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高校の推薦入試で落ちる理由は?不合格率や受かる秘訣を解説

推薦での高校入試を考えるご家庭にとって、「合格できるかどうか」は一番といって良いほど気になる点でしょう。「どのような生徒が受かるのか」「不合格になりやすいタイプはあるのか」なども、知りたいポイントではないでしょうか。

この記事では、高校の推薦入試で落ちる理由や実際の合格率・不合格率、合格に必要な条件などについて解説します。

高校への推薦入試を検討している方は必読です!
ぜひ最後まで読み、合格への道しるべとしてください。

高校推薦入試の不合格率

高校推薦入試の不合格率
「推薦入試は、ほとんど合格する」「推薦入試は、受かると決まったわけではない」と、両極端なウワサを耳にします。果たしてどちらが正しいのでしょうか。
実際の入試結果から、推薦で高校受験した場合の合格率(不合格率)を見てみましょう。

公立高校の推薦入試不合格率

公立高校の推薦入試は、「自己推薦」の形を取ります。厳しい出願基準はなく、基本的に希望すれば誰でも出願できます。5教科の学力検査によって合否が決まる一般選抜に先立って行われ、「特色選抜」「前期選抜」などの名称で呼ばれます。

また自己推薦による選抜を行っていない自治体もあります。
(詳しくはお住まいの地域の教育委員会ホームページをご覧ください。)

編集部では公立高校で行われた推薦入試の結果を調査し、合格率を算出しました。(括弧)内の数値は不合格率をあらわします。

◎ 公立高校 自己推薦の合格率(令和4年度)

  • 東京都   39.2%(60.8%)
  • 長野県   68.1%(31.9%)
  • 新潟県   92.1%(7.9%)
  • 奈良県   93.4%(6.6%)
  • 福岡県   87.2%(12.8%)

※ 教育委員会発表資料による

推薦入試の不合格率は、都道府県によって差が大きいとわかります。誰でも出願できる自己推薦だからこそ、合格できるかどうかは発表になるまでわかりません。

また上記の数値は、あくまで「推薦入試を実施した高校の平均値」です。実際は高校・学科によって倍率や合格率も変わります。

教育委員会のホームページには、過年度の入試結果が掲載されている場合があります。チェックしてみてください。

私立高校の推薦入試不合格率

私立高校はさまざまな推薦入試制度を実施しています。学校によって受験者数や倍率、合格率にも大きな差がある点が特徴です。

東京都、および千葉県の私立高校推薦入試結果を調査しました。

◎ 東京都

学校名 募集人員 受験者数 合格者数 合格率
(不合格率)
青山学院 70 245 71 28.9%
(71.1%)
慶應義塾女子 20 143 24 16.7%
(83.3%)
國學院 200 285 285 100%
(0%)
成城学園 20 35 25 71.4%
(28.6%)
明治学院 120 141 141 100%
(0%)
早稲田実業 40+α 116 49 42.2%
(57.8%)

※ 2022年度入試結果より

人気校には募集人員の数倍以上もの受験生が集まる一方、募集人員を超えた数の合格者数を出す場合もあるのが私立高校の特徴です。都市部は私立高校を志願する受験生が多く、人気校は定員を大幅超過した合格者数は出しません。

◎ 千葉県

学校名 募集人員 受験者数 合格者数 合格率
(不合格率)
市川 30 67 30 44.7%
(55.3%)
国府台女子学院(普通) 30 52 46 88.4%
(11.6%)
桜林 140 583 583 100%
(0%)
千葉日本大学第一(特進) 40 371 371 100%
(0%)

※ 2022年度入試結果より

私立高校を公立高校の併願先として利用する傾向は、東京や神奈川など大都市を離れるに従って強まります。例年、公立高校と併願する受験生が多い高校は、辞退者を見込み定員を大きく超える合格者を出します。

高校の推薦入試によくある出願基準

高校の推薦入試によくある出願基準

推薦入試は、教育委員会・各高校が定める推薦基準を満たした生徒だけが出願できます。基準を満たしているからといって合格できると決まったわけではありませんが、そもそも基準を満たしていないと出願すらできません。

推薦入試でよくある基準について、主な項目を解説します。

調査書の評定平均

調査書の評定平均は、私立高校の推薦入試で基準として使用されています。公立高校の推薦入試では、ほぼ見られません。

評定平均は「中1から中3まで」の3年間を評価対象とする場合と、「中3のみ」など学年を指定して評価する場合とがあります。また出願基準として使われる数値は平均値です。5教科、あるいは9教科の成績を平均した値が推薦基準を超えて入れば出願できます。

欠席日数

欠席日数も出願基準として頻繁に用いられる項目です。1年間、あるいは3年間の欠席日数が規定以下の場合のみ、出願できるとされます。

もともと高校入試は、欠席日数が多い生徒は別途審査を行う場合がほとんどです。欠席日数が多い生徒は不登校の傾向があるとみなされ、高校側も注視するためです。

推薦入試は、学業やスポーツなどの実績が秀でた生徒を高校に薦める入試制度のため、欠席日数が多いと推薦を受けられない可能性があります。

スポーツや文化活動の実績

スポーツ推薦や特別推薦などでは、大会の出場実績などが出願基準になる場合があります。強豪校ほど高い基準を設定することが多く、「都道府県大会でベスト8以上」「全国大会出場実績」などを基準とする高校もあります。

スポーツなどの実績は、主に私立高校の推薦入試で必要です。公立高校のスポーツ推薦は、「中学3年間、部活で努力を続けたこと」「高校入学後も同じ部活を続ける意志があること」といった程度の学校が多く見られます。

高校の推薦入試で落ちる理由

高校の推薦入試で落ちる理由

もし推薦入試で不合格になっても、落ちた理由が受験生本人や中学校に伝えられることはありません。その意味では「不合格になる理由」はわからない、が本当なのですが、しかし不合格になった受験生に共通する要素は見出せます。

過去の受験生の傾向から考える、推薦入試で不合格になりやすい生徒の特徴を解説します。

志望理由が明確ではない

志望理由は、推薦入試で最重要ともいえる要素です。「なぜその高校に行きたいと思ったのか」が明確ではない生徒や、どの高校でも使えるような一般的な理由を伝えるだけの生徒は不合格になりやすい傾向があります。「どうしてもその高校に入りたい」という熱意が高校に伝わらないからだと考えられます。

たとえば「英語が好きなので、英語に力を入れている貴校を志望しました」と志望理由を述べた場合を考えてみましょう。
一見問題がなさそうな志望理由に見えますが、しかし現在は、多くの高校が英語教育に力を入れています。この志望理由を聞いても、「英語なら、うちでなくてもB高校やC高校でも学べますよ」と高校が考え、不合格にする可能性もあります。

「英語の力を伸ばし、将来は海外留学もしてみたいと思っています。そのため、高校のあいだに短期留学制度を利用でき、海外の提携校ともオンラインで共同研究を行っている貴校で英語の力を高めたいと考えました」と言えば、その高校でなければならない理由が明確に高校に伝わります。

高校について良く調べ、その高校にしかない特徴に触れた志望理由を伝えましょう。

面接で十分に答えられない

面接は、書類だけではわからない受験生の個性を知るために行われます。そもそも推薦入試の目的が、学力検査ではわからない特性を見出すために行われるため、高校側と受験生が直接対面できる面接は、推薦入試で大切な役割を果たします。

面接で質問に答えられなければ、受験生の資質が高校に伝わらず、合格も期待できないでしょう。よく聞かれる質問や過去に先輩たちが聞かれた質問には、自分の言葉で答えられるよう練習を重ねましょう。

作文や小論文が規定を満たしていない

書き上げた作文・小論文が規定を満たしていなければ、減点となり、不合格の可能性が高まります。

作文や小論文で確認しておきたい規定には、次があります。

  • 規定文字数(8割以上は埋める)
  • 内容の呼応(与えられたテーマ・質問にきちんと呼応する)
  • 解答用紙の使い方(指示に従って使う)

規定を守った作文・小論文を書けるよう、事前に何度も練習しておきましょう。

調査書評定がライバルより低い

推薦入試では、調査書の評定も重視されます。調査書の評定が周りの受験生よりも低ければ、その時点で不利です。

周りの受験生の評定を知ることはできませんが、自分の評定をできるだけ上げるよう対策しましょう。

また出願基準をギリギリのところでクリアできる評定よりも、基準を十分上回る評定を持っていた方が合格に近づけます。

高校に推薦入試で合格する秘訣

高校に推薦入試で合格する秘訣

推薦で高校に合格するために、重点的に対策しておきたい項目は5つあります。

  • 調査書の評定平均を上げる
  • 面接練習を十分に行う
  • 出願書類や作文は丁寧に書く
  • 「専願推薦」を利用する
  • 英検など資格を取得する

この章では、推薦入試の合格可能性を高めるために、今日からできる対策を解説します。

評定平均を上げておく

調査書の評定は、公立高校・私立高校ともに重視されます。面接と同程度、あるいは面接以上の配点を割り振る高校も多く、推薦入試の合否を左右する要素です。

調査書の評定を上げる対策は、「定期テストの点数を上げる」「学習への姿勢を良くする」の2点です。日頃から学校の授業や課題には真摯に取り組み、計画的にテスト勉強をして生背を上げる努力を重ねましょう。

面接練習は十分に行う

推薦入試の面接は、長くても10分~15分です。短い時間内に十分な自己アピールをするためには、事前練習が欠かせません。

面接練習のポイントは、次の3つです。

  • よく聞かれる質問を中心に、話したい内容をまとめておく
  • 話す内容はかならず自分の言葉で整理する
  • 自信を持って話せるようになるまで模擬面接を繰り返す

模擬面接は、学校の先生や塾の先生などに相手役を依頼しましょう。また「面接マニュアル」を暗記した解答は、面接官に見抜かれます。素直な思いを自分の言葉で語るよう心がけましょう。

出願書類や作文は丁寧に書く

推薦入試では、出願書類や作文・小論文など「書く」機会が増えます。慣れないうちは書くことを億劫に感じ、手を抜きたくなるものです。しかし、書類や作文の一つひとつが、高校が受験生を判断する材料になることを忘れないでください。

読みやすい字で丁寧に、書くべき内容を明瞭に書くよう心がけます。作文や小論文は、制限時間も意識して練習しましょう。

第一志望なら「専願」で出願する(私立高校)

私立高校が第一志望で推薦入試を受ける受験生は、「専願入試」を利用しましょう。専願入試とは「その高校が第一志望の受験生」を対象に実施される推薦入試方式です。
推薦基準が厳しい場合もありますが、出願できればほぼ合格できるといわれています。

専願推薦で出願する場合、他の高校は受験できません。他の高校も受験できる推薦入試方式には「併願推薦」もあります。

推薦入試の種類について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

英検など特筆できる実績を取得しておく

高校によっては、英検や数検などの資格試験取得者に対し、加点などの優遇措置を行うケースもあります。英検等の取得実績は、一般入試においても「英語試験免除」「英語を100点換算」など優遇される場合があります。

高校入試で優遇措置を受けるためには、英検2級以上の取得を目指すと良いでしょう。

推薦で高校に合格したいならオンライン家庭教師で対策を

推薦入試で高校に合格したい場合、次の3つのポイントで十分に対策しておくことが大切です。

  • 定期テストでしっかり結果を出す
  • 面接や作文・小論文対策をする
  • 英検をはじめとした資格試験を取得する

この3つの対策を、学校や部活もある中で並行して進めるのは容易ではありません。塾に通ったとしても、週1回の授業では3つを十分に対策するのは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが「時間的な融通が利きやすく」「指導内容の柔軟性が高い」オンライン家庭教師です。

オンライン家庭教師のメリット

オンライン家庭教師とはオンラインでマンツーマン指導を行う教育サービスです。

オンラインなので、生徒も講師も自宅から授業に参加できます。「部活から塾へ、塾から家へ」という移動時間が不要になり、限られた時間の節約につながります。
浮いた時間を勉強に充てれば、小論文や英検の勉強をする時間も作りやすくなるでしょう。

またマンツーマンで指導するため、一人ひとりの目標や現状に合わせた指導が可能です。「英検対策をしたい」「テストまでに苦手を克服したい」といった要望も遠慮なく相談してみてください。

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まとめ

私立高校を専願推薦で受験しない限り、高校の推薦入試は落ちる可能性もあります。「推薦に出願できたから大丈夫!」と安心するのではなく、面接や作文・小論文など、試験当日までにできる対策に力を入れましょう。

またこれから推薦入試を狙うお子さんの場合は、調査書の評定を上げることが大切です。調査書の評定平均は推薦基準になっている場合も多く、また合否判定材料としても大きな配点を占めるからです。

5教科の受験勉強が不要で、一般入試より早く合格が決まるため「楽な受験方法」と考えられがちな推薦入試ですが、決して楽ではないことを頭に留め、できる対策を十分行って本番に臨んでください。

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