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【私立中学受験】2科目受験のメリットとデメリット|科目別受験勉強のポイントも解説

私立中学入試は「4科目」が主流ですが、まだ小学生のお子さんが4教科の受験勉強を1年以上も続けるのは、実際なかなか大変なことです。「2科目入試」「1科目入試」という形式を見ると、受験科目を減らして勉強の負担を軽くしてあげるべきか……、と悩むこともあるのではないでしょうか。

今回は私立中学入試の受験方式や気になる「2教科入試」のメリット・デメリット、また各科目の対策をわかりやすく解説していきます。最後まで読んで、お子さんの第一志望合格に、最適な道をみつけてくださいね!

私立中学入試の概要

私立中学入試の概要

まず私立中学の入試について、全体像をおさらいしておきましょう。「入試方式」「試験日程」「試験科目」「配点」について見てみます。

入試方式

出願条件を満たす受験生が同じ試験を受ける「一般入試」が、最も募集人員が多い入試方式となっている学校が多く見られます。募集人員の8割以上が系列小学校からの内部進学者が占める、という中学もあるので注意していください。

実施している入試方式が一般入試だけという学校もあれば、一般入試以外にも「推薦入試」「奨学生入試・特待生入試」「帰国子女入試」などの枠を設けているところもあります。志望中学がどのような入試方式を用意しているかは、最新の募集要項でご確認ください。

試験日程

中学入試の試験日程は、地域ごとに特徴があります。東京・神奈川の首都圏では、多くの学校の試験日が「毎年2月1日~3日のあいだ」に集中します。受験生は第一志望と併願校の試験日程を見比べながら、受験戦略を練らないといけません。

地方都市では12月~2月に行われることが多く、日程はおよそ3パターンに分かれます。

  1. 「すべての中学校の試験日程がバラバラ」のパターン、
  2. 「一部の試験日が重なる」パターン
  3. 「すべての試験日が重なる」パターン

偏差値が近い、つまり同じくらいの入試難易度の学校は日程も重なっていることが多く、偏差値が離れる学校は試験日も異なることが多いようです。受験の併願戦略に関わることなので、試験日もよくチェックしてみてください。

試験科目

中学入試は国語・算数・理科・社会の4教科入試で行われる場合が最多です。この4教科は小学校での学習の基盤となるものであり、中学の勉強にも直結する科目だからですね。近年は「3教科入試」「2教科入試」「1教科入試」を取り入れる中学も増えてきました。それぞれの入試科目は以下のように組み合わされることが多いようです。

◎ 3科目入試

  • 国語・算数・理科
  • 国語・算数・英語
  • 国語・算数が必須、理科/社会から1科目選択
  • 国語・算数が必須、英語/理科から1科目選択

◎ 2科目入試

  • 国語・算数
  • 算数が必須、国語/英語から1科目選択

◎ 1科目入試

  • 算数

配点

科目ごとの配点は学校によって異なります。特定の科目の配点を大きくする「傾斜配点」が行われることもあります。よくある例を表にまとめました。

  国語 算数 理科 社会 合計
4科目入試 100 100 100 100 400点満点
  100 100 50 50 300点満点
  国語 算数 3科目目 合計
3科目入試 100 100 100 300点満点
  100 100 50 250点満点

また次のような特殊な合否判定を行う学校もあります。

  • 「(国語+算数)×1.25倍」したものと、「国語+算数+理科の合計点」のうち、高い方によって合否判定を行う。
  • 英検の指定級以上保持者は、指定の点数を英語の得点として担保。実際の得点と高い方を合否判定に採用。

4科目の勉強はキツそう…、2科目に絞ってもいい?

「4科目の勉強を続けるのは、しんどそう」「2科目でも受けられるなら、科目を絞ったほうが子どものためかも」、そんなご相談もよくお聞きします。
一方で、2科目に絞ってしまったら4科目入試は受けられない?という心配も残りますよね。中学受験を4科目で受けるか、2科目に絞るべきか。それぞれメリットとデメリットを見ていきましょう。

4科目入試のメリットとデメリット

4科目入試のメリットとデメリットには、次のようなものがあります。

メリット デメリット
受験できる学校の選択肢が一番多い中学入学後に活きる勉強の土台が作れる 4教科の勉強が負担になる子もいる

4科目入試のメリットは、何と言っても「選択肢が増える」ことです。4科目の受験対策をしていれば、2科目入試の学校ももちろん受験可能。また国語・算数・理科・社会という主要な4科目を深くしっかり学んでおくことは、中学の勉強に直結する基盤ができるということも意味します。

一方、少なくない小学生が「4科目の受験勉強に疲弊してしまう」というのも事実。とくに受験対策が本格化する小6進級、あるいは小6の夏前には、子どもの様子を見ていて「つらそうだから、2科目に絞るべきか」と悩む親御さんからのご相談が増える傾向にあります。

2科目入試のメリットとデメリット

続いては2科目入試のメリットとデメリットを見てみましょう。

メリット デメリット
受験勉強をする科目が少なくて済む(体力的、精神的な負担が軽い)
受験当日のスケジュールにも余裕ができる
受験できる学校の選択肢が少なくなる国語、算数が苦手だと苦戦が強いられる受験チャンスが減る場合がある

2科目入試のメリット・デメリットは、4科目入試のメリット・デメリットの裏返しです。勉強するのが2科目で良ければお子さんの負担は軽くなりますし、首都圏に多い「午前に4科目受験・午後に2科目受験」という過密スケジュールも生まれません。

一方、受験戦略を考えたときには厳しいものとなる点がデメリットと言えるでしょう。すべての私立中学が2科目入試を実施しているわけではないので、必然的に志望校・受験校の選択は少ない中から行うことになりますし、お子さんが行きたいと思う中学が4科目入試しかおこなっていなければ、あきらめざるを得ません。

また同一中学で「4科目入試」と「2科目入試」の両方を行っている場合は、「先に2科目で合格者を選出し、その後4科目で残りの合格者を選出する」という判定を行っていることがほとんどです。2科目受験では、この2回目の選出機会を逃すことになっていまいます。

さらに先にも書きましたが、2科目入試で多いのは「国語・算数」という組み合わせです。この2科目が得意なお子さんは強いのですが、国語・算数が苦手な場合は苦手教科で戦わないといけない点もデメリットと言えますね。

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2科目入試は「使い方(戦略)」を工夫するのがカギ!

4科目受験・2科目受験、それぞれのメリットとデメリットを見てきました。一長一短ありますが、やはり「4科目の対策をしつつ、有効な場面で戦略的に2科目受験を活用する」という受験方法が、最も選択の幅が広くなりおすすめです。

中学入試の日程が集中する首都圏では、「午前入試/午後入試」と1日に2回、試験を実施する学校もあります。「午後入試」では2科目受験としているところが多く、2科目入試を活用すると「午前中に1校/午後に1校」と1日に2回受験できるというわけです。

また併願校でも、2教科受験は有効に使えます。4教科の対策は第一志望校に向けて行いつつ、併願校対策は2科目だけで済むわけですから。併願校の対策にかける時間を最小に済ませられるという点も、2科目受験の活用の仕方です。

中学受験は主流である4科目受験を軸に、お子さんにとってメリットが多い場面で2科目受験を活用するようにしましょう。実際の受験が2科目だった、というのはいいのですが、はじめから科目を2つに絞ってしまうのは、戦略上もおすすめはできません。

気になる「新しい形態の入試」

ここからは2科目入試以外に増えてきた、特色ある新形態の入試について解説します。中学受験の新常識として、おさえておきましょう。

① 1教科入試

2科目を下回る1科目で受験できる中学も登場してきました。多いのは「算数1科目」です。少ない科目数で受験できるのは子どもたちにとっても負担が少なく、併願先として選ばれやすい傾向にあります。ただし多くの受験生が集まりやすいため、難易度・倍率とも高くなりやすいということは知っておきたいところです。

② 英語入試

小学校で英語が必修になったことや英語教育に対するニーズの高まりを受け、「英語が入試科目にある」という中学も目立ってきました。筆記試験科目になっている場合や、面接を英語で行うなど学校ごとに対応はさまざまです。英検取得者(4級以上が目安)には、級数に応じて加点したり優遇措置を設けたりする中学もあります。

③ 適性検査入試

「適性検査」とは、主に公立中高一貫校の入試で採用されている試験方式ですが、私立中学でも適性検査を採用する学校が増えてきています。適性検査は一般的な科目試験とは異なり、複数科目を融合させた問題や総合問題、科目横断的な内容も扱うことができるため、より思考力や柔軟な発想が問われる試験です。

志望校が適性検査を行う場合は、科目の学習とは異なる対策が必要になります。学校や塾の先生に相談してみると良いでしょう。

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4科目入試の力を伸ばす!各教科の基本的な勉強法

第一志望の合格を勝ち取るために必要な「4教科」の対策について、重点ポイントをまとめました。出題傾向や難易度は中学校によって異なりますが、ここでは中学受験共通の最重要ポイントをお伝えします。

国語は「漢字」と「読解力、記述力」がカギ!

「漢字」をはじめとした知識問題は、正しく覚え書けるようになっていれば得点できる、いわゆる「点取り問題」です。「ライバルは全員得点できている」と考え、失点を最小限におさえるよう正しく覚えることを心がけましょう。

読解は多くの中学で「説明文」と「物語文/随筆」の両方、あるいはいずれか一方が出されます。説明文は「何を主張しようとしているのか」を見極め、論理的に読み解く姿勢が大切。物語文は登場人物の心情把握を正確に行うことが大切です。異なる本文へのアプローチ法(読み方)をマスターしておきましょう。

記述式問題の練習も欠かせません。制限文字数内に解答に必要な情報を過不足なく入れ込むには、「内容を整理する力」「解答を構成する力」「正しい文章表現力」が必要です。もしお子さんが50字を超える記述問題に苦戦していたら「整理/構成/表現」の力のどれかに課題があることが多いです。解き方や考え方を見ながら、3つの力のうち不足している部分を補うよう声掛けをしてあげると良いでしょう。

算数は正確でスピーディな計算力、問題読解力も大切

算数は中学受験で合否を左右するとも言われる、最重要科目です。1科目入試の科目として最も多く選ばれるのが「算数」であることからもわかりますね。私立中学入試の算数では、小学校の学習内容を超えた難問や特殊算が出されることもあります。こうした問題は小学校の勉強だけ、あるいは独学だけでは対策が難しいため、塾や家庭教師などで専門の対策を行うことをおすすめします。

算数の基本となるのは、なんといっても「速く正確な計算力」です。お子さまの学年・レベルにあった内容から始め、応用レべルの問題まで、計算は満点を目指してください。志望校の過去問を見て、計算問題部分にかけられるおよその時間を算出しておくと、日頃の練習で計算のスピードを測る目安になります。

また文章問題が苦手なお子さんは、「問題文を読み、何を言っているか理解する」「与えられた情報の関連性を数値や数式で表現する」というプロセスが苦手な傾向があります。一緒に問題文を読みながら、思考を先に進めるような声を掛けてあげると良いでしょう。お子さんが自分で気付くためのサポート、という姿勢が数学の力を伸ばします。

理科は実験や考察の「目的・根拠」を問う姿勢を持って

理科は物理・化学・生物・地学という4分野から成りますが、学校によって出やすい分野傾向があることが多いようです。志望校で頻出の分野は優先的に取り組みましょう。

理科は「好き/嫌い」が分かれやすい科目。理科嫌いにさせないコツをは2つあります。1つ目は「身近な自然現象に興味を持つこと」です。学習指導要領の改訂に伴い、中学受験の入試問題にも「思考力」や柔軟な発想力を重視した形式のものが増えてきました。暗記やテクニックでは解けないこれらの問題に対応するには、「なぜそうなるのか」と疑問と興味を持つ姿勢が欠かせません。休日に博物館に行ったり、親子で自然観察をしたりという「自然科学に触れる機会」を増やすことが、興味のきっかけになることもありますよ。

2つ目は「図や絵を描いて考える」ということ。小5あたりから理科は複雑さと抽象度を増していきます。これまでは「身近な自然」として親しみやすいだった科目のに、急に実験や数字が頻出し難しくなります。ここで「問題を解くときは、図や絵にして考える」方法を身につけさせてみてください。問題文だけではイメージしにくい内容が、ぐっとわかりやすくなります。

社会は「つながり」を重点的に覚える!資料の読みとりも大切

暗記科目と言われがちな社会ですが、ただ重要用語を「点」で覚えていても役に立ちません。ひとつひとつの知識を「つながり」で覚えていくことで、はじめて試験で活きる知識になります。これは地理分野でも歴史分野でも共通のポイント。社会も「なぜそうなのか」というものの見方をしながら学習を進めましょう。

また近年増えているのが「資料の読み取り」問題です。統計図やグラフ、史料、絵、写真などさまざまな題材から情報を読み取り、記述するという形式が見られるようになっています。教科書や資料集、図鑑などを活用し、多様な資料に触れておくと良い勉強になるでしょう。

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中学受験対策はオンライン家庭教師ピースにおまかせ!

中高一貫校の大学受験における躍進や、全国的に設置が進む公立中高一貫校の評判を受け、「中学入試をする」という選択肢はごく一般的なものになってきました。同時に人気校は毎年高い倍率となり、狭き門を多くの人が争う光景も珍しくありません。

中学受験は学校によって出題傾向も異なる上に、勉強計画も子どもたちそれぞれに合わせて考える必要があります。また限られた受験機会を最大に活かすためには戦略的な受験プランも欠かせません。

私たちオンライン家庭教師ピースは、首都圏を始め全国どのエリアの中学受験にも対応できる情報量とカリキュラムを持っています。また実際に中学受験を経験した講師も多数在籍しており、お子さんを精神的な面でもサポートします。

第一志望を勝ち取るために、我が子に必要な勉強は何か。あるいはどんな対策をすれば、あの中学に合格できるのか。そんな個別のご相談もお受けしています。まずはお気軽にお問合せください。

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