現役東大生がおすすめする絶対使える大学受験化学の参考書・問題集10選
皆さんは自分に合った化学の参考書・問題集を見つけることができていますか。受験科目では、物理、化学、生物、地学の中でもっとも選択する人が多いのが化学です。そのため市販の参考書・問題集の数も多く、より多種多様な選択肢があります。
一方、種類が多すぎるあまりどれを選んだらいいのかわからない、あれもこれもやりたい、といったような悩みを抱える受験生も少なくないでしょう。今回はこのような受験生に向けて、おすすめの化学の参考書・問題集をレベル別・分野別に分けて紹介していきたいと思います。
目次
化学の参考書・問題集の正しい選び方
これから私や私の周りの東大生からおすすめされた参考書・問題集を紹介していきますが、その前に化学の参考書・問題集の正しい選び方についてお話したいと思います。まず初めに自分の今の学習到達度に合わせて、公式や考え方を理解するためのインプット型の参考書が必要なのか、定石を学んだり演習量を確保したりするためのアウトプット型の問題集が必要であるかなどを明確にすることが重要です。
また、参考書や問題集は、書店に実際に赴いて中身を見ながら選ぶことをおすすめします。レイアウトや解説の形式によっては自分に合わないことが往々にしてあります。また、実際に良さげだと思った問題集でもAmazonなど実際に使用した人からの評価を見ると不評である場合もあります。レビューや評価は、ある程度の指標として参考になりますが難しい側面を持つことも忘れてはなりません。
それでは、レベル別におすすめの参考書・問題集を紹介していきます。
【初心者向けレベル】おすすめの大学受験化学の参考書・問題集
ここでいう初心者とは学校で習ったがあまり分からなかったという人や先取りで勉強したいという人を指します。
岡野の化学が初歩からしっかり身につく
はじめに紹介するのは技術評論社が出版している岡野の化学が初歩からしっかり身につく、という参考書です。この参考書は理論化学①、無機化学+有機化学①、理論化学②+有機化学②の三冊に分かれており、それぞれの分野で教科書レベルの内容を分かりやすく解説しており共通テストレベルまでの範囲をカバーしています。構成としてはそれぞれに設けられているテーマごとに説明文と簡単な演習問題がついています。教科書の説明をさらにかみ砕いた内容になっているので化学が苦手な人には最適といえるでしょう。
基礎レベル】おすすめの大学受験化学の参考書・問題集
続いては基礎レベルの参考書・問題集を紹介します。
化学入門問題精講
まず紹介するのは旺文社が出版している化学入門問題精講です。この本は学校の教科書と実際の大学入試の間にあるギャップを埋めるための問題集で、中堅レベルの大学で出題率の高い基本問題を丁寧に解説しています。旺文社の問題精講シリーズ全てに通して言えることですが問題と解答解説が見開き1ページで書き尽くされているため大変読みやすくなっています。入門レベルの問題集なので授業と並行して行うことで効率よく基礎を身につけることが出来ると思います。
【中堅レベル】おすすめの大学受験化学の参考書・問題集
続いては中堅レベルの参考書・問題集を紹介します。
化学重要問題集
まず紹介するのは数研出版が出している化学重要問題集です。構成としては、分野ごとにA問題、B問題と難易度別に問題が並べられていて、別冊で解答解説がついています。問題には必ずやっておくべき問題や発展的な問題などがマーク付けされているため演習するうえで効率よくこなすことが出来ます。この問題集は解説よりも量を重視しているため解説はやや簡素と言われるので分からない部分があれば適宜友達や先生に聞くようにしましょう。
化学の新研究
続いて紹介するのは三省堂が出版している化学の新研究になります。この参考書は分厚い辞書のようなもので、教科書の内容をさらに詳細に教科書よりも受験勉強目線で扱った一冊になります。手早く効率よく暗記したいという受験生よりは化学の理屈をしっかり理解して身に付けたいという受験生に合う参考書だと思います。
かなり分厚いので最初から最後まで順番に読んでいくのは骨が折れます。ですので、この本の使い方としては少し理解が足りない分野や深く勉強したい部分が出てきたらその都度読む辞書のような使い方が良いと思います。
【難関~超難関レベル】おすすめの大学受験化学の参考書・問題集
つづいては難関~超難関レベルの参考書・問題集です。旧帝・早慶以上の大学を目指していく人はやっておきたいところです。
化学の新演習
まず紹介するのは三省堂が出版している化学の新演習です。この本は重要問題集と同じで演習型の問題集なのですが重要問題集に比べると問題の量が多く、扱われている問題の幅が広くより難易度の高い問題が含まれています。
東大・京大・医学部を目指す受験生に特におすすめの一冊です。難易度を表す指標として各問題に星印が記されているので演習する際には今の自分の学力に沿って進めていくことが出来ます。中でも星が三つ付いている問題は難易度が高くこれらの問題がしっかり解けるようになれば受験化学の問題で躓くことはほとんどなくなることでしょう。
またこの問題集は先ほど紹介した化学の新研究の姉妹本なので化学の新研究を参照しながら進めていくことをおすすめします。
新理系の化学問題100選
続いて紹介するのは駿台文庫が出版している新理系の化学問題100選です。この問題集は受験化学の問題集としては最高峰のレベルであり、名前の通り100題の化学の問題と+αで論述などの問題が収録されています。
左側に問題、右側に解説という基本構成になっていて解説はかなり丁寧といった印象です。しかし扱っている問題が非常に難しいということもあり解説もそれだけレベルが高いので購入を検討している方は一度店頭で中身を見て自分で解き進められそうか確認してみることをおすすめします。
【分野別】おすすめの大学受験化学の参考書・問題集
さてここからは分野別に対策をしたいという人に向けてそれぞれの分野のおすすめ問題集を紹介したいと思います。
理論化学
まずは理論化学のおすすめ参考書・問題集を紹介します。
鎌田の理論化学の講義
ここで紹介するのは旺文社が出版している鎌田の理論化学の講義です。この本は参考書兼問題集の役割を担っており、理論分野の各単元の重要事項を網羅した解説と演習問題もついています。レベルとしては基礎の部分から説明されているものの入試でも役立つ内容ややや難しめの問題が掲載されており、基本的にだれが読んでも得られるものがあるのではないかと思います。
無機化学
続いて無機化学のおすすめ参考書・問題集を紹介します。
福間の無機化学の講義
ここで紹介するのは旺文社が出版している福間の無機化学という本です。この本は先ほど紹介した鎌田の理論化学の講義と同系列の大学受験Doシリーズのものなので基本的な構成は同じです。
受験生の中には無機化学は単なる暗記であると思っている方が少なくありませんし実際に暗記する量は他の分野に比べると多いのですが、知識と知識を関連付けて体系的に理解することで暗記の効率は格段に向上します。この本は化学反応を原理から解説するなど、効率的に覚えるための工夫が随所にちりばめられているため無機化学の参考書としてはかなり完成度が高いと思われます。
有機化学
最後に有機化学のおすすめ参考書・問題集を紹介します。
鎌田の有機化学の講義
まず紹介するのは旺文社が出版している鎌田の有機化学の講義です。これも先ほどと同じく大学受験Doシリーズの参考書となります。教科書に出てくる基本的な有機反応の反応機構について詳しくそして分かりやすく解説されています。
先の二冊と同様どのレベルの受験生にもおすすめできる参考書ですが一つだけ注意点を挙げるとすれば大学入試で頻出の構造決定に関する問題に関してはあまり取り扱われていないので自分の志望する大学で構造決定が出るならば別の問題集で対策をすることが必要かと思います。
有機化学演習
最後に紹介するのは駿台文庫が出版している有機化学演習です。構成としては第1章に有機化学の基本的な知識が載っていて、第2章では具体的な例題と練習問題が載っています。
第1章は解説というよりも要点整理的な側面が強いため、まだ知識面での不安がある場合は別の参考書で知識を補った方が良いと思います。先ほど鎌田の有機化学の講義に構造決定の問題が不足していると言いましたがこの問題集には構造決定の問題が多数収録されています。第2章に載っている問題は非常にバラエティに富んでおり、普通~難レベルの問題をとことん演習できるので有機を得点源としたい人はぜひ一度使用してみてください。
まとめ
今回は、化学のおすすめ参考書・問題集を紹介するということで10冊の参考書・問題集について解説してきました。初めからすべてをやろうと思えば時間が足りなくなってしまうので今の自分にどんな参考書・問題集が必要なのかをしっかりと見極めて選ぶようにしましょう。この記事が皆さんの参考書・問題集選びの一助になれれば幸いです。
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