英検®2級の合格点は何点?出題内容や合格できる対策もまとめて解説
英検2級は「実用的な英語力の証明」ともいわれ、履歴書に堂々と書ける資格です。大学によっては2級から入試での優遇措置を設ける場合もあり、取得を目指す高校生も少なくありません。
この記事では英検2級の合格点を切り口に、高校生が英検2級合格を目指すために知っておきたい情報をまとめて解説しました。出題傾向や勉強法のコツも紹介しています。
最後まで読み、英検準1級合格に大きく近づくヒントにしてください。
目次
英検®2級の合格点
英検は公式サイトで、2級の合格基準点を一次試験「1520点(満点1950点)」・二次試験「460点(満点650点)」としています。
引用:英検CSEスコア|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
ちなみに、英検2級(一次試験)の問題数は、リスニングを含めて69問です。
引用:2級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
ふむふむ、なるほど…。一次試験は全69問、満点が1950点で合格基準点が1520点ということは、合格に必要な得点率は77.9%。69問の77.9%は53.7問。 → 一次試験は69問中、54問に正解できれば突破可能だ! |
……と、考えるのは早計です。
そもそも、すべての問題が均等配点とは限りません。英検協会は問題ごとの配点を公表していないため、均等配点を前提とした得点率計算は意味がないのです。
また英検公式サイトが示す合格基準点は、英検協会が独自に算出する「CSEスコア」によって示されています。一般の試験のような「得点」ではないため、注意が必要です。
CSEスコアとは
CSEとは「Common Scale for English」の略です。ユニバーサルなスコア尺度であり、英検はCSEを各級相応に換算し、合格基準点を示しています。
CSEスコアは英語4技能それぞれの実力を客観的に評価し、総合的な英語力を示してくれます。CSEスコアを見れば自分が伸ばすべき技能や、目標までの距離が一目瞭然です。
CSEスコアと英検各級の対応は、次の図をご覧ください。
引用:英検CSEスコア|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
英検の合否は「正答数を英検CSEスコアに換算」「基準スコア到達で合格」と判定されます。一次試験で判定されるのは「リーディング・リスニング・ライティング」の3技能、二次試験は「スピーキング」です。
また合格基準スコアは変わりませんが、合格基準スコアを取るために必要な正答数は試験回ごとに変動します。これは英検独自のロジックにより、試験の難易度や受験者全体の正答率を踏まえてCSEスコアを算出するためです。
一般的に「6~7割とれれば合格できる」と言われますが、その実は蓋を開けてみないとわからないというのが事実です。
英検®2級の難易度
英検2級は履歴書に書ける実績であり、社会的な評価もある級です。英検2級の難易度について解説します。
推奨学年
英検2級は「高校卒業程度」の英語力を測る問題が出題されます。共通テストや中堅大学の入試レベルと考えて構いません。
語彙数
英検2級に必要な単語数は約5,000語といわれます。英検準2級では2,600語~3,600語程度が必要だったことを踏まえると、準2級から2級のあいだに少なくとも2,400語~1,400語を覚える必要があるということです。
ちなみに大学入学共通テストの英語に必要な単語数は4,000語~6,000語、MARCH(明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大)合格に必要な英単語数は5,000語~6,000語です。
英検2級は単語力の面でも、大学入試相応のレベルが求められます。
レベル
英検2級の出題内容は、平均的な高2生だと「少し難しい」と感じるかもしれません。出題されるテーマも一般的なアカデミックな内容に加えて、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネスなど実用的なものも含まれます。
英検2級は海外留学を希望する際の基準になることもあり、実際に使える英語力を持つ評価基準となります。また2級にはライティング(英作文)があります。限られた時間で正確に英語を運用する力も必要です。
英検®2級の出題内容
英検2級で出題される問題を見てみましょう。筆記試験(リーディング・ライティング)とリスニング試験、スピーキング力が試される二次試験の3つに分けて解説します。
筆記試験
リスニングを除く筆記試験は、全39問です。リーディングでは「短文の語句空所補充(20問)」「長文の語句空所補充(6問)」「長文の内容一致選択(12問)」「英作文(1問)」が出題されます。
短文の語句空所補充
短文中に空所があり、当てはまる語句を選択肢から選ぶ問題です。
引用:2級の過去問・対策 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会/以下同
20問の内訳は、以下のとおりです。
- 単語を問う問題 10問
- 熟語を問う問題 7問
- 文法を問う問題 3問
知識さえあれば解ける問題が多く、難問・奇問はありません。ただし出題される単語のレベルが高く、語彙力を問う問題が多くあります。
実際、英検2級では以下のレベルの単語が扱われます。
- sequence 連続
- legislation 立法
- pollution 汚染,汚れ
- quarrel 喧嘩,口論,言い争い
- replace を取り換える,を交換する
- properly 適切に
- exceptionally 例外的に,非常に
- mess 混乱,錯乱
- reach out 手を延ばす,手を差し出す
- cope with に対処する
さまざまな分野の単語にできるだけ数多く触れ、語彙力を高めておきましょう。語彙力さえあれば、短文の語句空所補充は怖くありません。
長文の語句空所補充
続く長文の語句空所補充では、以下のようなパッセージが2つ出題されます。
1つのパッセージに3問、合計6問あります。本文を読みながら空所に当てはまる選択肢を1つ、選んでください。
長文の語句空所補充を解く鍵は読解力と語彙力です。本文の意味をスピーディーかつ正確につかむために読解力が必要となり、選択肢から適切な1つを選ぶためには語彙力が欠かせないためです。
この問題を苦手とする人も多いため、長文の語句空所補充を得意にしておくと周りと差をつけやすくなります。全体のなかでも対策の優先度が高い問題です。
長文の内容一致選択
長文の内容一致選択では、パッセージが3つ出されます。それぞれのパッセージを読み、内容に合う選択肢を選ぶ問題です。3つのパッセージの内容と問題数は、次のとおりです。
- Eメール 3問
- 説明文 4問
- 説明文 5問
長文の内容一致選択は、制限時間内に本文を読み終えられるかどうかが鍵になります。さらに読むだけではなく、選択肢一つひとつも吟味しなければなりません。
選択肢そのものは素直でひっかけのないものが多いため、本文を正確に読み取る力を養成しましょう。パラグラフごとに要旨をつかむ「パラグラフリーディング」の手法を取り入れるのもおすすめです。
ライティング(英作文)
リーディングの次は、ライティング(英作文)です。実際の問題は、以下のとおりです。
問題文は日本語で書かれます。英語で与えられたトピックについて、自分の意見と理由を2つ書くよう指示されます。
語数は80~100語のため、以下の配分で書くと書きやすいでしょう。
- 自分の意見 10~15語
- 理由1つめ 25~35語
- 理由2つめ 25~35語
- まとめ 15~20語
英作文の構成や内容は、準2級に準じます。ただし書くべき語数が増える点に注意して対策しましょう。
基本的な型をつくり、さまざまなパターンで練習するのがおすすめです。
リスニング試験
英検2級の一次試験は全部で110分ですが、最後の25分間はリスニングの放送時間です。試験開始から85分後にリスニングが始まります。
リスニングは「会話の内容一致選択」「文の内容一致選択」の2題構成です。各15問、合計30問あり、放送は1回しか流れません。集中し、細部まで一度で聞き取る練習をしましょう。
また2級のリスニング試験は、実用英語を意識したビジネスシーンでの会話が多めです。高校生にはあまり馴染みがなく、聞き取りにくいと感じる場面もあるかもしれません。親御さんなどにビジネスシーンではどのようなやり取りがあるのかを聞いて背景知識を身につけておくと有利になれます。
二次試験(面接)
一次試験に合格すると、二次試験に臨みます。二次試験は、一次試験の合格発表から2~3週間後です。2~3週間で面接の準備を完了させるのは難しいと感じる人は、一次試験終了後すぐに二次試験対策を始めましょう。
二次試験は面接形式で行われ、問われる内容は以下のとおりです。
引用:2級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
試験時間は、全部で7分程度です。
まず与えられたパッセージを音読します。パッセージや質問のレベルは、英検2級一次試験に合格した人なら十分対応できる難易度です。
ただ「緊張して思うように返答できなかった」「簡単な表現でいえるはずなのに、思いつかなかった」など、後悔の声があるのも二次試験です。
模擬面接を重ね、いいたいことをスムーズに話せるようになるまで練習を重ねましょう。言いたいことをしっくり表せる表現力を身につけるには、語彙力の強化が有効です。
英検®2級に合格できる勉強法
大学入試で優遇措置が受けられる場合もある英検2級は、高校生のできるだけ早い段階で取得しておきたい試験の1つです。
学校の勉強や大学入試対策と両立しながら、英検2級対策を進めるコツを解説します。
単語・語彙
英検2級に必要とされる単語・語彙数は、約5,000語です。教科書にはあまり登場しない環境問題やデジタル、テクノロジーなど社会的な単語も扱われるため、英検2級向けの単語帳で対策しましょう。音声付きの単語帳なら、リスニング対策も兼ねられます。
単語を覚える際はスペルと意味を正確に、さらに派生語や熟語もまとめてインプットしてください。実際の試験では単語を単体で使うことはほとんどなく、前後のつながりを含めて理解する必要があるためです。
また二次試験にスピーキングがあることを踏まえると、正しく発音できる力も意識的に伸ばしていきましょう。音源を聞きリピートしたり、シャドーイングしたりすると正確な発音が身につきます。
文法対策
英検では文法を問う問題が出題されます。また「長文を正確に読み解く」「リスニングでよく聞き取れなかった箇所を推測する」ときにも、文法の力が威力を発揮します。
高校で学ぶ文法事項は、しっかり理解し使いこなせるようにしておきましょう。
とくに次の内容は、苦手とする高校生が多い分野です。「なぜそうなるのか」「どうしてそう考えるのか」を正しく理解できるよう、勉強を進めてください。
- 仮定法の応用
- 付帯状況のwith
- 高度な時制の応用
長文対策
英検2級の長文は時間内に正確に読み、設問を解ききることが大切です。速読力と語彙力が勝負ポイントとなるため、日頃から意識的にトレーニングしていきましょう。
長文対策の題材は英検2級向け問題集のほか、大学入試レベルの英文も利用できます。
また英検2級の長文は、本文に書かれている内容に沿って出題されるという特徴があります。1問目は第1段落から、2問目は第2段落から出題されるということです。
したがって設問を先に読んでから本文を読み進めると、内容が把握しやすくなります。
リスニング対策
英検2級のリスニング対策には、英検向けの音源を利用します。英単語帳に附属しているものやアプリを活用しましょう。聞き流すだけなら英語で配信されるニュースサイトや動画でも構いません。
英検2級のリスニングは、音声が一度だけ放送されます。「わからなかったから2回目にしっかり聞く」ことができないため、日頃から一度で聞き取る意識で臨みましょう。
答え合わせが終わったら、スクリプトを見て聞き取った内容が正しいか確認してください。いまいち聞き取れなかった部分も、文字を見て音と結びつけておきます。
二次試験対策
英検準1級の二次試験では、多様なトピックについて基本的な表現で円滑なコミュニケーションがとれるレベルが求められます。これまでにでたテーマ例は、以下のとおりです。
- 環境にやさしい素材
- オンライン会議
- 屋上緑化
- ペット産業
- 新しいエネルギー
- サプリメント
テーマには一定の傾向はなく、試験回ごとにバリエーション豊富に用意されます。日常的に情報収集のアンテナを張りめぐらし、いま話題のニュース内容と使われる単語を押さえるようにしましょう。
面接練習は、基本的な流れに沿って模擬面接を繰り返します。一方的にダラダラ話すのではなく、結論や理由を明確にし筋道立てて話すことを意識してください。
またアティチュード(態度)の項目では、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲が評価されます。
英検®2級で合格点を取るコツ
高校生が英検2級対策を効率良く進めるポイントは、学校の勉強や日頃の学習に英検対策を組み込むことです。時間効率良く英検2級対策に取り組む秘訣を解説します。
学校の英語学習との相乗効果を狙う
英検2級は「高校卒業程度」の英語力を測るように作られています。基本的に、高校で学ぶ英語と重なるレベルの問題が出されると考えてください。
英語の基本は、英検でも学校の授業や定期テスト対策、大学入試でも変わりません。「語彙力を強化し、文法を確認し、長文を正しく読める」の3つは、英語学習すべてに必要な力です。
ことさら英検だけを意識するのではなく、英語力の底上げを図るつもりで学校の授業に取り組みましょう。
基本的な英語力が完成していれば、英検試験直前に2級の過去問を解き傾向に合わせるだけで十分合格を狙えます。
自分に合う単語帳でコツコツ語彙を増やす
英検2級で必要な単語数5,000語は、自分が使いやすい単語帳を使って身につけましょう。英検向けの単語帳がおすすめですが、大学入試用の英単語帳でもかまいません。
英単語アプリも便利です。覚えていない単語を繰り返し出題してくれたり、自分専用のトレーニングメニューを組んでくれたりと、効率的な単語力習得をサポートしてくれます。
プロに学習計画を立ててもらう
「学校の勉強と両立できる」といわれても、実際にやるのは難しいと感じる高校生も多いかもしれません。部活や生徒会活動があれば、なおのことです。
もし自力での英検対策は難しいと感じたら、早めにプロに相談しましょう。数多くの高校生を指導してきた経験にもとづき、最適な学習計画を提案してもらえます。
英検対策を進める際に利用したい教育サービスには、以下があります。
- 個別指導塾
- 英会話教室
- 映像授業
- 家庭教師、オンライン家庭教師
効率的な英検®2級対策にはオンライン家庭教師がおすすめ
オンライン家庭教師とは、文字通り「オンラインで指導を受ける家庭教師(マンツーマン指導)」です。わざわざ塾や英会話教室に移動しなくても、自宅で受講できる点がメリットです。限られた時間を最大限に活用したい高校生におすすめです。
近くに英検指導をしている塾がない、英検指導ができる先生がいない場合でも、オンライン家庭教師が力を発揮します。講師と生徒がお互いどこに住んでいても授業できるため、かならず最適な講師が見つかります。
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まとめ
英検2級は高校卒業程度の英語力を測る試験です。大学入試対策と同程度の難易度のため、高校生が目指すのにはぴったりです。まずは語彙力、そして読解力を高めて合格を目指しましょう。
「一度しか読まれないリスニング問題」「最大100語の英作文」など、英検用の準備が必要な出題もあります。隙間時間を活かし、効率良く進められる計画を立ててみてください。
もし英検対策の計画に迷ったら、プロに相談するのがおすすめです。自宅でマンツーマン指導が受けられるオンライン家庭教師なら、忙しい高校生に合わせて柔軟にカリキュラムを組み立てられます。
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