高校入試で推薦をもらうにはどうすれば良い?条件や推薦向きの生徒像を解説
推薦で高校入試を考えている受験生やその親御さんの中には、「どうすれば推薦をもらえるのか」「推薦をもらいやすいタイプはいるのか」といった点が気になる方も多いでしょう。
全員が受けるわけではない推薦入試は、経験者の情報も少なく、知りたいことがわからないもどかしさもあるかもしれません。
この記事では、高校の推薦入試について「推薦をもらうにはどうすれば良いか」という点に注目して解説しました。推薦入試が向いている生徒、反対に不向きな生徒タイプも解説します。
最後まで読み、推薦で高校に合格するヒントにしてください。
目次
高校入試における推薦入試の種類
はじめに、高校入試ではどのような推薦入試制度があるのか確認しましょう。公立高校と私立高校でも、制度が異なります。
公立高校
公立高校の推薦入試は、「求める生徒像」に合致すれば誰でも出願可能な『自己推薦』が主流です。「求める生徒像」は高校ごとに定められ、意欲や入学後の重点取り組みポイント、資質などが記載されています。
公立高校の推薦入試で学校長の推薦書が必要かどうかは、自治体(教育委員会)ごとに決まります。また推薦入試の試験は5教科の学力検査(2月下旬~3月上旬)に先立ち、1月下旬~2月中旬に行われます。基本的に合格したら入学が必須です。
一部の自治体では、公立高校の推薦入試を実施していません。
私立高校
私立高校の推薦入試は、スポーツや文化活動、英語、学力など、さまざまな観点から募集されます。多くの学校で中学校長の推薦書が必要です。また調査書の評定平均や部活動の実績など、推薦基準も設けられます。
私立高校の推薦入試には「単願推薦」「併願推薦」があります。単願推薦はその学校を第一志望とする生徒が対象で、他の高校と併願はできません。併願推薦とは他の高校とも併願できる推薦制度です。一般的に、単願推薦の方が推薦基準が厳しくなりますが、合格率も高くなります。
私立高校の推薦入試は12月~1月に実施されます。
高校入試で中学から推薦書を出してもらえる条件
中学校長の推薦書が必要な推薦入試を受ける場合、気になるのは「どのような条件を満たせば推薦してもらえるのか」ではないでしょうか。
中学から高校に推薦されるために必要な条件を3つ解説します。
高校の出願基準を満たしていること
高校の推薦入試要項で出願基準が定められている場合、その基準を漏らさず満たすことは最低条件です。
高校の推薦基準で多いのは、「調査書の評定平均」「欠席日数」「特別活動の実績」です。
調査書の評定平均 | 「平均3.5以上」などと定められる。5教科、もしくは9教科に「1」がないことを条件とする高校もある。 |
欠席日数 | 「年間の欠席日数が7日以下」など。中1から中3までが対象の高校が多い。 |
特別活動の実績 | スポーツ推薦では大会の出場実績などが定められる。「都道府県大会でベスト8以上」「全国大会への出場」など。 |
調査書の評定平均は自分ではわかりにくいため、担任の先生に問い合わせましょう。
調査書の評定平均が十分高いこと
出願基準に調査書の評定平均規定がない場合でも、評定が高い生徒の方が推薦を受けやすくなります。推薦入試とは文字通り「中学から高校に生徒を推薦する制度」のため、優秀な生徒ほど優先されやすいからです。
調査書の評定平均は、5教科で計算する場合と9教科で計算する場合とがあります。また何年生の成績を評価するかも、学校によって異なります。詳しくは担任の先生、あるいは進路指導の先生に聞いてみてください。
欠席日数が多くないこと
欠席日数が多い生徒は、推薦を受けにくいと言われます。もともと高校入試には、欠席日数の多い生徒は「別に審議する」、つまり一般の生徒とは分けて合否を判定する決まりがあります。欠席日数が多いと不登校の心配もあるためです。
推薦入試でも、欠席日数が少ない生徒の方が推薦を受けやすい点は押さえておきましょう。
高校への推薦をもらいやすい生徒とは
推薦基準や欠席日数、評定平均など定量的な観点以外にも、推薦を受けやすい生徒・受けにくい生徒はタイプが分かれます。
まず推薦をもらいやすい生徒像を、3つのポイントから解説します。
内申書が良い生徒
内申書には調査書の評定以外に、生徒の学習姿勢や意欲、取り組み内容などが記録されます。内申書の評価が相対的に高い生徒の方が、推薦をもらいやすい傾向があります。
また推薦入試では、内申書が配点のかなりの部分を占めます。高校によっては、総合点の50%は内申書が占めるケースもあるほどです。
内申書は推薦入試でもっとも重視される要素のため、内容が良い生徒のほうが推薦を受けやすいとされます。
部活や特別活動で実績を残した生徒
部活や特別活動、課外活動などで秀でた実績を持つ生徒も、推薦をもらいやすいです。部活で上位大会に出場した実績などのほかにも、以下のような例があります。
- レポートや作文の課題に主体的に取り組んだ
- コンクール・コンテストなどで入賞した
- 興味のあるテーマを自主的に研究した
- 生徒会活動や学級会活動で中心的な役割を果たした
- 地域のボランティア活動に継続的に取り組んだ
- 英検や数検を取得した
物事に意欲的に取り組める生徒
意欲があり、積極的に物事に取り組める生徒も、推薦をもらいやすいといわれます。面接や作文などクリアしないといけない課題が多い推薦入試にも、あきらめずにチャレンジできると判断されるからです。
また高校入学後も自ら課題を発見するなど、主体的な姿勢が期待されやすい点でも、推薦をもらいやすいようです。
高校への推薦がもらいにくい生徒とは
高校への推薦がもらいにくい生徒タイプにも、共通点があります。あてはまる項目があったからといって必ずしも推薦が受けられないわけではありませんが、周りより秀でる点が持てるよう努力することが大切です。
推薦がもらいにくい生徒に共通するタイプを3つ、解説します。
内申書が良くない生徒
内申書が良くない生徒は、推薦をもらいにくいといわれます。合否判定で内申書が重視されるためです。
入試の合否判定において、内申書の内容は点数化され、その他実施した試験結果とあわせ評価されます。推薦入試では内申書が配点に占める割合も大きいため、内申書が良くないと合格可能性が総じて低くなります。
内申書が良くない生徒、つまり合格の可能性が低い生徒をわざわざ推薦はしません。内申書が低い生徒が推薦をもらいにくいのは、これが理由です。
気持ちの切り替えが苦手な生徒
気持ちの切り替えが苦手な生徒も、推薦をもらいにくい傾向があります。
推薦入試は、万一の不合格時はすぐに気持ちを切り替えて一般入試に備えなければなりません。推薦入試の合格発表から一般入試の試験日までは時間がないため、落ち込んでいる暇はないのです。
すぐに目標を切り替えられない生徒は、推薦入試の結果次第では一般入試に良くない影響を与えかねません。最悪の場合、推薦入試も一般入試も不合格となってしまう可能性もあります。
打たれ弱かったり、ショックをひきずりやすい性格だったりした場合は、推薦をもらいにくいかもしれないと押さえておきましょう。
学力が十分に高い生徒
学力が十分に高い生徒も、推薦をもらいにくいといわれます。学力が高ければ一般入試でも合格できる可能性があると見なされるのが理由です。
推薦入試の中には中学校ごとに推薦できる人数の上限が定められている場合もあり、一般入試では合格が厳しい生徒に推薦枠を割り振りたい中学側の意向もあるようです。
学力が高い生徒は推薦は受けず、ギリギリまで実力と出願動向を見極め、より上の高校を狙っても良いでしょう。
高校に推薦をもらうまでの流れ
高校受験で中学から推薦をもらうまでの手順を解説します。また推薦が決まった場合に必要な書類の準備や対策もあわせて紹介します。
1. 高校の募集要項を確認する
はじめに高校の募集要項を確認しましょう。公立高校は教育委員会のホームページを、私立高校は学校の公式サイトから「受験生の方へ」という項目をチェックします。
最新の募集要項は、7月~9月ごろ公開されます。夏までは終了した入試の情報が公開されている場合が多いため、年度表記に注意してください。
2. 担任の先生に推薦の希望を伝える
志望校が推薦入試を実施すると確認できたら、担任の先生に推薦入試を希望する旨伝えましょう。不合格だった場合に一般入試はどこを受験するつもりか決まっていれば、あわせて伝えます。
3. 学校内で協議が行われる
推薦の希望が出そろうと、中学校内で推薦可能な生徒を選ぶ協議が行われます。中学校長の推薦書が不要な推薦入試では、担任の一存で決まる場合もあります。
4. 推薦の可否が決定する
協議の結果、推薦の可否が決定します。推薦がもらえると決まれば、担任の先生から連絡が入ります。もし推薦がもらえないとわかった場合は、一般入試に向けて気持ちを切り替え、対策を進めましょう。
推薦が決まったら出願書類の準備と対策を
推薦がもらえると決まったら、出願書類の準備と試験対策を始めます。書類は担任の先生からの指示に従い、期日までにそろえましょう。
一般的に、推薦入試では「志願理由書」が必要です。はじめて書く場合は、何をどのように書けば良いか迷うものです。書き方や書くべき内容の指導を受けてから書いてみてください。
書いたものは添削を受け、何度か書き直して良いものを完成させます。
試験1か月前ほどからは、面接練習も始めましょう。よく聞かれる質問に対する答えを考え、ハキハキと自信を持って話せるまで模擬面接を繰り返します。
模擬面接は学校や塾の先生に相手役になってもらうと良いでしょう。性別・年代が異なる先生に相手役をしてもらうと、対応力が磨かれます。
高校の推薦入試対策にはオンライン家庭教師ピースがおすすめ
推薦での高校入試は、出願書類の準備や面接対策、作文・小論文の練習など、しなければならない準備が数多くあります。さらに推薦入試で不合格になると一般入試で受験することになるため、推薦入試の対策と並行して5教科の受験勉強も進めなければなりません。
限られた時間に多くの準備が必要な推薦入試対策には、時間を効率的に使える「オンライン家庭教師」の活用がおすすめです。中でもオンライン家庭教師ピースが推薦入試対策に向いている理由を、3つ解説します。
推薦入試対策に強い講師とマッチングできる
ピースはどのオンライン家庭教師より、必要な指導を最適に行える講師をご紹介することにこだわっています。
推薦入試に向けて、指導経験豊富な講師や面接対策が得意な講師、書類の書き方指導が抜群な講師など、個性豊かな講師陣からピッタリの1人をご紹介します。
実際に指導予定の講師の授業を体験いただき、相性を確かめてみてください。
教務スタッフと定期的に面談できる
ピースは授業を講師任せにはしません。本部の教務スタッフが、定期的に生徒・親御さんと面談を実施します。学習や受験に精通したプロに相談できる場があるため、安心して勉強に専念できると好評です。
「推薦入試対策と受験勉強を両立できる計画を立ててほしい」「面接で自信を持って答えられるコツを教えてほしい」など、いつでも気軽にご相談ください。
教務スタッフとの相談・面談も、オンラインで完結します。
いつでも授業を追加できる
「入試直前、授業回数を増やして模擬面接の練習をじっくりやってほしい」「文の課題を多めに見てほしい」、そんな希望もピースならいつでも対応できます。授業時間の延長や授業回数の追加が、いつでも可能だからです。
授業の延長・追加は講師と都度ご相談ください。講師の都合がつけば、随時対応します。推薦入試対策の授業を増やすだけではなく、5教科の受験勉強の授業の追加ももちろん可能です。
まとめ
高校入試で推薦をもらうには、「出願基準を満たしていること」が必須です。出願基準のない推薦入試の場合でも、内申書が良いこと・欠席日数が少ないこと・特筆すべき実績があることなどは、推薦をもらいやすい条件となります。
推薦で高校合格を目指す場合、まず高校の募集要項をしっかりチェックしましょう。募集要項には出願基準や試験内容のほか、合否判定方法や配点も書かれています。担任の先生に任せきりにせず、主体的に調べる姿勢が大切です。
出願書類や作文の練習は、学校や塾の先生に添削してもらい、納得いくまで書き直します。慣れるまでは大変に感じるかもしれませんが、コツコツ努力した結果は必ずあらわれます。頑張ってください。