小学生も英検®を取得するべき?概要や難易度、合格できる勉強法を解説
「小学生で英検2級取得!」というニュースを目にしたり、周りの友達が「英検に受かった」という話を耳にしたりして、「うちの子も英検を受けさせるべきか」と悩む親御さんも大勢います。
しかしいざ英検受験を考えると、何級を受ければ良いのか、対策はどうすれば良いのか、早すぎないかと、わからない点が次々と出てくるのではないでしょうか。
この記事では、小学生が英検を受ける際にかならず押さえておきたいポイントを網羅し、解説しました。英検の級ごとの難易度や受験する級の見極め方、小学生におすすめの勉強法など、英検受験を検討中のご家庭必見の内容です。
ぜひ最後まで読み、今日からお子さんの英検取得に一歩を踏み出しましょう。
目次
小学生も英検®を目指すべき!その理由
1年間に英検(実用英語技能検定、英検IBA、英検Jr.の志願者数の合算)を受けた人のうち、小学生以下が占める割合は10%にも上ります。2021年度は、約46万人の小学生(未就学含む)が英検を受けました。小学生で英検に挑戦するのは珍しいことではなくなっています。
小学生だからこそ英検を目指すべき理由を、3つの視点から解説します。
中学受験で優遇される場合がある
英検は中学受験で優遇措置を受けられる場合があります。中学校が指定する級以上を取得していると合否専攻で加点が受けられたり、英語試験が免除されたりするケースがあります。
中学受験における英検の優遇措置は、のちほど詳しく解説しますので、あわせてご覧ください。
英検取得者が優遇される中学校一覧は、英検の公式ページからも検索できます。
受験・進学に「効く」!中学英検入試活用校検索
早期から本格的な英語学習ができる
英検は英語力を総合的に伸ばす学習にも向いています。理由は次の2つです。
- 試験内容が英語4技能に対応しているから
- 出題されるテーマが幅広いから
英検は筆記試験や聞き取り試験、面接などの試験があり、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングという英語4技能に対応しています。英語4技能は中学入学後はもちろん、高校・大学入試まで必要な力です。早い段階から慣れておくことは、お子さんにとって英語学習のアドバンテージとなってくれるでしょう。
また出題テーマも、家庭や学校といった身近な内容から、趣味・旅行・映画・天気・海外の文化などバリエーションが豊富なのも特徴です。英検対策を通じて、学校以上にさまざまな表現を身につけていけます。
達成感が得られる・自己肯定感が高まる
英検対策では「決めた目標に向かって、限られた時間で勉強の完成度を上げる」取り組みが必要です。目標と努力、そして結果が明確にわかる英検は、お子さんに達成感をもたらしてくれるでしょう。「自分で決めて、自分で頑張る」経験は、自己肯定感の向上にも役立ちます。
中学生のように定期テストがない小学校の6年間は、ともすると中だるみや無気力にもなりやすいといわれます。英検を目標とすることで、日々にメリハリが生まれることも期待できます。
英検®の概要
お子さんの英検受験を具体的に考える前に、英検の全体像を理解しておきましょう。最低限押さえておきたい、次の4項目を解説します。
- 級ごとの難易度
- 受験料金
- 試験日程
- 受験場所
級ごとの難易度
英検はレベル別に、5級から1級まで7つにわかれています。それぞれの難易度(受験の推奨目安)は次のとおりです。
級 | 推奨目安 | 必要単語数目安 |
---|---|---|
5級 | 中学初級程度 | 300~600語 |
4級 | 中学中級程度 | 600~1,300語 |
3級 | 中学卒業程度 | 1,300~2,100語 |
準2級 | 高校中級程度 | 2,600~3,600語 |
2級 | 高校卒業程度 | 3,800~5,100語 |
準1級 | 大学中級程度 | 7,500~9,000語 |
1級 | 大学上級程度 | 10,000~15,000語 |
(参考:各級の目安|英検 日本英語検定協会)
小学生なら、5級~3級を目指すのが良いでしょう。
5級は初めて英検を受ける人を対象にした、ごく基本的な内容が出題されます。小学生が卒業までに習得すべき英単語数の目安が600~700語である指針を踏まえても、5級はまず取得を目指したいレベルです。
小さいころから英語を習っており、英語に得意意識があるお子さんなら4級を目指しても良いでしょう。3級は中学卒業程度の実力が必要となるため、語彙力・英文法知識ともに高いレベルが求められます。
お子さんが目指すべき級の選び方は、後ほど詳しく解説します。
受験料金
英検の受験には費用がかかります。金額は受験する級によって異なり、級が上がるほど高くなります。
以下に「個人受験した場合の費用」をまとめました。学校や塾など団体で受験する場合は、団体料金が適用され、個人受験よりも割安で受けられます。
級 | 受験費用(税込) |
---|---|
5級 | 3,900円 |
4級 | 4,500円 |
3級 | 6,400円 |
準2級 | 7,900円 |
2級 | 8,400円 |
準1級 | 9,800円 |
1級 | 11,800円 |
※2022年度費用
(参考:2022年度の検定料|英検 日本英語検定協会)
試験日程
英検は1年間に3回の受験チャンスがあります。個人申込すると、全国一律の試験日に受けなければなりません。団体受験では、会場ごとに試験日が定められます。
英検は1年間に何度でもチャレンジできるため、複数の日程を受験する方も大勢います。
毎年の試験日程はおよそ以下の時期に行われています。
一次試験 | 一次試験合否発表 | 二次試験 | 二次試験合否発表 | |
---|---|---|---|---|
第1回 | 5月末~6月上旬 | 6月中旬 | 6月末~7月上旬 | 7月中旬~下旬 |
第2回 | 10月上旬 | 10月下旬 | 11月上旬 | 11月下旬~12月上旬 |
第3回 | 1月中旬 | 2月上旬 | 2月下旬~3月上旬 | 2月下旬~3月上旬 |
詳しい試験日程は英検公式サイトからご確認ください。
受験場所
個人で英検を申し込んだ場合は、全国約230都市に開設される公開会場に出向き受験します。申込時には受験地の希望は選択できますが、試験会場の指定はできません。試験会場は試験日の6日前に届く受験票に記載されています。
学校や塾などを通じて英検を申し込むと、準会場受験となります。申し込んだ学校・塾などが会場になっている場合が多いので、確認しておきましょう。
小学生の英検®、受験する級で迷ったときの対処法
英検は受験申込の際に「受ける級」を決めなくてはいけません。どの級がお子さんに合うのか、迷う親御さんも多いでしょう。
わが子を思うからこそ、「できれば不合格にはさせたくない」「かといって内容が簡単過ぎてもやる気を失くしそう」とさまざまな葛藤があるのも当然です。
この章では、お子さんに合うレベル・級を見極める方法を解説します。
お子さんの英語力を確認する
まず、もっとも易しい5級への対応力を見極めましょう。5級合格には、次の力が必要です。
- 単語が正しく読め、意味が分かる
- 名詞のほか、基本的な動詞、形容詞の語彙がある
- 日常場面での会話を理解できる
- 主語、動詞、目的語などの語順が理解できる
はじめからすべてできなくても構いません。英単語が読める、英語に興味があるお子さんなら、英検対策を通じて必要な力を伸ばしていけます。英語塾に通っている、英語の基礎が身についているお子さんなら、5級から受験してみましょう。
5級を受験して英語に対する自信をつけ、4級、3級とステップアップするのがおすすめです。
もしお子さんはもっと英語ができそうだと感じたら、4級・3級の過去問を解き、チャレンジできそうかチェックしてみてください。
英検の過去問は英検公式サイトからダウンロードできます。
英検を受験する目標を考える
目指す級に迷ったら、「なんのために英検を受験するのか」を考えてみましょう。お子さんに「英語って楽しい!」と思ってもらいたいのか、中学受験で優遇措置を受けるためなのかによっても、目指すレベルは変わります。
詳しくは後述しますが、中学受験で優遇措置を受けるには3級取得が望ましいといわれます。中学卒業程度の内容が出題される3級を小学生のうちに取得するのは、簡単ではありません。親子とも、かなりの努力が必要です。
英検受験の目的を明確にし、目的に応じたレベルを目指すという選び方も大切にしてください。
英語に対する意識・意欲を考慮する
お子さんの英語に対する意識や意欲も、目標級を決める重要な要素となります。お子さんの実力以上の級を受けさせた結果、自信をなくしたり英語を嫌いになってしまったりしては本末顚倒です。お子さんが「それなら頑張れる」「挑戦してみたい」と前向きになれる、最適な級を探す視点を持ちましょう。
また3級以上は二次試験として、英語での面接が実施されます。会話力や対応力が必要なため、緊張しやすいお子さんは委縮し実力が発揮できないこともあります。面接などが苦手なお子さんは、もっと度胸がつく中学生になってから3級を目指すといったチャレンジ方法も検討してみましょう。
小学生におすすめ!英検®対策の勉強法
小学生におすすめの英検学習方法を、3つ解説します。小学生の勉強は「とにかく楽しく」「親も一緒に」がポイントです。
お子さんの様子を確認しながら、最適な学習環境を整えてあげましょう。
楽しく学べる環境と教材を揃える
まずは楽しく取り組める環境・教材を揃えます。
環境整備は、親御さんのアイディアが活きる分野です。さまざまなアイディアで、家の中に英語を増やしてみましょう。アイディアの一例を紹介します。
- 洋楽のBGMを流す
- 子ども向け英語テレビ番組をつける
- 壁に英語のポスターを貼る
- 英語で書かれた絵本を用意する
- 「おはよう」「ごはんですよ」など簡単な挨拶を英語で交わす
英語の教材は、「お子さんが興味を持つかどうか」を基準に選びましょう。音声や動画を活用した教材や、タブレット教材はつい手にとるお子さんが多いといいます。
そのほかにも、次のアイディアも参考にしてください。
- カラフルな英語マグネットを活用する
- 好きなキャラクターの英語ドリルを用意する
- お子さんが好きなジャンルの図鑑(英語版)を置いておく
- オンライン英会話で外国人と対話する機会を作る
- 英語のアプリやゲームを活用する
英語力は、短期間では伸びません。コツコツと長く続けられる環境と教材を用意することが英検合格のファーストステップです。
親も一緒に取り組む
環境と教材を整えたら、ぜひ親御さんも一緒に取り組んでみましょう。
お子さんはもっと小さいころ、何かにつけて「見てみて!」「ママ(パパ)もいっしょにやろう!」と言ってはいませんでしたか?子どもは、親と一緒に活動するのが大好きです。親子のやり取りは子どものやる気を自然と引き出し、活動を活性化させます。
環境と教材を与えて「あとは自分で頑張ってね」と放任するのではなく、「一緒に頑張ろう!」とポジティブな姿勢を見せることが大切です。
親自身の学ぶ姿勢や好奇心は、子どもにとって最高の教材だといいます。整えた環境と教材を、ぜひ親御さんも一緒に楽しんでください。親子で英検取得を目指すのも、お子さんのやる気を後押しします。
プロの手を借りるのもおすすめ
もし親御さんが、英語や教えることが苦手だった場合はプロにサポートしてもらいましょう。英語塾や英会話スクール、塾、家庭教師など、英検取得をサポートするプロは数多くいます。
プロを頼ると、合格まで最短距離の学習計画を立ててもらえます。お子さんの実力や個性に合わせた学習方法の提案や、家庭での過ごし方のコツも聞けるでしょう。親御さんはお子さんと一緒に英語を楽しんでやる気を出させ、正しい英語はプロが効率良く教えると適度な役割分担もできます。
次の章では、小学生が英検対策を受ける塾・スクールの選び方を解説します。どうぞこのままご覧ください。
小学生の英検®対策塾の選び方
小学生が英検を目指して塾に通う場合、どのような基準で塾を選べば間違いがないでしょうか。失敗しない英検対策塾の選び方を解説します。
英検対策コースがある塾を選ぶ
通う塾は英語専門塾や英会話スクールでも、一般的な学習塾でも構いません。ただし、かならず「英検対策コース」がある塾を選びましょう。
英検対策は、学校の英語授業やテスト対策とは異なる勉強が必要となるため、学習塾の中には英検に対応していないところもあります。せっかく入っても、英検に向けた指導が受けられないともなりかねないのです。
また「英検対策は、文法を本格的に学ぶ中学生以上から」とする塾もあります。英検対策コースの有無と、対応学年を事前に確認して塾を選びましょう。
サポート内容を比較して選ぶ
英検対策コースがある塾でも、サポートの充実度はそれぞれ異なります。お子さんにはどのようなサポートが必要なのか考え、必要なサービスを提供してくれる塾を選びましょう。
英検対策コースで受けられるサポートの一例を紹介します。
- 試験直前の短期対策と通年の受講と選べるコース設定
- ネイティブ講師によるリスニング・スピーキングレッスン
- 回数無制限の英作文添削サービス
- 効率良く対策できるオリジナルカリキュラム
- 他の生徒が気にならないプライベートレッスン
- 自宅でも使える専用リスニングアプリ
- 直前期の過去問反復練習
- 苦手を重点的に克服できる集中レッスン
周りからの見られ方を気にするお子さんには、講師と1対1で勉強できるマンツーマンスタイルが向いているかもしれません。また短期間で集中的に勉強したいお子さんは、直前期の過去問演習講座を選ぶと飽きる前に対策を完成させられる可能性があります。
通塾時間と通塾方法を考慮して選ぶ
塾や英会話スクールは、カリキュラムやサービスのほかに「通塾時間」「通塾方法」も具体的に検討しましょう。以下の観点から、無理なく通えるかどうかをチェックします。
- 通塾手段
- 自力で行くか、送迎が必要か
- 送迎が必要なら親の都合は問題ないか
- 通塾時間
- 往復の移動にかかる時間
- レッスン時間
- 予習・復習の時間
学校がある期間と長期休み中とでは、お子さん・親御さんの行動パターンが変わる場合もあります。継続的に通う場合はとくに、年間を通じて無理なく通えそうか十分に検討しましょう。
通塾がいらない!オンラインという選択肢も
通塾にかかる手間や時間が不要なオンライン教育サービスが、利便性の高さから人気を集めているのはご存じでしょうか。
現在、英語塾や英会話スクール、家庭教師など、さまざまな教育サービスがオンライン化に対応しています。
塾に通う時間がない、送迎が難しい場合や、通塾時の安全性に懸念がある場合などは、オンラインで受講すると問題が解決するかもしれません。
小学生が英検を持っていると中学受験で有利になる?
「英検は中学受験で有利になる」と聞いたことがある方も多いかもしれません。実際、英検を取得していると受験で優遇措置を受けられる場合があります。
英検何級からが有利なのかも、詳しく解説します。
受験で優遇する中学もある
英検取得者に優遇措置を実施する中学校は、全国に68校あります。(※ 英検公式サイト「受験・進学に「効く」!中学英検入試活用校検索」より。2019年調査)
優遇措置の実施例は、次のとおりです。
- 取得している級に応じて加点を行う
- 英語試験を一部、あるいは全部免除する
- 英語試験を満点として判定する
取得している級が上がるほど、より有利な措置が受けられます。また優遇措置を受けるためには、英検の合格証提出が必要です。
優遇を受けるには「3級」取得が目安
何級から優遇措置を実施するかは、中学によって異なります。志望校、あるいはお近くの中学のホームページの「入試情報」をご確認ください。
5級・4級から優遇を実施する中学もありますが、有名中学・難関中学では3級・準2級を基準とするところもあります。また5級・4級と3級以上では、受けられる措置に大きな差がある場合もあります。
一般的に中学受験で有利になるためには「英検3級以上」を目安とすると良いでしょう。
小学生の英検®対策には「オンライン家庭教師ピース」がおすすめ
小学生の英検対策には、オンライン家庭教師がおすすめです。オンライン家庭教師とは自宅にいながらマンツーマンで指導してもらえる教育サービスをいいます。パソコンやタブレットを介して講師とつながるため、リスニング音声や動画教材の共有も瞬時に可能。リアルタイムで会話でき、質問や面接練習もその場で対応してもらえます。
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まとめ
小学校で英語が必修化された流れを受け、英検を目指す小学生も増え続けています。できるだけ早い時期から英語力を伸ばしてあげたいと考える親御さんが増えているのも、英検熱を後押ししているといえるでしょう。
一方で、「どのように勉強すれば合格できるのかわからない」「子どもが途中で飽きてしまう」といった悩みもよく聞かれます。まだまだ遊びたい盛りの小学生にとって、目標に向かってコツコツ努力しなければならない英検取得は、面倒に感じるのかもしれません。
小学生の英語指導はプロに任せ、親御さんはお子さんと英語を親しむという役割分担が、英検合格の秘訣です。親御さんと一緒に楽しむことでお子さんは英語が好きになり、プロの効率的な指導で英語力の伸びを実感できる、その両輪を回して英語の実力をグングン伸ばしていけます。
自宅でマンツーマンレッスンが受けられるオンライン家庭教師は、時間がない小学生にもピッタリ。ぜひ試してみてください。