通知表の「家庭から」欄は何を書く?学年別おすすめ内容やNG例、例文も紹介
学期末にもらう「通知表」。成績を見てそのまま保管、休み明けの直前になって、「家庭からのコメント、書いてない!」と慌てた経験を持つ親御さんも少なくないかもしれません。あるいは「一体何を書けばいいのか」「書くことがなくて困る」といった声もお聞きします。
この記事では、通知表の役割からコメント欄に書くべきこと、また学年別・よくある状況別におすすめの例文もまとめました。最後まで読み、ぜひお子さんに合わせてアレンジしてご活用ください。
目次
通知表は家庭から情報発信に使ってもよい
通知表の役割は、学校から家庭に教科の成績を伝えるだけではありません。学校と家庭、そして子ども本人をも含む三者の連携を強め、より良い指導を実現するためのものでもあります。
はじめに通知表が持つ役割と、通知表に「家庭から」のコメント欄がある意義を解説します。
通知表の役割
通知表には、大きく3つの役割があります。
学校から家庭へ | 学習状況や生活について知らせる |
---|---|
学校から児童へ | 学習状況や学校生活の現状を認識させ、前向きな取り組みを促す |
学校内で | 指導要録による「評価の考え方」を踏まえ、児童の学習過程や成果などを適切に評価し、その後の学習支援に役立てる |
通知表はつい、「学校から家庭へ成績を知らせる」役割だけに注目しがちですが、「子ども本人の自覚を促す」「学校内での指導改善のきっかけとする」という役割もあることを知っておきましょう。
通知表コメント欄の意義
通知表の役割を理解すると、通知表に「家庭から」のコメント欄がある意義も納得できるのではないでしょうか。
通知表にコメント欄があるのは、「学校に家庭での様子を伝えることで、より子どもに合う・子どもを伸ばせる指導法や関わり方を見つけてもらうため」です。
子どもたちは、家庭と学校とでは「別の顔」を見せています。内弁慶・外弁慶という言葉が象徴するように、TPOに応じて自分の在り方を使い分けているのです。担任の先生は、子どもの「学校での顔」しか知りません。「家庭での顔」を知ることで、一層その子を深く理解できるようになります。
学校に家庭での子どもの様子を伝える数少ない機会、それが通知表にコメント欄がある意義です。
通知表に書く家庭からのコメント おすすめ内容
「学校に子どもの家庭での様子」を知らせる役割がある通知表のコメント欄ですが、いざ書こうとすると何を書けば良いかと迷ってしまうことも多いでしょう。決して広くはないスペースのため、前置きを長く書き過ぎると本題が書ききれないことにもなりかねません。
通知表のコメント欄に書いておきたい内容を5つご紹介します。5つを順番に書いていくと、シンプルで分かりやすいコメントが完成しますよ。
日頃の指導に対するお礼
はじめに、先生に対して日頃指導してくださることのお礼を伝えましょう。導入としての役割も果たすため、堅苦しくなく、気軽な挨拶でまとめて大丈夫です。
「子どものことをよく見てくださって、ありがとうございます」
先生のコメントに返信
通知表には、先に先生がコメントを残してくれています。導入に続いて、そのコメントに対する返信を入れましょう。
「友達に思いやりの態度が表せるようになったのですね。このまま優しい子に育ってほしいと願います」
家庭での様子や知らせておきたいこと
次に家庭での様子や、先生に知らせておきたいことを書きます。学校では見られない、家庭ならではの様子が分かる内容がおすすめです。
また通知表のコメント欄はスペースが限られているため、「重い話題」は避けた方が無難。個別に相談したい内容は、あらためて面談の機会を作ってもらうなどしましょう。
「最近は、祖父母がする昔の話に興味を持っています」
「ずっと苦手だった縄跳びも、先生の励ましのおかげで家でも練習するようになりました」
子どもの目標やこだわり
目標やこだわっていることがある場合も知らせておくと良いでしょう。学校で先生から励ましを受け、やる気につながるかもしれません。
「サッカーチームで、選抜メンバーに選ばれました。大会に向けて頑張っています」
「習字が順調に進級でき、自信になっているようです。最近は漢字練習を丁寧にやるとこだわりはじめました」
まとめ
最後に締めの言葉をおいて、コメントをまとめます。今後もお世話になることへの感謝を伝えると良いでしょう。
「ご厄介をおかけすることも多いかもしれませんが、見守っていただけると嬉しいです」
通知表に書く家庭からのコメント NG内容
書くべき内容がルールで決まっているわけではない通知表の「家庭から」欄には、基本的に何を書いても構いません。ただし、書かない方が良い内容はあります。
避けるべき話題3つを、それぞれ解説します。
学校や先生に対する批判、意見など
学校や先生、指導法に対する批判や意見などは、コメント欄には書かない方が良いです。通知表のコメント欄はスペースが限られているため、批判や意見を誤解がないように詳しく書くのは難しいこと、また「言いっぱなし(書きっぱなし)」になるため、伝えられた先生方も対応に困ってしまうからです。
先生に伝えたい話は、面談など対面できる機会を設けてもらうようにしましょう。
子どもの悪口
子どもの悪口も、通知表に書いてはいけません。通知表は子ども本人も目にするからです。先生に提出する前に子どもが通知表を開くことは、十分考えられます。親からのコメントが、自分の欠点や悪い点ばかりに言及していたら、子どもはどんな気持ちになるでしょう。
もし子どもの発達や勉強の取り組み方で気になる点があれば、通知表の「家庭から」欄に書くのではなく、先生に直接伝えるようにしましょう。
まったく関係のない内容
日頃から先生とのやりとりが多い、またはフレンドリーな関係性だという場合に注意したいのが「まったく関係ない内容を書かないようにする」ことです。「普段から頻繁に話をしているから、改まって書くことがない」「友達感覚で書いてしまう」といった場合に起きやすいので気を付けましょう。
通知表は子どもの成長記録として、ずっと残るものです。親が書いたコメントも残ります。「家庭から」欄の意義を理解し、誠実な内容を書くようにしましょう。
学年別!通知表に書いておくと良い家庭からのコメント
先に紹介した「通知表の『家庭から』欄に書くおすすめの内容」に沿って、学年別にコメントの例を紹介します。お子さんやご家庭の状況に合わせて、アレンジしてみてください。
小学1年生
小学校1年生は、学校生活が始まったばかり。「学校に慣れているか」「楽しく通えているか」「心配なことはないか」といった先生の不安に配慮したコメントがおすすめです。
◎小学校1年生のコメント例
指導へのお礼 | 先生、いつもご指導ありがとうございます。 |
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先生への返信 | 学校では友達もたくさんでき、休み時間も楽しく過ごせているようで安心しました。 |
家庭での様子 | 最近は、家でもよくお手伝いをしてくれるようになりました。給食の準備をする中で、「自分が動く」ことの重要性を理解しはじめたようです。 |
目標・こだわり | 通っているスイミングは、もうすぐ上級クラスです。進級テストに向けて頑張っています。 |
まとめ | これからも楽しく学校に通えるよう、ご指導よろしくお願いいたします。 |
小学2年生
2年生になると、勉強も徐々に難しくなってきます。入学当時は横並びだった児童同士にも差がつきはじめ、心配が募るご家庭や先生も増えてきます。一つひとつのコメントを、より具体的にまとめるようにすると良いでしょう。
◎小学校2年生のコメント例
指導へのお礼 | いつも優しく見守ってくださり、ありがとうございます。 |
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先生への返信 | 新入生への学校案内で張り切っていたとのこと、きっと“お兄さん”になったのが嬉しかったのでしょうね。 |
家庭での様子 | 家では、自分で捕まえたカブトムシを飼育し始めました。朝晩世話をしながら、話しかけています。 |
目標・こだわり | 「サッカーをやりたい」とも言い始めました。友達の〇〇くんから話を聞いて、興味がわいたようです。Jリーガーになりたいとも言っています。 |
まとめ | 活発な子で、お手を焼かせることも多いかと思います。今後ともよろしくご指導のほど、お願いいたします。 |
小学3年生
小3になると、中学受験を考えるご家庭も出始めるでしょう。もし中学受験を考えている場合は、早めに先生に知らせておくのがおすすめです。通知表のコメント欄は、「取り立てて面談するほどではないが耳にいれておきたい」内容を伝えるのにも活用できます。
◎小学校3年生のコメント例
指導へのお礼 | いつもお世話になり、ありがとうございます。 |
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先生への返信 | 友達のケンカを仲裁することがあるのですね!思いやりを大切に、大きくなっていってほしいと思います。 |
家庭での様子 | 実は中学受験を考えています。〇〇中か、△△中が候補です。 |
目標・こだわり | 夏休みに受験塾の夏期講習に行ってきます。クラス分けテストがあるようで、今から本人もそわそわしています。 |
まとめ | 進路がどうなるか流動的ですが、引き続きご指導よろしくお願いいたします。 |
小学4年生
4年生は「小4の壁」「10歳の壁」と呼ばれる、難しい年齢を迎える学年です。他者からどうみられるかという意識も強くなり、劣等感を抱きやすい時期ともいわれています。友達関係に悩むお子さんも増えるため、お子さんが見ても安心できるよう、わが子への思いを素直に綴るのがおすすめです。
◎小学校4年生のコメント例
指導へのお礼 | いつもあたたかいご指導をありがとうございます。 |
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先生への返信 | クラスで率先して活動に取り組んでいるのですね!積極的に、いろいろなことを学んでいってほしいと思います。 |
家庭での様子 | 家では、友達関係の悩みを口にすることが増えました。女の子ならではの関係性が難しい年ごろのようです。 |
目標・こだわり | 人間関係では自己主張も、共感や思いやりも大切。こだわりを押しすぎず、適度な距離感の保ち方を学んでほしいと思います。 |
まとめ | 微妙な年ごろになってきましたが、これからも見守ってやってください。 |
小学5年生
5年生は勉強、特に算数の難しさが格段に上がる学年です。分からないことが積み重なると、勉強全体に苦手意識を持ってしまうお子さんも。家庭学習の様子などを詳しく伝え、先生にサポートを依頼するのも良いでしょう。
◎小学校5年生のコメント例
指導へのお礼 | いつもあたたかな関わりを、ありがとうございます。 |
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先生への返信 | 積極的に委員会活動ができた学期だったようですね。上級生の自覚が出てきたのかなと嬉しく思います。 |
家庭での様子 | 算数が難しいようで、宿題がなかなか進まず苦労しています。兄の時もそうでしたが、5年生は苦戦する学年ですね。 |
目標・こだわり | それでも「できるようになりたい」という意識が強いようなので、塾に通ってみようかと思っています。 |
まとめ | 来年は最上級生!引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。 |
小学6年生
小学校最終学年になる6年生は、徐々に中学への準備が始まる年でもあります。学習面、精神面ともに心配が尽きないのは、ご家庭も先生も同じです。中学への抱負を盛り込んだコメントにすると、よくまとまるでしょう。
◎小学校6年生のコメント例
指導へのお礼 | いつもわかりやすい授業をありがとうございます! |
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先生への返信 | 児童会の役員候補に立候補したとのこと。「先に立つ」意識が感じられて、頼もしいなあと感じました。 |
家庭での様子 | 中学に向けて、少しずつ気持ちが変わってきている様子も見られます。「勉強、がんばらなきゃ」と言うことが増えました。 |
目標・こだわり | ずっと続けているクラブチームも、中学入学を機に辞め、部活に専念したいそうです。陸上部に入りたいと言っていました。 |
まとめ | 残りわずかの小学校生活、無事終えられるようよろしくお願いいたします。 |
家庭から通知表に書くコメント例文
学年を問わず活用できる、通知表の「家庭から」欄のコメント例をご紹介します。小学生に多い「友達関係の悩み」「勉強の得意不得意」「学校外の習い事」という3つのポイントでまとめました。
友達関係で悩んでいる場合
友達関係で悩みがある場合は、相手の子を悪く言ったり、根も葉もないうわさを書いたりするのは厳禁です。あくまで「わが子」だけにフォーカスし、子どもの気持ちを代弁するコメントを心がけましょう。
いつもご指導ありがとうございます。
最近、友達関係で悩んでいる様子が見られます。クラスでの居心地や休み時間の過ごし方に、違和感を持っているようです。
本人のやや神経質な性格もあって、些細なことでも気に病んでしまい、結果的にお友達に誤解を招かせてしまうこともあるのかなと思います。
もし、先生からご覧になって、気になることがあれば教えていただけますか?家庭でできることもあれば、お知らせいただけると助かります。
今後ともよろしくお願いいたします。
勉強の得意不得意がある場合
教科によって得意不得意がはっきりしている、苦手教科が出てきたといった場合も、通知表で一言触れておくとよいでしょう。先生も日頃の取り組みから把握しているはずですが、家庭からも伝えることで細やかなフォローしてもらえる可能性もあります。
いつも見守ってくださり、ありがとうございます。
5年生になり、勉強の苦手がはっきりしてきたようです。国語や英語といった「ことば」を使う教科が不得手なのか、宿題もやりたがりません。中学や高校でも必要な教科ですから、できるところから頑張ってほしいと思っているのですが……。
辞書を使うのも面倒だとも言います。でも、もしかしたら使い方が分かっていないのかもしれません。家でも練習してみますが、学校でもサポートしていただけると嬉しいです。
3学期も引き続き、よろしくお願いいたします。
学校外の習い事を頑張っている場合
通知表の「家庭から」欄は、先生に学校外での頑張りを伝えるのにもうってつけです。習い事の様子なども盛り込んでみましょう。
いつもあたたかなご配慮、ありがとうございます。
1年生から続けている習字教室で、この前ついに八段試験に合格しました!級から段へ進むことを目標にしていたので、本人もとても嬉しそうでした。作品は教室にも大きく張り出され、師範にも褒めてもらったそうです。
「文字を書くこと」に自信を持てている様子が、親から見ても頼もしいなと感じます。
引き続きご指導のほど、よろしくお願いいたします。
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まとめ
通知表は、学校と家庭、そしてお子さん本人との三者の連携を強め、より良い指導法や関わり方を探すために作成されます。コメント欄は成績からだけではわからない、お子さんの様子を伝えあえる、貴重な場所。惰性でなんとなく書くのはもったいないことです。先生に伝えておきたいこと、知っておいてほしいことを中心に、しっかり書くようにしましょう。
限られたスペースのため、書く内容は事前に整理しまとめておくのがおすすめです。ご紹介した基本的な構成に沿って、メモを作ってみると良いですよ。