国立医学部で入りやすいのはどの大学?合格のために必要なこととは
医学部は入るのがとても難しいと言われており、多くの医学部では共通テストのボーダーは9割となっています。
このような高いボーダーに圧倒されて、現時点で成績が足りないからと医学部受験を諦めようとしている人もいるのではないでしょうか?
しかし、諦めるのはまだ早いです。
近年の医学部入試は多様化しているので、入試科目や入試方式を自分に合ったものに工夫すれば、医学部入学のハードルは大きく下がることがあります。
今回は、そもそも医学部にはどのような入試方式・科目があるのかということから、どの大学が入りやすいかまで徹底的に解説していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
目次
そもそも入りやすい国立医学部とは?
入りやすい国立医学部の特徴を、4つご紹介します。
倍率が低い
入りやすい国立医学部の特徴としてまず挙げられるのが、倍率が低い大学です。
倍率とは、大学の募集定員に対する志願者の数を表したものです。つまり、倍率が低い大学というのは、志願者が募集定員に対して少ない大学ということです。
関東圏や旧帝大などは倍率が高くなる傾向にあり、地方大学は倍率が低くなる傾向にあります。
偏差値が低い
偏差値が低い大学も、入りやすい国立医学部の特徴です。
偏差値はわかりやすい基準ですが、国公立大学の医学部は低くても偏差値60以上は必要になってきます。
そのため、例え医学部の中で偏差値が低くても、入りやすいとは一概には言いにくいです。
一定の地域枠がある
一定の地域枠があると、同じ大学でも入学難易度が大きく変わります。
地域枠とは、過疎地域における医師の不足を補うために始まった制度です。
地域枠での入学者は、奨学金を借りる代わりに、その地域で一定期間医療に従事する必要があります。多くの場合、地域枠入試は過疎地域の生徒で、現役生と一浪生のみが応募できます。
このように受験者層が限られているため、受験者のレベルに差がないことが多いです。その一方で一般入試では、中高一貫生や多浪生など、地方の生徒に比べて受験勉強を長くやっている受験生が多いため、レベルが高くなる傾向にあります。
以上のことから、地域枠入試は入りやすい傾向にあります。
試験と自分の相性
試験と自分の相性も、医学部への入りやすさに大きく関わってきます。
一概に国公立大学の医学部といっても、共通テストと2次試験の配点が異なったり、試験科目が異なったりします。
例えば、共通テストで高得点を取れるけれど、2次試験はあまり得意ではないという人は、共通テストの配点が高い大学を志望すると合格の可能性が高まります。逆に、共通テストで失敗してしまったという人は、二次試験の配点が高い大学を志願することで、二次試験での逆転合格を狙うことができます。
また、同じ試験科目でも、大学の問題との相性によって得点が大きく変わることもあります。
大学の問題との相性については実際に2、3年ほど解いてみないとわからないものなので、自分が受ける可能性のある大学の過去問を数年分解いてみてください。例えば、英語が得意で数学が苦手な受験生の場合、英語が難しく、数学が簡単な大学を志望すると得点率が上がります。
医学部入試は1点が合否を左右するので、自分に合った問題を出す大学を探してみてください。
国立と私立の受験の特徴とは?
大学の倍率や偏差値だけでなく、受験の特徴によっても入りやすさが変わります。
国公立大学の場合
国公立大学医学部は偏差値が高い傾向にありますが、その分倍率が低いことが多いです。
国立大学は学費が低く、家計の事情にかかわらず入学しやすいため、受験者のレベルが高くなることで偏差値が高くなります。
一方で国立大学では、前期入試・後期入試で1人1つの大学しか受験できないため、志願者が安全圏の大学を狙う傾向にあることが倍率が低い要因です。
また、受験科目が多いことも倍率を低くする要因になっています。
国立大学は共通テストを受ける必要があるため、1月まで5教科7科目の勉強が不可欠です。また、二次試験でも3教科4科目(大学によっては国語も含まれるため4教科)受験する必要があります。
そのため、少ない科目で受験したい受験生は私立大学に流れ、結果的に国立大学の倍率が低くなります。
私立大学の場合
私立医学部の倍率は、国立医学部よりかなり高くなります。
なぜなら、国公立大学との併願で私立大学を受ける人が多いからです。国立大学は前期入試・後期入試で1人1校ずつしか受けられないため、浪人を避けたい学生は私立を併願します。そのため、倍率が高くなります。
また、私立大学では共通テストの結果だけで出願することができます。この入試方式だと、二次試験を受けに行く必要がなく、全国の学生が応募するため、倍率が高くなる傾向にあります。
さらに、試験科目が国立大学に比べて少ないことも要因です。
私立大学の中には、英語と数学だけ、または数学と理科だけなど、自分の得意な科目だけで受験できるため人気です。しかし、その受験方式には自分と同じ科目が得意科目の人が多く集まるため、ハイレベルな戦いになることに注意しましょう。
比較的入りやすい国立大学
ここからは、比較的入りやすい国立大学を5つご紹介します。
- 山形大学
- 高知大学
- 大分大学
- 鹿児島大学
- 筑波大学
一つずつ確認していきましょう。
山形大学
同大学は一般枠45人に対して、地域枠30人と地域枠の割合が高いです。地域枠の条件を満たす方は、ぜひ検討してみてください。
また、山形大学は受験科目にも特徴があり、国語も含めた4科目が試験科目です。
配点比率が、国語:英語:数学:理科=1:1:2:2となっているため、国語が得意な人には大きなアドバンテージとなります。
高知大学
高知大学の2021年度の倍率は3.0倍となっており、医学部の中では比較的倍率が低いです。
しかし、共通テストが必須で二次試験も3教科4科目必要となっていることに加え、共通テストと二次試験の比率がほとんど同じなので、共通テストで失敗してしまうと不利になります。
大分大学
2021年度の倍率は2.1倍と、他の大学が平均で3.7倍であることと比べると非常に低くなっています。
しかし、例年はここまで低くなることはないため、倍率だけで考えるのは注意が必要です。
鹿児島大学
偏差値が62.5と他の医学部に比べて低くなっています。
鹿児島大学のように、九州地方や東北地方の旧帝大以外の大学は比較的偏差値が低くなる可能性があるため、大学の場所に特にこだわりがないという人にはおすすめです。
筑波大学
筑波大学の一般入試では、二段階選抜が実施されています。
二段階選抜とは、倍率が一定の値を超えた場合に受験者の数を制限することです。
二段階選抜は、共通テストの成績に応じて実施されます。共通テストで高得点が取れていることが必須ですが、第一関門を突破すれば2倍の倍率で試験に臨めます。
また、配点における共通テストの占める割合が高いため、筑波大学は共通テストで高得点が取れる人におすすめです。
入りやすい国立医学部でも油断は禁物!
入りやすい国立大学の医学部をご紹介してきましたが、油断は禁物です。
ここからは、油断できないポイントについてお伝えしていきます。
受験科目が多い
国公立大学の医学部では、大学入学共通テストで5教科7科目受けることが必須になっており、二次試験との合計で合否が決まります。
そのため、例え二次試験で数学・理科・英語3科目だけ必要だとしても、共通テストをないがしろにしてしまうと、合格できる可能性が下がってしまいます。
国公立大学を目指す人は、入りやすい大学を目指すにしても、共通テストが終わるまでは満遍なく勉強をするようにしましょう。
勉強の範囲が広い
国公立大学医学部では、私立大学に比べて試験の範囲が広いです。
一部の私立大学では数2Bまでで受験できるのに対し、全ての国公立大学では数3までの履修が必要になります。また、理科も専門物理・化学・生物の中から、2科目受験することが必要になります。
このように数学、理科の範囲が広いと、応用問題の幅も広がってくるため、より多くの時間を勉強に割く必要があります。
そのため、私立大学医学部受験者に比べて勉強の範囲が広くなります。
面接や小論文対策も必要
医学部入試では、私立大学国立大学にかかわらず、面接や小論文が組み込まれています。
面接では、なぜその大学を志望するのかや、自分の長所短所などが聞かれます。大学によっては面接が入試の配点になる場合もあるので、対策が必要不可欠です。
また、小論文は、主に私立大学の入試や、国公立大学の後期試験で使うことが多いです。
大学によっては小論文と言いつつ、英語や国語的な内容の問題が出題されるため、事前にしっかりと対策をしておくことが必要です。
1点が明暗を分ける
国公立大学の医学部入試では、共通テストで5教科7科目、二次試験で3教科4科目が必須になってきます。
また、医学部入試における共通テストのボーダーは、およそ9割ととても高いです。
そのため、二次試験で使わない教科だとしても、どれか1つでも苦手科目があると合否を左右することになりかねず、1点が明暗を分けるのです。
そんな時には、オンライン家庭教師の活用がおすすめです。
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みなさんと一緒に勉強できることを楽しみにしています。
まとめ
今回は、国立医学部で入りやすいのはどの大学か、そしてその注意点や対策について解説をしてきました。
入りやすい大学は、偏差値だけではなく、試験との相性や試験方式も関係します。
医学部受験を考えているけれど、偏差値が足りなくて諦めようとしている方は、実際に試験問題を見てみたり、一般受験ではない方式を調べてみたりしてください。そうすると、思ったよりも医学部受験のハードルは高くないことに気づくはずです。
ぜひこの記事を参考にしていただき、最後まで諦めずに頑張ってみてください!