると、子どもから反発されてしまいます。よく育てたいと過保護にした結果、自由を求めて非行に走る可能性あるでしょう。
教育熱心
教育熱心な母親も、子どもを不登校にしてしまうかもしれません。母親と子どもの気持ちにギャップが生まれ、親の言うことを聞かなくなってしまうためです。
母親なら、子どもにはよりよい学校に行き、よい職業に就いてほしいと願うでしょう。しかし、子どもにも教科の不得意や将来の夢があります。教育熱心なあまり子どもの意見を無視して勉強させると、反発されたり無気力になったりすることもあるのです。
叱らない
叱らない子育てを実践していると、子どもが不登校になるかもしれません。ルールを守らない子どもになり、集団生活からはみ出してしまう可能性があります。
子どもは社会経験が少なく、友達関係などで間違った行動をすることがあります。何がいけないのか、親として叱って教える場面もあるでしょう。叱らない子育てを勘違いし、人に迷惑をかける場面でも叱らないのでは、子どもが集団行動になじめません。
勘違いした叱らない子育てで、子どもがルールを逸脱すると、学校での居場所がなくなってしまうでしょう。結果、学校に行きたくなくなり不登校につながるのです。
外面がいい
外面がいい母親のもとで育った子どもは、不登校になる可能性があります。家の中と外での態度が違いすぎると、子どもが親に不信感を持つためです。
外では愛想のよい母親が家ではそっけない態度だと、子どもは「どうして私にはやさしくしてくれないんだろう」と疑問に思うでしょう。自分に愛情が向けられていない気持ちになり不安が募るかもしれません。自分に自信がない子に育ち、不登校になる可能性があるのです。
無関心
無関心な母親に育てられたことがきっかけで、不登校になる子どもがいるかもしれません。子どもは母親に見てほしい、褒めてほしいとアピールするものです。「よくできたね」と褒めてあげれば、子どもも満足し自己肯定感が育ちます。
しかし、無関心な母親のもとでは、アピールしても声をかけられないので不安な気持ちになるでしょう。母親に支えられている安心感も持てず、自信をもって行動できなくなります。学校でちょっとした壁にあたったとき、崩れてしまう可能性があるのです。
感情的
感情を前面に出す母親では、子どもが不登校になる可能性があります。母親の気分で子どもをしかる対応では、子どもの気持ちが不安定になります。母親の顔色をうかがうくせがつき、集団行動でも自分の気持ちを言えなくなってしまうでしょう。
本心を出せなくなった子どもは、自然とストレスが溜まります。限界になったとき学校に行けなくなり、不登校になる恐れがあるのです。
母親はどのように対応すればいい?
子どもが不登校になったとき、母親はどのように対処すればよいか迷うでしょう。ここでは、不登校の子どもに対する母親の対応方法について具体的に解説します。
原因を特定しようとしない
不登校になったばかりの時期は特に、学校に行けなくなった原因を特定しようとしないほうが無難です。子どもの精神状態が不安定な時期に問いただしても、はっきりとした理由にたどりつけないかもしれません。
不登校の原因が自分でもよくわからない場合もあります。文部科学省の調査でも「きっかけが何か自分でもよくわからない」と答えた小学生が25.5%、中学生では22.9%でした。自分で話せるようになるまでは見守ったほうが回復につながるでしょう。
子どもの話を聞く
不登校になった子どもの話をよく聞くよう心がけましょう。少しずつでも話してくれるよう、親が話を受け入れる姿勢を取るのは大切なことです。
不登校になったばかりでは、何も話したくないかもしれません。時間がたって落ち着いたとき、何かのきっかけで子どもから話してくる場合もあるでしょう。タイミングを逃さぬよう、子どものサインを察知して話を聞くことが大切です。
子どもが安心できる空間をつくる
傷ついた心身の回復に役立つよう、不登校の子どもが安心できる空間づくりをしましょう。どんな空間が安心できるのかは子どもによって違うので、様子を見ていろいろ試してみてください。
例えば、不登校になったばかりで休息が必要なら、学校の予定表を見えないところにしまうと気持ちの焦りが減るかもしれません。肌触りのよいクッションなど、気持ちが落ち着くグッズを置くのもおすすめです。
母親の人生も楽しむ
子どもが不登校でも、母親が自分の人生を楽しむことを忘れないでください。不登校の悩みで母親まで沈んでいては、家庭内が暗くなってしまいます。子どものことは不安ですが、時間の経過により子どもが自分で回復に向かう可能性も。子どもの力を信じて、母親の人生も大切にしてください。
不登校の子どもを見ながらできる趣味として、ガーデニングがおすすめです。庭に出て一人になる時間は貴重ですし、手をかけた分だけ育つので達成感がありますよ。
自分を責めない
子どもが不登校になったことで、自分を責めたりしないでください。子どもの不登校は母親が原因とは限りません。
子どもが不登校になると、そばで見ている母親も気持ちが落ち込むでしょう。母親が自分を責めて暗い顔でいては、子どもが「自分のせいで迷惑をかけている」と罪悪感を持ってしまいます。
難しいかもしれませんが、不登校の不安があっても、子どもの前では普通にふるまうよう心がけましょう。家族が明るい態度でいると、子どもの心の回復にもつながるでしょう。
母親だけで抱え込まない
子どもの不登校の悩みを、母親だけで抱え込まないようにしましょう。専門機関など、第三者に相談するのが解決への近道です。
不登校の子どもが抱える問題を、家庭だけで解決するのは難しいです。学校での出来事が原因なら学校との連携が必要ですし、身体の病気が原因なら治療を受けなければなりません。自治体の子育て支援窓口など、子どもの状態に合わせた相談先を見つけましょう。
不登校の子どもの学習面を相談するなら、オンライン家庭教師ピースがおすすめです。オンライン専業で10年以上の実績を持ち、オンライン授業のノウハウが豊富。実際に会わずに授業が受けられるので、不登校のお子さんでも負担なく授業を受けられます。
ピースの不登校サポートではお子さんが自信をとりもどすため、信頼関係・戻り学習・集中できる環境の3つに力をいれています。相性のよい講師をマッチングし信頼関係を作ったうえで、学校で勉強できなかった単元を基礎からしっかり学習。お子さんにあった学習計画の作成や、教務担当による学習面の相談などで、集中できる学習環境をサポートします。
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不登校について相談できる先はいろいろある
不登校について相談できる先はいろいろあります。不安なことを吐き出したり、対応方法を質問したりできるので、母親の心の安定にも役立つでしょう。ここでは、不登校を相談できる先について、代表的な5つを紹介します。
学校・スクールカウンセラー
子どもが不登校になったとき、すぐ相談できるのは学校やスクールカウンセラーです。学業不振や友人関係などの調整を行ってもらい、不登校の原因を解決できるかもしれません。
不登校になった原因がわからない場合、担任の先生に聞くと推測できる場合もあるでしょう。学業不振や友人関係など、学校のフォローを受けて環境を整えるとよいでしょう。
スクールカウンセラーには、親子に分かれて相談するのも可能です。子どもは親には言いにくいことを相談でき、親も子どもに聞かれたくないことを相談できます。
医療機関
心身の病気が疑われる場合は、医療機関を利用するのもひとつの手段です。不登校の原因には、思春期に多い起立性調節障害などの病気が隠れている場合もあります。集団行動への不適応や勉強についていけないなどの場合は、発達障害や知的障害があるかもしれません。病院では検査で診断可能なので、かかりつけの小児科に相談して合う病院を紹介してもらうとスムーズです。
地域の支援センター
自治体の教育支援センターでも、不登校の悩み相談を行っています。小中学校の不登校生徒が通える施設で、不登校の子に居場所を提供しています。教員免許や臨床心理士免許を持つスタッフが在籍しており、悩み相談や教科指導も可能です。
電話相談
自治体によっては、電話窓で不登校の悩みを相談できる場合があります。子ども用の相談ダイヤルはもちろん、親が子育てについて相談できる窓口もあります。電話だけではなく、SNSで相談を受け付けている窓口もあるので、利用しやすいところに相談してみましょう。
塾や家庭教師
不登校の学習面の不安なら、理解のある塾や家庭教師、オンライン家庭教師に依頼するのもよい方法です。学校以外に、気になる学習面を相談できる場所があると子どもも話しやすいでしょう。
不登校のお子さんなら、先ほどもご紹介した家庭教師ピースがぴったりです。講師や教務担当に学習面の相談ができるので、不安を解決しながら基礎から学び直せます。学校に復帰する際の自信にもつながりますので、まずは無料体験授業をお試しください。
母親が原因とは限らない!自分を責めずに第三者に相談を
不登校の原因は、勉強の遅れや人間関係、家庭の問題などさまざまです。いろいろな問題が複合している場合も多く、母親だけが原因とは限りません。どうか自分を責めないでください。
子どもが不登校になったら、ひとりで抱えずに周囲や第三者に相談しましょう。悩みの内容により分散して相談するのがおすすめです。
例えば、オンライン家庭教師で学習面の基礎を身につけ、教育支援センターで学校復帰に向けた生活リズムを整えるといった利用がよいでしょう。第三者の見守りで子どもも安心感を持つことができ、復帰への足掛かりとなるでしょう。
まとめ
不登校の原因は友達関係や学業不振などさまざまあり、母親だけが原因ではありません。しかし、母親の過保護や感情的な言動、子どもへの無関心などが原因で不登校になってしまう可能性も。記事を参考に、心当たりのある行動をしていたら見直しましょう。
すでに不登校になってしまった子どもには、話しやすい態度で接し安心できる環境作りをしましょう。回復のきざしが見られたら、第三者に相談しながら学校復帰への道を探るとよいでしょう。
学校にいっていなかった間の学習は、オンライン家庭教師ピースに依頼して、しっかり基礎を固めるのがおすすめです。不登校のお子さんに合った学習指導と、充実した相談体制で、お子さんをしっかりサポートします。無料体験授業をぜひお試しください。