英検®準1級の合格点は何点?出題内容や合格できる対策もまとめて解説
大学入試で加点や満点換算、試験免除などの優遇措置を受けられる場合も多い英検準1級は、高校生でも目指せる検定です。ただし、学校の勉強やテスト対策、大学入試対策との両立は簡単なことではありません。
この記事では英検の「合格点」を切り口に、高校生が英検準1級合格を目指すために知っておきたい情報をまとめて解説しました。出題傾向や勉強法のコツも紹介しています。
最後まで読み、英検準1級合格に大きく近づくヒントにしてください。
目次
英検®準1級の合格点
英検の公式サイトによると、英検準1級一次試験の「合格基準スコア」は1792となっています。
引用:英検CSEスコア|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
一次試験と二次試験を合計した満点は3000点で、4技能の配点は各750点です。
また準1級一次試験の問題数は、リーディング・ライティング・リスニング合わせて71問です。
引用:準1級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
- 「一次試験の合格基準スコア1792(満点は2250)」より、合格に必要な正答率は79.6%
- 「総問題数が71問」なので、56~57問正解すれば合格できる!
…と考えるのは早計です。
英検は「1問ごとの配点」が示されていないため、何問正解すれば合格できるかは実はわかりません。
これは英検が「CSEスコア」と呼ばれるユニバーサルなスコア尺度を元にして基準点を算出していることに起因します。
CSEスコアとは
CSE(Common Scale for English)とは2016年度から導入された、新しい点数システムです。合否だけを判定するのではなく、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能の苦手・得意が明確にわかる点が特徴です。
受検結果にはリーディング・リスニングなど、技能ごとのスコアが表示されます。あわせて「英検バンド」と呼ばれる合否ラインまでの距離も示されるようになりました。
CSEスコアと英検バンドにより、受検者は不合格だったとしても原因や伸ばすべき力を把握しやすくなります。
英検CSEスコアは、毎回の答案採点後に調整されます。毎回、結果に試験の難易度を加味し、決めているため、受検回ごとに英検CSEスコアは異なります。
事前に「設問ごとの配点」がわからず、自己採点しにくい原因といわれています。
英検®準1級の難易度
英検準1級は、実用レベルの英語力を有する証明となります。入試やビジネスの現場でも役立つ場面が増え、2級までより高い評価を得られます。
英検準1級の難易度を見てみましょう。
推奨学年
英検準1級の推奨学年は、大学中級程度とされます。難関大学の入試レベルと考えてよいでしょう。公式ホームページでは「社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる」とうたわれています。
家庭、学校、職場など身近なテーマのほか、科学や自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など幅広い内容が出題されます。英語力だけでなく、多様な一般教養が求められる点に注意しましょう。
語彙数
英検準1級に合格するためには、7,500~9,000語が必要だといわれます。
2級で必要な単語数が5,000~6,000語だったことを考えると、2級合格後にさらに約3,000語を覚える必要があるということです。
過去、英検準1級の試験では以下のような単語が出されました。
- sporadically 散発的に
- contend 争う
- decay 腐る
- reveal 明らかになる
- colonize 植民地化する
- contradict 矛盾する
- alternative 代替の
- adequate 十分な
- profitable 利益になる
出題される単語も多岐に渡ります。単語帳などを活用し、幅広いジャンルから覚えていきましょう。
その他
「大学中級程度」「難関大学の入試レベル」「ビジネスでも役立つ」といわれる英検準1級を所持していると、さまざまな場面で優遇措置を受けられます。
- 大学入試:英語の個別試験免除、満点換算、加点 など
- 大学進学:授業料の減免、奨学金優遇、資格試験受験料補助、単位認定 など
また社会人でも英検準1級取得実績は履歴書に書けるため、転職時のアピール材料にできます。
英検®準1級の出題内容
英検準1級の出題内容を詳しく解説します。実際の問題例も添えますので、傾向をしっかり把握しておきましょう。
筆記試験
一次試験の第1問はリーディング、第2問はライティングです。
リーディングは「1 短文の語句空所補充」「2 会話文の文空所補充」「3 長文の内容一致選択
」「4 英作文という4題が出されます。
1 短文の語句空所補充問題
短文の語句空所補充問題は、合計25問あります。選択肢は4つ、空所に合う語句を選ぶ問題です。
引用:準1級の過去問・対策|日本英語検定協会/以下同じ
スピーディーに正解数を重ねるためには、豊かな語彙力が欠かせません。奇問や引っかけ問題も少なく、一般的なアプローチで解ける問題が中心です。
ただし、一部難度の高い単語が出題される場合があります。どうしてもわからない問題は飛ばし、別の問題に十分時間をかける戦略も大切です。
2 長文の語句空所補充
長文の語句空所補充問題は説明文・評論文を題材に6問出題されます。4つの選択肢から文脈に合う単語を選択します。
空所が複数ある英文は2つ出題されます。何についての英文なのかを推測し文意をつかみながら最適な選択肢を選べるようにしましょう。空所のやや後ろまで読むと、内容をつかみやすくなります。
3 長文の内容一致選択
長文の内容一致選択問題は、長文が3題出題されます。内容に合う選択肢を4つの中から選びマークします。
英文は何について述べているのか、また選択肢が何を問うているのかを正しくつかむ力が必要です。本文の内容が素直に選択肢にならない場合もあります。言い換え表現にも注意して、落ち着いて選んでください。
情報量が多いため、時間内で解ききるには内容理解の助けとなる背景知識も欠かせません。日頃からさまざまな英文やトピックに精通できるよう、アンテナを広く張っておきましょう。
英作文
英作文は1問で1題分の満点が与えられる、非常に重要な問題です。筆記試験の1/3のウェイトを英作文が占めていることを理解し、十分に対策して臨みましょう。
英作文問題では、与えられたトピックについて自分の意見とその理由をまとめるよう求められます。書くべき語数は120~150語程度です。トピックには社会性の高い内容が選定されます。
また回答は「序論・本論・結論」というエッセイの基本形式に沿ってまとめてください。賛成か反対かを明示し、その上で理由を書く練習を繰り返しましょう。
リスニング試験
英検準1級一次試験のリスニングは、3つのパートにわかれています。
- 会話の内容一致選択
- 文の内容一致選択
- Real-Life形式の内容一致選択
出題されるテーマは社会生活、文化、教育からビジネスまで幅広いのも特徴です。放送が1回しか流れないため、どんなにやり取りが長くても1度で聞き取らないといけない点に、プレッシャーを感じる人もいます。
3つ目のパート「Real-Life形式」とは、案内放送やコマーシャル、電話での音声ガイダンスなど日常生活で耳にする機会が多い英文がテーマです。まぎらわしい情報が多く含まれるため、必要な情報を確実に聞き取るスキルが求められます。
二次試験(面接)
一次試験に合格すると、二次試験のスピーキングテストに臨みます。スピーキングテストは面接官と1対1で行います。
英検準1級の二次試験は、次の流れで進みます。
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時間は1人約8分間です。
文法的なミスなく、積極的に応答することも大切です。
パッセージや質問のレベルは、一次試験と同程度です。一次試験をパスしていれば、十分対応できるでしょう。言いたいことが口からスムーズに出るかどうかといった流暢さが課題になるかもしれません。
英検®準1級に合格できる勉強法
英検準1級に合格するための勉強法を解説します。一次試験対策・二次試験対策それぞれの押さえるべきポイントをまとめました。
一次試験対策
一次試験対策では語彙力が最重要です。9,000語の習得を目指し、英検準1級用につくられた単語帳に取り組みましょう。
単語は名詞・動詞を中心に、形容詞や副詞もまんべんなく覚えます。文法知識だけで解ける問題は少なく、語彙力が決め手となるため力は抜けません。
また社会性の高い内容が出題されることを踏まえ、日頃から英語で配信されるニュースサイトをチェックするのもおすすめです。語彙や表現と同時に、幅広いトピックに対する背景知識も習得できます。
派生語や類義語、対義語などもまとめて覚えていきましょう。
また英検準1級では、長文を時間内に読み切る力も要求されます。「文の大意を素早くつかむ」「構造を見て重要な文章を見極める」などの練習も効果的です。接続詞や5W1H(when, where, why, who, what, how)も文意をつかむヒントになります。
パラグラフリーティングの手法をマスターし、速読力を養成しましょう。
リスニングは音声が一度しか流れないため、一回で正しく聞き取れる力が重要になります。音声を聞いた後、即座に復唱する「シャドーイング」がとても有効なため、積極的に取り入れてみてください。
リスニング練習の音源には、英検の過去問や単語帳に付帯している音声サービスが役立ちます。
二次試験対策
英検準1級の二次試験では、社会性の高い話題について卒なくやりとりできるレベルが求められます。面接の流れを押さえ、自主練習や相手役を設けての模擬面接を繰り返しましょう。
英語での応対では、論理的な話し方ができているかもチェックされます。話したいことを一方的にダラダラ話すのではなく、結論や理由を明確にし筋道立てて話せるよう練習してください。
またアティチュード(態度)の項目では、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲が評価されます。
英検®準1級で合格点を取るコツ
英検準1級は、ポイントを押さえた対策が合格の秘訣です。英検準1級対策を進める上で、押さえておきたい勉強のコツを解説します。
学校の英語学習との相乗効果を狙う
高校生は学校で英語の授業がある点がメリットとなります。高校~大学入試を想定したレベルの英語学習の機会があることを、英検対策に活かしましょう。「英検のため」と視点を変えると、学校の授業もさまざまに活用できます。
◎学校の英語を英検対策に活用するアイデア
- 先生が音読する英文をシャドーイングする
- 教科書の英文で直読直解の練習をする
- さまざまなコミュニケーション英語をインプットする
- テスト勉強を利用し、文法知識を復習する
授業スタイルや苦手な分野にあわせて、工夫してみてください。
自分に合う単語帳でコツコツ語彙を増やす
英検準1級対策では「いかに語彙を増やせるか」が勝負となります。9,000語の習得を目指し、単語帳を使って単語力を強化しましょう。
英検準1級向けの単語帳は、書店にいくとさまざまなものが見つかります。実際に見てみて「使いやすい」「やってみたい」と感じる単語帳を選定してください。単語のまとめ方や並べ方、全体の構成、音声サービスの有無、厚み、デザインなど、総合的に見て判断します。
難関大学入試向けの単語帳なら、大学入試対策とも両立できます。
プロに学習計画を立ててもらう
学校の勉強やテスト・入試対策と両立しての英検対策は、一人では難しいかもしれません。
「計画が立てられない」「勉強時間を確保できない」と悩んだときは、プロの力を借りましょう。
プロは多くの高校生を指導してきた経験から、現実的に無理がなく合格のために要点を押さえた計画を考案してくれます。
また学習を始めたあとは、進み具合をチェックし計画のメンテナンスも大切です。もし学習ペースが計画より遅れていたら、計画そのものの修正も必要になるでしょう。常にプロに相談できる環境を用意しておくことは、合格に向けて着実に学びを進めるために不可欠な要素です。
近くに良い塾や英語スクールがない場合は、オンラインでの相談もおすすめです。
効率的な英検®準1級対策にはオンライン家庭教師がおすすめ
忙しい毎日の隙間を縫って効率よく英検対策を進めたい高校生には、オンライン家庭教師がおすすめです。自宅で受講や相談ができるため、わざわざ塾に移動する時間を節約できます。英検準1級を持つ講師や、大学入試対策との両立指導が得意な講師もいるため、一度相談してみると良いでしょう。
オンライン家庭教師は、文字通り「家庭教師」です。1対1で指導するため、どのような目的にも・どのような学習ペースにも対応できます。
「学校の勉強と大学入試対策と、英検対策をすべて進めたい」「英語も勉強したいが、数学も対策したい」など、どのような悩みもご相談ください。
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まとめ
英検準1級は大学生レベルの英語力が要求されます。大学入試において優遇措置が受けられるケースも多く、高校生のうちに取得を目指すメリットは十分にあります。
ビジネスでも通用する英語力の証明となる準1級ですが、合格は容易ではありません。幅広い分野を網羅した語彙力、基本的な英文読解力をしっかり身につけ、4技能それぞれで6~7割の正答率を叩きだす実力が必要です。
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