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音楽を聴きながらの勉強って・・?現役東大生が語る

こんにちは、オンライン家庭教師ピースで講師をしている現役東大生の小原です。

いきなりですが、皆さんは勉強するときに音楽を聴くことがありますか?「勉強していても音楽がないとすぐ集中が途切れてしまう」「音楽を聴くと勉強がはかどる!」という意見がある一方で、皆さんの中には「音楽を聴きながら勉強してちゃんと身についているのかな?」と不安になる人もいると思います。

そこで今回は、「音楽を聴きながらの勉強は本当に効果的か」という疑問に、現役学生の立場と周囲の意見、有名な研究結果も交えて答えていきたいと思います。

勉強で音楽を聴くことのメリット・デメリット

まずは音楽を聴くことのメリットについて考えていきましょう。
考えられる一つ目のメリットは勉強の持続が可能ということです。皆さんも普段、音楽を聴かずに自習しているときに、長時間勉強したと思いきや、「あれ、まだ全然時間たってないじゃん…」と驚いたことがありますよね。でも音楽を聴いていればなぜか勉強が続くというのは皆さんも経験したことがあるのではないかと思います。

二つ目のメリットは現実世界との断絶です。音楽を聴くことで自分の世界に入り込むことができ、周りの人の話し声なども聞こえなくなり、勉強に集中できそうです。

次にデメリットについて考えていきます。
一つ目のデメリットはやはり音楽に聞き入ってペンが止まってしまうことでしょう。私も頭の中に歌の次の歌詞が浮かんできてしまい勉強が捗らないことが多々ありました。勉強をする目的で音楽を聴いていたはずなのにいつの間にか音楽を聴くだけになってしまいがちですよね。

二つ目は後で詳しく述べますが、受験本番では音楽がないということです。普段の勉強の時からある程度受験本番を意識した環境で勉強をすることが大切だと思います。

音楽を聴いても集中力は上がらない!?

まず結論から言うと、私は音楽を聴きながら勉強することを「基本的には」お勧めできません。なぜならば、音楽を聴いて集中力が上がるという科学的根拠がないからです。

音楽を聴いているとき、われわれの脳では脳内に刺激が伝わることで快楽物質ドーパミンが分泌されリラックスするため集中できているかのような錯覚が起きています。

また、皆さんが受ける入試では音楽を聴くことができません。「そんなことは知っている!」と怒られそうですね(笑)。でもこれはかなり重要な視点です。

私は以前、塾の自習室でずっと音楽を聴きながら勉強しているような時期がありました。そんなある日、いつものように自習室に来て自分のお気に入りの席を確保してさあ音楽を聴こうとカバンの中を探すと音楽プレイヤーがなかったのです。どうやら家において来てしまったらしく、仕方なく音楽なしで勉強を始めました。

すると驚いたことに、普段音楽を大音量で聞きながら勉強していたせいか自習室の静寂が妙に気持ち悪く、全く集中ができずに30分もたたないうちに耐えかねて家に帰ってしまいました。いつのまにか音楽なしで勉強ができなくなってしまっていたのです。もはや依存症でした。

そう、音楽のある環境で勉強すると音楽のない環境で勉強することが苦痛になってしまうこともあるのです。

でも音楽を聴いて勉強したい!

とはいえ、音楽を聴くことで勉強がだらだらでも続けられるならやらないよりはましだと考える人もいるかもしれません。
私も一時期勉強しなければならないのに全く勉強する気が起きず、机に向かうことすらできないということがありました。そのようなときは音楽を聴くことで無理矢理自分の気持ちを奮い立たせて勉強していました。

いったん勉強のやる気が出てしまえば、導火線に火が付いたかのように勉強のやる気は出てくるはずです。なので、依存しない程度に、つまり試験などで気が散らない程度に聞いておけばよいと思います。

ですがその際に注意しておくべきこと一つがあります。
それは聞く音楽の種類です。
歌詞が多かったり、感情移入しやすい歌詞だとそっちに気が向いてしまいあまり集中できません。そのような音楽は人を引き込むので勉強の際には要注意ですね…。

そのためお勧めの音楽としては普通から少しゆっくり程度のテンポの曲、あるいは歌詞のない音楽、英語などの歌詞の曲です。テンポが速すぎたり遅すぎたりする曲だとやはり注意が音楽に向いてしまいます。また無歌詞はもちろん、英語の歌詞の曲だと多くの人は歌詞の意味は知っていても実際聞くと単語と単語が繋がっていたり、発音が曖昧に感じられるため歌詞に気を取られることもなく、集中が続きやすいと思います。

勉強によって音楽は使い分けよう!

先ほど勉強中に音楽を聴くことで集中はできないが、リラックスはできると述べました。つまり、あまり脳が集中してはいないものの精神面では気分の高まりが期待されます。そのため勉強のモチベーションを高め、継続して勉強を行うためには音楽を聴くことが役立ちます。

さて、私たちが行う勉強には大きく分けて二つのタイプがあります。
それは思考を伴う勉強単純作業の勉強です。

前者は国語や英語などの文章を読むこと、あるいは数学や理科での問題文の把握などのことを指しており、この場合は集中して考えないといけないため音楽を聴いていると音楽の方に脳の余計なリソースを割いてしまうために勉強に集中ができないことが多いです。

一方、後者は単純な計算問題や漢字、英単語、社会科目などの暗記物を行う勉強を指しており、たとえ集中できていなくとも継続的に行うことである程度の成果が表れる勉強です。

私も高校時代、勉強するときに音楽を聴くかはその内容によって決めていました。塾の英語の予習や大学の過去問を解くときには絶対に音楽は止めるようにして、数学をしている時と社会科目をやっている時だけ音楽を聴いていました。

音楽でなくBGMを聴く効用

さて、ここまで純粋な音楽について勉強の際に聞くことの良し悪しを議論してきましたが、もしあなたが音楽を楽しみたいからではなく純粋に「勉強を続けるため、集中のため」だけに聞いているのであれば、音楽よりも作業用BGMを聴くことをお勧めします。

作業用BGMとはYouTubeなどにも上がっている勉強する時に流す音楽のことで、普通の音楽のカラオケバージョンや川のせせらぎの音、焚火の音など沢山種類があります。このようなBGMは歌詞がないため基本的に勉強の妨げにはなりません。

そもそも私たちは普段音楽を聴かないで勉強するときでも周囲はたくさんの音であふれています。ほかの受験生のシャーペンの音、参考書のページをめくる音、隣の人の貧乏ゆすり、ドアの開閉や空調の音、そのような音はただの雑音と思うかもしれませんが、実は意外と重要な音なのです。

人間は完全な無音状態では雑音があるときに比べて学習効果が下がるという研究結果があります。

また、作業用BGMを聴くことにはマスキング効果が得られるというメリットが存在します。
マスキング効果とは、ある一定の周波数帯の音を流すことによって同じ周波数の周りの音がかき消される現象のことです。

この現象は商業施設などに用いられ、BGMを流すことで周りの雑音が聞こえにくくなっています。

皆さんがイメージしやすい例だと、今まで運動会などの行事の際に体育館や校庭で音楽に合わせて行進をしたことがあったと思います。その行進の最後に音楽がプツリと止んだ後、静寂とともにどこからか話し声のような何かそわそわした雑音が聞こえたりしませんでしたか?あれはマスキング効果が切れたことにより聞こえるようになった雑音というわけです。この効果をうまく使えば、周囲の人の話し声などに気を取られず勉強することができると思います。

東大生は勉強で音楽を聴く?聴かない?

さて、ここまで音楽を中心に勉強との関連を見てきましたが、実際に東大生たちが音楽を聴いて勉強しているのか、というところも気になるところかと思います。

私の知る限りだと東大生などの一般に勉強ができるとされる人たちはあまり音楽を聴いていない傾向にある印象を受けます。

勉強中に音楽を聴かないという私の友達にその理由を聞いてみると「音楽を聴きながら勉強するのが苦手だから」とのことでした。

これを私なりに解釈すると彼は勉強するときに脳の集中をすべてその問題に費やすため音楽が邪魔でしかないのではないかと思います。

つまり音楽を聴きながら集中して勉強していると思っていても、音楽が流れている限りは脳の一部はそっちに注意が向いてしまいどうしてもパフォーマンスが落ちるのだと思います。

まとめ

  • 音楽は勉強のやる気付けにはよいが依存しないよう、ほどほどに。
  • 音楽は作業系の勉強の際は有効だが思考の妨げになりうるので他の時はやめた方が良い。
  • その代わりBGMを聴くことで効果的に勉強できる

今回は「音楽を聴きながらの勉強は本当に効果的か」というテーマのもとで様々な角度から掘り下げてみました。

もちろん音楽を聴くことでぐんと成績が下がったり、聴くのをやめた途端成績が上がることはないと思います。しかしこのような勉強中の細かい配慮が勉強の質を高めることにつながると思いますので、これからは少しだけ勉強中の音楽についても考えてみてはいかがでしょうか。

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