【大学受験】1週間前~当日の失敗あるある!先輩の経験を知り、盤石の準備に活かす方法
大学受験まで1週間を切ると、それまでとは気持ちの持ち方が変わることに気づきます。不安や緊張が高まり、一日中落ち着かなくなるのは、あなただけではありません。
受験の成功には、起こりがちなトラブルや失敗をできる限り想定し、対応策を知っておくことも大切。
そこで今回は、元予備校校舎長である筆者が、多くの受験生を指導する中で実際にあった事例を紹介します。
先輩たちが経験した思いがけない出来事や対処法、メンタルを維持する秘訣もまとめました。
ぜひ参考にしてください。
目次
1週間前の不安や失敗と先輩の対処法
共通テストでも個別試験でも、「1週間前」というのは、一番不安が募る時期かもしれません。
「あと1週間ある」&「もう1週間しかない」という相反する気持ちが葛藤し、勉強が手につかない、直前期にもかかわらず気が抜けてしまう……、といった受験生もたくさん見てきました。
本番1週間前、実際にあった先輩の不安や失敗例を4つご紹介します。
「勉強が間に合わないという底知れぬ不安に襲われる」
ほぼすべての受験生が陥るのが「底知れぬ不安」かもしれません。大学受験が初めての現役生に、特に顕著にあらわれます。
まだやりたい勉強が終わっていないのに、もう1週間しかない!という焦りが不安に繋がるのですね。泣き出してしまう生徒や、予備校に来なくなる先輩もいました。
こんな時は、とにかく誰かに話を聞いてもらってください。不安も、話すとスッキリすることが多いものです。
また勉強してきた教材やノートを積み上げるのもいいですよ。自分の頑張りが目に見えて分かり、「こんなに頑張ってきたんだ!」と自信を持てるようになります。
教材やノート、模試類をすべて積み上げたら、自分よりそれを見た家族が驚嘆したという生徒も。家族の「よく頑張ったんだねぇ」という言葉を聞いて、気持ちが落ち着いたという先輩もいました。
この時に自分なりの精神安定剤を見つけておくと、本番まで役に立ちますよ。
「天気予報を見て不安になる」
1月の共通テスト、2月の個別試験。どちらも真冬ということもあって、天気予報は非常に気になるところです。受験地が雪になりそうだという予報を見て、「会場に着けなかったらどうしよう」「電車が止まったらどうしよう」と不安になる……、そんな受験生もいました。
まず、天気は自分では変えられない!と、悟ることです。あなたがいくら悩んでも、天気を変える力はありません。
天気が良くなさそうな場合は、万一に備えて「前倒し準備」をしておくと安心です。受験地に前日入りする、しかも早めにつくように調整してみましょう。悪天候の場合の対応は、大学がホームページ等で公開していることもあります。
「風邪を引いてしまった」
意外といます、直前に体調を崩してしまう受験生。気を付けていただけに焦りますよね。風邪以外にもお腹がゆるくなる、寝つきが悪くなる、朝起きられなくなるといった体調不良を訴える受験生もいます。
1週間前は緊張と不安がピークになる時期。体調不良も十分起こりえると思っておきましょう。
風邪や体調不良の際は、とにかくゆっくり休むこと!受験当日までに体調を回復することを最優先にしてください。
「直前期の勉強が」と焦るかもしれませんが、受験にいけなければ、そもそも合格はないのですから。どうしても勉強が気になる場合は、布団の中で単語帳やこれまでの勉強ノートを見直すのがおすすめです。
体調不良の最中に過去問演習をするのは×!
力が発揮できなかった演習の結果を見て、かえって不安が増してしまうかもしれません。
前日の不安や失敗と先輩の対処法
いよいよ受験前日、明日は本番!というタイミングでも、先輩たちはいろいろと経験しています。
入試前日に実際にあった失敗やアクシデントと、対処法を見てみましょう。
「一人の遠出にテンションが上がってしまう」
大学入試は遠方まで試験を受けに行くことも多いですよね。初めての一人旅、初めての土地
、初めて一人で宿泊……、という受験生も必然的に多くなります。
そんな「初めて尽くし」の大学個別試験に舞い上がり、テンションが上がってしまった先輩がいました。
前日に到着し、会場の下見ついでに観光。美味しいごはんを食べて、夜はホテルで(親に何を言われることもなく)伸び伸び!
すっかり旅行気分で、前日に勉強し忘れてしまったと……。
朝になってから、勉強の最終見直しをしていないことに気づき、慌てたそうです。
結果的に、その先輩はその大学に合格はできました。
ただし、旅行気分で受けた個別日程ではなく、併願していた全学部統一日程で。朝の焦りを、試験まで引きずってしまったことが、個別試験で失敗した原因だったと言っていました。
観光を楽しむくらい、気持ちに余裕がある点は◎。ただし「受験に来ている」ことは忘れずに、やるべきことを粛々と進めましょう。
「”Googleマップがあるから”と、会場の下見に行かない」
慣れない受験会場は下見をしておくのが鉄則です。現地までの交通手段や所要時間、乗り換えの方法、混雑具合など、当日朝に焦らないよう、前日のうちに確認しておくよう指示された受験生も多いでしょう。
ある年、「億劫だから」と前日の下見をしなかった先輩がいました。万一のときは「Googleマップ」で調べれながら行けばいい、と。
度胸があるというか、何というか……。
ところが当日の朝、事故の影響で電車のダイヤは乱れ、構内も大混雑。代替路線も分からず、頼みの綱だったGoogleマップもつながりにくくなり、すっかり困ってしまったそうです。
結局、彼は何とかつかまえたタクシーで会場まで辿り着くことができたのですが、「焦るし、お金はかかるし、散々でした」と帰ってきてから苦笑いしていました。
校舎は立ち入り禁止になっていることが多いのですが、会場までは必ず下見をしておきましょう。
万一の際の代替手段も検討しておくと、さらに安心です。
「忘れ物をしてしまった」
日用品から受験票まで、忘れ物をしたという声は毎年のように聞きました。
これを読んでいるあなたは、「あんなに緊張する時に、忘れものなんてするはずがない。まして受験票は絶対に忘れないでしょう!」……、と思っていますよね。
そうなんです、忘れた先輩たちも、口を揃えていっていました。忘れ物なんてするわけがない、と思ってたと。
でも、実際にあるんです。「受験票を忘れた」という声が。
歯ブラシや洗顔料など、日用品はコンビニエンスストアなどで買えばいいのですが、受験票となると焦ります。
受験票を忘れたことに気づいたら、当日会場で申請してください。「仮受験票」「仮写真票」などを交付してもらって、試験を受けることができます。
申請と交付に時間がかかるので、できるだけ早めに会場に行くように行ってくださいね。
受験生が最低限忘れてはいけないのは、
- 受験票
- 筆記用具
- お金
- 身分証明書
この4つです。これ以外はあると便利ですが、無くても何とかなります。
持ち物は数が増えるほど、管理が大変になります。「最低限忘れてはいけないもの」だけを繰り返し確認し、他は忘れたら代用すると割り切るのも方法です。
「慣れないホテルで眠れない」
ホテルに前泊した先輩がよく言っていたのが、「寝付けなくて困った」という声でした。慣れた寝具ではないことや、明日への緊張などが眠れない要因になるようです。
また「寝なきゃ!」と焦るほど、かえって寝れなくなるという声もありました。
眠れない、と感じたときにやってはいけないのは、起きて何かを始めてしまうこと。脳や体が覚醒してしまい、ますます眠れなくなります。眠れなくても、横になって目を閉じているだけで脳と身体は休まる、と言われています。眠れなくても、ベッドでそっと目を閉じましょう。明日うまくいくことだけを考えていれば、きっといつのまにか眠りに落ちていますよ。
当日の不安や失敗、まさかのアクシデントと先輩の対処法
さあ、試験です!これまで頑張ってきた努力を、解答用紙にすべてぶつける日がやってきました!
……という肝心な日にも、何かあるのが受験というもの。
入試当日、実際に先輩たちが経験してきた失敗やアクシデントと、対処法を見てみましょう。
「大雪で交通機関が止まる」
まさに「数十年に一度」という大雪が、関東を襲った年に受験した先輩の話です。夜のうちに積もった雪で、交通機関は麻痺状態。
大学まではバスで行く予定でしたが、バス停にいた大学の係員が「バスが動かないので、ここから会場には行けません!」と、アナウンスしていたとか……!
大学関係者が「会場に行けない」と宣告してい場面を思い浮かべてください。ちょっと、ぞとしますよね。
アナウンスを聞いた先輩はとっさに時計を見て、「走れば間に合う!」と判断。雪の中、大学まで走ったそうです(彼は雪国出身、雪道に慣れていたことが奏功しました)。
前日に大学まで下見に行った際、ふと思い立って歩いて帰ってきたこともよかったと言っていました。道順と所要時間がとっさにわかったから、と。
結果、見事合格。「粘る」という言葉を、まさに実践した例ですね。
降雪が多い地域はもちろん、関東や関西でも年によって雪で交通機関が止まることがあります。不可抗力要素なので大学も特別対応することが多いのですが、対応を調べようとアクセスが殺到し、大学のホームページがダウンすることも考えられます。
万一の時でも大学まで辿り着けるように、「徒歩で行く道順」も調べておくと安心。また天候が不安な場合は、徒歩で行ける範囲内に宿泊することも大切です。
「休憩時間、周囲の会話を聞いて自信を失う」
「さっきの科目、どうだった?」「(2)の答えって、〇〇だよね?」といった、終わった試験内容に関する会話を聞いてしまい、自分はできていなかったと不安になるパターンです。休憩時間に会話できる関係性の受験生、つまり友達がいることが多い共通テストでよく起こるようですね。
自分は難しかったと感じる科目について、「さっきの問題、簡単だったね」などと話しているのを耳にすれば、心穏やかではいられないでしょう。マイナスな気持ちは、次の科目までひきずってしまいやすいのも困りものです。
周りの人に「しゃべらないで」とお願いするのは、無理な相談です。休憩時間は周りの会話が耳に入らない工夫をするのがおすすめ!
耳栓をしたり、人の少ない場所に移動したりして、不要な情報はシャットアウトしましょう。
「解放感から帰りの新幹線で寝過ごす」
試験が終わったときの解放感は、先輩曰く「半端ない!」そうです。この日のために何か月も頑張ってきたわけです、当然の気持ちですよね。
さてそんな解放感から気が緩み、帰りの新幹線で寝過ごしてしまったという先輩もいました。在来線なら反対方向の電車に乗ってすぐ戻ればいいものの、新幹線となると焦りますよね。
「家に着くまでが遠足」ではありませんが、帰り道にもアクシデントの種は潜んでいるという警告を教えてくれる例でしょう。
次の駅で降り、改札で駅員さんに相談してください。「誤乗証明」を出してもらうと、本来降りるべきだった駅まで「自由席で」戻ることができます。追加料金はかかりません。
ただし改札を出ないように注意!改札には必ず有人窓口があるので、そこで申し出てください。
これだけはNG!受験生が直前期にやってはいけないこと4つ
直前期は気持ちが不安定になり、どう過ごすべきか良く分からなくなることがあります。そんな中、やってはいけないことをやってしまう受験生も毎年ちらほら…。
本番に向けて万全を期すべき直前期に、受験生がやってはいけないことをまとめました。
急に新しい勉強を始める
直前期、特に試験1週間前は新しい問題集や勉強法に取り組むのはNGです。新しい勉強は不安を作る原因になるからです。
1週間前からは「これまでの勉強を振り返る」ことを中心に、本番に向けて知識を整理することに努めましょう。
特例として、暗記だけは量を増やしても大丈夫です。時間に余裕があったら英単語や古文単語、地歴用語などの暗記に回すようにしましょう。
急に生活リズムを変える
1週間前になって、急に生活リズムを変えるのもダメ。生活リズムというのは、何週間、名か月もかけて身体になじんでいくものです。1週間前にリズムを変えようとしても、かえってリズムを乱すだけです。
「試験本番は朝方の方がいい」と聞いたなら、少なくとも数週間前からは朝方に合わせていってください。本番1週間前は、落ち着いた生活を送るよう心がけましょう。
周りと比べて焦る
試験1週間前は不安が募る時期。また先に合格を手にした友達も出始め、いっそう焦るかもしれません。
しかし、冷たいようですが、比べたところであなたが合格できる保証はないのです。
周りは、周り。自分は、自分。
冷静さを忘れずに、自分がやるべきことだけに突き進む強さを忘れないでください。
不安から勉強を放り出す
プレッシャーや不安、辛さから「もうやだ!勉強したくない!大学受験、やめる!」と、訴える生徒が必ず出るのも、試験1週間前です。
辛い気持ちはわかりますよ。
合格できるかどうか分からない、でも勉強しないといけない、板挟みなんですよね。勉強からも受験からも、逃げ出したくなるんですよね。
勉強も受験も、辞めるのはいつでもできます。
当日の朝だって決められます。
でも、本当にそれでいいんですか?
あの大学に行きたい!と、強く思った日があったのではないですか?
冷たいようですが、泣いていても1点も上がりません。
あなたが泣いている間にも、ライバルは勉強していることを忘れないでくださいね。
本番1週間前はこれをやろう!おすすめの勉強&取り組み
緊張MAXの本番1週間前。
受験生は何をすればいいのでしょうか?
本番まで1週間を切ったら、次の5つを意識してみてください。
- 暗記に力を入れる
- これまでの勉強を復習する
- しっかり寝る
- 「自分は大丈夫」と毎日唱える
- 不安は吐き出してスッキリする
新しい問題を解くよりも、これまでの見直しと暗記に力を入れましょう。特に英単語は、当日朝までインプット可能!「当日の朝覚えた英単語が試験に出た!」という先輩もいました。
また何より大切なのは体調を万全にしておくこと。これまで睡眠時間を削って勉強してきた受験生も多いでしょうが、1週間前からは十分に寝ておいてくださいね。
最後はメンタル面のケアです。受験生は、何もしなければ不安になって当たり前です。「自分は大丈夫!」と毎日唱え、自己暗示をかけておきましょう。
不安は抱えずに、塾の先生や先輩、親などに聞いてもらってスッキリさせておきましょうね。
まとめ|不安も失敗も受験にはつきもの!落ち着いて対処すれば何とかなる
「受験あるある」として、元予備校校舎長である筆者が指導してきた先輩の経験談をまとめてきました。
受験にはトラブルやアクシデントはつきものです。
何があっても慌てず、落ち着いて対処すれば何とかなります。
困ったときは大学や駅員さんなど、それぞれの場面で最適な相手に相談すること。
大雪に見舞われた先輩も、観光気分になってしまった先輩も、ホテルで寝付けなかった先輩も、みんな合格していきました。
次はあなたの番。本番で最高のパフォーマンスが発揮できるように!応援しています。