文系or理系が決められない受験生へ!現役東大生が文理選択のポイントを語ります
こんにちは!ピースネットで講師を務めている現役東大生で理科2類に所属している小原です。今回は文系と理系のどちらを選択するかで迷っている高校生向けに文理選択のポイントについてお話していきます。文系か理系かによって大学受験で使用する科目はもちろん、その後の進路や将来の仕事も変わってくるため、慎重に考える必要があります。
目次
文系と理系の違いとは?
まず皆さんは文系と理系がどう違うのか正確に理解しているでしょうか。異なる点がいくつかあるので順を追って説明していきたいと思います。
選択科目での違い
文理選択は、高校二年生、三年生で学ぶ科目に直接かかわり、その選択により大学入試で受験できる大学・学部にも影響していきます。学ぶ科目という点では、一言でいうと文系は国語・社会を重視、理系は数学・理科を重視するという風になっています。
文系の場合、受験において社会は一般的に地理・日本史・世界史・倫理・政治経済・現代社会の中から二つを選ぶことになり、その科目を共通テストおよび二次試験で用いることになります。また、数学に比べ国語に重点が置かれることが多いという傾向があります。
一方、理系の場合受験において理科は物理・化学・生物・地学の中から二つを選ぶことになり、その科目を共通テストおよび二次試験で用います。また、文系とは対照的に受験では国語よりももっぱら数学を重視します。このような特徴があることから数学が得意だから理系、苦手だから文系というような選び方をする人が多いです。
大学の学部選択での違い
しかし、それだけで文系か理系かを決めるのは安直すぎると私は思います。なぜならここでの選択が大学受験だけでなく、その後の進路にも大きく関わってくるからです。文系を選択した場合は、法学部・経済学部・文学部・教育学部などの学部に進学する場合が多いです。
一方で、理系を選択した場合は、工学部・理学部・農学部・医学部・薬学部がメジャーなところかと思います。そして、これらの学部に応じて職種も決まる傾向にあります。文系の場合、大学を卒業したら就職というのが多いですが、理系では大学を卒業後大学院に2年間通い修士課程を修了する者が多く、中には博士課程まで進む者もいます。そのため、文系と理系では就職のタイミングにも差があります。
また、一般的に文系の方が理系よりも楽であるといわれることが多いです。これは、例えば理系の主要科目である数学・理科は点数を取れる人は取れるが、取れない人は取れないというように点差が付きやすい科目であるからといえるでしょう。
文系の場合、国語・社会は比較的点数が安定しやすい科目で受験においても大失敗ということは少ないです。受験だけでなく大学入学後も理系はとるべき授業が多い一方文系はとるべき科目が少なく自由時間が多いという特徴があります。
実際、私が今所属している東大でも理系は必修が多すぎて自由に講義を選べない一方、文系は必修科目が少なく楽だそうでうらやましいなと思うことが多々あります。
文理選択をいつ決めるべき?
高校受験が終わりやっと高校生になった年に文理選択に迫られます。文系か理系かはだいたい高校一年生の後半に学校から決めるよう指導があります。そのため、それまでに自分の中でどちらに進むのかを考えなければなりません。
私が理系を選択した理由
私自身は、文理選択で理系を選びました。理系を選んだ理由は当時の自分は数学が得意だと思っていたからです。高校一年生のころ私は国語が大嫌いで、読書とは無縁の人生を送っていました。
暗記は、得意だったので社会を学ぶ文系もありだとは思っていましたが、理系に行って研究するのがかっこいいと思い理系にしました。当時はこのくらいの単純な考えで理系を選びました。選ぶ過程は今になって考えると安直すぎたと感じます。
理系を選択すると理科を二科目選択し、数学3を履修しなければなりません。特に数学が苦手な生徒は数3をやりたくない、あるいはできる気がしないという理由で文系にしたりしますが、数3だけ数1A2Bよりもはるかに難しいというようなことはありませんので安心してほしいです。
強いて言いいますと、理系は数学の分量が多くなる分文系に比べて授業の進度が速いです。そのため、履修が終わるのも遅くなり、演習時間が少なくなりがちということが欠点でしょう。
文理選択のポイント
ここからは実際に皆さんが文理選択のときにどうやって決めればよいのかについていくつかのポイントをお話ししたいと思います。
ポイント1.自分の将来の目標に近いのはどちらか
皆さんの中には「医者になりたい」や「弁護士になりたい」というようにすでに将来の夢が大雑把に決まっている人もいると思います。そのような方はその目標に合わせて文理選択をするのが良いでしょう。しかし私もそうでしたが高校1年生の段階で自分の将来像を明確に描けている人は非常に少ないのでこれだけで決めるのは難しいかもしれません。
ポイント2.その勉強を楽しいと思えるか
二つ目の基準はその勉強が自分にとって楽しいのかという点です。興味が無い勉強を続けるのは苦痛ですし嫌ですよね。数学と国語、理科と社会を比べたときにどちらがより興味を持って勉強できそうか、あるいはどちらがより楽しいと感じるのかを考えてみましょう。もちろん勉強自体好きじゃないよ、という方もいると思います。そのような方は先に挙げた科目のうち苦痛がより少ないほうを選ぶというのでもよいでしょう。
ポイント3.数学が苦手だからはNG
数学が苦手だから文系という発想で文系を選択する人はかなり多いと思います。しかしこの選び方はあまりよくないのではないかと思います。なぜなら高校生のときに数学が苦手だからという理由で文系に行ったとしても文系の入試では国立大であればほぼ必ず数学が課されますし、大学に入ってからも経済学部などでは嫌というほど数学を使います。文系に行ったからと言って数学から逃げられるわけではないのです。
文転・理転について
理系から文系に変更することは文転、文系から理系に変更することは理転と呼ばれています。毎年一定数の人が自分の将来のためや学力を考慮して文転、理転を行っています。タイミングとしては高校三年生に進級するときや浪人が決まったときに多く見られます。
どちらをするにしても試験範囲が大きく変わってしまうので簡単なことではありませんが、特に文系から理系への理転は非常に厳しいということを知っておきましょう。文転の場合には履修する社会科目を一つ増やせばよいだけなのに対して、理転をするとなると理科を二科目と数学3を新たに勉強しなければならず負担が非現実的なほど大きくなります。
そのため、文系を選んだ時点で理系の学部に進学することは不可能だと思って良いでしょう。例外的に東大など一部の大学では進学選択制度があり、成績に左右はされるものの文系で入学した場合でも理系の学部に行くことは不可能ではないです。
文転についても同様です。「もしかしたら…」の保険の可能性を残しつつもやはり周りに後れを取るリスキーな選択であることに変わりはないです。
あとで文理を変えることのないように慎重に選びましょう。
まとめ
さて、今回は文系・理系選びで後悔しないためにというテーマの下でお話ししてきましたが参考にしていただけたでしょうか。話をまとめると、文理選択は高校で学ぶ科目だけでなくその後の人生にも多分に影響を及ぼすということなので、自分の興味分野や将来をイメージしながら文系か理系かを選ぶようにしましょう。