冬休みの受験勉強を成功させる秘訣!科目別ポイントや準備・計画の立て方も解説
冬休み、いよいよ受験直前期です。気持ちもソワソワしはじめ、どのような受験勉強をすればよいか、迷う人も多いかもしれません。
冬休みは、受験前にまとまった学習時間がとれる最後のチャンスです。目標を定め、計画的に勉強を進めましょう。
この記事では受験学年のみなさんにむけて、冬休みに実力をグンと伸ばす受験勉強の秘訣を解説します。教科ごとの学習ポイントも紹介、「冬期講習は受けるべき?」という疑問にも答えます。
第一志望校合格にむけて、有意義な冬休みにするヒントとしてください。
目次
冬休みに入る前に!万全な受験勉強のための準備5つ
冬休みは期間が短いため、始まってからあれこれと準備を始めるのは時間の無駄です。冬休み初日からロケットスタートが切れるよう、休み前には準備を完了させましょう。
では、受験生が冬休み前にしておくべき準備は、どのようなものでしょうか?5つの観点から解説します。
1. 冬休みに達成したい目標を決める
はじめに、冬休み明けになりたい姿、つまり「ゴール」をイメージします。そのゴールを何かしらの数値に置き換えましょう。それが「目標」です。
イメージのままだと漠然としており、何をすれば良いかつかみにくいため、数値化するのがポイントです。
「過去問で80点以上取れるようになる」「長文読解を10分以内で解けるようになる」など、できるだけ具体的に表現してみてください。
2. 受験勉強計画は逆算して立てる
次に、目標達成に向けた計画を立てます。コツは、逆算思考で考えることです。
受験までの残り時間は限られています。
「1 → 2 → 3 → 4 →…」と積み上げ式に勉強すると、途中で時間がかかると最終的に受験に間に合わなくなるかもしれません。
「10を達成したい!そのために→ 9 → 8 → 7 →…」とゴールからさかのぼるようにしましょう。
3. 勉強時間は「1日10時間」が目安
受験生の冬休みは、「1日10時間」の勉強が目安です。1日のなかでどうやって10時間をつくりだすか、シミュレーションしておきましょう。
朝からダラダラせず、スッと机に向かうと、勉強時間が増やせます。下に「1日10時間」の作り方例を紹介しました。
10時間=2時間×5セットと考えると、意外とできそうに感じませんか?
◎ 「1日10時間」の作り方(2時間×5セット)
7:30~9:30 | 勉強① | 朝食後はすぐ机に向かう。朝のダラダラを防止できる。 |
10:00~12:00 | 勉強② | お昼までにもうひと頑張り! |
13:00~15:00 | 勉強③ | 眠くなりやすいので、場所を変えるのもおすすめ。 |
15:30~17:30 | 勉強④ | 脳が疲れてくる時間、リスニングや作文練習も◎。 |
10:00~12:00 | 勉強⑤ | 1日の復習や明日の準備も忘れずに。 |
4. 勉強する教材やノートを準備しておく
計画どおりの勉強をスムーズに進めるために、勉強に必要な教材やノート、筆記具は冬休み前に用意しておきましょう。
「ノートがない!」「問題集がない!」と気づいた都度買いにいっていては、時間がいくらあっても足りません。
できるだけ勉強を効率良く進められるよう、必要なものはあらかじめ準備しておくことが大切です。
5. 冬休みならではのイベントも考慮する
冬休みはイベントが多い期間です。親戚の集まりや祖父母を訪問する機会もあるでしょう。イベントのために勉強できない日があることも考慮し、余裕を持ったスケジュールを組んでおきます。
冬休みにやっておきたい受験勉強<英語>
冬休みの英語対策は、実戦力を高める狙いで取り組みましょう。
過去問や予想問題にも取り組み、まだ力が足りない分野を見つける学習も大切です。
受験生が冬休みにやっておきたい英語学習について解説します。
単語
冬休みは単語量を一気に増やすチャンスです。
これまでの積み重ねで、ある程度の量は覚えられているはず。冬休みはさらに語彙数を増やしましょう。
冬休みにおすすめの単語ジャンルは、次の3つです。
- 形容詞、副詞
- 類義語、派生語
- 熟語
この3つは他の単語と深く関連しているため、一定の語彙を習得できていると、連想ゲーム感覚で覚えていけます。
英文法
英文法は「曖昧な箇所、不安な単元の完成」を目指しましょう。不定詞・動名詞、関係詞、比較などの頻出単元は、念を入れて確認します。
入試頻出の空所補充問題を解く際は、「なぜその選択肢が正解なのか/正解ではないのか」を自分の言葉で説明できるレベルを目指してください。解説を流し読みするのではなく、自分で解説できるようになると、得点が一気にアップします。
長文読解
長文読解は本番と同難易度の題材に取り組みましょう。
高校受験生なら他県の公立高校入試問題もおすすめ。大学受験生なら共通テストの予想問題がぴったりです。実戦さながらに時間設定をし、制限時間内で解ききれるよう練習しましょう。
冬休みなら、英語は「直読直解」できるのが望ましいです。英文のはじめから止まらずに、構造をとりながら文意を理解する読み方を意識してください。文意が把握できれば、「和訳する」必要はありません。
長文読解の時短には、「パラグラフリーディング」もおすすめです。
『英語長文読解の王道 パラグラフリーディングのストラテジー (1) 読み方・解き方編』島田 浩史|河合出版
冬休みにやっておきたい受験勉強<数学>
どの入試でも、数学で重視されるのは「基本の正しい理解」です。基本の正しい理解とは、教科書に載っている内容・定理を深く納得し、問題を解く際に使いこなせる力を指します。
受験生の冬休みも数学は基本を大切に、良質な問題演習を繰り返しましょう。
基本計算
基本計算は、毎日のルーティンとしてかならず取り組みましょう。
計算問題は「反射神経」にたとえられます。問題を見た“瞬間に”解法が思い付き、手が勝手に動き出すことが大切なためです。
受験生の先輩の中には、「1日計算練習をサボったら、感覚が鈍った」といった人もいました。毎日20問程度で良いので、基本計算の練習を続けましょう。
関数
入試で出やすい「関数」分野は、徐々に取り組む問題のレベルを実戦にあわせていきましょう。
高校入試では「一次関数」に要注意です。一次関数は応用範囲が広く、バリエーション豊富な問題が作れます。実際入試でも、二次関数は小問として出されるのに対し、一次関数は文章題として大きな配点を占める場合も少なくありません。
共通テストでは新しいタイプの問題も増えています。融合問題にもなりやすいため、さまざまなパターンの問題演習に取り組んでおきましょう。
図形
図形分野は、基本的な定理をいまいちど確認しておきましょう。定理が成立する条件や、よく使われる場面も押さえます。
定理を間違って覚えていると、大問まるまる失点しかねません。
高校受験生は、作図のやり方も確認しておいてください。公立高校・私立高校とも、作図問題は頻出です。
冬休みにやっておきたい受験勉強<国語>
普段はどうしても英数が勉強の中心になる、という受験生も多いはず。時間がつくりやすい冬休みは、じっくり国語の読解問題に取り組みましょう。
入試レベル相当の問題集を用意し、毎日コツコツと進めるのがおすすめです。
評論読解
評論文(説明文・論説文)は、解き終わって答え合わせが最重要です。単に「正解/不正解」をチェックするだけではなく、「自分は本文を“正しく”読めていたか」を確認しましょう。
やり方はとても簡単で、「問題の解説を熟読する」だけです。解説は読んでいるようで流し読みになっている受験生も多いため、ライバルと差をつけられます。
解説は、冒頭の「作品背景」「出題の狙い」から読み始めてください。その後、1問1問の解説を“選択肢1つずつ”、本文と照らし合わせながら読み進めます。
自分の解釈が間違っている箇所に気づいたら、「なぜ間違えたのか」原因を本文から探すようにしましょう。
古文読解
古文対策を完成させるポイントは「単語」と「本文解釈」です。古文単語は受験用の単語帳を使い、重要語句から確認します。とくに現代日本語と意味が違うことばは、解釈ミスを誘発します。ただしく押さえてください。
本文の解釈は、登場人物に印をつけながら、「誰が・何を・どうした」に注目して読みます。主語が省略されていたら、敬語や助動詞から推測します。
最後に必ず本文と解説の解釈を見比べ、自分が正しく読めているか確認してください。
漢字の確認
入試ではかならず漢字問題が出されます。冬休み中も隙間時間などをつかい、漢字を確認しておきましょう。
同音異義語や紛らわしい用法の漢字の使い分けは、入試でもよく狙われるポイントです。
冬休みにやっておきたい受験勉強<理科>
理科は冬休みからでも逆転可能な教科です。「物理・化学・生物・地学」4分野それぞれの基本を再確認し、実戦問題演習に取り組みましょう。
もし苦手な単元があれば、克服できるラストチャンスです。
重要用語の総チェック
冬休みのできるだけ始めに、重要用語の総確認をしましょう。もし忘れていたり、理解があいまいだったりする用語が見つかれば、正しく覚え直します。
用語の再確認には、教科書や参考書の索引や確認用ページが便利です。太字の用語を中心に、全体を網羅しておきます。
計算問題
理科の計算問題には、数学とは異なるアプローチが必要です。小数の計算も正しくできること、単位を間違えずに扱えることなど、数学ではあまり意識しない作業が増えるため、スピーディーに処理できるよう練習しましょう。
計算問題だけを集めた問題集や、過去問の小問集合(問1)を反復するのもおすすめです。
考察問題
近年の入試は、実験や考察に関する問題が増えています。考察問題には「問題文が長く、情報の読み取りに時間がかかる」「グラフや表からデータを正しく読み取る必要がある」といった特徴があります。
慣れていないと「時間がかかる割に正答率が低い」結果になりかねないため、積極的にトレーニングしましょう。
考察問題は化学・生物分野によく見られます。化学・生物が苦手な受験生は、特に注意してください。
冬休みにやっておきたい受験勉強<社会>
社会は直前まで伸びる教科です。これまであまり力を入れてこなかった受験生も、冬休みは社会に注力してみましょう。
勉強すればするだけ得点に反映されやすいため、逆転合格を狙えるかもしれません。
重要用語の総チェック
社会も理科同様、重要用語の総チェックからはじめます。「地理・歴史・公民(政治・経済、倫理)」、3つの分野の重要用語を復習しましょう。
確認しておきたい点は、次の3つです。
- 意味を正しく理解できているか
- 似た用語と区別できているか
- 漢字で正しく書けるか(高校受験生)
資料の読み取り問題
思考力・判断力を重視する新しい学習指導要領の影響を受け、「資料を読み取る問題」が増えています。
見慣れない資料や馴染みの薄いテーマが与えられる場合も多いため、「根拠」を探しながら読み取る練習をしましょう。
問題にかかれている内容、また回答だと考えられる内容のいずれも、かならず資料中に根拠を探す癖をつけます。
記述問題
高校受験生、また個別試験で社会を使う大学受験生は、記述問題対策も必要です。
記述問題は「限られた字数に、必要な情報を、抜け漏れなく入れること」が重要です。書きたいことを端的に書けるよう、何度も練習しましょう。
書いた答案は塾の先生などに添削してもらいます。もし塾に通っていない場合は、オンライン家庭教師などを利用してみてください。自宅にいながら、マンツーマンで必要な指導を受けられます。
冬休みにやっておきたい受験勉強<その他>
5教科の受験勉強以外にも、対策が必要な項目がある受験生も多いでしょう。小論文や作文、志願理由書などの準備も、時間がある冬休みに進めておきましょう。
小論文・作文
公立高校の前期選抜(特色選抜、推薦選抜など)を受験する予定の中学生は、小論文や作文が課される場合があります。過去の出題傾向をチェックし、1~2本で良いので書いてみましょう。
小論文や作文は、いきなり書こうとしても失敗します。テーマを自分なりに解釈し、書く要素を洗い出して並べる「構成」を挟むと、グンと書きやすくなります。
小論文・作文の書き方について詳しくは、こちらの記事をチェックしてください。
「推薦入試の作文・小論文の練習手順!正しい書き方や今日からできる成功のコツも解説」
面接
面接の予定がある受験生は、冬休み中に「よくきかれる質問集」への回答を準備しておくと良いでしょう。
よくきかれる質問集は、インターネットで探すほか、学校の進路指導室でも見つけられます。過去に受験した先輩からヒアリングした質問集なので、より実戦的で志望校に即した内容が手に入ります。
自分の素直なことばで、質問に答えられるよう準備しましょう。
志望理由書
公立高校の前期選抜を受ける場合、冬休みがあけると「志願理由書」の準備が始まります。ただ冬休み明けは学校のテストがあったり、受験勉強も本格化させたりと忙しい時期とも重なります。
志望理由書は数回の書き直しが必要なケースがあるため、冬休みのあいだに「下書き」を済ませておきましょう。
志望理由書のフォーマットは、教育委員会ホームページからダウンロードできます。高校を志望した理由、高校で頑張りたいことを中心に書き、休み明けに学校の先生に添削してもらいましょう。
冬休みの受験勉強を成功させる秘訣
冬休みは「直前」というプレッシャーから、落ち着かない気分になる受験生も多い時期です。そんな時期に、それでも成果につながる受験勉強を進めるためには、いくつかのコツがあります。
全受験生に共通する、冬休みの受験勉強を成功させるコツを4つ、解説します。
体調管理を万全にする
まず、なんといっても体調管理です。体調不良ほど、集中力を下げるものはありません。以下の点を意識し、体調を万全に整えましょう。
- 規則正しい生活
- 十分な睡眠
- 消化の良い食事
- 基本的な感染症対策
とくに睡眠時間は気を付けてください。あたりが静かな夜は集中しやすいため、気づくとアッという間に時間が経っていることもあります。
一度夜更かしすると翌朝起きられず、生活リズムが乱れます。
「夜は決まった時間には休み、朝は学校がある日と同じ時間に起きる」、この生活習慣を維持しましょう。
休むときはしっかり休む
いくら気を付けていても、体調が良くないときはあるものです。早めに休めば一晩で良くなっていたはずなのに、無理をしたために長引かせてしまうこともあります。
「ちょっとおかしいな」と感じたら、しっかり休むようにしましょう。
風邪気味かな?と思ったら、あたたかい発酵茶(ほうじ茶・ウーロン茶・ルイボスティーなど)や生姜湯で身体を温めましょう。
身体が温まると寝つきも良くなり、一石二鳥です。
過去問の出来が悪くてもあせらない
冬休みには、まだ受験勉強が完成しきってはいません。過去問を解いても、期待通りの点数が取れない場合もあります。
落ち込みたくなったら、こう考えてください。
「本番までに、まだ伸ばせるポイントが見つかったんだ!」と。
受験生は、本当に受験当日まで実力が伸びます。演習を通じ、アウトプット力が高まるのはこれからです。
過去問でできなかった箇所をできるようにすれば、その分だけ合格が近づきます。落ち込まず、気持ちを切り替えて頑張りましょう。
悩みや不安を誰かに聞いてもらう
不安な気持ちや悩みは、誰かに吐き出しましょう。
吐き出した分だけ気持ちにスペースができ、ゆとりを持てるようになります。一人で抱え込まず、遠慮なく誰かに話しましょう。
話す相手は親や友達、塾の先生、家庭教師など、誰でも構いません。
また「Studyplus(スタディプラス)」「StudyCast(スタキャス)」などの学習管理アプリも使ってみてください。全国の仲間とゆるくつながりあえて勉強の励みになります。
冬休みの受験勉強に塾の冬期講習は有効か
受験生は、塾の冬期講習を受けるべきかどうか。
まず、大学受験生には冬期講習は不要です。解説授業を受け、理解を深める段階はとうに終わっているからです。冬休みは共通テストに向けて、自分のペースで実戦演習を続けましょう。
塾は自習室として、あるいは質問する場所として活用してください。
高校受験生の場合は、自分の現状と冬期講習の内容を照らし合わせて受講するかどうか決めましょう。
「いま自分が困っている課題を解決するメニューがある」「志望校にピッタリの講座がある」等の場合は、有意義な冬期講習になります。一方で、自力でできる問題の指導を受けなければならない講座なら、受けても実力は伸びません。
受講を決める前に、冬期講習の内容をよく確認してみてください。
冬休み中の受験勉強補強にはオンライン家庭教師がおすすめ
冬休みの受験勉強は、「自分のペースでの問題演習」と「わからない点の的確な指導」の2つの要素が必要です。
どちらも一人ひとり進み方が異なるため、一斉指導より個別での指導が向いています。
個別指導のなかでもおすすめなのが、オンライン家庭教師です。オンライン家庭教師は自宅にいながらマンツーマン指導が受けられるため、本当にサポートが必要な箇所に絞って、効率よく勉強できるからです。
また塾に移動する必要がないため時間も有効活用でき、感染症の心配もありません。
オンライン家庭教師ピースなら、冬休みの短期集中で受験勉強のサポートも可能。お子さんと相性の合う講師を、3,000人以上のなかから選抜します。
まずはお子さんの現状やお悩み、志望校をお聞かせください。最適な講師をご紹介します。
まとめ
受験生の冬休みは、実戦問題演習が受験勉強の中心になります。まだまだ歯が立たず、満足いく点数が取れない日もあるかもしれませんが、大丈夫!
「受験生は、受験当日まで伸びる!」、この言葉を胸にコツコツがんばっていきましょう。
実力を伸ばすためには、問題を解いたあとの「解説」理解が重要です。1行1行を徹底的に理解するよう、丁寧に読みましょう。問題文や本文にも適宜もどりながら、自分が正しく理解できているかをすり合わせます。
どうしても理解できない箇所は、遠慮なくプロのサポートを頼りましょう。マンツーマン指導を自宅で、しかも通塾より安く受けられるオンライン家庭教師なら、いつでも気軽に質問できます。