英単語の覚え方が知りたい!現役東大生が教える効率の良い方法とは
こんにちは!ピースネットで講師を務めている現役東大生で理科2類に所属している小原です。今回お話するテーマは英単語の暗記です。みなさんは英単語を効率よく覚えられていますか?英単語の暗記は単調だしなかなか覚えられなくて辛いという人も多いと思います。もちろん英単語を覚えるには地道な努力、積み重ねが不可欠ですが、この機会に効率的に覚えるために自分の英単語の暗記方法について見直してみましょう。
目次
英単語は英語学習の基盤である
そもそもなぜ英単語をこんなにもたくさん勉強しなくてはならないのでしょうか?それは英単語を覚えなければ実践的な英語の使用ができないからです。よく「10か国語以上を話せる」という人などがメディアに取り上げられることがありますが実際にそのように極端に多くの言語を学んでいるという人は単語に関してはそこまで勉強をせず、文法のみを勉強している場合が多いです。
しかしこれでは挨拶と単純な文を作るくらいしかできるようにはなりません。実践的に言語を使用する場合には少なくとも身近な物事の名前をその言語で言えるくらいにならないとどうしようもないのです。日常会話をするために最低限覚えるべき単語数は約2000語といわれており、やはり単語を意識的に勉強していかない限りはどこかで単語の限界が来てしまうと思います。
そして、単語と文法というのは英語の4技能読む・聞く・書く・話す、のいずれにおいても欠かすことが出来ないものですので、文法を学ぶと同時に単語の勉強も欠かさないようにしなければなりません。
英単語を多く覚えるメリット
今述べたとおり、英単語というのは英語学習の根幹を成します。しかしそれだけではなく英単語を広く知ることで自身の英語力が様々な点で上がるのです。
読解力が向上する
一般的に英語の長文を読むとき、長文全体の5%程度知らない単語が含まれていたとしても文章の意味が理解できるといわれています。逆に未知の単語の数がそれを大きく上回る場合その文章を理解し設問に解答するのが一気に難しくなってしまいます。
このように英文読解の局面において英単語を知っているか知らないかは一つのターニングポイントになってくるのです。さらに入試問題ともなると難しい文法の合わさった文章が出題されることもあります。そこで、英単語がすべてわかっていれば単語の意味から文章の意味を推測し文の構成も明瞭になってくることがあります。
ライティングで使える語彙が増える
英作文をするときに知っている語彙が多いと当然書ける文章も多くなり、表現の幅が広がります。当たり前のことかもしれませんが知っている語彙が少ないと、ライティングにおいて文章が単調でよくわからないものになってしまうのです。
模試や入試で出題される英作文の問題は非常に点数の差が生まれやすい場所でもあるので豊富な語彙を身に着けて英作文で点数をもぎ取りましょう。
知らない英単語の意味も推測できるようになる
また、英単語をある程度覚えていくとその法則性に気が付くことも増えると思います。言語は人間が作ったものなので完全に法則性に基づいて単語が生まれているわけではありませんがある程度規則性があります。
簡単なものでいうと単語の頭に「un」が付くとlucky⇔unluckyのように意味が逆になることが分かったり、末尾が「able」であれば「compare:比較する」が「comparable:比較できる」となるようにもともとの単語の意味に「可能」の意味が加わることが分かります。このように英単語をたくさん知っていればその語と近い語彙も身につくようになるのです。
英単語をなかなか覚えられない理由
英単語がいかに英語学習において重要であるかはわかりました。では何故英単語を覚えようとしてもすぐ忘れてしまったり、暗記できなかったりするのでしょうか。もし英単語の暗記に苦戦しているようでしたら覚え方に問題があると思います。問題のある暗記のやり方を以下に列挙してみましたので自分がそうなってしまっていないか確認してみてください。
一気にたくさんの量を覚えようとしている
目標が高かったり、勉強のやる気のある生徒さんに多いですが、一度に50単語や100単語を覚えようとするのはあまり効率的ではありません。勿論、人によって記憶力には差がありますし英単語の暗記にかけられる時間にも差があります。
しかし、一気に多くの英単語を覚えようとするのはあまりお勧めしません。様々な場所で引用されるのでみなさんも聞いたことがあるかもしれませんが「エヴィングハウスの忘却曲線」というグラフがあり、それによれば人間は何かを学んだあと1日経過後には67%のことは忘れてしまい、一か月後には80%もの内容が頭から抜け落ちてしまうそうです。100単語を一日で暗記したとしても次の日には半分以上の67語も忘れてしまうのです!
この忘却曲線の結論を踏まえたうえで、記憶を維持するためには何かを学習したらその内容を24時間以内に復習することが有効です。そうすることによって忘れかけていた内容を再び頭に入れることが出来、より記憶の定着を図ることが出来ます。
単語数が多くなればなるほど一つ一つの単語に向ける注意がなおざりになってしまいがちです。初めてインプットするときには一つ一つの単語としっかり向き合い印象的に覚えるようにすること、また、一日に覚える単語の量を少なくし、その代わりに反復して学習することを心がけると良いでしょう。
英単語を見るだけで覚えようとしている
英単語帳を眺めるだけで暗記しようとしていませんか?実は、大変非効率的な覚え方です。小中学校の時に漢字を覚えるときはひたすら書きまくって覚えたはずなのになぜ英単語になると見るだけで覚えようとするのでしょうか?
書くことによって身体でその単語を覚えることが出来ます。これは英単語でも変わらないんですよね。もっと言うならば、英単語の場合は発音もしっかり覚えるべきでしょう。
もちろんこれは英語のスピーキングの能力を上げるという意味でもそうなのですが、それ以上に英単語を音で覚えるという狙いがあります。単語の音読をすることによって聴覚も使って英単語を暗記するのです。こうすれば英単語を身体に染み込ませるように覚えることが可能です。
英単語の勉強時間がそもそも少ない
みなさんは本当に英単語としっかり向き合って勉強しているでしょうか?すき間時間にちょっとだけ覚えてみよう、時間が余ればやってみよう…などと考えて後回しにしていませんか?
自分の勉強時間を振り返えってみると、実は、ほとんど英単語の勉強に時間を費やしていなかったということに気づきます。確かに、他の教科の勉強もあるので英単語ばかりに時間を使ってはいられませんが、英単語の勉強は疎かにされがちなので意識的に「英単語を集中的に覚える時間」などを作り徹底的に覚えるのが好ましいと思います。
現役東大生が教える!英単語を効率よく覚える方法
ここからは私が考える英単語を覚えるときのコツや秘訣をお話したいと思います。
例文を参考にして覚える
まず一つ目は、例文を利用するということです。英単語帳には多くの場合単語とその訳に加えてその単語を使った例文が掲載されています。その例文を読み、書き、聞くことで頭の中で単語を反芻していくと、思ったよりも簡単に単語が覚えられます。
例文を暗記してしまうほどの勢いで繰り返すといいと思います。この覚え方の良い点は早く単語が身に付くというだけではありません。例文でどのようにその単語が使われているかというのを意識すれば英作文の時に役に立ちます。
これは英単語にはコロケーションというものが存在するからです。例えば「強い」は英語でいうと「strong」ですよね。しかし、「強い雨」を英語で言うときには「strong rain」ではなく「heavy rain」なのです。これは知っていなくてはわかりません。英語ではこのように単語と単語にはペアあるいは相性のようなものが存在します。「rain」という単語を勉強するときに「heavy rain」を含む例文を読んでおけば記憶のどこかで「strong rain」ではなく「heavy rain」だということを覚えているかもしれません。
このように実践にも生きる覚え方ができるので例文にも注意を向けることを強く推奨します。
CD音源を利用する
二つ目はCD音源の利用です。単語帳によってはCDが付属でついていたり、別売りで存在すると思います。これを聞き、音源に続いて発音することで覚えるというものです。先ほども述べた通り、覚えるときにはなるべく様々な角度から覚えた方が効果的なので聴覚を使わない手はありません。
CDを使うことのメリットはさらにあります。それは途中で止まらずに勉強できるということです。何も聞かずに英単語の勉強をしていると途中で集中が途切れてしまったり、ペースが落ちてしまうことがありますがCDだと停止ボタンを押さない限り一定の速度とテンポで継続的に勉強することが出来るのです。
派生語も調べる
最後は一つの単語について覚えるだけでなく派生語なども覚えるという方法です。これは一見派生語まで覚えなくてはダメなので量が増えて非効率的だと思うかもしれません。しかし、実際はそうではありません。
例えば「respect:尊敬」という単語がありますよね。この単語について少し掘り下げていきたいと思います。まず「respect」の意味は「尊敬」以外にも「尊重」「点」、動詞として「尊敬する」などの意味があります。さらに形容詞は「respectful:ていねいな」「respectable:尊敬できる」「respective:それぞれの」などがあり、副詞には「respectfully:ていねいに」「respectively:それぞれに」などがあります。「respect」という動詞一つとってもこんなにたくさんの派生語があります。
このように英単語は一つ一つが孤立して存在しているのではなく、単語に幹と枝のような繋がりがあるのです。これらをていねいに追っていくことでその単語の全体像が見えて、覚えやすくなるだけでなく語彙が一気に増えていきます。またこうすることで英単語の暗記が単調な記憶作業から英語を理解してゆく生産的な営みに変わるのではないでしょうか。
英単語の暗記に役立つおすすめの英単語帳
さてここまで英単語の暗記についてその方法を示してきましたが次は何を用いて勉強すればよいか、について私の知っている単語帳を紹介したいと思います。
単語の勉強をしたいけど、どの単語帳を買えばいいのだろうと悩んでいる方は多いと思います。結論から言うとどの単語帳も一長一短なのですが参考程度にみていただければ幸いです。
「Duo3.0」
まず自分の英語のレベルに関わらず、万人にお勧めできるのは「Duo3.0」です。この単語帳の特徴は何といっても役に立つ例文の数々です。この本の宣伝コピーにあるようにこの単語帳は「現代英語の重要単語1600+熟語1000を重複なしで560本の基本例文に凝縮」しています。この560本の例文をものにすればかなりの実力が付くことでしょう。
「速読英単語 必修編」
また、単語帳としては少し特殊ですが「速読英単語 必修編」もおすすめです。この本は英単語を長文の中で覚えるというのがコンセプトです。長文を読んでサラッと単語を覚えたいという方は一度書店で見てみましょう。
「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」
もう一つ私が強くおすすめしたい単語帳は「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」です。分厚いうえに名前に「東大」や「鉄緑会」などと書かれていて敬遠されがちなこの本ですが中身は単語の情報が余すことなく記されており、記載されている熟語や例文は非常に勉強になります。
ただし、想像以上に量が多いので最初は別の単語帳をやってから二冊目としてやるのが好ましいかと思います。この単語帳は東大志望の生徒さんだけでなく、旧帝大や早慶、MARCHを志望している人にも適するものだと思います。
まとめ
さて今回は英単語の覚え方ということをテーマにして覚えられない原因や効率的に覚える方法などをみてきました。英単語の学習は英語を学んでいくうえで避けては通れない道でありなおかつ最も初めにやるべきものです。英単語を効率よく覚えることがその先の英語学習に多大なる良い影響をもたらしてくれることでしょう。皆さんが今回この記事を読んだことをきっかけに英単語の学習を効率的に進めていくことを祈っています。